子どもの嘔吐!吐いた後の対処法、受診の目安と食事の注意点は?
子どもはふとした拍子や食べすぎなどでも嘔吐することがあります。病気が原因での嘔吐でなくても、子どもが吐き戻すと本人も周囲もあせってしまいますよね。子どもが嘔吐する原因はどのようなものなのでしょうか。また嘔吐後のお世話の注意点や受診の目安、吐いてしまった後の食事について解説します。
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目次
子どもが嘔吐する原因
子どもが嘔吐するというのは、胃に入っている内容物が逆流し口から外に出ることをいいます。子どもは大人に比べて胃や食道が未発達のため嘔吐しやすいとされていますが、嘔吐したときはまず病気を疑う方も多いでしょう。子どもが嘔吐する原因は感染症によることが多いとされています。ロタウイルスのようなウイルス性のものやノロウイルスのような感染性胃腸炎は、主に嘔吐が伴う症状が一般的です。
他にもストレスなどの心因性によるもの、食べすぎ、飲みすぎなどで嘔吐につながる場合があります。
子どもが嘔吐したときの対処法
子どもが嘔吐をするとママはあせってしまいがちです。しかし、ウイルス性の感染症の場合はあせって処理をすることで、ママも感染してしまう場合があるため、子どもが嘔吐したらポイントをおさえて落ち着いて対処するようにしましょう。
嘔吐の他に症状がないか確認する
子どもが嘔吐したら、まずは嘔吐物の色や状態をチェックすることが大切です。次に、嘔吐以外に腹痛・下痢・発熱など普段と変わった様子がないか、子どもがお腹以外の場所を痛がっていないかどうかをチェックします。
嘔吐物を処理する場合は感染症であることを想定して、ゴム手袋やマスクをしてキッチンペーパーやティッシュなど捨てられるもので処理すると良いでしょう。処理した紙などはビニール袋に入れてしっかりと封をして燃えるゴミで捨てるようにしてください。
水分を補給する
嘔吐をすると水分不足で脱水症状を起こしやすくなるので、水分補給が必要です。でも、吐き気が治まらないうちに水分を与えてしまうと、再び嘔吐してしまうおそれがあります。水分補給は嘔吐が落ち着いてから行うようにしましょう。
感染予防しながらお世話をする
嘔吐後のお世話をするときは、ウイルス性の感染症などに感染しないよう、マスクや手袋を着けましょう。嘔吐物の処理をし終わった後は、手洗いやうがいをして感染を予防しましょう。
症状が治まらないときは病院へ
吐いた後も症状がなかなか治まらないときは、思わぬ病気が隠れている場合があります。病院でよく診てもらうようにしましょう。
二次感染を防ぐための対処法
子どもの嘔吐の原因が急性胃腸炎などウイルス性の感染症の場合は、お世話をするママやパパが二次感染するおそれがあります。子どもが嘔吐したときに気をつけたいポイントを紹介します。
トイレや洗面台で嘔吐した場合
トイレで嘔吐してしまった場合は、洋式であればウイルスが飛び散らないようにふたを閉めて嘔吐物を流すようにしましょう。洗面台などで嘔吐してしまった場合も、勢いよく流すのではなく静かに流します。
嘔吐物を洗い流した後は消毒をしましょう。市販の衣類用または台所用の塩素系漂白剤を水で100倍程度に薄めたものを使ってトイレや洗面台を消毒します。周辺の壁や床も消毒すると良いでしょう。
床や畳、カーペットに嘔吐した場合
できるだけ早く嘔吐物を取り除きます。その際、こすってしまうと畳やカーペットの中に入り込んでしまう場合があります。まずは古新聞や古いタオルを使って大まかに嘔吐物を取り除きます。次にお湯に浸した雑巾を固く絞り叩くように畳を拭いて、ウイルスなど除菌できるスプレーをかけながら処理すると良いでしょう。
衣類や寝具に嘔吐した場合
衣類や寝具が嘔吐物で汚れてしまった場合、他の洗濯ものと一緒に洗濯するのは避けましょう。嘔吐物を取り除き、塩素系漂白剤などの次亜塩素酸ナトリウムで消毒(水で0.02%に薄めたものに30~60分間程度浸ける)や、熱湯消毒(85℃以上のお湯に1分間以上浸けられれば理想的)をしましょう。
シーツなど大型のもので熱湯消毒が難しい場合は、スチームアイロンをあててその熱で消毒するのが手軽で効果的です。
処理は嘔吐物が乾く前に
嘔吐物を処理するときは素手では行わず、手袋やマスクを着用し、処理後は石けんでしっかりと手を洗いましょう。なお、嘔吐物が乾燥してしまうとウイルスが空気中に飛散してしまうため、乾く前に処理をすることが重要です。
嘔吐後に医療機関を受診するときの目安
