【産婦人科医監修】タンポンをつけてプールや温泉に入って大丈夫?多い日も漏れない?注意点やマナーを解説
「生理だけどプールや海に行く予定がある」というときにおすすめなのがタンポンです。しかしタンポンを初めて使う人は経血が漏れないか心配ですよね。特に量が多い2日目は漏れが気になってしまうでしょう。プールや海、温泉でのタンポンの使用にまつわる疑問から使い方まで、注意点やマナーとあわせて産婦人科医監修で解説します。
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目次
タンポンをつければ生理中もプールや温泉に入っていい?
タンポンとは、腟内に入れて直接生理の経血を吸収する生理用品です。タンポンのメリットのひとつは、生理中でも経血が漏れるのを心配せずにプールや海、温泉に入れることでしょう。プールや海に行く機会が増える夏場は特に重宝しますよ。
タンポンがあれば、生理が来てしまったからとプールや温泉などのイベントをキャンセルしなくても良いというのは嬉しいですよね。ただし、施設によっては生理中の使用を禁止している場合もあります。そのため、自分が利用したい施設ではどのようにルールが定められているのか、事前に調べておくと安心でしょう。
タンポンをつければプールや温泉に入っても生理は漏れない?
正しい位置に入っていれば基本的に漏れない
タンポンに慣れていない初心者にとって、タンポンをつけていても生理中にプールや温泉に入るのは緊張するもの。生理が漏れないか心配で、落ち着かない人も多いのではないでしょうか。
しかし、タンポンが正しい位置に入っていれば、プールや温泉に入っても生理が漏れる可能性は低いでしょう。ただし入れ方を失敗すると、タンポンが正しい位置にないため経血をうまく吸収できず、漏れる可能性があります。そのため、使い方を間違えないことが大切です。
タンポン初心者には、失敗しにくいアプリケータータイプのタンポンがおすすめですよ。アプリケーターがタンポンを正しい位置に誘導してくれる仕組みなので、初心者でも簡単につけることができます。
また、可能であればプールや温泉に行く前に練習をしておくと安心です。初めてタンポンを使うときは生理2日目以降の経血量が多い日に試すと良いでしょう。タンポンがスムーズに入るので、失敗が少なくなります。
経血の量にあったサイズでないと漏れることがある
タンポンを使うときはサイズの選び方も重要です。タンポンは生理用ナプキンと同じように、経血量に合わせてサイズ展開されています。
そのため、経血量にあわないサイズのタンポンを使うと、プールや温泉で漏れる原因になることがあるので注意しましょう。2日目は経血量が増える人が多いので、量が多くても漏れないように、多い日用のタンポンを使うのがおすすめです。
また2日目など量が多い日は、長時間の使用は避けこまめに交換するようにすると漏れないでしょう。このように、適切なサイズと使用時間に注意すれば、初心者でも漏れるなどの失敗なく使うことができます。
生理中にタンポンをつけてプールや温泉に入るときの注意点・マナー
基本的にタンポンをつければ、生理中でもプールや温泉に入ることができます。しかし、プールや温泉は共同で利用するものなので、皆が気持ち良く利用できるよう配慮したい注意点やマナーがあります。
プールや温泉に入る前に新しいタンポンを挿入する
タンポンをつけるタイミングは、プールや温泉に入る直前がおすすめです。タンポンを入れるタイミングが早すぎると、プールや温泉に入るまでにタンポンの吸収力に余裕がなくなってしまい、プールや温泉で生理が漏れる原因になる可能性があります。特に量が多い2日目は注意が必要です。
しかし、直前と言っても脱衣所や更衣室でタンポンをつけるのはマナー違反です。着替える前にトイレに立ち寄り、そのタイミングでつけるようにするとスムーズです。
紐を切らない
タンポンに慣れていないと、タンポンの紐が邪魔に感じるかもしれませんが、この紐はタンポンを取り出す際に必要なものです。紐がないとタンポンが取り出せなくなり危険なので、紐は絶対に切らないようにしましょう。
特に温泉では、タンポンの紐を人に見られるのが恥ずかしい人もいるでしょう。そういう場合はタオルで隠して対応したり、人の多い時間を避けて入浴したりするなど工夫してみましょう。
湯船に入る前に身体をきれいに洗う
