助産師監修|赤ちゃんの夜泣きはいつからいつまで?新生児はしない?泣き止まない原因と対処法

体験談あり|赤ちゃんが夜中に泣いて起き、なかなか眠ってくれないという経験をしたことがあるママはたくさんいるかもしれません。赤ちゃんの夜泣きは、いつから始まっていつ終わるのでしょうか。新生児にも夜泣きはあるのでしょうか。ここでは、先輩ママの体験談を交え、夜泣きの原因や対策などを詳しく解説します。

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この記事の監修

河井 恵美
助産師・保育士
河井 恵美

目次

  1. 赤ちゃんの夜泣きとは?どんなメカニズムで起こるの?
  2. 赤ちゃんの夜泣きはいつからいつまで続くの?
  3. 新生児も夜泣きするの?
  4. 赤ちゃんの夜泣きの原因は?
  5. 赤ちゃんの夜泣きの対処法は?
  6. その症状、実は夜泣きではないかも?
  7. 赤ちゃんの夜泣きに関する先輩ママの体験談
  8. 赤ちゃんの夜泣きを放置したらどうなる?
  9. 家族と協力して夜泣きを乗り越えよう
  10. あわせて読みたい

赤ちゃんの夜泣きとは?どんなメカニズムで起こるの?

夜泣きとは、一度眠りについた赤ちゃんが、浅い眠りのときに半分目覚めて泣くことを言います。赤ちゃんは、成長するにつれて睡眠のリズムが整い、夜に寝る時間が少しずつ長くなっていきます。

まとまって寝るようになったと思った赤ちゃんが、突然夜中に泣くようになるのが夜泣きです。夜泣きが始まる時期は赤ちゃんによって異なり、突然のことに戸惑うママやパパは少なくありません。夜泣きの原因は解明されておらず、空腹でもなく、体調が悪いわけでもなく、おむつが濡れているわけでもないのに泣く場合があります。

赤ちゃんの睡眠リズムは未発達

赤ちゃんは昼夜関係なく寝たり起きたりを繰り返しています。しかし、人間には本来睡眠のサイクルがあり、浅い眠りと深い眠り(レム・ノンレム)を繰り返しています。新生児はこの睡眠サイクルが未発達の段階です。

昼間に起きている時間が少しずつ長くなり、昼夜の区別がついてくるにつれ、赤ちゃんの睡眠のサイクルは整ってくるといわれています。この眠りの浅い時間帯に目覚めることが、夜泣きにつながると考えられるのです。大人でも寝ているときに起こされると機嫌が悪くなるように、赤ちゃんも機嫌が悪くなって泣いてしまうのですね。

夜泣きは赤ちゃんの正常な成長の証

赤ちゃんが夜泣きをしているときは、昼間に受けたいろいろな刺激の情報整理をしている時間ともいわれています。

赤ちゃんの脳は驚くほど急速に成長していきます。生後6ヶ月頃になると、赤ちゃんにもママ、パパ、それ以外の人などの区別がつき、記憶力が備わって、さまざまな情報を脳に蓄えます。その刺激が夜寝ているあいだに夢となって出てきて、夢の刺激から泣き出すことがあるようです。

夜泣きは赤ちゃんの脳が急速に発達しているために起こるものであり、言いかえれば赤ちゃんが正常に成長している証拠でもあります。夜泣きは誰でも通る成長の過程と考えるだけで、「仕方ない、頑張ろう」と思えるかもしれませんね。

赤ちゃんの夜泣きはいつからいつまで続くの?

夜泣きの始まりは一般的には生後5ヶ月頃から

夜泣きの始まりは、生後5~6ヶ月頃が一般的な目安です。早い子であれば、生後3ヶ月頃から夜泣きが始まります。

夜泣きのピークは生後8ヶ月頃

赤ちゃんの身体がしっかりとしてきた生後7・8・9ヶ月頃は、夜泣きをする赤ちゃんが多い時期です。身体つきがしっかりとしてきて、コミュニケーションも取れるようになるなど、著しい成長が夜泣きにつながるのかもしれませんね。

1歳過ぎに夜泣きが落ち着く子どもが多い

夜泣きがいつまで続くということは一概にはいえませんが、1歳過ぎに回数が減って突然夜泣きが終わったというケースが多いようです。

しかし、夜泣きが始まる時期や期間にはかなりの個人差があり、2歳頃まで続く子もいれば、数ヶ月でおさまる子やまったく夜泣きがない子もいます。まれに3~4歳まで夜泣きが続く子もいまるので、子どもの個性によるところが大きいでしょう。

新生児も夜泣きするの?

