【秋の赤ちゃんの体調管理】季節の変わり目に気をつけたいポイントと家庭でできる対策

暑さが少しずつ落ち着き、朝晩は肌寒さすら感じる「秋」。過ごしやすく感じる一方で、赤ちゃんにとっては体調を崩しやすい時期でもあります。元気に過ごすためには、寒暖差や空気の乾燥、感染症の流行など、秋ならではの環境変化に注意が必要です。秋に気をつけたい赤ちゃんの体調管理のポイント、家庭でできる具体的な対策などをご紹介します。

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目次

  1. 行楽シーズン到来!でもちょっと待って
  2. なぜ秋は赤ちゃんが体調を崩しやすいの?
  3. 秋に気をつけたい赤ちゃんの体調管理ポイント
  4. こんなときは受診を
  5. 秋のおでかけも楽しんで
  6. あわせて読みたい

行楽シーズン到来!でもちょっと待って

春夏秋冬の季節がめぐる日本。気象学的には、「秋」は9月から11月と定義されています(※1)。近年では春から秋にかけて気温が高い傾向にあるものの、9月から10月と日を追うごとに暑さはやわらぎ、過ごしやすく感じる日が増えてきます。

夏のうだるような暑さの中では赤ちゃん連れのおでかけもままなりませんが、秋になって日差しが穏やかになると、おでかけ気分も高まってくるでしょう。しかし、気候が穏やかな秋とはいえ油断は禁物。秋ならではの環境変化を踏まえて、赤ちゃんの体調を管理していくことが大切です。

なぜ秋は赤ちゃんが体調を崩しやすいの?

1.昼夜の寒暖差が大きい

一般的に1日の最高気温と最低気温や、気温の前日差がが「7℃以上」になることを「寒暖差が大きい」といいます。1年の中で春と秋は、日中は汗ばむ陽気になる日もあれば、朝晩はぐっと冷え込むこともあり寒暖差が大きくなる時期です。

下記の表は、今日と前日の最高気温もしくは最低気温を比較して、前日との差が7℃以上になった日数と平均を示したものです。年によって日数に違いがあるもの、春と秋にピークがみられます。

特に寒暖差が少ない夏場から一気にピークがくる10月は、夏の疲れもあって大人でさえ不調を感じやすい時期。体温調節機能が未発達な赤ちゃんにとっての負担はとても大きいものです。寝冷えをして風邪をひいたり、暑がってぐずったりする赤ちゃんも出てきます。

※表は気象庁「過去の気象データ」をもとに作成

地点:東京
2022年(日)
2023年(日)
2024年(日)
3年間の平均日数
1月0110.7日
2月0231.7日
3月5122.7日
4月5223日
5月1422.3日
6月2031.7日
7月0100.3日
8月0000日
9月1000.3日
10月2253日
11月1111日
12月1000.3日

2.空気の乾燥が始まる

気象庁によると、「乾燥した空気」は目安として湿度がおよそ50%未満の状態になったときを指します(※2)。乾燥注意報が発表される基準は自治体によって異なりますが、東京都では最小湿度25%で実効湿度50%が基準です。

下記の表は、東京の過去3年間で最小湿度が50%をきった日数を示したものです。7月から9月にかけて乾燥した日が少なくなりますが、10月になると乾燥が進むことがわかります。肌が敏感な赤ちゃんは、カサカサ肌や湿疹が出やすくなり、また鼻や喉の粘膜が乾燥することで風邪やウイルス感染のリスクも高まります。

※表は気象庁「過去の気象データ」をもとに作成

地点:東京
2022年(日)
2023年(日)
2024年(日)
3年間の平均日数
1月28272727日
2月24272224日
3月27222324日
4月16241318日
5月18181918日
6月1011910日
7月41669日
8月2665日
9月7303日
10月1322915日
11月18201417日
12月26253027日

3.感染症が流行しやすい

秋は保育園などでの行事や地域の交流などで人との接触が増え、風邪やRSウイルス、手足口病、インフルエンザなどの感染症が流行しやすい季節です。赤ちゃんはまだ免疫が弱いため、流行に敏感です。家族間で感染するケースも多くあります。

