【助産師・保育士監修】新生児が寝ない原因と対策!睡眠障害の心配は?昼夜の区別がないってほんと?

睡眠リズムができあがっていない新生児期は、赤ちゃんが寝ないのは珍しくありません。しかし、赤ちゃんが全然寝ないと「どこか悪いのではないか」「眠りを妨げる障害があるのではないか」と不安になるママやパパも多いようです。新生児が寝ない原因と効果的な対策、今すぐできる対処法から寝かせつけ方まで解説します。

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この記事の監修

河井 恵美
助産師・保育士
河井 恵美

目次

  1. 新生児の睡眠の特徴
  2. 新生児が寝ない原因や理由とは
  3. 新生児が寝ないときの対策
  4. 新生児が寝ないときの対処法
  5. 新生児期に寝ない赤ちゃんの体験談
  6. 赤ちゃんが寝ないときこそ、ママやパパとのコミュニケーションを大切に
  7. あわせて読みたい

新生児の睡眠の特徴

1日に合計16~20時間ぐらい眠る

新生児は1日に約16~20時間眠ります。新生児にとって睡眠は大切で、母乳やミルクを飲んでは寝る、を繰り返しながら、ぐんぐん成長しているのです。なかなか寝ないように思える赤ちゃんでも、少なくとも合計で16時間ぐらいは眠っているはずです。新生児にとって、眠るのは大きな仕事と言えます。(※1)

ママのお腹にいたころと同じようなリズムで寝たり起きたりする

生まれたばかりの新生児は、ママのお腹にいたころと同じようなリズムで生活をします。外の世界に出てきたものの、記憶はまだまだママのお腹にいたときのままです。寝たり起きたりを繰り返しながら、1日をゆっくり過ごしています。パパやママと同じ生活リズムになるまでには少し時間がかかるでしょう。

よく寝る子やなかなか寝ない子など個人差がある

新生児の睡眠には個人差があり、よく寝る子、なかなか寝ない子などさまざまです。中にはミルクを与えればすんなり寝てくれる子もいれば、抱っこしないと寝てくれない子もいるので、ママやパパの疲れ具合も違ってきます。

自分の子どもと周りの子どもを比べるのではなく、睡眠には個人差があるものと思っておくのが良いでしょう。同じママから生まれたきょうだいでも、寝つきには差があるのです。

昼夜の認識や区別ができない

生後1ヶ月頃の赤ちゃんは昼夜関係なく同じように寝ているので、昼と夜の区別ができないのも特徴です。新生児のお世話をするママやパパは、赤ちゃんに合わせて生活リズムを整えることも大切になってきます。夜に十分な睡眠がとれず寝不足だと感じたときは、ママやパパも一緒に昼寝をして身体を休めてください。昼夜の認識ができてくるのは、生後2〜3ヶ月頃からといわれています。

生後3~4ヶ月頃からリズムが整ってくる

新生児の睡眠リズムが整ってくるのは、生後3~4ヶ月頃からになります。徐々に日中の睡眠時間が短くなります。生後3~4ヶ月頃になれば、赤ちゃんが全然寝ないという悩みもどんどん減ってくるママやパパが多くなってきます。赤ちゃんの寝る時間が決まってくると、ママやパパもお世話をするのがずいぶん楽になるでしょう。

新生児が寝ない原因や理由とは

げっぷが出なくて苦しい

新生児はミルクと一緒に空気も飲み込んでしまうことがよくあります。しかし、生まれたての赤ちゃんの胃はまだまだ未熟なので、飲み込んだ空気をうまく出すことができず、胃の中にため込んでしまうのです。そのため、授乳のたびにげっぷをさせてあげる必要があります。

げっぷが出なくて苦しいと、赤ちゃんは当然ゆっくり眠ることができません。なかなか寝ないなと感じたら、抱っこしてげっぷが出ないか確かめてあげましょう。

お腹が空いている

生まれたばかりの赤ちゃんは、1日に母乳やミルクをたくさん飲みます。なかなか寝ずに泣いているのなら、お腹が空いているのかもしれません。「さっき飲んだばかりだから」と決めつけず、特に母乳の場合は欲しがるときに授乳してみましょう。