乳児は元気の良いときでもミルクなどを吐いたりするので、嘔吐をした場合、急いで病院へ連れて行ったほうが良いのかどうか迷いますよね。受診する際の目安は下記を参考にしてください。
症状には個人差があるのであくまでも目安とし、心配なときは迷わずに病院を受診しましょう。
脱水症状
脱水症状が疑われるときの身体的な症状は次の通りです。
・顔色が悪く、ぐったりしていて元気がない。もうろうとしている状態
・尿量がいつもより少ない
・嘔吐物が緑色である
・口の周辺や口腔内が乾燥していて、手足が冷たい場合など
便の異常
便の状態がいつもと違う場合も病院を受診するようにしましょう。白色であったり、血液が混ざっていたり、水様便であったりする場合は特に注意が必要です。便が出た実際のおむつを袋に入れて持参したり写真に撮って診察時に見せたりと医師が判断しやすい準備をしておくことが望ましいといえます。
食欲不振
嘔吐をした後に、水分を摂ることもできないほど食欲不振である場合も注意しましょう。脱水症状につながる場合があるため、すぐに病院を受診してください。
発熱
嘔吐とあわせて、発熱がみられる場合も子どもの体温の上昇に注意しましょう。一般的に平熱よりも1℃以上体温が上がると発熱とされています。平熱がわからない場合は、37.5℃以上を目安に受診するようにしましょう。
軽度だが症状が続く
症状が軽度であっても、素人の判断ではわからないこともたくさんあります。頻度は高くなくてもふとしたときに元気がなくなり嘔吐するなど、少しでも心配な症状があるときは迷わず受診して医師に診てもらいましょう。
吐いた後の食事の注意点
子どもが吐いた後の食事について、どんなことに注意をすれば良いのでしょうか。
食事は控える
嘔吐した後すぐに何かを食べるのは避けましょう。吐いてからすぐに食べ物を与えると再び嘔吐することになりやすいので、嘔吐と吐き気が治まって水分を摂取できるようになるまでは、食事は控えるようにしてください。少なくとも嘔吐してから約1時間は固形物を与えるのを避けましょう。
少量の水分補給から始める
嘔吐をした後は、いきなりいつもと同じ食事をするのではなく水分補給からスタートするのが安心です。水分補給も少量ずつ(スプーン1さじ程度から)与え、吐かないで飲めるかどうか様子を見ながら量を増やしていきましょう。
あせらずに少しずつ食事する
子どもが嘔吐後に何も食べていないとママは心配になり、ついつい一度に多くの量を食べさせようとしてしまったり、吐いた本人もたくさん食べようとしてしまったりすることがあるでしょう。しかし嘔吐後に食事をするときは、与える量とペースに注意する必要があります。
嘔吐後の子どもにおすすめのメニュー
嘔吐後の子どもに与えたいおすすめのメニューを紹介します。刺激が少なく消化の良いもの、冷たいものより温かく柔らかいものから与えるのがおすすめです。子どもが食べることをいやがっている場合は、無理に食べさせる必要はありません。様子を見ながら与えましょう。
おかゆ
お米1に対して水が10くらいの重湯から食べさせるのがベストですが、おじやくらいのおかゆから少しずつ与えるようにしましょう。
スープ類
野菜スープやみそ汁などのうわずみや、茹で野菜をペースト状にしたスープも食べやすくておすすめです。カボチャ、大根、ニンジンなどの野菜を使用して作ります。
湯豆腐
温かい湯豆腐は食べやすいのでおすすめです。薄めに切った大根やニンジンなどを加えて、少しずつ与えるのも良いですね。
うどんや煮麺
温かいうどんや煮麺も、食べやすくて身体が温まるのでおすすめです。いつも食べている麺より柔らかく煮たものを与えてください。うどんと一緒に、食べやすい大きさに切った野菜を煮込んでも良いでしょう。
すりおろしりんご
すりおろしりんごは、簡単に作ることができて子どもも食べやすく、消化に良いのでおすすめです。同じく口当たりが良いようでも、柑橘系のフルーツは吐き気を誘発してしまうおそれがあるので避けましょう。
子ども嘔吐に関する体験談
小学生の子どもが乳児だったころ、いつもより大量の嘔吐をし、いったいどうしたのだろうとあせったことがあります。吐いた直後にもふつうに水分を与えてしまったため、子どもは嘔吐を繰り返してしまいました。脱水症状が心配で、急いで水分を与えたのが大失敗でした。
水分補給や食事はあせらずに
嘔吐した後は、できるだけ早く水分補給や食事をさせようとママはあせってしまいますよね。でも、吐いた直後に与えるとそれをまた吐くことになります。水分や食事は嘔吐が落ち着くまで待ってから与えるように心がけましょう。