【産婦人科医監修】子作りのコツと方法!性交渉はいつ?妊娠しやすい身体とは?
子どもが欲しいと思ったとき、どうすれば子どもができやすいのか気になる方も多いでしょう。妊娠の確率を高める子作りのコツはあるのでしょうか。ここでは、妊娠しやすいタイミングや性交渉の頻度、飲酒・喫煙以外にも食べ物や生活できをつけること、女性・男性の子どもができやすい身体や年齢との関係について産婦人科医監修で解説します。
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この記事の監修
目次
子作りのコツはタイミング
排卵と性交渉のタイミングを知ろう
赤ちゃんが欲しいと思い始めたら、まず知っておきたいのが「避妊をせずに性交渉すれば必ず妊娠するわけではない」ということです。女性の生理周期に合わせて妊娠しやすい時期があり、その時期に子作りのタイミングをはかることが妊娠の確率を高めるコツです。
女性の身体は女性ホルモンの働きによって、生理周期に合わせて排卵し、妊娠するための準備を整えています。性交渉によって女性の腟内に射精された精子が、排卵した卵子と出会い受精卵となります。この受精卵が子宮内膜に着床すると妊娠が成立するのです。
妊娠するためには、排卵と性交渉のタイミングが合うことが必要です。卵子が受精可能な時間は最初の6時間程度といわれています。一方で精子の寿命は、女性の腟内に射精されてから3日~5日間程度。長い場合でも1週間程度とされています。卵子と精子の寿命を考えると、「排卵の前~直後」での性行為が妊娠しやすいといえるでしょう。
最も妊娠しやすいのは排卵日2日~1日前
最近の研究で、最も妊娠しやすいタイミングは排卵日当日よりも排卵日2日~1日前であるということがわかってきています。つまり、排卵以前に性交渉することで女性の体内で精子が卵子を待ち受けている状況が、妊娠に有利だと考えられるのです。
妊娠を目指して性行為のタイミングをはかるためには、自分自身の排卵のタイミングを知ることが大切です。一般的に女性の身体は、生理開始日の14日前に排卵し、排卵がおこると黄体期という体温が高い時期を迎えます。妊娠が成立していなければ子宮内膜が剥がれ落ち、生理(月経)がおこり、体温が下がります。
妊活を始めたら日ごろから基礎体温をつけ、排卵検査薬を併用して排卵日を特定することをおすすめします。
産み分けにもタイミングが関係する
性交渉のタイミングは、赤ちゃんの性別にも関係しているといわれています。
赤ちゃんの性別は卵子ではなく精子によって決まります。性別を決める性染色体には「X染色体」と「Y染色体」があります。卵子はもともとX染色体しか持っておらず、X染色体を持つ精子(X精子)と卵子が受精すれば女の子、Y染色体を持つ精子(Y精子)と卵子が受精すれば男の子が生まれるのです。
Y精子は酸性の環境に弱く、X精子は酸性に強くアルカリ性に弱いとされています。性交時の女性の腟内の環境が酸性であるかアルカリ性であるかが、性別に大きく影響を与えるといえるでしょう。
排卵日の2~3日前は女性の腟内が酸性になりやすく、排卵日当日は腟内がアルカリ性になりやすいといわれています。女の子を望む場合は排卵日の2~3日前に性交渉し、男の子を望む場合は排卵日当日(排卵直前)に性交渉すると、望む性別の赤ちゃんを妊娠できる確率が高くなるでしょう。
しかし産み分けは絶対的なものではありません。生まれてくる赤ちゃんの性別に強い希望がある場合、専門医の指導のもと産み分けを行うと良いでしょう。
排卵日が近づいたら性交渉の回数を増やそう
子作りを始めると、妊娠できる可能性が高い排卵日付近のみタイミングを取るカップルも多いでしょう。以前は、数日間の禁欲期間があると精子が濃くなって妊娠しやすいと考えられていたようです。しかし、最近の研究では、禁欲期間が短い方が精子の状態が良いことがわかってきています。妊娠しやすい状態の精子を保つために、男性はできれば2~3日に1回射精をしておくと良いでしょう。
また、基礎体温などを利用し排卵日の時期をある程度予測することはできますが、確実な排卵のタイミングを特定することは難しいものです。排卵をコントロールする女性ホルモンは、ささいなストレスで乱れやすくなっています。排卵日が近づいてきたら、なるべく性行為の回数を増やすことも子作りのコツといえるでしょう。多くの不妊治療の専門家が、排卵日1週間程前から、毎日もしくは1日おきの性行為をすすめています。
飲酒や喫煙は避けて!妊娠しやすい身体とは?
