新生児が白目をむくのは異常?新生児の目の疑問を簡単解説

かわいらしい新生児が白目をむくとびっくりしてしまいますよね。また、赤ちゃんの白目の色が違って見えたり、濁って見えたりすると心配になってしまいます。新生児の白目や目についての疑問をご紹介します。

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この記事の監修

千葉 智子
小児科医
千葉 智子

目次

  1. 新生児が白目をむく原因
  2. 白目が出血や充血しているときに考えられる原因
  3. 新生児の目の色がおかしいと感じるケース
  4. 新生児が寄り目に見えるときの原因
  5. 普段からよく目を見て変化に気づけるようにしよう

新生児が白目をむく原因

すやすやと眠っている赤ちゃんがいきなり白目をむくと驚いてしまいますよね。新生児が白目をむく原因は主にふたつあるといわれています。

筋肉が未発達

新生児は筋肉がまだ発達していないので、眼球やまぶたを動かす筋肉も未発達の状態です。そのため、ちょっとしたことで白目になってしまうのです。人は寝ているときでも眼球を動かしますが、新生児は眼球を動かす筋肉も未発達のため、まぶたを開いたまま、白目をむいて眼球を動かすこともあります。

■先輩ママの体験談
・眠る直前に必ず白目になっていました。日中は普通なだけにかなり心配でしたが、様子を見て大丈夫と言われて落ち着きました。今では問題なしの目です。
(ゆりさん/40歳)

・生後1ヶ月の頃、寝ている赤ちゃんが白目をむいていました。眼球が動いているのもわかり、動きを見ていましたが、そのうち左右の眼球が違う動きをしたり、まぶたを開けたり閉じたり…。怖くなって相談窓口に問い合わせました。すると新生児にはよくあることだと教えてもらいました。
(めーさん/34歳)

・産まれて1週間たったころに白目をむいて寝始めました。怖くて病気を疑い、本やネットで調べたのを今でも覚えています。赤ちゃんが寝ながら白目をむくのは、瞼の筋肉が上手に動かせないからだとか…。
(Minimoさん/22歳)

・生後1ヶ月頃までよく白目をむいていました。また、白目に限らず、どこを見ているのかわからないときもあり、目に関しては不安要素がたくさんありました。先輩ママから大丈夫と言ってもらえて安心しましたが、ひとりで育児していたら、毎日のように病院に駆け込んでいたかもしれません。
(セシルさん/26歳)

視力の弱さ

新生児は視力が弱く、焦点を合わせる機能が未発達です。同じところを見続けることもできず、頻繁に眼球を動かすので、その拍子に白目になることがあります。

白目が出血や充血しているときに考えられる原因

赤ちゃんの目に出血や充血が見られる、目やにが多く出るなど普段と違った状態になる、といったときには、いくつかの原因が考えられます。

出生時の出血

新生児の白目の部分に小さな赤い斑点が見られることがあります。これは、出産時に眼球結膜の毛細血管が切れて出血することが原因です。視力に影響するような出血ではなく、日にちが経つと吸収されます。比較的身体の大きい赤ちゃんに起こりやすいといわれています。

逆さまつげ

赤ちゃんの頬はぷっくりとしていますが、頬が下まぶたを上に持ち上げることによって、まつげが眼球に貼り付いてしまうことがあります。また、まぶたの脂肪が多いために逆さまつげになってしまうこともあります。逆さまつげは、目やにが多く出たり、目が充血たりすることにつながるのです。

成長するにつれて治ることが多く、赤ちゃんのまつげはやわらかいので、角膜を傷つけてしまうことはほとんどありません。しかし、自己判断でまつげを切ってかたいまつげになると、角膜に当たって傷になり、ウイルスや細菌が入ってしまうこともあります。頻繁に傷が入って炎症を起こすときは、治療が必要なケースも見受けられます。

鼻涙管狭窄症

目と鼻をつなぐ鼻涙管という管が細いことにより涙がよくたまる、目やにが多いなどの症状がでることがあります。そのような症状がある場合は、小児科や眼科で相談してください。

結膜炎

赤ちゃんの目の結膜にアレルゲン、細菌、ウイルスが付着し、炎症が起こる病気です。
目が充血したり目が腫れたりすることがありますが、原因によっては目やにの出方や色が異なります。

・アレルギー性結膜炎
アレルギーのもととなるアレルゲンが直接結膜についてしまうことから、目はアレルギーが起こりやすい部位です。花粉やハウスダスト、ダニの死骸、カビなどがアレルギーの原因となり、結膜が炎症します。目やにはさらさらとしていて、白っぽい透明色です。

・ウイルス性結膜炎
主にアデノウイルスという感染力の強いウイルスが原因で、流行性角結膜炎(はやり目)や咽頭結膜熱(プール熱)を起こします。ネバネバとした白っぽい目やにが症状として現れます。

・細菌性結膜炎
インフルエンザ菌や肺炎球菌などの身近な細菌が感染源となって起こる結膜炎です。ドロッとした粘着性の高い目やにや黄色っぽい目やに、緑色っぽい目やにが出たり、膿のような目やにがでたりすることがあります。新生児ではクラミジア、淋菌、乳幼児はインフルエンザ菌、学童期では肺炎球菌、ブドウ球菌などが原因になります。

■先輩ママの体験談
涙をはけさせる機能が未熟だったようで、目やにがたくさん出て白目も赤くなり、結膜炎になっていました。眼科で目薬を処方してもらいましたが、目薬をさすときには目頭をおさえるマッサージをして、涙をはけさせてあげるように言われました。
(みのりんさん/35歳)

