【睡眠コンサルタント解説】赤ちゃんが早起きすぎる!意外な原因と対策とは?
毎日の育児に疲れ、夜泣き対応にもヘトヘト…朝くらいゆっくり寝かせてほしいものですね。しかし、赤ちゃんの早起きに悩まされているママは多いようです。赤ちゃんが早朝に覚醒するのはなぜなのでしょうか。今回は乳幼児睡眠コンサルタントの和氣春花さんに、赤ちゃんが早朝起きする原因と対策を伺いました。
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目次
赤ちゃんの早朝起きはいけないこと?
そもそも、赤ちゃんが4時や5時という朝方の早い時間に起きるのは悪いことなのでしょうか。赤ちゃんの早朝起き自体がよくないことかというと、実はそうではありません。
赤ちゃんが早起きなのは、赤ちゃんが早朝に起きる生活リズムになっていることが考えられます。睡眠と覚醒のリズムがちょうど朝早い時間に重なっている状態なので、赤ちゃんがその時間に起きていても睡眠不足を心配する必要はないでしょう。
赤ちゃんの早朝起きが問題になるかどうかのポイントは、ママやパパが困っているかどうかです。ママやパパが「朝6時までは寝ていたい」「睡眠時間を確保したい」と思っているにも関わらず、赤ちゃんが早朝に起きてしまいパパやママが疲弊しているとすれば、改善すべきことかもしれませんね。
赤ちゃんが早朝起きしてしまう原因
原因1 明かり漏れ
赤ちゃんが早朝に起きてしまう大きな要因のひとつが「明かり漏れ」です。カーテンの隙間やドアの隙間から外の明かりが入ってくることによって、赤ちゃんが「光が見える!明るいから朝だ!」と感じてしまうパターンです。特に夏の時期は日が昇る時間が早くなるので、この要因で起きてしまうことが多くなります。
絶対条件ではありませんが、基本的に寝室は、豆電球などもつけずに「真っ暗」を推奨する考えもあります。もし、赤ちゃんが早朝に起きてしまったときに、外から光が漏れていないかどうかを確認しましょう。
明かり漏れがあった場合は、遮光対策をとることが解決につながるかもしれません。
敏感な赤ちゃんにとっては、一筋の光すらも睡眠をさまたげる要因になってしまうといわれています。時計の読めない赤ちゃんは、明るい光が差し込むことで「あれ?もう起きる時間かな?」と思ってしまうようです。
真っ暗な部屋での就寝は大人にとっても良質な睡眠につながりますので、明かり漏れを防ぐ遮光カーテン(一級遮光、できれば100%完全遮光のもの)の導入をおすすめします。遮光カーテンにもさまざまな種類がありますが、一級遮光や100%完全遮光のものを選ぶと良いでしょう。また、カーテンの隙間から明かりが漏れてしまうときは、タオルやテープでふさぐなどの対策がおすすめです。
夜間のお世話のためにライトが必要な場合は、足元に置いて使用し、できるだけ照度を下げて使うようにしましょう。現在では赤ちゃんのお世話に使える「ナイトライト」や「フットライト」が増えていますので、チェックしてみてくださいね。
原因2 就寝前に疲れすぎている
早朝起きの大きな要因に疲れすぎがあります。赤ちゃんは大人のように日中ずっと起き続けることができません。赤ちゃんは、日中に昼寝をとって少しずつ休憩をしていくことで疲れをリセットしています。そのため、昼寝をあまりせず連続で長く起き続けてしまうと疲れすぎてしまい、脳が興奮状態になってしまいます。
脳が興奮状態になると、夜の寝つきが悪くなるばかりでなく、眠りの質を落としてしまいます。ちょっとした刺激で夜中に目が覚めてしまったり、朝方に眠りが浅くなりそのまま眠れなくなってしまったりするなどの悪影響を起こすようです。
赤ちゃんのお昼寝がいつもと違うとママやパパも気になりますよね。
早朝起きを改善し始めたころはママもパパも無理せず、まずは赤ちゃんが夕方にとる最後のお昼寝から夜の就寝までの時間が長くなりすぎないようにしてみましょう。
下記の表は、赤ちゃんがお昼寝から起き次に眠るまでの月齢別の目安時間です(※1)(※2)。
たとえば生後8ヶ月の赤ちゃんが、17時に起きたとしましょう。下記の表を参考にすると、およそ3時間後の20時に夜の就寝に入るのが目安とされています。しかし、目安の時間になっても赤ちゃんがうまく眠れなかったり、目安時間よりもかなり前に寝落ちしたりする場合は、寝かしつけをする時間を早めてみることをおすすめします。
なお、この表はあくまで目安なので、一日中これに当てはめなくてはいけないものではありません。赤ちゃんの様子に合わせて寝かしつけのタイミングを調整してみてくださいね。
【月齢】 | 【次の寝かしつけ時間(目安)】 |
---|---|
0~2ヶ月 | 40分~1.5時間 |
2~4ヶ月 | 1.5時間~2時間 |
4~6ヶ月 | 2~3時間 |
6~8ヶ月 | 2~3.5時間 |
8~12ヶ月 | 3~4時間 |
12ヶ月~15ヶ月 | 最大4時間 |
15ヶ月~3歳 | 最大6時間 |
原因3 就寝時刻が早すぎる
赤ちゃんの早起きで困っているママやパパのお話を聞くと、赤ちゃんが早寝早起きのリズムになっているだけのケースがあります。
赤ちゃんの夜の睡眠時間の目安は10〜12時間。たとえば、夜18時に寝かしつけをしていて、朝5時に起きてしまうという場合、それは赤ちゃんが早朝起きをしているではなく、通常の起床だといえるでしょう。
しかし、赤ちゃんが今よりも遅く起きるよう睡眠リズムを変えていきたいと考えている場合は、夜の寝かしつけの時間を少し遅らせたり、場合によっては夕寝を増やしたりして、睡眠リズムを後ろ倒しにすることが対策になります。
