【助産師監修】新生児が夜に寝てくれない!寝ないのは問題?原因と対策を解説
新生児が夜に眠ってくれないと、何か問題があるのではないかと不安になってしまいますよね。ここでは、新生児の眠りのメカニズムと、赤ちゃんが寝ないときの原因や対処法を紹介します。ママやパパ負担を軽くする方法も、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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目次
新生児が夜に寝ない理由とは
新生児は昼夜の区別がついていない
生後1ヶ月頃までの赤ちゃんは、昼夜の区別が付いていないものです。そのため、夜に眠ってくれなくても不自然ではありません。
生後2~3ヶ月頃から徐々に昼夜の区別が付き始め、生後4ヶ月頃になると昼は起き、夜は眠るようになることが多いです。ただし、個人差があるので、「昼夜の区別がなかなかつかない」と焦らないようにしましょう。
新生児の睡眠サイクル
生まれたばかりの赤ちゃんはの睡眠パターンは、 1~2 時間の覚醒と 1~4時間の睡眠を繰り返します。浅い眠りが多く、ささいな刺激で目を覚ましてしまうことも少なくありません。1日に16〜20時間ほど眠ります。(※1)
新生児が寝ない原因と対処法
お腹が空いている
新生児がなかなか寝てくれなかったり、眠ってもすぐに目を覚ましてしまったりする場合は、お腹が空いているのかもしれません。特に母乳育児の場合は、赤ちゃんがどのくらいの量を飲んだのか目で見てわからないものです。もしも母乳だけでは足りない場合は、ミルクに頼るのも良いでしょう。
ミルクは母乳よりも腹持ちが良いといわれているので、長く眠ってくれるようになるかもしれません。また、ミルクの場合も、授乳中赤ちゃんが眠って既定の量が飲めないようであれば、起こしてしっかりと飲ませ切るようにしましょう。ただし、母乳でもミルクでも、体重増加が正常で順調に成長していれば、それ以上に起こして無理に飲ませる必要はありません。
新生児はおっぱいやミルクを長時間飲めていないと脱水の心配があります。したがって、個人差はありますが3~4時間の間隔で授乳をすることが望ましいです。赤ちゃんが寝ている場合も起こして授乳を試してあげてください。
赤ちゃんが産まれてから2ヶ月ほど経つと、夜はよく寝て、起きたらおっぱいやミルクをよく飲むという赤ちゃんもいます。その場合は、赤ちゃんの授乳のサイクルが整っていると考えられるので、夜中に授乳のために無理に起こさなくても問題ありません。
また、新生児のうちは排尿回数も大切です。24時間で6回以上の排尿がある場合は、脱水の可能性は低いと考えられています。排尿回数も配慮して、おっぱいやミルクを与えるか決めてみてくださいね。
ゲップがでない
母乳やミルクを飲むとき、赤ちゃんはいっしょに空気を飲み込んでしまいます。そのままだと、胸が苦しくて眠れなくなったり、吐き戻したりすることもあるので、ゲップで飲み込んだ空気を外に出さなければなりません。しかし、赤ちゃんは自力でゲップをすることが難しいため、背中を軽くたたくなどして手伝ってあげるようにしましょう。
どうしてもゲップが出ないときは、授乳のときにほとんど空気を飲み込んでいなかったのかもしれません。5~10分経っても出ないときは無理にゲップをさせず、顔を横向きにして寝かせてあげてくださいね。万が一ミルクを吐いてしまっても、気道に入らないので安心ですよ。
「それでも心配…」という方は、赤ちゃんの頭が胃よりも高くなる状態にして5~10分より少し長く抱っこしてあげると良いでしょう。
体がかゆい・不快感がある
新生児の肌はデリケートで汗をかきやすいので、新生児ニキビと呼ばれる乳児湿疹やあせもができやすいものです。体の不快感が強いとなかなか眠れなくなってしまうことがあるので、注意が必要です。汗をかいたらすぐに着替えさせたり、保湿をしたりと肌トラブルに気をつけるようにしましょう。また、こまめにおむつを替えると、おむつかぶれの予防に効果的ですよ。
鼻づまりがある
赤ちゃんは授乳中も鼻でじょうずに呼吸をしていますね。実は、飲み込む動き(嚥下)と呼吸を同時にできるのは新生児期特有のもので、成長すると「のど」の構造が変化し、嚥下と呼吸は一緒にできなくなります。この嚥下と呼吸の使い分けができるようになるころに、離乳食が始まります。
こうした呼吸機能の特徴から、新生児は口呼吸がうまくできません。それに加えて、赤ちゃんの鼻腔はとても狭く、鼻水のような生理的な分泌物が出ているため、鼻が詰まりやすい状態です。これらの要因が重なり、呼吸が苦しくなると眠れずにぐずってしまいます。赤ちゃんが鼻づまりで寝ないときは、頭を少し高くしてあげると鼻が通り眠りやすくなりますよ。
便秘