ミルクの場合は与えすぎると良くないので3時間はあけることが原則ですが、母乳はミルクよりも消化が早いため赤ちゃんの様子を見ながら少しずつ与えてみてください。また、赤ちゃんのお腹が空くタイミングにも個人差があります。お腹が空いたままではぐっすり眠れないのは大人と一緒です。特に母乳は一度の授乳量が分かりにくいため、赤ちゃんが欲しがるだけ与えても問題ありません。

うんちが出ずにお腹が苦しい(寝ないときにうなることがある)

赤ちゃんがなかなか寝ないとき、うなることはありませんか。もし、真っ赤な顔になったり突然うなったりしたら、うんちが出なくて苦しんでいるサインかもしれません。

いきんでいる証拠でもあるので、おなかを「の」の字で優しくマッサージしてあげると効果的です。うんちが出るとすっきりして、ぐっすり眠ってくれるでしょう。

温度が不快(暑いまたは寒い)

部屋の温度や赤ちゃんの体温も気にしてあげましょう。暑過ぎたり寒過ぎたりすると、快適に眠れないことがあります。特に注意したいのは、冬の暖め過ぎと夏の冷やし過ぎです。

寒い冬には、つい靴下や肌着などたくさん着せてしまいがちですが、新生児の衣類は大人より1枚少なめくらいがベストです。また、夏場には冷房の温度が低過ぎて体が冷えている可能性もあります。温度が不快なままだと、赤ちゃんはなかなか眠ってくれません。

寂しさや不安

生まれたての赤ちゃんは明るさを認識することはできますが、視力はまだ大人ほどしっかりしていません。そのため、どこにママやパパがいるのかわからず不安になったり寂しくなったりすることもあるといわれています。

医学的に解明された説ではないものの、赤ちゃんが寝ないときはママやパパの抱っこや添い寝、優しい声かけで赤ちゃんを安心させてあげてください。

寝ぐずり

新生児には、泣いてなかなか寝ない「寝ぐずり」もよく見られます。昼間は機嫌良く過ごしているのに、なぜだか夜は泣いて寝ないのなら、寝ぐずりかもしれません。

寝ぐずりの現れ方には個人差があり、毎晩寝ぐずりする子もいれば、まったくしない子もいます。また、昼に寝ぐずりをする子もいます。詳しい原因は分かっていませんが、あくまでも一時的な現象であり成長とともにおさまるでしょう。

黄昏泣き

黄昏泣きとは、夕方ごろになると赤ちゃんが突然ぐずり、泣き出す現象です。新生児にも見られ、黄昏泣きにも個人差があります。根本的な原因はまだ分かっていませんが、昼から夜に切り替わる生活サイクルに徐々に順応しているためともいわれているようです。

昼夜のリズムがつくように、日中にたっぷり陽の光を浴びさせて、夜に向けて部屋を暗く静かにして刺激を減らしていくと良いかもしれません。

睡眠障害

新生児期は睡眠時間にばらつきがあり、個人差も大きいため、赤ちゃんが寝ないからといって睡眠障害があるか判断するのはとても難しいものです。睡眠は脳の形成や発達に関係しているケースもあるので、おかしいなと感じたら、小児科や最寄りの子育てセンターや保険センターで、一度相談してみると良いでしょう。

新生児が寝ないときの対策

授乳する

新生児がなかなか寝ないとき、まずは授乳してみましょう。授乳にはお腹が満たされるだけではなく、安心感を与える効果もあります。抱っこして授乳することで、赤ちゃんはママの温もりを感じ安心してゆっくり眠ってくれるでしょう。お腹が満たされていても、おっぱいを吸うことで落ち着く場合もあります。授乳には赤ちゃんの情緒を落ち着かせる効果があるのです。

便秘をしないように心がける

大人でもつらい便秘は、新生児にとっても良いものではありません。夜寝ない原因にもなるので、普段から便秘をしないように心がけてあげましょう。便秘にならないためには、お腹のマッサージや簡単な運動などが効果的です。お腹を優しくなでたり、おむつ替えの際に両足をゆっくり動かしたりしてあげます。お尻の穴を軽く押すのも有効です。

ミルクを飲んでいる赤ちゃんは、粉ミルクが合っていない可能性もあるので、商品のメーカーを変えてみるのもおすすめです。

部屋の温度調節をしておく

新生児は1日の大半を部屋で過ごすので、部屋の温度調整には常に気を配りましょう。赤ちゃんが快適に過ごせるのは、冬は約22~25℃といわれています。夏は外気より4〜5℃低いくらいが目安です。

