【体験談あり】保育園を転園するときの手続きは?子どもへのフォローはどうする?
保育園に入園しても、保護者の転勤での引っ越しや希望の園に入れなかった、きょうだいで別々の園に通っているなど、さまざまな理由で転園を考えている家庭もあるでしょう。子どもの反応を含め、転園にはどんなリスクがあるのか不安を感じるママやパパも多いようです。ここでは体験談とさまざまなケースの保育園転園について解説します。
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目次
保育園を転園する手続きの流れ
認可保育園転園の手続きは自治体によって異なりますが、必要書類を転園先の自治体の保育園を管理する窓口に提出します。希望が通ると入園受け入れの通知が届き、面接のあと、翌月一日から新しい園に通い始めるという流れになります。
保育園を転園する際の事例を下記で紹介します。
引っ越しによる転園
引っ越しが決まっている場合
保護者の転勤や住宅の購入に伴い、保育園のある自治体とは別の地域に引っ越しをするということもあります。待機児童が問題となっている現在、保育園児のいる家庭では、引っ越し先で保育園に入園できるかどうかは大きな問題といえるでしょう。
同じ自治体内で引っ越しをして、通園中の園に通いづらい距離になってしまう場合には、転園申し込みの書類を自治体の担当窓口に提出します。引っ越し先の近くの認可保育園に空きがあれば、スムーズに転園が可能になるでしょう。
一方、もともと住んでいた地域から異なる市区町村の認可保育園に入園を希望する場合の扱いは、自治体によってさまざまです。一般的には、他の自治体に住む家庭の子どもはその自治体に住む家庭よりも優先順位が下がるケースが多く、さらに自治体にもよりますが、その自治体に住んでいる期間の長い家庭が入園や転園を優先される場合もあるようです。状況によっては、子どもの住民票を引っ越し先の自治体に先に移動させ、保育園が決まるまでは元の保育園に通わせるという対策を取らなければならない場合もあるでしょう。
引っ越しが確実でない場合
確実に引っ越し先や時期が決まっている場合には、住民票を移す前に引っ越し先の賃貸契約書や新居の売買契約書などの必要書類を提出すれば、選考が不利にならないようにしてくれる自治体もあります。引っ越し先の自治体がどういった形で転入者の認可保育園の申請に対応しているのか、早めに問い合わせておくと良いでしょう。
認可外保育園や小規模園からの転園
認可外保育園や小規模園とよばれる保育園などを利用している家庭は、認可外保育園や小規模園に通っているあいだも認可保育園への申し込みはできるので、必要書類を早めにそろえて提出しておくと良いでしょう。
認可外保育園や小規模園では、4月の時点で2歳の子どもまでが保育対象と定めている園が少なくありません。年少児(3歳児)クラスへの進級のタイミングで認可保育園に入園が決まるというのが理想的ですが、3歳以降の受け入れ先が決まらず待機児童になるケースもあるようです。保護者の考えにもよりますが、年度の途中で認可園への入園が決まったときは転園しておくと安心かもしれません。
希望する施設の定員に空きが出ると入園通知が届きます。入園通知が届いてから新しい園へ通い始めるまで、10日ほどしか日がない場合が多いので事前に転園準備をしておくと安心でしょう。
認可園から認可園への転園
兄弟姉妹が別々の認可園で入園を認められてしまい送り迎えに苦労していたり、子どもと保育園の相性が悪かったりするなどの理由から、同じ自治体内での認可保育園から認可保育園への転園をするケースもあるでしょう。
その場合は、自治体の保育園を管理する部署に必要書類を提出し、希望の園に空きが出るのを待つことになります。入園と同じように、転園の決定も突然に知らされるということが多いようです。あらかじめ通っている保育園の園長先生には、転園の希望を出していることを話をしておくようにしましょう。
また、転園が決まった後で転園を辞退するということは、一般的にはできません。転園する子どものあとには、その空きに別の子どもが転園や入園をしてくるというケースがほとんどだからです。事前によく考えてから転園希望を申請するようにしましょう。
認可外保育園や幼稚園への転園
