クロミッドの排卵日の予測方法!排卵しない・早まる・遅れる原因は?
クロミッドは排卵誘発剤のひとつで、ホルモンを分泌させて排卵を促す作用があります。不妊治療では、タイミング療法と併用して服用することもあります。クロミッド服用中はどのようなタイミングで排卵するのでしょうか。クロミッドの特徴と排卵日の予測法などをご紹介します。
本ページはプロモーションが含まれています
この記事の監修
目次
クロミッドとは?
クロミッドは排卵誘発剤のひとつで、生理不順の治療や不妊治療で使われています。クロミッドの有効成分である「クロミフェンクエン酸塩」が、妊娠に関係するホルモンの分泌を促し、排卵を誘発します。
身体への負担も少なく、軽度の排卵障害に有効であることから、不妊治療ではタイミング療法などと併用することが多いです。クロミッドは経口薬であり、注射タイプの排卵誘発剤と比べると、排卵誘発効果は低いといわれていますが、そのぶん副作用の可能性も低くなっています。
副作用としては、目のかすみや、頭痛、吐き気、のぼせなどの症状があります。長く服用すると、子宮内膜が薄くなったり、子宮頸管粘液が少なくなったりすることもあるようですが、服用をやめれば元に戻ります。
クロミッド服用後の排卵日はいつ?
生理周期が安定している人の場合、クロミッドを使用した後も、排卵日が大きく変わることはないようです。たとえば、月経周期が28日であれば、生理開始日から約14日後が排卵日となります。
クロミッドは、卵胞を成熟させる機能を持ちますが、排卵を完全にコントロールするわけではありません。薬の効き方によっては、排卵日が早くなったり、遅れたりすることもあります。
もともと一度の生理周期が長く、生理から排卵までに時間がかかる人の場合、クロミッドを服用することで排卵が早まる可能性があるといわれます。また、黄体機能不全などで、基礎体温でいう高温期が短い人の場合、クロミッドを服用すると排卵が予定より遅れることもあるようです。
クロミッド服用後の排卵日の予測方法は?
不妊治療においては、排卵にあわせて性交をすることが重要になってきます。クロミッドとタイミング療法を併用するとき、排卵日はどうやって予測すれば良いのでしょうか。
基礎体温をつける
自身でも可能な排卵日の予測方法は、基礎体温の変化です。クロミッドを服用する人は、毎日基礎体温を測るように医師からいわれている人が多いようです。
女性の生理周期では、一般的に基礎体温が低い「低温期」と基礎体温が高い「高温期」に分かれています。低温期では卵胞が育ち、ある一定の大きさまで育った卵胞が排卵されると、妊娠しやすい環境づくりのため高温期へと入ります。つまり、クロミッドで排卵が起これば、基礎体温のグラフは高温期へと移行するはずです。
しかし、基礎体温だけでは排卵日は完全に予測できません。基礎体温があがる2~3日前に排卵する人、低温期の最後に排卵する人、基礎体温があがってから排卵する人など、さまざまなタイプが存在するからです。それゆえ、基礎体温だけではなく、超音波検査やホルモン検査などを組み合わせて、総合的に判断することが必要です。
排卵検査薬を使う
より正確な排卵日を知る方法としては、市販の排卵検査薬も便利です。薬局などで購入できますし、不妊治療を進めるなかで、医師が処方してくれることもあります。排卵検査薬は、尿に含まれるLH(黄体形成ホルモン)というホルモンの値を検出することで、排卵の予測ができます。
卵胞が成熟すると、エストロゲンが多く分泌されます。その作用によって、LH(黄体形成ホルモン)の値が急激に上昇する「LHサージ」とよばれる現象が始まります。一般的に、このLHサージの後に排卵が生じるといわれています。排卵検査薬はこのLHサージを検知するもので、陽性が出た場合は、検査当日かその翌日が最も妊娠しやすい時期であるという結果になります。
基礎体温表や、病院での超音波検査の結果などとあわせて、排卵日近くに検査薬を使う必要があります。LHサージは数時間と短いので、検査は1日2回くらいの頻度で行うのが理想的です。しかし、排卵検査薬も万能ではありません。LHサージが起こっても、排卵がされていないということもありますし、尿の濃さによっては、うまく反応が出ないこともあるようです。
排卵痛を確認
排卵日を自覚できる症状のひとつに、「排卵痛」があります。排卵痛とは、排卵日あたりに下腹部に不快感やちくちくした痛みを感じることを言います。排卵痛がおこるメカニズムはまだわかっていませんが、排卵後に残る「黄体」から出るホルモンや、排卵で起こる卵巣の出血が原因はないかともいわれています。
しかし排卵痛には個人差があり、まったく痛みがない人も多くいます。また、排卵痛ではなく、OHSSなど他の原因で腹痛が起こることもあります。気になる症状があった場合は、すぐに医師に相談してみましょう。
超音波で卵胞計測
病院で行う排卵日の予測法は、超音波検査が一般的です。エコーで、卵胞の大きさを確認します。個人差がありますが、自然周期の場合、卵胞は排卵直前、18mm~23mmほどになります。クロミッドを服用しているときはもう少し大きくなり、25mm~30mmほどといわれています。
超音波検査では子宮の状態や卵巣の状態も確認するので、子宮筋腫や卵巣の腫瘍、多膿胞性卵巣などの症状もチェックできます。超音波検査と、尿検査によるホルモン値、基礎体温などによって総合的に排卵日が予測され、性交のタイミングを医師から指導されます。
クロミッド服用後の排卵日が早まる・遅れる原因は?