原因4 早すぎる朝寝
午前中の睡眠、いわゆる「朝寝」が早すぎていることが早朝起きの原因となることがあります。早朝起きしてしまったときはその分朝寝も早くなってしまいがちですよね。
たとえば、早朝4時に起床した赤ちゃんが朝7時に朝寝をするリズムが固定されてしまうと、夜寝と朝寝がつながってしまい、区別がなくなってきてしまう可能性があります。そのため、1日の生活リズムが確立してくる生後6ヶ月以降は、朝8時前の朝寝は避けたほうが良いでしょう。
早朝起き改善のためには、起床時間までは暗いところで過ごし、明るい部屋に移動して活動した後に朝寝をするというリズムにすることをおすすめします。朝8時以前に絶対朝寝をしてはいけないということはありませんので、赤ちゃんのリズムに合わせて少しずつ改善していきましょう。
原因5 ホワイトノイズが少ない・騒音が大きい
ママやパパにとって赤ちゃんが寝ているとき小さな物音がしても気になることがありますよね。しかし、赤ちゃんにとっては必ずしも静寂が良いということではありません。
ホワイトノイズと呼ばれる、サーサーという砂嵐のような音には赤ちゃんを安心させてくれる効果があります。
ホワイトノイズは、赤ちゃんがママのお腹の中で聞いていた音に似ているといわれているので、赤ちゃんの早朝起きに悩んでいる方は活用してみるのも良いですね。現在は、スマホでもホワイトノイズをかけられるようなアプリがあります。
赤ちゃんを寝かしつけた後や早朝は、音をたてずに過ごしているというママ、パパは、アプリを試してみることをおすすめします。ホワイトノイズを鳴らす場合は、赤ちゃんの聴覚に影響がでないよう、頭の上や耳元は避け、枕元から2m程度は離すようにしましょう。
また、道路際や線路際の立地にお宅がある場合、朝5時ごろになると車や電車などの音が大きくなってくることがありますよね。繁華街にある住居なら、夜中に人の話し声などが聞こえることがあるかもしれません。そのような騒音が、赤ちゃんが目を覚ます要因になっていることが考えられます。
原因6 不快な室温
就寝中にエアコンのタイマーを設定している方も多いのではないでしょうか。タイマー設定が必ずしも悪いということではありませんが、タイマー機能によりエアコンが停止して時間が経った明け方ごろに、室内が暑すぎたり寒すぎたりして赤ちゃんが起きてしまうことがあります。
子どもは汗腺が未発達なため大人よりも暑がりといわれています。そのため、赤ちゃんにとっての室温は、大人が少し肌寒く感じるくらいの20℃前後が適温です。夏は25〜27℃、冬は18〜20℃が目安となるでしょう。赤ちゃんが快適な室温を保てるようにエアコンを調整することで、室温による不快感がなくなって、赤ちゃんの安眠につながります。
また、加湿も非常に大切です。特に冬は、暖房をつけていると室内が乾燥しがちなので、加湿器を一緒に使うことをおすすめします。同じ室温でも、湿度が高い方が体感温度も高くなりますよ。
赤ちゃんが早朝に起きてしまったときの対応
対応1 起床希望時刻までは寝室で過ごす
たとえ早朝に起きてしまっても、赤ちゃんと一緒にリビングに移ったり、テレビを見せたりすることはおすすめしません。
リビングで遊びたくて、テレビが見たくて、赤ちゃんはどんどん早く起きるようになってしまいます。「この時間まではねんねの時間だよ」と教えてあげるためにも、起床希望時刻までは寝室で夜のねんねタイムとして過ごすようにしてください。
ただし、すでに10時間以上睡眠がとれている場合は、赤ちゃんにとって正常な起床時刻として目覚めている可能性もあります。その場合、赤ちゃんはもう眠くないので無理に粘らず、就寝時刻を後ろ倒しにして睡眠の長さを調整するようにしましょう。
対応2 起床希望時刻なったらカーテンを開けて「おはよう!」
時間になったらカーテンを開けるか、明るい部屋に移動して、大きな声で「おはよう!」と赤ちゃんに挨拶をしてあげましょう。これが朝を知らせる合図になります。
太陽の光を浴びることは昼夜の違いを覚えるためにとても大切です。朝起きてから最低でも15分程度日光を浴びることによって、赤ちゃんのホルモンバランスと体内時計を整えることにつながりますよ。
早朝起きの改善には時間がかかる
習慣化してしまっている早朝起きのリズムは、一朝一夕では解決が難しいことが多いです。生活時間を整えたり就寝時刻を変更したりして、そのリズムに慣れてくると徐々に改善していくものです。
たとえば、赤ちゃんのリズムを変えようと夕寝を遅めにしたけれど、これまでと同じように早朝に起きてしまうこともしばしばです。「これをやってもムダなんだ」と落胆せず、長い目で赤ちゃんの生活習慣を変えるお手伝いをしてあげてくださいね。
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著者情報:和氣 春花(わけ はるか)
乳幼児睡眠コンサルタント/夜泣き・寝かしつけ専門YouTuber。
国内外の乳幼児睡眠コンサルタントの資格を保持。YouTube「寝かしつけ専門学校 ねんねママちゃんねる」を中心に、ブログやSNS、ラジオなどで子どもの睡眠についての情報発信を行う。睡眠に悩むママやパパへのコンサルティングや育児グループサービス提供、寝かしつけ講座の講師としても活動中。
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※この記事は2023年7月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。