認可保育園に子どもを預けている家庭のなかには、保護者の就業時間が変わり認可園の開所中にお迎えが間に合わないため、遅くまでやっている認可外保育園に転園するというケースもあるでしょう。引っ越しで通っていた認可保育園を出たあと、引っ越し先では認可保育園に入れなかったため認可外保育園に転園するというケースもあるようです。認可外保育園への転園は、定員に空きがあればいつでも可能です。入園の予約をすることができる園もあるようなので、早めに調べておくと安心ですね。
また幼稚園のなかには、特色のある教育を行っていたり未就学児の知育に力を入れていたりする園などもあり、子どもを保育園に通わせているけれど幼稚園にも興味があるというママも増えているようです。最近は幼稚園でも一時預かりなどで夕方まで子どもを預かってくれる施設が増えています。夏休みなどの長期休暇中にも預かり保育をしてくれる施設も多く、働くママやパパでも預け先の選択肢のひとつとして幼稚園を検討する方も少なくありません。
家庭的保育事業から認可・認可外保育園へ
小規模保育や家庭的保育(保育ママ)を利用していたものの、3歳からの認可保育園に入園できないというケースもあります。認可外保育園に子どもを通わせながら認可保育園の入園を申請し続けたものの、認可保育園に落ち続けたという家庭もあるでしょう。このような場合には幼稚園への入園を検討してみても良いかもしれません。
本格的に英語を学ばせたいとインターナショナルプレスクールに入園するケースや、小学校受験を見据えて保育園から幼稚園に転園するというケースもあるようです。
認可外保育園や幼稚園への転園は、保護者と施設との直接のやり取りになるケースがほとんどです。公立幼稚園を選ぶ場合、願書は役所などで配布される自治体もあります。私立の幼稚園や認可外保育園では、各施設で独自に入園基準を設けています。見学や面接の日程も含めて、早めに希望する施設に問い合わせをしてください。
保育園を転園する子どもへのフォロー
いざ転園ということになったときに、多くの保護者が気にするのが子どもの気持ちです。実際に転園先で長時間過ごすのは子どもなので、どの保護者も子どもが友達や先生になじめるのか、心細い思いをしていないかと心配することでしょう。
子どもの話をよく聞く
まだ言葉で自分の気持ちをうまく表現できない年齢の子どもの場合、登園時に泣いたり怒ったりしてしまうこともあるでしょう。ママやパパも慣れない土地や新しい園でのルールにあたふたしている時期だとつらいものがありますよね。
ママもパパもお仕事に行かなければならないけれど必ず迎えに来ること、子どもにとって良い園を選んだのだから安心してほしいということを自分の言葉で子どもにかけてあげるようにすると、安心できる子どもが多いようです。
子どもが不安や心細さを抱えているなと感じたときは、不安に共感し、気持ちを受け止めてあげてください。気持ちがわかると伝えたあとは「それでもがんばっているよね。」「だけど先生も優しそうだよね。」などポジティブな言葉で送り出せると良いかもしれません。
また、お迎えの際には答えが戻ってこなくても「今日はどんな楽しいことがあった?」「どんなことで笑ったの?」とポジティブな言葉で質問をするのも良いようです。
親が不安にならない
預け先が変わると同じ地区の認可保育園であってもルールや持ち物など細かな決まりごともかわるので、保護者も不安を覚えやすいでしょう。慣らし保育の期間の日数など、実際に転園して状況をみてみないとわからないことがあるというのも不安要素ですよね。しかし、子どもは自分が不安なときほど親の不安を敏感に感じとりやすいものです。
転園を検討する場合は、余裕をもって仕事のスケジュール調整をしたり、事前準備の段取りを早めに確認しておいたりすると安心です。また、転園決定後の面接のときは、転園前に細かなことを質問できるチャンスでもあります。面接前に聞きたいことは確実に聞けるよう、質問リストなどを作っておくのも良いでしょう。
保育士とコミュニケーションをとる
子どもが性格的に人見知りだったり、繊細な部分があったりすると親としては心配ですよね。また、言葉があまり出ていない年齢の子どもの場合、自分の気持ちを保護者以外の人に伝えるのはとてもハードルが高いものです。言葉が遅かったりお昼寝が苦手だったりするなど、発達や生活面での不安があるママもいるでしょう。
子どものことで不安がある場合には、園長や担任保育士に心配に思っていることを保護者側から伝えるようにしてください。話す時間をつくるのが大変な場合には、連絡ノートに記すだけでも先生たちは気にかけてくれるでしょう。
