病児保育とは?インフルエンザでも預けられる?料金や施設、利用方法を解説

子どもが小さいころは急な病気やケガに悩まされるもの。共働きの家庭では、子どもの病気で仕事を休まなければならず困ってしまった…なんて経験があるのではないでしょうか。「病児保育」はそんなパパやママの悩みを解決してくれるかもしれません。ここでは病児保育とはどんなものか、どのようにすれば利用できるのかなどを詳しく紹介します。

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目次

  1. 病児保育とは?
  2. 病児保育と病後児保育との違い
  3. どんなときに病児保育を利用できる?預けられる基準は?
  4. 病児保育の利用方法は?
  5. 病児保育の料金は?補助金は出る?
  6. 病児保育の利用に関する注意点は?
  7. 病児保育を利用できない場合の対策は?
  8. 病児保育の利用に関する体験談
  9. 病児保育が利用できる施設をチェックしておこう
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病児保育とは?

病児保育とは、保育園や幼稚園に通っている子どもが病気やケガで登園できず、保護者が就労などで家庭での保育が困難な場合に子どもを預けることができる保育サービスのことです。病院や診療所に併設していたり認可保育園に併設していたり、依頼者の家を訪問して保育したりとサービスの形はさまざまです。

病児保育では、通常の保育園では預かれない状態の子どもを受け入れてくれるのが最大の特徴です。子どもに薬を飲ませてくれるなど、保育以外に看護サービスも行ってくれます。保育中は外遊びのかわりに室内遊びを行うことになるでしょう。

病院や診療所に併設している病児保育

病院内や診療所内に病児保育専用室が設けられ、保育士も配置されている病児保育です。保育士は、おおむね3人の子どもにつき1人配置されます。なにかあってもすぐ医師にかかることができるので安心です。

認可保育園に併設している病児保育

保育園の施設内に専用室が設けられ、看護師なども配置されている病児保育です。看護師はおおむね10人の子どもにつき1人配置されます。その保育園の在園児以外の子どもも利用できます。

訪問型の病児保育

依頼者の家を訪問して保育をする病児保育です。訪問型病児保育を行っている民間企業やNPO法人のサービス利用に対して、自治体が助成してくれるケースがほとんどです。運営団体により、早朝対応や24時間対応を行っていたりかかりつけ医に連れて行ってくれたりとサービス内容はさまざまで、料金も大きく異なります。

家庭でのマンツーマンの保育のため、慣れた環境で子どもが安心できる、他の子どもからの二次感染の心配がないといった特徴があります。

病児保育と病後児保育との違い

病児保育では、当面症状の急変はないものの病気の回復期に至っていないことから集団保育が困難な子どもの保育を行います。病気にかかっている子どもを預かることから、保育園に併設されている施設より、病院や診療所に併設されている施設のほうが多くみられます。

一方で「病後児保育」というサービスもあります。「病後児」は回復期ではあるもののまだ登園できない子どもと定義づけられています。病児保育と病後児保育の最大の違いは、「病中」と「病気の回復期」のどちらの子どもを保育するかという点です。

病後児保育とは?病児保育との違いは?預けられる基準や利用方法

どんなときに病児保育を利用できる?預けられる基準は?

自治体が実施する病児保育や病後児保育には、預けられる基準が定められており、病気の症状によっては預けられないこともあります。民間企業やNPO法人によって行われる訪問型の病児保育では、状況に応じて柔軟に対応をしてもらえる場合もあるでしょう。

発熱、嘔吐、インフルエンザでも病児保育に預けられる

病児保育は、かぜ、消化不良症(下痢)などの乳幼児が日常かかる病気や、感染症、やけどや骨折などの外傷性疾患などの子どもを対象としています。

通常の保育園では、一般的に37.5℃以上の熱がある場合には、子どもを保育園に預けることができません。病児保育では発熱している子どもでも預けることができます。しかし、39℃、40℃といった高熱で病状が重い場合には、預けることができないことが多いでしょう。

