初産の平均年齢は?初産の年齢が上がるリスクと妊娠できる年齢の限界
【2019年時点の最新データ】第一子出産の平均年齢が徐々に上がっていることをご存知ですか。実際、最近の初産の平均年齢というのは、何歳なのでしょうか。ここでは、初産の平均年齢や、初産の年齢が上がるリスク、妊娠年齢の限界について解説します。
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目次
初産の平均年齢は年々上がっている【2018年版の最新データ】
女性の初産年齢は平均30.7歳
「内閣府 平成30年版少子化社会対策白書」によると、日本における初産の平均年齢は年々上昇しており、2011年に平均30歳を突破しました。2016年には第一子の出生年齢が平均30.7歳という結果となっています。そして、第二子では平均32.6歳、第三子では平均33.6歳です。
男性の初産年齢は平均32.8歳
男性の第一子出産時の年齢は32.8歳で、女性より2歳程度上です。女性だけでなく、男性も初産の平均年齢が高齢化していることがわかります。
初産の平均年齢が上昇している原因
女性の社会進出
なぜ初産の平均年齢が上昇し続けているのでしょうか。まずは、女性の社会進出が進んでいることがあげられるでしょう。女性がキャリアを積もうとすると、男性と同じような働き方(長時間残業や出張、転勤など)を求められます。
これは、働きたい女性がなかなか結婚に踏み出せない原因のひとつです。女性の社会進出によって晩婚化が進み、出産年齢も上がっています。出産しても、保育園問題などのために仕事しづらくなる、というモデルケースが周囲に多く存在するため、なかなか出産まで踏み切れない女性も多いでしょう。
子育て・教育費用の増加
子育て・教育費用の増加も問題のひとつにあげられます。子ども1人を育てるのに、大体2000万必要とも言われており、費用面に目が行きがちです。子育てにかかるお金を考慮して、子どもを持つことをためらったり、先送りにしてしまったりする夫婦もいます。
育児への不安
育児への不安も出産年齢を上げています。核家族化が進み、自信が持てないまま子どもを育てていかなければならないように感じてしまい、「自分が育児できるのか」という不安が女性をおそいます。そのため、子どもをもつことを躊躇してしまうのです。
妊娠できる年齢の限界
妊娠率は35歳で一気に低下する
先延ばしにしていても、いつでも産めるわけではないのが「女性の身体」です。妊娠率は35歳で一気に低下します。日本産婦人科学会で定義されている「高齢出産」も、35歳以上で初めて出産することを指します。
一般的に、30歳の健康な女性が一周期に自然妊娠する確率は20%だといわれています。20歳代では25~30%あるのに対し、30歳代後半では約10%、40歳代だと5%未満と言われ、年齢が上がるごとに妊娠する確率が低くなります。
42歳がリミットという声も多い
35歳前後から妊娠する力が低下すると言われています。加齢に伴って妊娠する力が下がり40歳を過ぎるとかなり難しくなります。自然妊娠が難しいとなると、不妊治療にふみきれば良いと考えるかもしれません。しかし、不妊治療をしたとしても、「不妊治療の成功率が1割弱となる42歳がリミット」としている意見もあるようです。
初産の適齢期とは
女性は20歳代、遅くとも35歳まで
初産に適した年齢とは一体何歳でしょうか。一般的に、25~35歳頃は子宮や卵巣の問題が少なく、身体的・精神的にも健康な時期で、妊娠に適した時期とされています。出産期に赤ちゃんが死んでしまう確率や出産時に母体が死亡する確率が最も低いのが20歳代であり、産まれた赤ちゃんの先天性異常の確率が低いのも20歳代であることから、20歳代~35歳までが初産の適齢期といえるのです。
男性も20歳が最適といわれている
妊娠は女性側だけの問題ではありません。男性側の年齢も重要です。自然に子どもができるまで、男性が20代だと平均6ヶ月、30代で平均10ヶ月、40代後半では1年半もかかるといわれています。
さらに、精子のDNAは40歳以上になると突然変異の数が増え始め、産まれてくる子どもの先天性異常の確率も高くなるのです。そのため、男性でも20代が妊娠適齢期といわれています。
高齢出産のリスク
不妊
高齢出産の際のリスクをあげていきます。まだ妊娠していないとなると、まずは「不妊」のリスクがあります。先ほどもお伝えしたように、年齢が上がるほど、自然に妊娠しにくくなってきます。その理由は卵子の老化ともいわれ、高齢になればなるほど、不妊治療を受ける確率が上がり、妊娠する確率は低くなります。
妊娠高血圧症候群
高齢出産では、「妊娠高血圧症候群」の確率も高まります。妊娠高血圧症候群とは、妊娠中に高血圧になることで、尿たんぱく、血管障害、臓器障害などを発症する病気のことです。以前は「妊娠中毒症」と呼ばれていました。妊娠高血圧症候群は、悪化すると母体や赤ちゃんの命にかかわる危険もはらんでいます。
先天性異常
赤ちゃんの先天性異常の確率も上がります。25歳ではわずか476人に1%ほどの確率で先天性異常が起こりますが、35歳では192人に1人、40歳では66人に1人という割合です。先天性異常は、女性側だけでなく、男性側の年齢にも起因します。
流産
すべての妊娠で15%程度といわれている流産の確率も上がります。具体的には、40代となると約40%となり、一気に流産の確率が高くなるといわれています。
常位胎盤早期剥離
高齢出産のため、妊娠高血圧症候群となると、母子をつないでいる胎盤がはがれてしまう「常位胎盤早期剥離」にもなりやすくなります。発症率は全妊娠の0.5%ほどのものですが、母子ともに命の危険にさらされる危険な状態です。
難産
高齢で初産の場合は、産道や子宮口の柔軟性が少ないため、難産になりやすいといわれています。そのため、高齢出産のほうが、帝王切開の確率が高くなるのです。
高齢出産にはメリットもある
経済的不安が少ない
高齢出産のデメリットばかりをあげましたが、高齢出産にはメリットもあります。まずは、夫婦ともに経済的に安定していることの多い高齢出産は、経済的な不安が少ないことです。安定した経済の基盤の中で思うように子育てできるのは、大きなメリットではないでしょうか。
精神が安定しやすい
出産までにさまざまなことを経験している分、精神が安定しやすいのも高齢出産のメリットです。悩みを抱える母親は、若くして出産したケースが多いとの意見もあるようです。また、高齢出産の母をもつ子どものほうが言語面での発達が早いとの研究結果もあります。
生活リズムが改善しやすい
「高齢出産」ではリスクを伴うことを意識し、食生活や生活リズムの改善を図る人も多いので、生活リズムが安定しやすいといわれています。さらに、妊娠前後に身に付けた健康的な習慣が、その後の人生においても健康に暮らせることにつながっていくのです。
リスクもきちんと把握して
筆者の周囲でも40歳で出産したママがいたり、35歳をこえて結婚していない女性がいたりと、昔よりも女性の生き方が多様化しているのだろうと感じています。出産だけが、女性の幸せのかたちではありません。
しかし、出産したくでもできない年齢というものがあるのも事実です。出産可能な年齢や高齢出産にかかるリスクについてきちんと把握したうえで、人生の選択をしていきたいですね。