認証保育園とは?認可保育園・無認可保育園との違い!保育料金や申し込み方法を解説
現在、多くの自治体が独自の基準をもうけて、条件を満たしている一部の認可外保育園に助成をしています。東京都ではこうした施設は認証保育園とよばれていて、認可保育園に入ることができなかった家庭では保育先の候補としてあがるのではないでしょうか。ここでは、認証保育園の特徴や料金、申し込み方法などを詳しく紹介します。
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目次
認証保育園とは?
認証保育園は、東京都から助成を受けて運営に補助金が投入されている一部の認可外保育園のことで、東京都独自の制度です。共働き家庭の増加とともに、保育園に子どもを預けたい子どもは増えており、保育園の数を増やすことが急がれています。しかし、認可保育園を設置するための国の基準は、施設の広さの確保などハードルが高いのが現状です。そのため、東京都が独自の基準を定めたのです。
認証保育園と同じように、横浜市では横浜保育室、川崎市では川崎認定保育園など、それぞれの自治体から助成を受ける施設があります。認可園についで設備や保育士の数などが整っている場合が多く、利用家庭の所得に応じた補助を受けられる自治体もあります。
認証保育園では、保育園を新設しやすいように、面積や保育をする職員などの設置基準が国の基準よりも緩和されている部分があります。一方で、0歳児保育を必ず行うことや利便性の高い駅前に設置することを求めるなど、都市部のニーズに応える基準を設けています。
認証保育園は基本的に13時間以上開所していて、A型、B型と呼ばれる2つのタイプがあります。A型は駅前基本型、B型は小規模、家庭的保育所ともいわれます。またA・B併設されている認証保育園も多く存在します。A型では異年齢の触れ合い、B型では家庭的な保育なども期待できますね。
認証保育園A型(駅前基本型)
月160時間以上220時間以内の利用が必要な0~5歳の児童を受け入れる認証保育園です。都市部の駅前に設置されることから、利便性が高いのが特徴です。
【対象児童】0~5歳児
【定員】20~120名(うち半数を0~2歳児とすること)
【運営母体】主に民間企業など
【設置場所】都市部の駅前など(駅前基本型)
【施設の基準】
・0、1歳児…1人あたり2.5平方メートル
・2歳以上児…1人あたり1.98平方メートル
【園庭の基準】
2歳以上児…1人あたり3.3平方メートル
ただし園庭は近隣施設でも可
【職員の配置基準】
・0歳児…子ども3人:保育従事者1人
・1、2歳児…子ども6人:保育従事者1人
・3歳児…子ども20人:保育従事者1人
・4、5歳児…子ども30人:保育従事者1人
ただし常勤保育士は6割。正規保育士が保育(規定人数より1名多く保育士が配置するケースが多い)
認証保育園B型(小規模、家庭的保育所)
各自治体が必要と認める0~2歳の児童が対象の認証保育園です。3歳以降から通う園を探すため、また保活をしなくてはならないというデメリットがあります。
【対象児童】0~2歳児
【定員】6~29名
【運営母体】主にNPO団体、個人など
【設置場所】住宅地、民家など
【施設の基準】
・0、1歳児…1人あたり2.5平方メートル
・2歳以上児…1人あたり1.98平方メートル
【園庭の基準】規定なし
【職員の配置基準】
・0歳児…子ども3人:保育従事者1人
・1、2歳児…子ども6人:保育従事者1人
ただし世話をする職員のうち半数が保育士資格あり(規定人数より1名多く保育士を配置するケースが多い)
認証保育園の保育料金は?補助金は出る?
認証保育園の保育料金は、所得に関わらず、各施設で一律の設定です。都の規定で月220時間以下の場合の月額は、3歳未満児は80,000円、3歳以上児は77,000円までの保育料となるよう定められています。
同じ時期に在園児の兄弟が通園する場合、2人目3人目は必要な料金が割引かれるケースもあります。詳しくは各自治体に問い合わせをしてください。
2019年10月より幼保無償化がスタート
2019年10月より、幼児教育・保育の無償化が始まりました。子どもの年齢や通っている園によって受けられる支援の内容が異なりますが、一般的に3~5歳と一部の0~2歳の子どもが無償化の対象となります。無償化の対象となる3歳以上の子どもについて、幼稚園、保育所、認定こども園等を利用する場合は上限月額2.57万円、認可外保育施設等を利用する場合は上限3.7万円の支援を受けることができます。
園によっては各施設が定める利用料を支払う必要があります。ほかにも、保育料のみ無料で給食代は支払うというケースもあるでしょう。いくら程度を支払うことになるかは園によって異なるため、疑問に思うことは対象の施設に問い合わせると安心です。
認証保育園に入れる基準は?