女性の妊娠適齢期
排卵さえあれば妊娠できると考える方も多いかもしれませんが、妊娠するのに適している年齢というものがあります。この妊娠適齢期は20代といわれています。これまでの研究で、加齢とともに妊娠する確率は極端に下がっていくことがわかっています。
女性の社会進出とともに妊娠・出産の年齢は上がってきており、最近では40代での出産も珍しくなくなってきています。しかし、子作りにおいては、女性の年齢が低い方が有利なのは事実です。
赤ちゃんが欲しいと考え始めたら、妊娠に関する正しい知識を身につけ、早めに妊活に取り組むことが大切です。
男性の健康・精神状態も大切
男性の精巣では、一生を通じて精子がつくられ続けるため、男性の年齢は妊娠しやすさとは関係ないと考えられがちです。しかし実は、男性の精巣で1日あたりにつくられる精子数は加齢とともに減少します。また、正常な形の精子の数や精子の運動率も年齢とともに減少するため、男性の場合も高齢になると妊娠に不利になる恐れがあります。
また、男性は、仕事上のストレスや、食生活の乱れ、睡眠時間の減少、運動不足、過剰な飲酒喫煙などにより、精子の質や運動量が低下したり、性行為がうまくいかなくなったりすることもあります。
子作りのうえで、女性の身体の健康と同時に、男性の健康に気を付けることが大切です。
生活習慣を整えて妊娠しやすい身体を目指そう
女性の身体にはもともと妊娠できる機能が備わっており、男性の身体には妊娠させる機能が備わっています。しかし、さまざまな影響で生殖器の機能が弱まったり、生殖に関するホルモンの分泌が妨げられてしまったりすることがあるのです。
女性が本来持つ妊娠する力と男性が持つ妊娠させる力を引き出すために、健康的な身体作りを目指すことが大切です。子作りを始めたら、以下の生活習慣を心がけてみてくださいね。
・バランスのとれた食事を規則正しくとること
・適度な運動をすること
・十分な睡眠をとること
・ストレスをためず上手に解消すること
・身体を温めること
・タバコを避けること
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妊活中は早めに専門医に相談を
一般に、健康な男女が妊娠を希望し、避妊をせずに夫婦生活を営み、一定期間を過ぎても妊娠しない場合を不妊と言います。以前はこの期間を2年とするのが一般的でしたが、最近の日本産科婦人科学会では1年間妊娠しなければ不妊と定義しています。
現在は結婚年齢が高くなっており、妊娠する年齢も高くなっています。年齢が上がるにつれて妊娠する可能性は低くなることから、なかなか妊娠しないと感じたら、1年を待たずに早めに専門医に相談すると良いでしょう。
妊娠しやすいタイミングが正しくはかれていなかったり、女性の卵巣や子宮の機能が低下していたり、男性の精子の状態が低下していることもあります。その場合、専門医による正しいタイミングの指導や、漢方治療による体質改善で自然妊娠を望める場合もあります。また男性の精子や女性の卵子に何らかの問題があり不妊治療を行う場合も、年齢が低い方が有利になります。
不妊専門医への相談は心理的ハードルが高いかもしれませんが、早めに専門医に相談することで、妊娠につながる可能性が高くなるでしょう。
夫婦で協力して子作りに取り組もう
子作りを始めると、なかなか妊娠しないことに焦りを感じることもあるでしょう。まずは、妊娠しやすいタイミングが排卵日の2日~1日前であることと、排卵日の一週間ほど前から頻繁に性交渉することが妊活に有効であることを知っておきましょう。また、パートナーと一緒に生活習慣を整え、妊娠しやすい身体作りに取り組むことも大切です。時には専門医の力も借りながら、夫婦で協力して子作りに取り組めると良いですね。