暖房や冷房、換気をうまく取り入れて部屋の温度を調節してあげてください。また、温度だけでなく湿度も重要です。加湿器などを利用し、50%前後の湿度を保つと過ごしやすくなります。(※2)

新生児が寝ないときの対処法

げっぷをさせる

新生児が寝ないとき、げっぷをさせるのは有効です。授乳から時間が経っていても、腸に空気が溜まったままだと赤ちゃんは苦しくて眠れません。

げっぷをさせるには縦に抱っこし、背中をやや強めに叩いたりなでたりします。少しコツがいるかもしれませんが、要領をつかめばげっぷを出しやすい姿勢を見つけられるでしょう。授乳後だけでなく、寝ないときにもげっぷが出ないか試してみましょう。

寝かせ方を変える

赤ちゃんが寝ないのなら、いろいろな寝かせ方を試してみましょう。抱っこで寝ないときは添い寝をしてみたり、子守唄を歌ったりするなど、今までと寝かせ方を変えてみるのも効果的です。ほかにも部屋を変えてみる、布団を交換してみる、揺れるベッドに寝かせる、など赤ちゃんにあった寝かせ方を探してみてください。

抱っこでも、立て抱っこが好みの赤ちゃんもいれば、横抱っこが好きな赤ちゃんもいます。スムーズな寝かせ方を見つけることができれば、毎日の寝かしつけがずいぶん楽になるはずです。

抱っこしてほほえみかける

なかなか寝ない赤ちゃんは、不安や寂しさを感じていることもよくあります。寝ないときには焦らず、優しく抱っこしてほほえみかけてあげましょう。ママやパパの笑顔や優しい声は、新生児にとって一番の安心感を与えるものです。

不安な気持ちや寂しさをママやパパのほほえみで包み込み、リラックスさせてあげると、赤ちゃんは眠りやすくなります。ママやパパも赤ちゃんに向かってほほえむことで、気持ちが安らぎます。

赤ちゃんが寝つきやすい音楽をかける

新生児は音に敏感です。いつも寝かせるときに音を立てず静かにしているのであれば、一度赤ちゃんが寝やすい音楽をかけてみてください。赤ちゃんの寝かしつけに効果的な音楽はたくさんあります。オルゴールの音色やママのお腹にいたときの胎内音などいろいろと試してみると、寝なかった赤ちゃんがすんなり寝てくれるかもしれません。

新生児でも音楽の好みには個人差があるようなので、赤ちゃんがお気に入りの寝つきやすい音楽を見つけておくと、ママやパパも楽になるでしょう。

そっとしておく

赤ちゃんがお腹いっぱいで顔色もよく、元気よく泣いている時は、特に構わずそっと見守るのも手です。そのうち泣き疲れて寝てくれますし、他の家族が休むことも大切です。

新生児期に寝ない赤ちゃんの体験談

産後すぐに始まる赤ちゃんのお世話はとても大変です。ママもまだ体調が不安定なのに、赤ちゃんがなかなか寝てくれないと疲れがどんどん蓄積します。筆者も生後3ヶ月頃まではずいぶん悩みましたが、時間が経てば、徐々に上手に眠ってくれるようになりました。今はとてもつらい毎日かもしれませんが、赤ちゃんが寝ない状態は少しずつ改善されます。

無理に寝かせようとするとママやパパが余計に疲れてしまうので、大らかな気持ちで赤ちゃんとの時間を過ごせれば、赤ちゃんにも安心感が伝わり、自然と眠ってくれるようになるでしょう。

赤ちゃんが寝ないときこそ、ママやパパとのコミュニケーションを大切に

赤ちゃんが寝ないと、自分も休めないし家事も片付かないし、とても大変です。ついイライラしてしまいがちですが、そんなときほどママやパパの心に余裕が欲しいものです。寝てくれない赤ちゃんには困ってしまいますが、優しく抱っこしたり、語りかけてあげたり、一緒に音楽を聴いたりして、赤ちゃんとママやパパとの時間をたっぷりとってあげましょう。

そうすることで赤ちゃんとママやパパとの絆が深まり、睡眠も上手になっていくものです。まずは安心感を与えることを意識し、ママやパパと赤ちゃんのコミュニケーションを大切にしてみましょう。少しずつ赤ちゃんも成長し、上手にねんねしてくれるようになりますよ。

※この記事は2023年6月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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