認証保育園は認可外保育園のひとつです。特別な理由がなくても定員に空きがあれば預けることが可能です。求職中やパート勤務のママでも利用が可能とも言えます。また認可保育園申し込みには、保育園のある自治体に在住や在勤などの条件がありますが、認証保育園にはありません。
共働きや育休復帰するママのいる家庭の優先順位が高い園が多いというのが現状ですが、求職中のママの利用も珍しくありません。離職中のママでも申し込める可能性があり、仕事復帰の良いきっかけになるかもしれませんね。
認証保育園の申し込み方法は?
認証保育園は認可外保育園でもあるので各施設に直接申し込みをします。働く女性の場合は、復職を考えたときに認可保育園に入れなかった場合に備えて、妊娠中に申し込みをしておくと安心ですね。実際に妊娠中に見学、申し込みをされる家庭も少なくないようです。
認証保育園には、抽選や先着順、面接でのフィーリングなどによって入園が決定するようです。入園が難しいといわれた場合でも、園長の裁量で入園が認められたというケースもあります。
待機児童問題が深刻な地域では、育休中のママや認可園の空きを待っている家庭などがつなぎとして利用するケースがほとんどというのが現状です。また、認証保育園でも定員がいっぱいで入れずに、入園を待っている人が少なくありません。
しかし、認可園の空きが出るまでのつなぎとして利用している家庭が多いということは、空きが出る可能性もあるといえます。定員に空きが出たときに連絡をもらえるように、リストに加えてもらうのもひとつの手です。
認証保育園に申し込みをしていて、入園前に認可保育園に入れたという場合は、すみやかに入園のキャンセルをするようにしましょう。
認証保育園と認可保育園・無認可保育園の違い
保育時間の違い
認証保育園は13時間以上の開所が義務付けられています。一方、東京都の認可保育園では11時間以上、無認可保育園(認証ではない認可外保育園)では運営母体の考え方によって開所時間が違います。
申し込み方法の違い
申し込み方法も認可保育園が自治体への申し込みになるのに対して、認証保育園、無認可保育園では園との直接のやり取りとなります。利用料の支払いも同様です。
保育料の違い
利用料については、認可保育園が各家庭の所得ごとに料金が違うのに対して、認証保育園では都の定めた上限内で各施設一律の保育料に、地域や家庭の所得によって補助金が出ます。そのほかの無認可保育園では各施設によって保育料が異なり、補助金もありません。
利用条件の違い
申し込みの条件は認可保育園では保護者の就労や病気などの理由がある場合に限っています。一方、認証保育園、無認可保育園では理由を問われないことになっています。しかし、認証保育園は家庭外での保育が必要な家庭の優先順位が高いともいえるでしょう。
認証保育園ではすべての園が0歳児の受け入れが義務付けられているということも認可保育園、無認可保育園とは異なり、特性としてあげられる点でしょう。
認可保育園では、その地域に在住、在勤、在学の家庭のみ利用できますが、認証保育園、無認可保育園では問われることはないようです。
認証保育園を利用しているママの体験談
子どもが認可保育園に入れず、1歳児クラスから認証保育園に通っています。2歳児クラスまでの小規模園で、駅からもとても近い園です。
子どもの人数が少ない、園庭がないなど認可保育園ではないため、最初は不安もありましたが、先生たちが毎日近所の公園に連れて行ってくれるため、不安は解消されました。また0~2歳児が同じ空間で過ごす縦割り保育で、子どもがお兄ちゃん、お姉ちゃんたちの真似をしながら、どんどん成長している姿に驚かされています。
なによりも魅力に感じているのが、先生たちが0~2歳児のみの保育をしているため、この時期の発達にあわせたきめ細かな保育を受けられる点です。少人数だからこそ、一人ひとりの先生が一人ひとりの子どもの様子を把握したアットホームな雰囲気があります。
3歳からの預け先が確保できるかどうかだけが不安ですが、それ以外の点では、我が家にとってはかえって認可保育園に入るよりも良かったのではないかと感じています。
認証保育園を候補のひとつに
認証保育園は待機児童問題の解消のために、東京都が独自に定めた基準で運営される園です。一般的には認可保育園に子どもを通わせたいという保護者が多いものの、家庭的な保育を望まれる保護者や、保育料が認可園に通わせるより安くすむという家庭では、子どもを小学校入学まで通園させることも少なくないようです。
認証保育園は認可保育園より基準を緩和して運営されているとはいえ、自治体からの監査や指導があるため保育の質が安定しているといえるでしょう。
さらに大切なのは保育園と子どもとの相性です。認証保育園は私立の認可外保育園なので、園によってカラーも異なります。子どもの性格や年齢、保護者の状況によって検討すると良いでしょう。