子宮収縮剤とは?子宮収縮剤の種類と使うタイミング、副作用

陣痛を促す薬である「子宮収縮剤」。子宮収縮剤は一体どのような時に使われるものなのでしょうか。ここでは、子宮収縮剤の種類や使うタイミング、気になる副作用について、医師監修の記事で解説します。

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この記事の監修

目次

  1. 子宮収縮剤とは
  2. 子宮収縮剤の種類
  3. 子宮収縮剤を使うタイミング
  4. 子宮収縮剤の副作用
  5. まとめ
  6. あわせて読みたい

子宮収縮剤とは

「子宮収縮剤」は、子宮の収縮を引き起こし、陣痛を促進したり増強させたりする薬です。出産時に、なかなか赤ちゃんが下りてこずに分娩に至らなかったり、母子ともに体力的な問題があったりする場合に、子宮を収縮させて陣痛を促進するために使われます。

「子宮収縮剤」は、「陣痛促進剤」とは違い、は陣痛の促進のみに使用されるわけではありません。子宮収縮剤は、分娩前・分娩後・流産・死産のときに、子宮の中にたまったものを排出するために使用される場合もあります。

子宮収縮剤の種類

子宮収縮剤にはいくつか種類があります。こちらでは、主に使用される3つの子宮収縮剤をご紹介します。

オキシトシン製剤

「オキシトシン製剤」は、商品名としては「アトニン-0」「オキシトシン注射液」などとあります。出産時の陣痛を促すはたらきがあり、点滴で注入して使用します。医師が薬の投与の速度を正しく管理しながら使用します。微弱になった陣痛を促して、母子ともに安全な状態で分娩を迎えるために使用されます。

プロスタグランジン製剤

「プロスタグランジン製剤」には「プロスタグランジンF2α製剤」と「プラスタグランジンE2製剤」の2種類があります。

■「プロスタグランジンF2α製剤」は注射液です。商品名は「プロスタルモン・F注射液」「プロスタグランジンF2α注射液」です。オキシトシン製剤よりも緩やかに陣痛を促進し、不規則に子宮を収縮させる働きがあります。母体や胎児に異常が見られなければ、陣痛が起こるまで規定量を投与していきます。

■「プラスタグランジンE2製剤」は錠剤の内服薬です。商品名は「プロスタグランジンE2錠」「プロスタルモン・E錠」です。予定日を過ぎた妊婦さんが陣痛を誘発するために用いられる薬です。こちらを服用して起こる陣痛は、自然陣痛に最も似ていると言われています。一日6錠まで服用が可能で、陣痛が起こった際は服用をストップし、他の子宮収縮剤を使用してさらに陣痛を促す場合が多いようです。

麦角製剤

「麦角製剤」はライムギに寄生する麦角菌から産生される薬で、子宮収縮剤として使用されます。商品名は「パルタンM錠」「メテルギン錠」「メテナリン錠」などです。陣痛の促進だけでなく、分娩直後の子宮収縮不良による子宮弛緩出血・産後の子宮収縮促進・流産後の子宮収縮の促進に使用されます。

子宮収縮剤を使うタイミング

微弱陣痛のとき

陣痛が弱く、なかなか分娩まで進まないときに使用します。陣痛が長引いたり、いちど起こった陣痛が微弱になったりした場合、子宮収縮剤の使用によって分娩が進みやすくなります。分娩時間を短縮して、母体が分娩によって消費する体力を最小限に抑える目的もあります。

陣痛を誘発するとき

陣痛が来ないときに使用します。予定日を過ぎ過期産(42週0日を超えた場合)に入ると、胎盤の機能が低下したり、羊水が減少したりすることがあります。母子ともに危険な状態になってしまうため、過期産に入ると子宮収縮剤を用いて、分娩に繋がる陣痛を誘発する場合が多いようです。

産後の子宮収縮を促進したいとき

産後、子宮内の余分なものを排出するために、子宮は自然に収縮を始めます。子宮が収縮することによって、胎盤がはがれたあとの出血を止めるのです。大きく膨らんだ子宮を半年ほどかけて通常のサイズまで収縮し、元の大きさに戻していくのです。

産後1ヵ月経ってもなかなか悪露がおさまらない場合、子宮収縮剤を処方されることがあります。また、産後に子宮内に卵膜などの異物が残っている場合、異物を排出させるために使われることもあります。

■筆者の体験談
筆者は、「産後の子宮の戻りが悪いから」と言う理由で、出産による入院の退院時に子宮収縮剤を処方されました。一週間ほど服薬をして、再度診察を受けたのですが、その時には薬の効果もあったのかすっかりと戻っていました。

服薬している最中は、キューッと子宮が収縮される感覚がありました。それを感じると悪露が増えたので、薬がしっかりと効いていたのだと思います。筆者は後陣痛も酷かったので、「また、耐えられないほどの後陣痛があったらどうしよう……」と心配になりましたが、そこまで痛みを感じることはありませんでしたよ。

流産や死産のとき

流産や死産した際も、子宮の出血を止める必要があります。子宮内に残ったものを排出するために、子宮収縮が行われますので、それを促進するために使用されます。

子宮収縮剤の副作用

子宮収縮剤には副作用があります。子宮収縮剤を使用する際は、医師に副作用を確認した上で使用すると良いでしょう。分娩時に子宮収縮剤を使用する可能性があるかどうか、健診の時に聞いておいても良いですね。

子宮への副作用

子宮収縮剤には子宮を収縮させる作用があるので、重い生理痛のような下腹部痛を伴います。効き方には個人差があって、まれに痛みが強くなりすぎてしまうことがあるようです。そのため、点滴などで投与する場合は、医師の判断により少ない量から投与して、効いている強さを確認しながら使用します。

胎児への影響

子宮収縮剤を使用して陣痛が強く起こりすぎてしまった場合、まれに子宮破裂や胎児ジストレス(胎児仮死)が発生することがあります。胎児ジストレスは新生児の黄疸、胎児機能不全(羊水の混濁や徐脈、頻脈)の原因となることもあります。子宮収縮剤の投与は適切な監視のもと行われるので滅多にないことですが、心配な場合は、出産前の健診時に「子宮収縮剤を使用する場合があるのか」「使用する場合はどのような時なのか」を医師に聞いておきましょう。

循環器への副作用

子宮収縮剤を使用した場合、まれに不整脈や一過性の血圧の上昇や下降、胸内苦悶がみられることがあります。呼吸困難や喘鳴(胸がゼーゼーいう)といった症状がでる場合もあります。

消化器への副作用

子宮収縮剤を使用した後、まれに吐き気や腹痛・下痢・腹部膨満感などが現れることがあります。そのような場合はゆっくりと体を休めることが第一ですが、ひとりで我慢せずに、必ず医師や看護師さんに相談して適切な処置をしてもらいましょう。

まとめ

分娩時はなにが起こるか分かりません。子宮収縮剤を使用するかどうかも、予測ができませんよね。誰でも使用する可能性はあるので、どのようなタイミングで子宮収縮剤を使用するのか今のうちに確認しておきましょう。

分娩後に子宮収縮剤を使用した後、子宮収縮の痛みが我慢できなければ、鎮痛剤を処方してもらえることもあります。母乳に影響がない薬を処方してもらえますので、我慢せずに病院に相談しましょう。

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