忙しそうに見える保育士でも、そういった保護者の心配事は知っておきたいという方が多いようです。先生と保護者が心配事を共有することが、子どもの保育にも生かされるでしょう。さらに、保護者の心配事や子どもへの目線を伝えることで、保護者の性格や家庭の考え方を知ってもらうこともできると期待できます。
転園の経験者のなかには、中途半端な時期の転園で良かったと感じる方もいるようです。進級や入園で受け持ちの子どもたちが一斉に入れかわる4月入所よりも、中途半端な時期の転園のほうが、保育士たちは転園してきたばかりの子に目をかけられるというメリットがあります。
小規模園などから4月入園で転園する場合にも、ほかの子どもたちは園や友達にすでに慣れていたため、転園してきたばかりの子どもをしっかりケアしてもらえたというママもいるようですよ。
子どもの適応能力は高い
子どもの適応能力は親の心配をはるかに超えて高いものです。泣きながら通っていた子が1週間もしないうちに笑顔で登園するようになっていたり、朝泣いていてもお迎え時には満面の笑顔で友達に囲まれていたりするものです。
新しい環境に入っていけたことは子どもにとっても大きな自信になるでしょうし、新しい自分の発見にもなるでしょう。親も子どもの成長を感じられ、勇気がもらえますよね。「自分の子どもなら大丈夫」とぜひ信じてあげてくださいね。
保育園の転園の体験談
ままのて編集部に寄せられた保育園の転園に関する体験談をご紹介します。
0歳・1歳と2年間通った認可保育園から、別の認可保育園に転園しました。転園の理由は、引越しをしたことにより通っていた保育園が遠くなってしまったことです。転居先のすぐ近くに別の認可保育園があったため、転園を申し込みました。
転園への迷いや不安
0歳のときからお世話になった保育園。先生・ママ・子ども同士とても仲良くやっていたので、正直転園させるかどうか迷いました。しかし、保育園生活はあと4年間続くこと、今後二人目の子どもを通わせることになるかもしれないこと、登園の負担を減らすことで子どもとの時間を増やせるのではないかなど、転園のメリットについて夫婦で話し合い、転園を決めました。
転園後の子どもの様子
2歳児クラスの4月から家から近い認可保育園に転園することができました。親の心配をよそに子どもはすぐ保育園に慣れたので、拍子抜けするくらいでした。むしろ新しい環境・おもちゃに興味津々のようで、初日の慣らし保育から元気に過ごしていました。
転園で苦労したこと
子どもが保育園に慣れるという点では心配いらなかったのですが、一番大変だったのは、慣らし保育と仕事の両立です。慣らし保育期間は数時間ずつしか預かってもらえないため、毎日かなり早い時間にお迎えに行かなければなりません。ママの有給休暇、パパの有給休暇、おばあちゃんのヘルプを駆使して、なんとか乗り切りました。幸い慣らし保育は5日間で終わりましたが、子どもの状況や園によっては、もっと長くなることも多いようです。
また、同じ区内の公立認可保育園同士の転園でしたが、保育園のルールや持ち物で異なる点があり、最初は親が慣れるのが大変でした。
実際転園してみて
もちろん保育園選びの基準は家の近さだけではありませんし、何を重視するかはご家庭によって違うと思います。しかし我が家は転園して本当に良かったなと感じています。家の近くの保育園に転園してから、以前に比べると登園は本当に楽になりました。パパ、ママの気持ちに多少の余裕ができました。時間的にはわずかかもしれませんが、子どもと過ごす時間が増え、結果として家族の笑顔が増えることにつながったと思います。
保育園の転園は家族で良く話しあって
第一希望でどうしても行きたかった保育園があった場合、空きが出たから転園するというケースもあります。きょうだいで違う保育園に通っていて平日に時間の余裕がなく、同じ園に通えるようにどちらかの転園を申請しているというケースもあるでしょう。
親の都合で子どもを転園させるのはかわいそうだと、転園に反対する声もよく耳にします。子どもが慣れた環境だから、引っ越しをして多少家から遠くなっても、通える範囲なら頑張って同じ保育園に通うという家庭もあるでしょう。
保育園を転園することについてはさまざまな理由や意見がありますが、どれも間違いとはいえません。それぞれの家庭にとって正解は違うのではないでしょうか。
ママやパパが、どこかで納得できず無理をしての通園は、子どもにとっても負担になることもあります。家族みんなが笑顔で暮らせるように、転園のメリット・デメリットをしっかり考慮したうえで、家庭や子どもの状況をよく話しあって決められると良いですね。