AMH(抗ミュラー管ホルモン)検査で卵巣年齢がわかる?費用は?

30代、40代になっても美しく、アクティブで若々しい現代女性はたくさんいますが、身体の中の卵子は日々減少しています。いざ子どもがほしいと思うときには、妊娠自体が難しくなっている可能性もあります。妊娠を考えている女性なら知っておきたい、卵子の残数の目安となる「卵巣年齢」と「AMH検査」について解説します。

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この記事の監修

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産婦人科医
藤東 淳也

目次

  1. 今、不妊治療の場面で注目されている「AMH検査」
  2. AMH検査でわかる卵巣年齢とは?
  3. 卵巣予備能力の目安となるAMH(抗ミュラー管ホルモン)とは?
  4. AMH検査で、なぜ卵巣予備能力がわかるの?
  5. AMH検査の方法、費用、注意点とは?
  6. AMH検査の結果からわかることとは?
  7. AMH検査の意義とは?
  8. AMH値と妊娠率は比例するの?
  9. 卵巣機能を判断するための、他のホルモン検査とは?
  10. 自分の卵巣の状態を知って、前向きに妊活を!
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今、不妊治療の場面で注目されている「AMH検査」

「子どもが欲しいけれど、なかなか授からない…」「妊娠出産は何歳までできるの」と悩んでいる女性は多いのではないでしょうか。初婚・出産年齢が年々上昇し、結婚後も男性と肩を並べて働く女性が多い昨今では、妊活のためにクリニックを訪れるカップルが増えています。

近年、不妊治療の場面で注目されているのが「AMH検査」です。このAMH検査で何がわかるのか、検査内容や方法、費用について詳しく述べます。

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AMH検査でわかる卵巣年齢とは?

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卵巣年齢とは、卵巣に備わっている能力(=卵巣予備能力)のことです。

卵子のもととなる細胞(原始卵胞)は、女性が母親の胎内にいるときに作られ、その数は700万個ほどです。しかし、出生時には200万個ほど、初潮を迎えるころには約30万個にまで減少します。

また、毎月の生理のたびにおよそ1,000個ずつ減少するといわれています。卵巣内の原始卵胞がおおむね1,000個以下になると閉経を迎えます。

もともとの卵子の数は人によって差があり、痩せすぎによる低体脂肪率や、ビタミンDの不足が卵子の減少スピードを早めるという研究結果もあります。「卵巣内に卵子がどれくらい残されているのか」を推定する検査が「AMH検査」であり、AMHの値は卵巣予備能力を判断する重要な指標とされています。

AMH値は個人によって数値の開きが大きく、必ずしも年齢と正規分布しない特徴があります。したがって、「正常値」や「基準値」を算出することが難しく、AMH値の評価基準は「同世代の中央値」です。中央値と比較してAMH値が高いと、卵子の残数が多い=卵巣年齢が若い(卵巣予備能力が高い)といえます。

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卵巣予備能力の目安となるAMH(抗ミュラー管ホルモン)とは?

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卵巣内の卵子数を推定するためのAMH検査の対象となる「AMH」とは、「アンチミューラリアンホルモン」もしくは「抗ミュラー管ホルモン」(anti-Mullerian hormone)の略称です。AMHは、卵巣内の「前胞状卵胞」の顆粒膜細胞から分泌されます。また、ミュラー管とは、女性の内性器である子宮や腟のもととなる組織のことです。

女性の身体の中では、常に一定のサイクルで原始卵胞→前胞状卵胞→胞状卵胞→成熟卵胞へと卵胞が成長し続けています。原始卵胞から成熟卵胞となり、排卵するまでには120日以上かかるといわれています。

原始卵胞から2〜6mm前後の前胞状卵胞に成長すると、卵胞はAMHを分泌し始めます。9〜10mmの胞状卵胞にまで大きくなると、AMHの分泌は止まります。

AMHは25歳〜30歳で最も多く分泌され、その後は卵胞数の減少とともに、徐々に分泌量が減少します。また、他のホルモンと違い、生理周期によって値が大きく上下しない点が特徴です。

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AMH検査で、なぜ卵巣予備能力がわかるの?

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AMHは、「原始卵胞から成長した前胞状卵胞の顆粒膜細胞」から分泌されます。卵巣内には、まだAMHを出していない原始卵胞が眠っています。AMHの値と原始卵胞の数は相関することがわかっているので、検査によって残りの卵子がどれくらいなのかを推定できるのです。

AMH検査の方法、費用、注意点とは?

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検査はどこで受けられるのか?

AMH検査は、主に不妊治療を行なっている医療機関で受けられます。不妊治療に入る前の基礎検査として、他のホルモン(FSH,LHなど)とセットで検査を行う医療機関もあります。

検査方法と費用、どれくらいで結果が出るのかについて

AMH検査は血中のAMH濃度を測る検査のため、採血によって行います。基本的に生理周期の影響を受けないとされていますが、排卵後は値が多少下がる傾向にあります。クリニックによっては望ましい検査時期(生理3日目など)を定めているところもあります。

検査費用はおよそ5,000円から10,000円です。健康保険は適用されず、すべて自費診療です。結果が判明するまでには、通常1〜2週間ほどかかります。検査結果はクリニックによって郵送、もしくは診察の際に医師から報告されるケースに分けられます。

検査の注意点

AMH検査の値は誤差が大きく、最大で15%増減することがわかっています。また、検査結果はピルの服用や排卵誘発剤の影響を受けます。ピルは卵胞の発育を抑制する働きがあるため、服用中はAMHの値が低下することが判明しています。薬を服用している場合は必ず医師に相談し、正しい検査結果が得られるよう注意しましょう。

AMH検査の結果からわかることとは?