新生児は、ママやパパがどんなに頑張ってもなかなか泣き止んでくれないことがよくあります。赤ちゃんは昼夜関係なく泣き続けるため、ママやパパは昼間の疲れもあり、特に夜はつらいですよね。この夜中に泣くことを夜泣きと思いがちですが、一般的には新生児が夜に泣くことを夜泣きとは言わないようです。

しかし、新生児の頃からずっと、夜になるとグズグズと泣き続ける赤ちゃんもいます。睡眠のリズムには個性があるため、寝ない子であることを個性ととらえ、ママやパパが夜泣きに付き合ってあげなければならないこともあるでしょう。

赤ちゃんの夜泣きの原因は?

赤ちゃんの夜泣きの原因はいまだに解明されていません。ただし、睡眠の発達の過程で起こると考えられており、夜泣きをする赤ちゃんには、主に次のような要因が多くみられるようです。

体調不良や病気

赤ちゃんの夜泣きは体調不良や病気が原因の場合があります。赤ちゃんは言葉を離せないため、不快感を泣くことで訴えます。夜泣きがひどく病院に連れて行ったら、中耳炎になっていたということもあるようです。便秘によってお腹が苦しいことが、夜泣きにつながることもあります。

病気や体調不良を見分けるためには、ママやパパが日常的に赤ちゃんの様子を観察することが大切です。少しでも違和感を感じたらかかりつけの医師に相談しましょう。

生活リズムの変化

赤ちゃんは非常に敏感なので、生活リズムの変化によって夜泣いてしまう子がいます。昼寝がいつもより長過ぎたり短か過ぎたりする、満足に昼寝ができない、食事の時間がいつもとずれるといったことも、赤ちゃんにとってはストレスの元になってしまいます。

環境の変化

赤ちゃんは、大人以上に環境の変化に敏感です。外で一日中大きな音がしている、家の中がドタバタしていてうるさい、外に出たときに天気が悪い、やたらと寒い、暑いなどといった、極端な環境の変化が夜泣きの原因になることがあります。保育園に通い始めたり旅行に行ったりと、日常とは違う刺激的な体験をした場合に夜泣きをすることもあるようです。

赤ちゃんの夜泣きの対処法は?

赤ちゃんによって個性があるため、夜泣きで求めるものは異なります。赤ちゃんは言葉がまだうまく出ないので、ママやパパは困惑してしまうでしょう。夜泣きに困ったら次のような方法で対処してみると良いかもしれません。

お昼にたくさん遊ぶ

赤ちゃんが起きている時間にたくさん遊ばせることで、体力を消耗し、夜には自然と眠くなり、寝つきがよくなります。夜ではなく昼間に動くことで赤ちゃんにとっては生活リズムを整える効果があります。

昼と夜の区別をさせる

大切なのは朝に起きて、夜に眠るという生活リズムをしっかりと身に着けることです。そのため、新生児の頃から昼はしっかりと日光にあて、夜は早めに部屋を暗くするようにしましょう。

スキンシップを大切に

赤ちゃんはスキンシップが大好きです。スキンシップが不足しているとそれを言葉に出そうとして夜泣きをすることがあります。夜泣いていたら抱きしめてあげたり、静かに抱っこして揺らしたり、添い寝をしたりしましょう。マッサージや、身体をなでてあげることも効果的です。

音楽や音を使う

子守唄を歌う、音楽をかける、オルゴールを流す、ぬいぐるみやおもちゃの音を出すなど、赤ちゃんには音を聞かせることが効果的といわれています。

イライラはNG

赤ちゃんは非常にデリケートなので、ママやパパがイライラすればするほどその気持ちは赤ちゃんにも伝わってしまいます。夜泣きは1歳を過ぎると自然におさまっていくので、永遠に続くものではないと割り切る気持ちも大切です。

思い切って電気をつけてみる

一度泣き出して寝たと思ったのに、またすぐにグズグズ言い出すことがありますよね。そういったときは、思い切って電気をつけて起こしてみても良いでしょう。

赤ちゃんは、眠いのに眠れなくて泣いていることがあります。一度電気をつけて覚醒させてあげることで、赤ちゃんはハッと何かが違うと気付き、その後は眠気とともに眠りにつくかもしれません。一度電気をつけて赤ちゃんが起きたら、元気に活動する前に「もう一度ねんねの時間だよ」と伝え、そっと電気を消してあげましょう。

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その症状、実は夜泣きではないかも?

