【助産師監修】抱っこ紐で腰痛に?正しい付け方と腰が痛くならない方法は?

抱っこ紐は赤ちゃんとの外出時や家事で手が離せないとき、寝かしつけるときなどさまざまな場面で役立つ育児グッズです。しかし、抱っこ紐を使っているうちに腰に激痛が起こり、困っているママやパパも多くいます。抱っこ紐が原因で腰痛になるのはなぜでしょう。今回は、抱っこ紐で起こる腰痛の原因と予防法について解説します。

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この記事の監修

河井 恵美
助産師・保育士
河井 恵美

目次

  1. 抱っこ紐で腰痛になる原因
  2. 最も注意するのは中腰になったとき
  3. 抱っこ紐のサイズが大きすぎると腰痛に!
  4. 腰痛の予防方法
  5. 正しい抱っこ紐のつけ方
  6. 抱っこ紐で腰痛になった私の体験談
  7. 抱っこ紐による腰痛には気を付けて
  8. あわせて読みたい

抱っこ紐で腰痛になる原因

骨盤のゆがみ

産後の女性の骨盤は開ききっている状態です。また、出産の際に骨盤が大きく開くため、骨盤自体が柔らかくゆがみやすくなっています。さらに、骨盤が広がり体重は元に戻っているのに、今まで履いていたズボンが履けないということもあります。このような状態のまま長時間赤ちゃんを抱っこ紐で抱くことは、腰にかなりの負担をかけていることになるのです。

抱っこするときの姿勢

ママやパパは抱っこ紐で前向きに赤ちゃんを抱っこすると、重さが前方へ偏ります。そのため、自然と身体がバランスをとろうとするため、腰を後ろに反らした「反り腰」の状態となります。

抱っこ紐を使用しているときは、無意識にバランスをとっているため反り腰になっていることに気付きません。姿勢が後ろへ反ることで腰や背中の筋肉を過度に使うため、腰への負担が増えるため腰痛となりやすくなります。

抱っこ紐のウエストベルトを骨盤の位置で固定してしまうと、赤ちゃんを支える位置が低くなり、ママやパパの腰に負担がかかってしまいます。ウエストベルトは上端がおへそにかかる位置(ウエスト部分)で装着するようにしましょう。

最も注意するのは中腰になったとき

抱っこ紐によって最も腰痛になりやすいのは、中腰の姿勢になったときです。赤ちゃんを抱っこするときに膝を曲げず、中腰のまま赤ちゃんを下から抱き上げるときの姿勢が、一番腰を痛めやすい瞬間なのです。赤ちゃんを抱っこ紐で抱き上げるときは、なるべく膝を曲げてゆっくりと赤ちゃんを抱き上げることが大切です。

抱っこ紐のサイズが大きすぎると腰痛に!

抱っこ紐によって腰痛になる原因は、抱っこ紐のサイズにあります。抱っこ紐を使用したときに反り腰になる方は、抱っこ紐のサイズが大きすぎて身体に合っていないことが理由です。抱っこ紐をつけたときに肩紐が浮いている場合は、赤ちゃんを抱っこしたときの重みをすべて腰だけで受け止めていることになります。

また、赤ちゃんを落としてしまわないように無意識のうちに反り腰になっている場合や、赤ちゃんがリクライニングしすぎている場合は抱っこ紐のサイズが大きいということが考えられるのです。抱っこ紐のサイズが大きいと反り腰となり、結果的に腰痛が起こります。ぎっくり腰になってしまう可能性もありますので、抱っこ紐のサイズには注意が必要です。

腰痛の予防方法

骨盤矯正ベルト

産後の骨盤のゆがみは簡単には元に戻りません。そのため、産後のママの身体のケアとして、骨盤矯正ベルトが販売されています。コルセットやガードルといった腰回りを固定するものは、腰痛予防にもつながります。

猫背のママやパパは意識して姿勢よく

普段から猫背のママやパパは、姿勢の悪い状態のまま抱っこ紐を使うことで腰にかなりの負担を与えています。抱っこするときは姿勢を伸ばし、背もたれのある椅子に座るなど猫背にならないよう意識することがおすすめです。

ストレッチで腰痛改善

ストレッチは寝転んだままできる簡単なものです。まず、背筋を伸ばすため仰向けに寝転び、膝を抱えて上体を起こします。このときに息をゆっくり吐きながら、意識的に背筋を伸ばします。また、お腹を伸ばすストレッチも腰痛改善に効果的です。背伸びをするような感覚で息をゆっくり吐きながらお腹を伸ばします。このストレッチは、腰痛の痛みを和らげる効果もあります。

正しい抱っこ紐のつけ方

抱っこ紐を使ってみて普段と変わらない姿勢を保てている場合は、腰への負担もないため正しいつけ方と言えます。抱っこ紐は腰ベルト・肩ストラップが調節できるものにし、自分の身体に合わせることが大切です。もし、抱っこ紐の腰ベルトや肩ストラップを限界まで引っ張っても安定しない場合は、抱っこ紐が大きくサイズが合っていないということになります。

抱っこ紐で腰痛になった私の体験談

実際に、筆者自身も抱っこ紐により腰痛になったひとりです。私の場合はふたり目の子どもをよくおんぶしていたため、腰にかなりの負担があったようです。それこそ、膝を曲げることなく下に寝ている赤ちゃんを、勢いに任せておぶうことが多かったです。

日に日に腰痛が増し、ついには腰に激痛が走り動くことができなくなりました。なんとか病院に行ったのですが、診断結果はヘルニアでした。今さら遅いことですが、もっと抱っこ紐の知識を入れておけばよかったと、後悔しています。

抱っこ紐による腰痛には気を付けて

抱っこ紐は赤ちゃんとのおでかけや、両手をふさぎたくないときなど、さまざまな場面で役立ちます。なかなか寝てくれない赤ちゃんなら、抱っこ紐で寝かしつけをしているママやパパもいるでしょう。しかし、抱っこ紐は正しいつけ方やサイズの選び方によって、腰痛となる可能性もあります。

抱っこ紐による腰痛にならないためにも、産後は腰痛にならないための対策をしておくと安心です。抱っこ紐は赤ちゃんとママやパパが密着して、赤ちゃんとのスキンシップを楽しむことができる育児グッズでもあります。抱っこ紐を使える期間はそう長いものではありません。限られた時間の中で、赤ちゃんとママやパパの密なる関係を築いていける大切なものとして、抱っこ紐を活用しましょう。

※この記事は2022年3月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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