そもそも生理中でなくても、温泉では湯船に入る前に身体を洗うルールのところが多いですよね。生理中は身体に経血がついている可能性もあるため、衛生面には特に気を配りましょう。
湯船に入る前に身体をきれいに洗い、太ももなどの下半身に汚れがないかチェックすると安心です。プールに入る前にも、同様のチェックを行うと良いでしょう。
プールでは激しい動きを避ける
タンポンをつけていれば安心だと、プールで飛び込みなど激しい動きをしたり、長時間泳いだりするのはおすすめできません。生理中の激しい運動は身体に大きな負担がかかります。プールに長く浸かることで、身体が冷えて生理痛が悪化してしまうといったことが考えられます。
水泳の授業に出なければならないなどの事情がある場合でも、生理中のプールは体調を第一に優先し、くれぐれも無理をしないでくださいね。大事な水泳の大会が控えているといった場合には、ピルを服用して生理開始日をずらすのも手かもしれません。
タンポンを長時間つけっぱなしにしない
タンポンは定められた使用時間を守り、長時間つけっぱなしにしないようにしましょう。使用時間を超えて長時間使用するとタンポンの正しい効果が得られないほか、黄色ブドウ球菌が生み出す毒素が原因で起こる、トキシックショック症候群(TSS)のリスクがあります。
TSSを発症するのは大変まれです。しかし、万が一、TSSにかかると高熱・発疹・下痢・嘔吐・倦怠感などの症状が現れ、ごくまれに血圧低下を伴うショック症状などの重篤な症状が現れる場合もあり、注意が必要です。
黄色ブドウ球菌は不衛生な手でタンポンをつける、タンポンの長時間使用や取り出し忘れが原因で繁殖しやすくなると考えられています。TSSのリスクを避けるためにも、タンポンを使用する際は清潔を保つようにしましょう。特に経血量が多くなる2日目以降に長時間使うのは避け、1回あたりの使用時間を短めにするのがおすすめです。
プールや温泉から出たら新しい生理用品と交換する
プールや温泉から出たらタンポンを取り出し、必ず新しい生理用品と交換しましょう。タンポンは1回の使用時間が定められており、使用時間を超えて使ってはいけません。また、タンポンは連続使用せず、ナプキンと交互に使用するようメーカーは注意喚起しています。そのため、プールや温泉後はナプキンを使うようにしましょう。
生理中にプールや温泉に入っても病気にならない?
プールや温泉など水を通して感染する病気として、腟トリコモナス原虫が原因でかかる「トリコモナス腟炎」や、レジオネラ菌によって起こる「レジオネラ症」があります。
トリコモナスに感染すると腟のかゆみが現れたり、おりもの色やにおいが変化したりしますが、自覚症状が現れないこともあります。トリコモナスの感染経路はプールや温泉のほか、便器や浴槽、共有したタオルを介して感染することもあり、注意が必要です。
レジオネラ菌は主に温泉で使われている循環式浴槽内で繁殖し、レジオネラ菌に汚染された水滴を吸い込むことで感染します。そのため施設側での徹底した衛生管理が重要で、厚生労働省ではレジオネラ症防止対策マニュアルを作成し対策を呼びかけています。
レジオネラ症には一過性の症状で済む「ポンティアック熱」と、急激に重症化する「レジオネラ肺炎」があります。レジオネラ肺炎は高熱や呼吸困難などを引き起こし、最悪の場合死にいたる場合もあります。
これらの病気は生理中に感染するリスクが高いという明確なデータはありません。しかし生理中は腟内の免疫力が下がると考えられるため、注意するに越したことはありません。プールや温泉の後に万が一これらの病気が疑われる症状が現れた場合は、速やかに病院を受診し治療を受けましょう。
タンポンで生理中のイベントも上手に乗り切ろう
タンポンはコツをつかめば初心者でも失敗なく使えるので、生理中のイベントも楽しむことができる強い味方です。今までナプキンしか使ったことがない人も、困ったときはタンポンを使ってみてはいかがでしょうか。
ただし生理中はデリケートな時期でもあるので、生理痛がひどいときや体調が悪いときは、無理をせず身体を休めるようにしてくださいね。タンポンを上手に活用して、憂鬱な生理を快適に乗り切りましょう。
※この記事は2024年4月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。