【小児科医監修】新生児落屑とは?いつからいつまで続く?ケアの方法
生まれたばかりの新生児の皮膚が脱皮をするようにポロポロとはがれ落ちてきたら心配になってしまいますよね。これは、赤ちゃんが皮むけする新生児落屑(しんせいじらくせつ)と呼ばれる現象です。保湿が必要なのか、いつまで続くのかも気になりますね。新生児落屑とはどのような現象でどのように対処したら良いかを小児科医監修で解説します。
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目次
新生児落屑(しんせいじらくせつ)とは?いつまで?
まるで脱皮するかのように、赤ちゃんの皮膚がポロポロと落ちてくることを新生児落屑(しんせいじらくせつ)といいます。この新生児の皮むけは生理的な現象で、生後1~2週間程度できれいにはがれ、新しい皮膚が生まれます。見た目にはびっくりしてしまうこともありますが、病気ではありません。
新生児落屑の原因
赤ちゃんがママのお腹にいるときは、羊水で満たされて皮膚は潤っている状態です。しかし、誕生した瞬間から、肌を守ってくれていた水分はなくなり、乾燥した空気や光などにさらされます。そのため、赤ちゃんの肌は急激に乾燥し、皮膚がはがれ落ちていくのです。この状態を新生児落屑といいます。
また、生まれたばかりの赤ちゃんは胎脂(たいし)というクリーム状の脂で覆われていますが、胎脂も数日ではがれ落ちてしまうため、乾燥しやすくなります。特に空気が乾燥する冬は、新生児落屑が起きやすいといわれています。
新生児落屑の対処法は?保湿はしない?
何もしなくて良い
乾燥していると保湿剤などつい何かを塗りたくなってしまいますが、新生児の皮むけが起こる新生児落屑は生理現象であり、はがれ落ちると同時に新しい皮膚が現れるので、何もせずに見守ることが大切です。
はがれそうになっている皮を無理やりはがしたり、引っ張ったりすると皮膚の炎症を引き起こします。炎症を起こした部分から病気に感染することがあるので、何もしないで様子を見ましょう。
新生児落屑があるときの沐浴の注意点
新生児の皮むけは無理にはがす必要はありません。沐浴のときは、肌をゴシゴシとこすることや、ガーゼやタオルで落屑をはがそうとさすることは避けてください。強くこすることによって下に現れる新しい皮膚を引っ張り、炎症を起こしてしまいます。沐浴のときは、手やガーゼでそっとなでる程度で良いでしょう。
受診の目安
通常の新生児落屑は生理現象なので、何もしなくても良いでしょう。しかし、何かの拍子に無理に剥がれ、赤く炎症を起こしてしまう、ただれてしまうなどの症状があるときは、かかりつけの病院や皮膚科を受診してください。
新生児落屑と間違えやすい?脂漏性湿疹
新生児落屑がおさまったころには、脂漏性湿疹がみられるようになります。何が違うのか、どのように見分けたら良いのかなど、おさえておきたいポイントは以下のとおりです。
脂漏性湿疹とは?
脂漏性湿疹とは、生後2週間~1ヶ月頃に見られる湿疹のひとつで、頭、額、まゆげなどにべたべたとした白っぽいふけのようなものがつくことをいいます。特に髪の生え際や顔など皮脂腺の発達している部分はひどくなることが多く、炎症を起こしてしまうこともあります。
脂漏性湿疹の対処法
脂漏性湿疹は皮脂分泌が活発な状態なので、働きかけて止めることはできません。しかし、多く出ている皮脂による汚れを落としたり、清潔に保ったりすることで、症状悪化を食い止められます。毎日の沐浴時に、脂漏性湿疹が出ている部分の脂を丁寧に落としましょう。
ゴシゴシ洗うと炎症を起こすので、たっぷりの泡でくるくるとマッサージするようにやさしくなでます。洗い残しで肌荒れを起こす子も多いので、洗浄剤はしっかり洗い流して下さい。
洗っただけでは落ちない汚れについては、沐浴前に脂漏性湿疹の部分にベビーオイルやオリーブオイルをなじませてふやかしてから洗いましょう。洗った後に乾燥しているようであれば、ワセリンなどの保湿剤を使います。
症状が悪化して炎症を起こしているときは、かかりつけの小児科を受診してください。
新生児落屑はいつまで?脂漏性湿疹との違いは?
新生児落屑と脂漏性湿疹
脂漏性湿疹も皮脂や汚れが乾燥したあとにポロポロと落ちることがありますが、いくつかの大きな違いがあるので、間違うことはないでしょう。新生児落屑と見分けるポイントはいつまでに治るか、症状が出ている皮膚の色、発生部位などです。
新生児落屑 | 脂漏性湿疹 | |
---|---|---|
時期 | 生後数日~1、2週間以内 | 生後1ヶ月頃~3ヶ月頃 |
色 | 白 | 黄色っぽいカサブタのような色 |
発生部位 | 全身、手足にもみられる | 顔や頭皮に多い |
状態 | カサカサ | 湿り気がある |
清潔を心がけて見守りましょう
新生児落屑は新生児にとって自然な現象です。新生児の皮むけは手や足の広い範囲で起こり、ポロポロと皮膚がはがれ落ちてくると心配になってしまいますが、常に清潔さを保って見守りましょう。
まれにカンジダやブドウ球菌の感染で皮疹ができることもあるので、他の症状はないか、赤ちゃんに不快な様子がないかどうかなどを確認することも大切です。気になる症状があれば、受診してみて下さい。
※この記事は2024年5月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。