消化器官が未発達だったり、授乳量が十分でなかったりすることで、便秘になってしまう新生児もいます。便秘のせいでお腹が張ったり、不快感があったりして、赤ちゃんが眠れない可能性があります。もしも便秘で苦しそうなら、お腹を「の」の字にマッサージをしてみてくださいね。お風呂の後など温まったときが良いでしょう。綿棒浣腸も、便秘がひどい場合に効果的です。なかなか便秘が解消されないときには、一度医師に相談してみましょう。
室温・湿度が適切でない
部屋が暑すぎたり寒すぎたりすることも、新生児が眠れない原因のひとつです。赤ちゃんはまだ上手に体温調節をすることができないので、空調や服装などを調節してあげるようにしましょう。
体調不良
赤ちゃんがなかなか寝なかったり、機嫌が悪かったりするときは、風邪などで体調が悪い可能性があります。体温を測ったり、便の状態や授乳量などを確認したりして、普段と違う症状がないか注意するようにしましょう。
日中の刺激が強すぎる
赤ちゃんの成長のためにと、日中にたくさん遊んであげたくなるかもしれませんが、過度な刺激は赤ちゃんが眠れない原因を作ってしまうことがあります。始めのうちは5~10分ほどから、赤ちゃんに無理のない範囲で遊んであげるようにしましょう。
精神的な不安
今までお腹の中で育っていた赤ちゃんにとって、子宮外の世界は未知の世界です。そのため、新しい環境に慣れるのに時間がかかり、精神的な不安を感じていることがあります。抱っこをしたり、おくるみを使ったりして、胎内に近い環境を作ってあげると安心して眠ってくれるかもしれません。
また、胎内音がなるぬいぐるみやメリーなどを活用しても良いですね。ビニールのクシュクシュという音を聞かせるのも効果的ですよ。
新生児が夜に寝ないときにママやパパの負担を軽くする方法
無理に寝かせようとしない
新生児が夜に寝てくれないと、赤ちゃんに付き合うママやパパの負担は大きいものです。ただし、無理に寝かせようとすると、ママやパパは寝てくれない赤ちゃんによりストレスが溜まってしまうこともあるでしょう。そのため、「寝ないなら仕方ない」と開き直ると、少し心が軽くなるかもしれませんよ。
周囲の人に頼る
夜に眠ってくれない赤ちゃんのお世話をしていると、ママやパパ自身が寝不足でつらくなってしまいますよね。寝られなくてつらいときは、パートナーや祖父母など、周囲の人の手を借りるのもひとつの方法です。完全母乳のママでも、あらかじめ母乳を搾乳しておけば、授乳を代わってもらうこともできますよ。
赤ちゃんといっしょに昼寝をする
夜に赤ちゃんが眠らなくて寝不足のときは、ママやパパも赤ちゃんといっしょに昼寝をしても良いですね。妊娠・出産のあとママの子宮や身体が完全に回復するには、およそ1~2ヶ月かかるといわれています。とくに赤ちゃんが新生児のころは無理をせず、休めるときに休息をとるようにしてくださいね。
赤ちゃんの昼夜の区別をつけるために
昼と夜のメリハリをつける
昼は部屋を明るくし、夜は暗くするなど、昼と夜のメリハリをつけるのも、赤ちゃんの生活リズムを整えるのに効果が期待できます。また、昼間は音楽をかけたり、赤ちゃんに話しかけたり、抱っこしたりと楽しく過ごし、夜には静かにしてあまり赤ちゃんを刺激しないようにしてみてはいかがでしょうか。
起こす時間と寝かせる時間を決める
新生児のうちはまだ昼夜の区別をつけることは難しいですが、赤ちゃんの生活リズムを整えるため、赤ちゃんをリビングに連れてくる時間と部屋を暗くして寝かせる環境にする時間をだいたい決めておくことをおすすめします。ママやパパ、赤ちゃんの体調や様子を考慮し、無理のない範囲で実践してみてくださいね。
授乳と眠りを分ける
授乳中に赤ちゃんが眠ってしまうことも少なくありませんが、眠りと目覚め、授乳をできる限り分けるようにすると良いですね。朝は赤ちゃんが半分眠っている状態で授乳するのではなく、しっかりと目覚めさせてから授乳を始めるようにしましょう。生後数週間を過ぎてからは、なるべく授乳しながら眠らせないようにしてみてくださいね。(※2)
赤ちゃんが夜に泣くときは寝言泣きの可能性もある
赤ちゃんが夜に泣いてしまうのは、実は目が覚めたのではなく寝言を言っているだけかもしれません。これを「寝言泣き」といい、2~3分そのままにしておくと治まります。寝言泣きのときに赤ちゃんに声をかけたり抱っこしたりすると、赤ちゃんを起こしてしまうことがあるので注意してくださいね。
40分から1時間おきに目が覚めて泣いてしまう赤ちゃんの場合、寝言泣きの可能性がある(※3)ので、数分間様子を見てから声かけをするようにしましょう。
新生児が夜に寝なくても心配しすぎないようにしよう
赤ちゃんが夜に眠ってくれないと、育児の方法がいけないのかと不安になってしまうかもしれません。しかし、新生児のころは昼夜の区別が付いていないので、授乳やおむつ替え、体温調節などをしても寝ない場合は、心配しすぎないようにしてくださいね。
昼夜にこだわらず、赤ちゃんが眠ったタイミングでママやパパも仮眠をとるなどして、ママやパパの負担を軽減できるように対処していくことをおすすめします。
※この記事は2023年5月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。