赤ちゃんが夜に泣き出しても、夜泣きではないかもしれません。夜泣きだと思っているても、実は「寝言泣き」の可能性があります。夜泣きと寝言泣きでは、原因や対策が変わってきます。

寝言泣き以外に「夜驚症」の可能性もあります。夜驚症とは、寝ていると思っていた子どもが、突然パニックを起こしたように泣き出すことです。寝言泣きと夜驚症については下記の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてくださいね。

赤ちゃんの夜泣きに関する先輩ママの体験談

赤ちゃんの夜泣きに関してままのてに寄せられた先輩ママたちの体験談を紹介します。

なぜ泣いているかわからず…

初めての子どもだったため、いつもなぜ泣いているのかわからず、おろおろし通しでした。赤ちゃんが泣くのは不快の表現であり、泣いたときは速やかに不快の原因を取り除いてあげないといけないと育児書には書かれていました。

しかし、おむつは替えた、授乳もした、寒くもない、抱っこもしているという状況でも、泣くときは泣くのですね。割り切れるまでには少し時間がかかりました。自分の何がいけないのだろうと考え、うつになりかけたこともありました。

夜泣きは悪いことではない

友人から、「夜泣きが大変」とよく聞いていたので、泣かれることに悪いイメージを持っていました。いざ自分で子育てをしてみると、赤ちゃんが泣いてくれることで、お腹が空いたことや、ウンチをしたことがわかりました。

私がうたた寝をしていても赤ちゃんが元気に教えてくれるので、とても助かりました。お話しできない赤ちゃんとママがコミュニケーションを取るのに、泣くことはとても大事です。元気に泣いてくれると、今日も体調が良いのだと安心できました。

子どもと一緒に泣きわめいて夜泣きを乗り切りました

仕事を辞め、旦那の帰りが遅いため、一日中子どもと向き合うことになってしまいました。泣きわめかれるとストレスがマックスになり、生後8ヶ月の赤ちゃんに強い口調で怒鳴ってしまうこともありました。

特におむつを替え、ミルクを飲ませ、お風呂にも入れてすっきりさせているはずなのにまったく夜に寝てくれず、1時間以上泣きわめかれたときには本当に頭を抱えてしまいました。

抱っこしてひたすら子守唄を歌うこともありましたが、どうにもならないときには、私も一緒に泣きわめいていました。気付いたら自分もすっきりとしていて、この方法で何度か乗り切ったのを覚えています。

赤ちゃんの夜泣きを放置したらどうなる?

赤ちゃんや子どもが毎日夜泣きをしたら、さすがにママはくたびれてしまいます。夜泣きを放っておいたらサイレントベビーになるのではないかと心配になる方もいるようです。

しかし、海外では、夜泣きをしても5~10分放置し、そのあいだに観察しながら赤ちゃんが再度眠るのを待ってあげるという育児法を取り入れている国もあります。赤ちゃんが泣いたからといって、授乳をしたり抱き上げたりはしないのですね。

それでも赤ちゃんは愛情を感じてすくすくと成長していきます。赤ちゃんを泣かせないために一生懸命になるのではなく、たまには赤ちゃんを存分に泣かせてあげる日があっても良いのではないでしょうか。泣き疲れて眠ってくれることもあるかもしれません。

しばらく泣かせる際は、赤ちゃんに危険がおよばないよう、十分に注意してください。窓を閉めて近所の方に配慮することも忘れないようにしたいですね。

家族と協力して夜泣きを乗り越えよう

夜泣きがひどい子もいればまったくしない子もいて、夜泣きには個人差があります。よく泣くことは悪いことではありません。しかし、「今だけ」や「これも成長過程」と頭でわかっていても、毎晩繰り返される夜泣きに疲れてしまうこともあります。寝不足で疲れ、イライラすることもあるでしょう。

赤ちゃんは家族みんなの子どもです。つらくなったら、パパや家族と寝かしつけを分担したり、周りに相談したりと、周囲の人たちに頼ってくださいね。

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