クロミッドを飲んでいても、毎月同じ周期で排卵日がくるとはかぎりません。なにが原因で、排卵日はずれてしまうのでしょうか。
クロミッド服用後の排卵日が早まる原因
クロミッドを服用した際、排卵日が予測よりも早いことがあります。さまざまな要因がありますが、クロミッドが効き過ぎてしまったため、排卵が早まってしまったということも考えられます。
もともと排卵障害があって排卵が遅れがちな人の場合、クロミッドの効果で排卵日が正常に戻り、これまでより早いと感じることもあります。
対処法としては、医師に相談し、自分にあったクロミッドの量へと調整してもらうことなどが考えられます。クロミッドが効きすぎる体質の人は、複数の卵胞が育ったり、OHSSの可能性があったりするので、注意が必要です。
クロミッド服用後の排卵日が遅れる原因
排卵日が予測より遅れてやってくる原因は何が考えられるでしょうか。これは、クロミッドの効果が弱い、クロミッドが効いていないという可能性があります。また、長期でクロミッドを服用している人は、クロミッドへの耐性ができてしまい、効果がなくなって排卵日が安定しない可能性も考えられます。
毎回予測より遅れがちな場合は医師に相談し、クロミッドの量を増やしてもらったり、他の排卵誘発剤へ変更してもらったりなど、対策を考えていきましょう。
クロミッドを服用したのに排卵しない原因は?
クロミッドを服用したのに、いっこうに排卵の気配がない場合、どういった可能性が考えられるでしょうか。
クロミッドの服用量が足りない
クロミッドの服用量が足りず、効果があらわれていない可能性があります。この場合は、医師と相談し、服用量を段階的に増やしていく処置がとられます。
クロミッドは一般的に、生理5日目から1日1錠(50mg)5 日間続けて服用します。これでも改善がみられない場合、次の周期では1日2錠に増やします。医師によっては、1日3錠処方することもあるようです。
一気に量を増やしてしまうと、卵巣を過剰に刺激してしまう恐れがあるので、排卵の様子を見ながらゆっくりと増やすことが多いようです。
重度の排卵障害
クロミッドは軽度の排卵障害には有効ですが、重度の場合はなかなか効果が現れないこともあります。たとえば、多嚢胞卵巣症候群の場合、まずはクロミッドを服用し、量を増やすなどの対策がとられますが、それでも排卵しない場合にはメトホルミンという薬やステロイドホルモンの薬を併用することもあります。
クロミッドで改善がみられないときは、注射によって排卵誘発の治療をすすめることもあります。hMG剤などのゴナドトロピンを含んだ排卵誘発剤を注射し、卵巣に直接働きかけて卵胞を発育させます。非常に高い排卵誘発効果をもちますが、多胎妊娠の可能性やOHSSなどの副作用の可能性も高くなります。
クロミッド服用と排卵日に関する体験談
筆者もクロミッドにお世話になったことのあるひとりです。筆者は多膿胞性卵巣障害で、なかなか排卵できないという状態が長年続いていました。仕事も忙しく病院へ行く機会もなかったのですが、なかなか妊娠できずにいたので思い切ってドクターに相談することにしました。
いろいろ検査した結果、エコーを見せてもらうと、排卵できずに卵巣に卵がたまっている状態(すじこのような状態)になっており、とてもショックだったのを覚えています。
そして、すぐに治療が開始されました。まずクロミッドが処方され、それでもだめならまた少しずつ強いお薬へと変えていくという方針を伝えられ「クロミッド=そんなに強いお薬ではない」と思えて、少し安心できました。
クロミッドの飲み始めは、のぼせが出るなど副作用もありましたが次第になくなっていき、飲み始めの月に排卵が確認されました。3ヶ月ほど生理の5日目から服用を続けた結果、無事に妊娠することができました。
そのとき授かった娘は1歳になりましたが「あのとき病院に行く決心をしてよかった」と今でも主人とよく話をします。もちろん年齢や、身体の状態にもよると思いますが「排卵日が安定しない」など、違和感があれば、すぐに産婦人科を受診するようおすすめします。
クロミッド服用後の排卵日予測は医師に相談して
クロミッドとタイミング療法を併用するとき、気になるのが排卵日ですよね。排卵日はさまざまな方法で予測できます。自身でできる方法としては、基礎体温のチェックや、排卵検査薬などがあります。より正確に排卵日を予測するには、病院で超音波検査をしてもらい、卵胞の大きさを見てもらうことが必要です。
あせらず、医師とよく相談しながら排卵を待ちましょう。ホルモンやクロミッドの知識をもつことで、より安心して不妊治療にのぞめますよ。