セキソビットの効果と副作用は?飲み忘れや排卵日についても解説

不妊治療で用いられる排卵誘発剤のひとつ、セキソビットはどのような効果があるのでしょうか。ほかの薬との違いや副作用について解説します。飲み忘れてしまったときの対処や、服用の際に気になるポイントについてもみていきましょう。

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この記事の監修

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産婦人科医
杉山 太朗

目次

  1. セキソビットとは?効果や妊娠率は?
  2. セキソビットの副作用は?
  3. セキソビットの飲み方は?飲み忘れたら?
  4. セキソビット服用後の排卵日はいつ?
  5. セキソビットの服用における注意点は?
  6. 不妊治療は生活習慣も一緒に見直そう
  7. あわせて読みたい

セキソビットとは?効果や妊娠率は?

シクロフェニルを配合した排卵誘発剤

セキソビットは一般名(成分名)がシクロフェニル、商品名がセキソビット錠100mgとして古くから発売されている排卵誘発剤です。1965年に臨床効果が立証され、日本では1972年に承認を受け発売されるようになりました。

シクロフェニルは視床下部に働きかけ、性腺刺激ホルモンと呼ばれる卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体形成ホルモン(LH)の産生を促します。2つの性腺刺激ホルモンが盛んに分泌されると、排卵に向けて新しい卵胞が大きく育つようになるのです。

またシクロフェニルは、卵巣が性腺刺激ホルモンに反応する機能を強くする作用もあります。排卵能が高まるため、妊娠率の向上も期待されている薬です。セキソビットは主に、無月経や無排卵月経、稀発月経の症状がある人に処方されます。

クロミッドよりも排卵誘発効果が弱い

排卵誘発剤として広く使われている薬に、クロミッドがあります。クロミッドはクロミフェンが主な成分で、一般的にはセキソビットよりも効果が高い反面、子宮頸管粘液が減少したり子宮内膜が薄くなったりといった副作用が出やすく、排卵誘発の結果と妊娠率の上昇が直結しないという側面があります。

セキソビットはクロミッドより排卵誘発効果が弱いものの、子宮頸管粘液の減少はみられません。そのためクロミッドを使用して子宮頸管粘液の減少が起こったときに、セキソビットが処方されることがあります。

また排卵の遅れやたまに無排卵が見られる程度の軽度の排卵障害だったり、検査数値に異常がなく不妊の原因が不明だったりするケースでは、セキソビットが第一選択薬となります。

セキソビット服用者の約半数が排卵

セキソビットは効果が弱いとはいえ、臨床成績では排卵率が臨床例全体の52.6%に達しており、服用した人の半数に排卵がみられました。症例別に排卵率をみてみると、第一度無月経で約40%、無排卵性月経で約62%、稀発月経で約80%となっています。

しかし、排卵があったからといってすべて妊娠につながるわけではなく、妊娠率は排卵率よりも低い結果となっています。

セキソビットの副作用は?

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肝機能障害、黄疸(おうだん)

副作用が起こる頻度は不明ですが、重大な副作用として肝機能障害や黄疸があらわれることがあります。肝機能障害が起こると、発熱や全身のだるさを感じ食欲不振に陥ります。黄疸症状では皮膚や白目が黄色くなるため、服用の初期の段階では体調や身体の変化に注意しましょう。

異常がみとめられたら服用を中止し、薬が処方された医療機関で適切な処置を受けるようにしてください。

卵巣の肥大による下腹部痛

まれに卵巣過剰刺激が起こり、卵巣が肥大することがあります。卵巣が腫れて大きくなると、下腹部痛や腰痛、吐き気などの症状があらわれます。

排卵時になると親指程度のサイズしかない卵巣の中で、卵子は約20mmの大きさまで成長します。排卵周期にあわせて卵巣が大きくなるのは珍しいことではありませんが、痛みや違和感を覚えたら医師に相談するようにしましょう。

不正出血

セキソビットを服用すると、子宮からの不正出血が起こることがあります。性器からの出血は排卵出血や生理などがありますが、生理日以外の出血はすべて不正出血とみなされます。

出血が薬の影響によるものか、そのほかの原因によるものなのかわからないため、自己判断はせずに医師による診察を受けてください。

消火器系の副作用

セキソビットは視床下部に働きかけホルモンの分泌をコントロールするため、消化器系にも影響があらわれます。その症状は多岐にわたり、吐き気や嘔吐、下痢や便秘、食欲不振や腹部膨満感などの不調がみられます。

精神神経系の副作用

セキソビットを服用し、頭痛やめまいに見舞われるケースもあります。眼精疲労や情緒不安定などの症状が報告されています。

排卵前のホルモンバランスの変化に加え、薬を服用することに対する不安感も精神神経系の副作用を感じやすくします。薬の服用に際し不安や疑問点がある場合は、医師や薬剤師と相談するようにしましょう。

多胎妊娠

セキソビットの副作用として、多胎妊娠もあげられます。これは通常一個しか排卵されない卵子が、複数排卵するために起こります。

多胎妊娠は同時にふたり以上の赤ちゃんを授かることができる一方で、妊娠・出産におけるリスクが高く、母体や胎児への影響を知っておくことが大切です。

その他

臨床の現場からは、卵巣の腫れやホルモンバランスの変化による、さまざまな身体への影響が伝えられています。体重の増加や尿量の増加、頻尿などもそのひとつです。なかには鼻出血や口の中の違和感を訴えた例もあります。

不妊治療はストレスや焦りがマイナスに作用することがあります。いつもと違う身体の様子が、新たなストレス要因となってしまう可能性も大いに考えられます。少しでもおかしいな、つらいなと感じたときは服用を中止し、医師の判断を仰ぎましょう。

セキソビットの飲み方は?飲み忘れたら?