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値が平均値、またはやや高い場合

・年齢なりの卵巣予備能があると判断できる
・高すぎる数値は、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の可能性が考えられる(PCOSとは、何らかの原因で排卵ができず、卵巣の中に多数の未成熟な卵胞がたまった状態のことを指します)

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値が低い場合

・卵子の残数が同世代女性の平均より少ないと考えられる
・閉経が通常よりも早く訪れる可能性がある
・自然排卵しにくい傾向がある
・不妊治療の際の排卵誘発剤が効きにくい可能性がある

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AMH検査の意義とは?

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以下の項目の判断材料として、AMH検査は重要な役割を果たします。

妊娠のリミットや治療ペースの参考にできる

いずれは出産して子どもを持ちたいと考えている女性の場合、検査結果が妊娠のリミットの参考になります。また、不妊治療やこれから妊活に取り組もうとしているケースでは、AMHの値によってタイミング法から人工授精、体外受精と早めのステップアップが必要な場合もあります。たとえば、年齢が若いけれどAMHが非常に低いケースなどです。

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効果的な治療方針を定めることができる

AMHの検査結果を元に、一人ひとりにあった治療方針を定めることができます。何らかの原因があって排卵がうまくできない場合や、体外受精において卵子を取り出す必要がある場合、薬やホルモン注射によって卵巣を刺激するケースがあります。なお、人工的に排卵を促すことを「排卵誘発」と呼びます。

しかし、PCOSによる排卵障害がある場合、効果が強い排卵誘発を行うと、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)と呼ばれる副作用を起こす可能性があり、非常に危険です。卵巣の状態をより詳しく把握するために、AMH検査は重要な役割を果たします。

また、排卵誘発には多くの種類があり、刺激がマイルドな方法から強い効果のあるものまで、特徴もさまざまです。卵巣予備能を知ることは、治療方針を定める上で大切な判断材料となるでしょう。

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AMH値と妊娠率は比例するの?

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AMHの値は、妊娠できる確率とは無関係です。したがって、AMHが高いから妊娠しやすい、AMH値が低いから妊娠しにくい、などの考えは誤りです。妊娠できるかどうかには、卵子の質が大きく関わっています。AMH検査では、卵子の質は調べることができません。

卵子は年齢とともに古くなり、質は低下することがわかっています。つまり、AMHの値が同じでも、30歳の人と40歳の人とでは、30歳の人の方が妊娠しやすいということです。

AMHの値が低い人でも、質の良い卵子が排卵されていれば、妊娠のチャンスは十分あります。ただし、妊娠できるリミットが通常よりも短いことを念頭に置き、早めに妊活に取り組むことをおすすめします。

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卵巣機能を判断するための、他のホルモン検査とは?

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AMHは卵巣の機能を知る上で重要なホルモンですが、他にも排卵に深く関わっているホルモンがあります。排卵に関わるホルモンの検査結果を総合して判断すると、より正確に卵巣の状態を把握できます。

FSH ・LH(卵胞刺激ホルモン・黄体形成ホルモン)

FSHとLHは、脳の下垂体から分泌され、卵巣に働きかけるホルモンです。FSHは「卵胞刺激ホルモン」と呼ばれ、原始卵胞から成熟卵胞へと卵子を成長させる働きがあります。LHは「黄体形成ホルモン」のことで、排卵直前に爆発的に分泌量が増え、卵巣からの排卵を促します。

FSH・LHは生理周期によって値が大きく変動します。判断基準となる基礎値を測る場合は、生理の3〜7日目に血液検査によって測定します。多嚢胞性卵巣症候群や、早期性卵巣機能障害などの排卵障害がある場合、FSHやLHの値に異常が現れるケースが多いようです。

一般的には、年齢とともにLH・FSHの値は高くなります。また、FSHの値は、実際の卵巣機能がかなり低下してから高くなる傾向があります。特に年齢が高い場合は、FSHの値が正常でも、すでに卵巣機能が落ちている可能性があるので注意しましょう。

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E2・P4(エストラジオール・プロゲステロン)

E2とは、卵胞の顆粒膜細胞から分泌される女性ホルモン「エストロゲン」に含まれる成分「エルトラジオール」の一種です。エストロゲンは「卵胞ホルモン」とも呼ばれ、女性らしさの元となるホルモンです。女性らしい身体つきを作り、肌や髪の潤いを保つ働きがあります。

P4は、排卵後の黄体から分泌される「プロゲステロン」のことです。プロゲステロンは別名を黄体ホルモンといい、体温を上げ、妊娠に備えて子宮内の子宮内膜を厚くします。P4・E2の分泌量は、排卵前の低温期には低く、排卵日に向けて上昇する特徴があります。通常、E2の値は排卵直前に最も高くなり、P4は排卵後の黄体期に最も多く分泌されます。

E2は排卵前に、P4の値は高温期に入って1週間後に、血液検査によって計測します。E2の値が基準値よりも低い場合、卵胞が十分に成熟しないまま排卵している「未成熟排卵」の可能性があります。また、P4の値が低い場合は、黄体機能不全が疑われます。黄体機能が低下していると子宮内膜が厚くならないため、受精卵が着床しづらい状態です。

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自分の卵巣の状態を知って、前向きに妊活を!

卵子の数は生まれる前から決まっており、生涯に渡って増えることはありません。現在の医療技術では、AMHを改善する方法はないと考えられています。しかし、妊娠率には卵子の質が強く関わっています。赤ちゃんを授かるためには、AMHの値だけにとらわれることなく、生活習慣や食事内容を見直し、質の良い卵子が育つように努力することも大切といえるでしょう。

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