嘔吐を伴う場合や、水痘(水ぼうそう)、風疹、インフルエンザなどの感染性の病気の場合にも、子どもを預けられることがほとんどです。感染症の子どもが病児保育を利用するときには隔離室を利用するなど、他の子どもに感染症をうつさないように配慮されています。ただし、他の子どもにうつすこと、他の子どもからうつされることがまったくないわけではありません。

また、自治体により特定の疾患の児童は受け入れられない場合もあります。麻疹(はしか)、流行性角膜結膜炎(はやり目)など感染性が非常に強い疾患に関しては、受け入れの対象外になるケースが多いでしょう。

預けられる基準

病児保育を利用できる基準は、自治体によりいくつか定められています。

練馬区を例にあげると以下を対象としています。
・保育所などに通所する区内在住の子ども
・練馬区内の保育所などに通所する子ども
・6ヶ月児から10歳未満まで

このほかにも、医師から病児保育の許可を得ており、症状などが記載された連絡票を提出できることを条件としている自治体もあります。対象を保育園児のみ(幼稚園児・小学生は対象外)としている場合や、生後57日~小学6年生まで預かってくれる場合などさまざまです。住んでいる自治体ホームページで調べてみてください。

預けられないケース

自治体によりますが、以下のような場合は当日の利用を断られることもあります。
・感染力が強い病気(麻しん(はしか)、流行性角結膜炎(はやり目)など)である場合
・高熱(例:38.5℃以上)や病状が不安定な場合
・特定の予防接種(MRワクチンなど)を受けていない場合
・当日の朝、医師の診察によって利用不可を判断された場合

このほか、そもそも「病後児保育」を行っているが「病児保育」は行っていない自治体もあります。利用の際には事前によく確認しておきましょう。

病児保育の利用方法は?

自治体が実施する病児保育では、まず保育園を通して登録申請をするか直接病児保育を実施している施設で登録することが必要です。必要な持ち物や書類(母子手帳など)を事前に確認し、登録手続きを行いましょう。登録料は無料のところもあれば数千円かかるところもあります。

実際に子どもの怪我、発熱などが発生したらかかりつけ医を受診して、医師連絡票の記入をしてもらいます。そして利用希望日の前日までに、利用を希望する施設に予約をします。緊急の場合は、空き状況に応じて対応となり、定員に達すると利用できない場合もあります。

当日は着替えやおむつなど、必要な持ち物を持参して利用してください。お弁当持参の施設が多いので注意が必要です。利用後に施設へ料金の支払いをしましょう。

民間企業やNPO法人が運営する病児保育の利用方法はさまざまですが、事前に登録が必要な場合が多いでしょう。あらかじめ運営団体に確認をするようにしてくださいね。

病児保育の料金は?補助金は出る?

自治体が実施する病児保育の場合、1回(全日)二千円前後でサービスを受けられる自治体がほとんどです。半日利用の場合は半額で保育してくれる施設もあります。また、給食やおやつが出る施設では、数百円の料金が別にかかる場合もあるでしょう。自治体によっては、補助金の代わりに各家庭の状況にあわせて減免制度がある場合もあります。詳しくは住んでいる自治体に問い合わせるようにしてください。

民間企業やNPO法人については、サービス内容含め、費用も大きく異なります。利用前にきちんと確認しておきましょう。

病児保育の利用に関する注意点は?

働くパパやママにとって病児保育はありがたいものですが、利用する際にはいくつか注意が必要です。

まず、病児保育を行っている施設自体がまだ多くありません。ひとつの施設で預かれる子どもの人数は5人前後で、病気が流行するシーズンにはすぐに定員に達してしまい予約を取ること自体が困難です。予約を取ることができても、自宅から遠い場合もあるので、あらかじめ交通ルートを確認しておきましょう。

また、土・日・祝日は開園していない施設や、延長保育がない施設もあります。保護者は、いつもより早く仕事を切り上げる、シフトを調整するなどの必要があるでしょう。

最大の注意点は、ほかの子どもから感染症などの別の病気をもらってくる可能性があるということです。そういったデメリットも考慮した上で利用するようにしましょう。

病児保育を利用できない場合の対策は?

