くるみアレルギーが増加!2025年からアレルギー食品表示の義務化へ
外食や加工食品を選ぶ際、食品表示を気にかけているママやパパは多いのではないでしょうか。食品表示には小麦や卵など、食物アレルギーを引き起こす可能性がある食品が記載されており、必要に応じて見直しが行われています。今回「くるみ」が新たに表示義務となりました。その理由と改正のポイント、食品表示基準の概要について解説します。
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目次
「くるみ」がアレルギー食品表示の義務に追加
くるみによるショック症例件数が増加
食品などの品質表示に関する業務を取りまとめている消費者庁では、食物アレルギー表示に関する調査研究を3年ごとに実施しています。
調査の結果、食べてから2時間以内にアレルギー症状があらわれる「即時型食物アレルギー」の原因となった食物のうち、くるみの割合が増加していることがわかりました。2015年には74件だった症例数が、2018年には251件、2021年には463件と増加傾向が顕著にあらわれています(※1)。
2025年4月から表示が義務づけられる
レトルト食品やお菓子などの加工食品には食品表示基準が定められており、食物アレルギーを引き起こすおそれのある食品が原材料に含まれる場合は、包装容器に表示することが義務化されています。
くるみの即時型症例が増加していることを受け、食品表示基準の一部を改正し、表示が義務化されている原材料に「くるみ」を追加することが消費者庁の消費者委員会本会議において決定されました。
これまでもくるみは表示が推奨される食品として扱われていたため、特定原材料に準ずるものとして表示を見かけたことがあるかもしれません。今回の改正では、必ず表示される食品に項目が移行されており、2年間の移行期間を経て2025年4月から表示が義務づけられます。
アレルギー食品表示とは?
身体に入ってきた「異物」から身を守るために働く免疫が、特定の食物に含まれる物質を異物とみなして過剰な反応を示すことがあります。この反応が食物アレルギーです。
消費者庁では、食物アレルギーを引き起こすおそれがある7品目を「特定原材料」として規定し、容器包装に表示することを義務づけてきました。改正によりくるみが追加され、特定原材料は8品目となります。
食品表示基準には、相当数の症例や重篤な症状が継続して報告されているものの、特定原材料ほど発症数が多くない食品は、可能な限りの表示を推奨する「特定原材料に準ずるもの」とされています。これまではくるみを含む21品目が指定されていましたが、改正により20品目となります。
特定原材料(義務表示)【8品目】 | えび、かに、小麦、そば、卵、乳、落花生(ピーナッツ)、くるみ |
特定原材料に準ずるもの(推奨表示)【20品目】 | アーモンド、あわび、いか、いくら、オレンジ、カシューナッツ、キウイフルーツ、牛肉、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン |
アレルギー食品表示のくるみに注意
くるみは現在、特定原材料に準ずるものとして指定されているため、アレルギー食品表示は任意です。移行期間の2025年4月までは、特定原材料表示と特定原材料に準ずるものとしての表示が混在することが予想されます。
初めての食品を子どもにあげるときは、アレルギー食品表示について推奨品を含む項目が表示されている食品を選ぶと安心です。
※この記事は2023年1月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。