【小児科医監修】インフルエンザで保育園や幼稚園は登園できる?出席停止期間を早見表でチェック!
大人も子どもも発症すると大変な思いをするインフルエンザ。ママにとっては、いつになったら通常の生活に戻れるのか、いつから保育園や幼稚園に行けるようになるのかも気になるところです。ここではインフルエンザ発症後の登園許可の基準や登園許可日の数え方などについて小児科医監修で解説します。
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目次
子どもがインフルエンザにかかったら
インフルエンザは学校保健法や厚生労働省の保険所の感染症対策ガイドラインで出席停止が定められている感染症です。インフルエンザの流行時期に突然38.5℃以上の発熱があれば、保育園や幼稚園からインフルエンザの検査をするよう指示が出るケースもあります。その際、インフルエンザの検査結果は陽性陰性を問わず幼稚園、保育園に伝えることが必要です。
新型コロナウイルスと初期症状が似ているため自己判断せずに登園は控えて、医療機関や地域の相談窓口に相談しましょう。
出席停止期間を早見表でチェック!登園許可はいつ出る?
インフルエンザを発症した日から5日間、熱が下がってから2日間後(幼児は3日間)、を自宅療養してから登園の許可が出ます。
■(例)12月1日に発熱 12月4日に解熱(朝熱があっても、夜から解熱している)した場合
幼児であれば、発熱した12月1日を0として翌日から5日間、また解熱してから3日間経過するまで自宅療養なので、12月8日から登校できます。小学生以上であれば、発熱した12月1日を0として翌日から5日間、また解熱してから2日間経過すればよいので、 12月7日から登校できます。
出席停止日数の数え方
出席停止日数を数える際、発症日とされるのは発熱が始まった日です。発症日を0日と数え、翌日から日数のカウントが始まります。解熱した日も0日とし、翌日から1日、2日と数えることができます。
インフルエンザの出席停止日数は熱が下がってから3日後、インフルエンザを発症してから5日後です。これは幼稚園と保育園で共通した登園許可日となります。解熱後3日、発症後5日という条件を両方満たさないと登園の許可は出ません。
出席停止期間中の過ごし方
出席停止期間中でも、解熱後は元気すぎて家で過ごすのが大変だった…という話はよく耳にしますよね。熱や鼻水、咳といった症状が治まっても、身体のなかにはウイルスがまだ潜伏していて周囲の人に移してしまう可能性があります。二次感染を防ぐためにも登園許可日まで不用意に外出するのは避けたほうが良いでしょう。
解熱後は身体が軽く感じられるものですが、高熱や風邪に似た症状を発症したあとなので体調は万全とはいえません。子どもは免疫力が弱いため、ほかの感染症にもかかりやすい状態にあります。できる限りゆっくり自宅で過ごしましょう。
出席停止期間中に家庭で保育ができないときは
保護者が仕事をしていたり、子どものインフルエンザに感染してしまったりして、どうしても家で子どもの世話をするのがむずかしいというケースもありますよね。
ほとんどの病児保育室、病後児保育室では、インフルエンザにかかっている子どもでも解熱後であれば保育してくれるようです。インフルエンザの流行時期には受け入れに制限がかかっている場合もありますが、空き状況など確認してみても良いですね。
完治したら治癒証明書をもらう
感染症のお休み後の登園には治癒証明書や登園許可証のいる幼稚園、保育園がほとんどです。地域の小児科では該当の市区町村の公立幼稚園や認可保育園の登園許可証が用意されているでしょう。自治体のホームページでダウンロードすることもできます。
解熱したら、早めに登園許可証を書いてくれる医療機関もあるでしょう。登園許可日はガイドライン通りにはなりますが、登園許可日の朝に来院するのがむずかしいというママやパパは相談してみても良いかもしれません。その場合には、来院前に電話で状況を説明しておいた方がスムーズです。
救急外来や休日、夜間診療でインフルエンザと診断された場合
子どもが夜間や休日に急な発熱となった場合、救急外来や休日診療室を利用するママも多いでしょう。かかりつけ医ではない医師からインフルエンザの診断を受けて薬を処方された場合にも、かかりつけ医から登園許可証がもらえます。来院前に電話をかけて問い合わせをすると良いでしょう。
登園許可証は発症日の記載が必要なため、来院するときには処方された薬の情報がわかるもの(お薬手帳、薬剤情報提供書など)を持参しましょう。
救急外来などでは薬の処方は、1日分がほとんどです。抗インフルエンザ薬はウイルスを消滅させるまで連続して服用しなければなりません。あいだを空けずに服用できるよう、翌日にはかかりつけ医や近所の小児科に行くようにしてください。登園許可証を発行してもらうまでの流れもスムーズです。
きょうだいがインフルエンザになったら?