自治体によっては「病児保育」自体をまだ行っていないところもあります。また、すぐに定員に達してしまい利用ができない場合もあります。利用したいのにどうしても利用できない場合はどうしたら良いでしょうか。

夫婦で休みを調整する

子どもの発熱やケガなど事態は突然やってきます。そんなとき、まずは小児科に連れて行かなくてはなりません。パパとママでその日の仕事の予定を話し合い、休みやすいほうが休みをとりましょう。病院に行ってもすぐに完治するわけではありません。頼れる人がいなければ夫婦で話し合い、午前中はママ、午後はパパなど半日交代で看護するなどしましょう。ママばかりがいつも休みをとらなくてはならないという状況にならないよう、夫婦で協力できると良いかもしれませんね。

身内を頼る

どうしてもパパやママが休めないとき、近くにいる身内に頼るのもひとつの手段です。特に祖父母は頼りやすいですよね。しかし病中の育児は極めて体力を使います。無理強いして祖父母との関係に支障がでないよう、配慮しながら協力を求めるようにしましょう。

病児保育を専門とした民間サービス(ベビーシッター)

病児保育のベビーシッターはとくに高額にはなりますが、病児保育に比べると予約が取りやすいでしょう。もしものときに備えて登録・サービスを確認しておくと安心です。どの程度の病状なら預かってもらえるか、料金はいくらか、緊急での申し込みはできるかなどは、会社によりさまざまです。

仕事面での対策も

育児休業法によって1年で5日は「子どもの看護休暇」がとれます。しかし子どもの病気は一度かかると長びくことが多く、すぐに足りなくなってしまいます。そんなときのために有給休暇を使いすぎないように調整しておきましょう。

そのほか、常に仕事を前倒しでやる、急に休んでも良いように資料を作っておく、自宅のパソコン環境を整えておき在宅でも仕事ができるようにするなど、工夫ひとつで業務におおきな支障をきたさずにすみます。常に保護者として備えておくことが大事ですね。

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病児保育の利用に関する体験談

筆者の子どもはアレルギーや喘息があるため、たびたび病児保育を利用しています。住んでいる地域で通える範囲内に2軒の小児科が病児保育を併設しており、どちらも病児保育と病後児保育を兼ねています。

2軒とも定員が5名なので、予約を取るのが至難の業です。前日に予約をいれると、キャンセル待ち11番目ですといわれ、利用をあきらめたこともあります。また通常の保育園より預かり時間が短いので、勤務時間の調整がむずかしいときもあります。

病気の治りかけのときは、感染が怖く病児保育に預けるのを迷うことも少なくありません。実際に治りかけで病児保育に預けて、別の病気をもらったこともあります。しかし、いつでも受診ができる環境というのはありがたく、喘息やクループ症候群のときは自宅で自分が子どもを見ているよりも安心できました。

子どもにとっては、通っている小児科内にあるので知らない場所ではないし、いつもと違うおもちゃで遊べるし、ママのお弁当が食べられるしと、それなりに楽しいようです。預ける前に保育士としっかり話ができますし、帰りには一日の記録、保育士の感想などをかいた連絡用紙をもらえます。普段の保育園より細かく記されているので毎回楽しみにしています。

最初のころは病気の子どものそばにいてあげられず罪悪感もありましたが、すぐに医師の診察を受けられる環境で保育してもらえるので、いまでは安心して預けられています。

病児保育が利用できる施設をチェックしておこう

子どもの急な発熱は突然やってきます。とくに0~1歳くらいで保育園に入園した場合、最初の一年はいろいろな病気をもらってくることが多いでしょう。入園と同時に、子どもの急な体調不良の際にはどのように対応するのか、対策を考えて準備しておきましょう。

病児保育の利用については「病気なのに預けるのはかわいそう」と考える方もいるかもしれません。しかしどうしても預けられずママもパパもつらいというときは、無理せずに病児保育を上手く活用すると良いでしょう。

弱っている子どもはパパやママにはそばにいてほしいものです。病児保育を利用してもできるだけ早く帰宅するなど、保護者として子どもをしっかり観察し、愛情をいっぱいそそいであげてくださいね。

※この記事は2023年12月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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