下記の表は、過去3年間で定点あたりの報告数が増えた時期を示したものです。コロナ禍以降、これまでと違った時期に感染者が増える感染症があったり、年に2回のピークが発生したりと、流行の予測が難しい状況も生まれています(※3)。

※表は厚生労働省/国立感染症研究所「2024年感染症発生動向調査 感染症週報」をもとに作成

2022年
2023年
2024年
RSウイルス7月、9月ごろ6~7月ごろ7月ごろ
手足口病8~9月ごろ9月ごろ6~8月、9~12月
インフルエンザ12月~6月ごろ9月~3月ごろ11月~3月ごろ

秋に気をつけたい赤ちゃんの体調管理ポイント

1.服装は「重ね着」で調整を

秋は1日の中で気温差が大きいので、「重ね着」が基本です。朝晩は半袖もしくは長袖の肌着にロンパースやカバーオールなど、日中は肌着の上にカーディガンやベストなどの上着を足したり脱がせたりして体温調節をサポートしましょう。

ポイントは「背中で汗をかいていないか」「手足が冷たくないか」の確認。赤ちゃんの様子をこまめに観察して、快適な温度を保ってあげてください。

2.湿度・室温の管理を

気温が下がると、暖房器具を使い始める家庭もあるかもしれません。その際に気をつけたいのが「乾燥」です。 加湿器を使って湿度を50〜60%程度に保ち、赤ちゃんの呼吸器やお肌を乾燥から守りましょう。

室温は20〜24℃が目安です。過度に暖かくしすぎないよう、換気したりサーキュレーターを遣ったりして空気を循環させると良いでしょう。

3.肌トラブルを防ぐスキンケア

乾燥により肌がかゆくなったり、湿疹が出やすくなったりする季節です。お風呂あがりには、赤ちゃん用の保湿剤や乳液などを使ってていねいに保湿しましょう。特に頬や肘の内側、膝裏、首元など、乾燥しやすい部分は重点的にケアしたいポイントです。また、衣類の洗剤も肌に優しいものを使うのがおすすめです。

4.ウイルス対策を習慣に

秋から冬にかけては、風邪やインフルエンザなどの感染症が流行し始める時期です。手洗い・うがいができない赤ちゃんの場合は、周囲の大人がしっかり予防することが重要です。

外から帰ったときや赤ちゃんに触れるときは手洗いやアルコール消毒を徹底し、清潔な状態を保ちましょう。人混みにでかけたり調子が悪かったりするときにはマスクで対策してください。

5.食事と睡眠で免疫力アップ

離乳食が始まっている赤ちゃんは、秋の旬の食材(かぼちゃ、さつまいも、にんじんなど)を取り入れて、栄養バランスの取れた食事を心がけましょう。

また、規則正しい生活リズムも免疫力を保つカギです。朝はしっかり太陽の光を浴び、夜は落ち着いた環境でぐっすり眠れるよう工夫してあげてください。

こんなときは受診を

秋の風邪は一見軽そうに見えても、赤ちゃんの場合は重症化することもあります。以下のような症状が見られる場合は、早めに小児科を受診しましょう。

38℃以上の発熱が続く
咳が止まらない、ゼーゼーしている
授乳や離乳食を嫌がって元気がない
ぐったりしていて反応が鈍い
呼吸が苦しそう(胸がペコペコへこむ)

感染症だった場合、治療のタイミングが回復に影響することもあります。自己判断せず、気になるときは迷わず医師に相談してください。発熱や風邪症状で受診するときは、病院によっては事前連絡や予約が必要になります。受診前にあらかじめ確認しておくとスムーズです。

秋のおでかけも楽しんで

体調に気をつけながら、秋の季節感を楽しむことも育児の醍醐味です。紅葉の中をお散歩したり、公園で落ち葉を踏んでみたりと、短時間でも外の空気に触れることで、赤ちゃんの五感も刺激されます。朝夕の冷え込みや秋の花粉にも注意して、時間帯や服装を工夫しながらおでかけを楽しんでください。

※この記事は2025年8月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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