きょうだいや家族がインフルエンザになった場合、各自治体、保育園、幼稚園によって登園許可の基準が異なります。
発症している本人以外は元気であれば、ほかのきょうだいの登園を促すところもありますが、園によってはできれば登園を控えてほしいといわれることもあるようです。インフルエンザの流行の度合いによっても対応に違いがあるでしょう。
しかし自宅で病気の子どもと元気な子どものお世話をするのは、ママにとっての負担も大きいですよね。きょうだいが長時間同じ空間にいると、そのぶん感染リスクも高まってしまいます。どうしても自宅できょうだいのお世話をするのがむずかしい場合には、医師や園に登園の相談をしてみましょう。
インフルエンザの子どもと発症していない子どもを家庭で一緒に保育しなければならないという場合は、うがい手洗いを徹底させる、なるべく物を共有させない、マスクを着用させる、といった対策を取りましょう。別の部屋で寝かせたり遊ばせたりするようにして少しでも感染のリスクを減らせると良いですね。
大事な卒園式!インフルエンザになったら
インフルエンザの流行シーズンは例年12月から3月上旬くらいなので、なかには卒園式にインフルエンザの出席停止期間が被ってしまうという子どもも出てきます。子どもにとって初めての集団生活となる保育園や幼稚園。その集大成ともいえる大事な卒園式に出られないなんて、とても残念ですよね。
しかし出席停止期間に短時間でもほかの園児と交わることは規則に反しています。保育園や幼稚園によっては、熱が下がっていれば卒園式に出席してしてもよいというところもあるようですが、極力やめておいた方が無難でしょう。
園によっては卒園式当日に出席できなかった子どもだけのために小さな卒園式を開いてくれる園もあるようです。もちろんみんなと一緒の卒園式に出席できることがベストですが、小さな卒園式であっても、心に残る卒園式となるでしょう。各園の対策を聞いておくと子どもも保護者も安心して療養できるかもしれません。
インフルエンザの出席停止に関する体験談
インフルエンザにかかった子どもの出席停止について、ままのてに寄せられた体験談をご紹介します。
子どもの保育園でも、昨年の卒園式の直前にインフルエンザを発症した卒園児がいたそうです。保護者がインフルエンザにかかったことを保育園に報告せず、解熱したばかりの子どもを卒園式に出席させてしまいました。その後ほかの園児が続々とインフルエンザを発症し、感染した子どものなかには小学校入学式に出られなかった子もいたそうです。
我が子の卒園式を欠席したくないというママの気持ちも理解できますが、ほかの子どもの晴れの舞台をつぶさないためにも、欠席したほうが良かったのでは…と思います。
インフルエンザを予防するために
インフルエンザシーズンはその年の第36週から翌年の35週までを一区切りとしています。例年、インフルエンザシーズンの始まりとなる8月末~9月初旬ころに予防接種などの情報が発表されるため、最新の情報を確認しておきましょう。
インフルエンザの予防には、予防接種やうがい・手洗い、人混みを避ける、室内の換気や湿度を調整するといった対策があります。予防接種にはインフルエンザHAワクチン(不活化ワクチン)と2023年に日本国内での製造・販売が承認された経鼻弱毒生インフルエンザワクチン(生ワクチン)の2種類があります。ただし、経鼻弱毒生インフルエンザワクチン「フルミスト」は、2歳~18歳が対象です。1歳以下の赤ちゃんは、不活化ワクチンの使用が推奨されています。
ママも子どもも無理は禁物
インフルエンザを発症した子どもが解熱すると、早く普通の生活に戻りたいと願うママもいるでしょう。気をつけていたのに自分も感染してしまい、子どものお世話がつらいという保護者もいるでしょう。
しかし、出席停止日数を守らないのは規律に反しています。指示された日数は自己都合で変えることができません。インフルエンザは重症化しなければ1週間程度で治る感染症です。保育園や幼稚園を休むことで完治が早い部分もあると割り切って、自分も子どももしっかり身体を休ませましょうね。
パズルや塗り絵など、家の中で没頭できる遊びを子どもに提案してみるのも良いですし、パンやケーキといった、時間のかかる料理をするのも良いでしょう。また周囲の協力を仰ぐのは大切なことです。身近なパートナーや親戚には、買い物や帰宅時間など希望をしっかり伝えましょう。子どものお世話をする人ができるだけ無理をしないで、出席停止期間を乗り切ることができると良いですね。
※この記事は2024年9月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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