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1日4~6錠を5~10日間

セキソビット錠は1錠のうち、シクロフェニルが100mg含有されています。1日に服用する量は400~600mg(4~6錠)で、これを2~3回に分けて経口投与します。服用を続ける日数はは5~10日間です。

服用を終了しても排卵がなかったり妊娠にいたらなかったりしたときは、次の生理周期で同じ処方を繰り返します。3クール続けて効果が得られなかったときは、別の薬に変えるなどの措置が考えられます。

飲み忘れたら気づいたときに服用

セキソビットは連日の服用が求められるため、忙しさの中でついつい飲み忘れてしまったという声も少なくありません。飲み忘れたときは気付いたタイミングで1回分を服用するようにします。

飲み忘れに気づいたタイミングが次の服用時間に近いときは、飲み忘れた分は飲まずに、次の回に1回分を服用します。2回分を一気に飲むことはしないようにしましょう。

セキソビットは継続して飲むことで効果を発揮できる薬です。できるだけ飲み忘れがないように、携帯のアラームを付けるなど工夫しておくのもおすすめです

医師の指示に従おう

1日に服用する薬の量や、1日の回数は医師が適切に判断しています。効果を早く感じたいからと一気に飲んだり、副作用を避けるために1回の量を減らして回数を増やしたりといった行為はやめましょう。勝手に服用を中止してもいけません。

仕事などの理由で指示通りに服用することが難しそうなときは、飲む回数やタイミングを調整することは可能なのか、飲み忘れたときはどうしたら良いのかなど、対処法を聞いておくと安心です。

セキソビット服用後の排卵日はいつ?

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セキソビット服用後1~2週間が目安

正常な生理周期は25日~38日で、排卵日から生理開始予定日まではおおむね14日となります。生理初日から排卵が起こるまでの期間は「卵胞期」と呼ばれ、卵子はこのあいだに育ちます。

セキソビットは生理開始日から数えて5日に服用を開始します。5~10日間の服用終了後、1~2週間で排卵が起こるのが目安です。服用をはじめたら、通院しながら卵胞がしっかり成長していることを確認します。通院については医師の指導に沿いましょう。

排卵日には個人差がある

平均的な生理周期は28日ですが、個人差によるところが大きく生理周期が短い人もいれば長い人もいます。生理周期と同様に、排卵日がいつくるかというタイミングも個人差が大きいものです。

身体の調子や精神状態によっても排卵は左右され、排卵日が早まったり遅れたりすることがあります。排卵の有無を把握するには基礎体温をつけたり、排卵前にみられるおりものの変化を敏感に感じ取っていきたいですね。

セキソビットで排卵しないこともある

セキソビットの効き目はマイルドで、効果はクロミッドよりも弱いというデータがあります。セキソビットを服用しても、排卵しないこともあるのです。

医師が薬を選択するときは、検査結果やこれまでの治療実績に基づいてどの薬を使うか判断します。強い排卵誘発剤を使用せずに、セキソビットが選択されるのには理由があります。気になる点があれば、処方の際に医師に確認すると良いでしょう。

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セキソビットの服用における注意点は?

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基礎体温をしっかり記録

セキソビットの服用の際には、服用の1ヶ月前から基礎体温をしっかり記録することが大切です。セキソビットは、妊娠すると服用することができません。基礎体温の記録は排卵があったことを確認するのはもちろんのこと、妊娠に気付くためにも必要な作業です。

妊娠中の人・特定の持病のある人は服用しない

セキソビットの服用には制限があります。服用が禁止されているのは乳がんや子宮体がんなどエストロゲン依存性悪性腫瘍がある人です。また卵巣腫瘍や卵巣の肥大がみられる人も、使用することができません。いずれも症状を悪化させる可能性があります。

妊娠中の人、妊娠している可能性がある人も投与が禁止されています。セキソビットと同様の性質を持つ薬剤での研究により、胎児の奇形や胎児毒性がみとめられているためです。また無排卵であっても妊娠を希望しない人には、妊娠の可能性が高まるため原則として使用が禁止されています。

特定の持病・病歴のある人は慎重に服用

治療をしていない子宮内膜増殖症があるときは、セキソビットの使用は慎重に決定されます。服用することによって、細胞異型をともなうことがあるからです。

子宮筋腫や子宮内膜症の人も症状が悪化する危険があります。また、これまでに乳がんをわずらったことがある人、親族に乳がんになる人が多い家系では乳がんを誘発するおそれがあるため、服用に際しては注意が必要とされます。

副作用が出たら医師に相談

セキソビットは作用が緩やかなため、副作用があらわれるのはごくまれです。しかし、まったく副作用がないわけではありません。

診察の際には、これまでにかかった病気について医師にしっかりと伝え、服用に問題がないか確認しましょう。服用を始めてから身体の異常を感じたときは、すみやかに服用を中止し、医師に相談するようにしてください。

不妊治療は生活習慣も一緒に見直そう

風邪薬にも言えることですが、薬は病気や症状を完全に治すものではなく、症状の改善を目指して使用するものです。人が本来持っている機能に働きかけ治療効果をあげていくため、薬だけに頼らず生活習慣も一緒に見直していくことがポイントとなります。

不妊治療に大敵なのは、不規則な生活やストレスです。適度な運動とバランスの取れた食生活、質の良い睡眠を心がけ、気持ちをリラックスさせるための工夫を生活の中に取り入れることが大切です。パートナーと一緒に、穏やかな気持ちで治療に向き合いましょう。

不妊治療を専門に行っている医療機関のなかには、精神面のストレスをケアするカウンセラーが相談にのってくれる施設もあります。治療全般に対して不安が募ったときには、こうした施設を探してみるのも良いかもしれません。

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