新生児の目の色がおかしいと感じるケース

赤ちゃんの目の色に異常を感じるときにも何らかの原因があります。新生児に見られる主な原因は以下のとおりです。

白目が青っぽく見える

眼球の一番外側は強膜という丈夫な膜で覆われていますが、幼年期は膜が薄い状態です。強膜と網膜のあいだにあるブドウ膜は青みをおびていますが、この青さが透けて見えることから、赤ちゃんのうちは白目が青っぽく見えることがあります。

成長するうちに強膜が厚くなるので、徐々に青く見えることはなくなります。

白目に黒いしみのようなものがある

赤ちゃんの白目に黒い点やしみのようなものが見えることがあります。これは生まれたときからある色素沈着やホクロのようなもので、大きくなっていかなければ心配ありません。自然に代謝されて薄くなることもありますが、大きくなっていくようであれば、念のため受診しましょう。

白目が黄色っぽく見える

8割の新生児に見られる、血液中のビリルビンという物質が増えることによって起こる新生児黄疸では、白目が黄色っぽく見えることがあります。新生児黄疸は日齢が進むにつれて消えますが、ビリルビンの値が高くなって黄疸が強くなると、原因や程度によっては脳性まひや難聴になることがあるので注意が必要です。

■先輩ママの体験談
予定日より1ヶ月早く産まれました。ビリルビン値が高く、白目も黄色で黄疸の症状が出ました。産まれてすぐにビリルビン値を下げるために光線を浴びる治療をしました。退院が1日延びましたが、数値も下がって大きな病気にもならず、7歳になりました。
(おざさん/31歳)

瞳が白く濁って見える

赤ちゃんの瞳(黒目)が白く濁って見えるときは、先天白内障の可能性が考えられます。先天白内障は、胎内感染、全身疾患などさまざまな原因で起こりますが、早期に発見して手術を行わないと、弱視になってしまう可能性が高まります。

高度の白内障であればあるほど早期の手術が必要になるので、異常を感じたらすぐに受診しましょう。軽度の白内障では早急な手術は必要ありませんが、進行しないかどうか定期的に検査を受ける必要があります。

黒目が大きく広がっているように見える

黒目の部分が大きく広がっているように見えるときは、新生児緑内障の可能性が考えられます。新生児緑内障は眼圧が高まるのが特徴です。赤ちゃんの目の組織は柔らかいので、眼圧が高まると眼球と角膜が大きくなり、黒目部分が大きく広がっていきます。

正常な眼圧が保てないと視神経に障害が起き、視野が欠けていくので、早期発見が重要です。検査をして新生児緑内障だと判明したときは、手術が行われます。

新生児が寄り目に見えるときの原因

赤ちゃんが白目をむいたり、目の色が違って見えたりすると心配ですが、瞳の位置が中央に寄って見える、いわゆる寄り目も心配ですよね。両眼の見る方向がズレていることを斜視といいますが、斜視にもいくつかの種類があります。

斜視は、放っておくと寄り目になっているほうの視力が下がっていくため、早期発見、早期治療が重要です。

偽性内斜視

一見寄り目に見えるものの、本当は斜視ではないことを仮性内斜視(偽内斜視)といい、日本人の乳児期によく見られます。赤ちゃんは鼻が低くて両目の位置が離れているので、目頭の皮膚が眼球にかかり、目頭あたりの白目が隠れて見えるのが原因です。

成長して鼻が高くなると白目が見えるようになります。鼻の根元をつまんだ状態で目が寄っていないかを見て判断しますが、心配なようであれば診てもらいましょう。

■先輩ママの体験談
まだ目がちゃんと見える前でしたが、音のする方向を見ようとするときに斜視ではないかと思うくらい、両目の視線があいませんでした。1ヶ月健診のときに先生に話し、特に異常はないようだと言ってもらえて安心しました。
(Y.Yさん/41歳)

乳児内斜視

内斜視とは、片目が見つめる対象を追っているときに、もう片方の目が鼻側に寄ることをいいます。乳児内斜視は、ほとんどは生後1ヶ月頃から6ヶ月以内に発症した内斜視のことを指します。原因は諸説ありますが、はっきりとしていません。

乳児内斜視は発症時期の見極めが重要なので、眼科によっては受診までの写真を求められることがあります。目の異常を感じたら、フラッシュをたかずにアップの顔写真を撮っておきましょう。

調整性内斜視

生後6ヶ月以降に発症した内斜視のことを後天内斜視といい、いくつかの種類があります。特に赤ちゃんによく見られる調節性内斜視は、1歳6ヶ月から3歳までの発症が最も多いといわれています。

調節性内斜視は遠視が原因です。物をはっきり見ようとすることにより、ピント合わせが過剰に働くことによって起こります。遠視矯正用のメガネの着用が主な治療法です。

普段からよく目を見て変化に気づけるようにしよう

新生児の目の状態は、赤ちゃん特有のもの、先天性のもの、病気などさまざまなものがあります。何か異常があったときにすぐに気付けるよう、普段から目をよく観察しておくことが大切です。

よく見ていても、どんな状態だったか忘れてしまうこともあるので、顔のアップ写真をフラッシュなしで何枚か定期的に撮っておくと良いでしょう。日頃の状態を記録できるだけではなく、赤ちゃんの成長も残しておけるので良い思い出にもなりますよ。