【歯科医・小児科医監修】おしゃぶり・指しゃぶりで出っ歯になる?歯並びに与える影響は?
おしゃぶりや指しゃぶりを続けると、出っ歯になりやすい、歯並びが悪くなるといわれています。赤ちゃんの歯並びへの影響を考えて、なるべく早く指しゃぶりやおしゃぶりを卒業させたいというママやパパもいるでしょう。ここでは、おしゃぶりや指しゃぶりは何歳頃までにやめさせれば良いのか、歯並びにどんな影響を与えるのか詳しく解説します。
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目次
おしゃぶりや指しゃぶりの効果は?
乳幼児にとって、おしゃぶりや指しゃぶりはどのような効果があるのでしょうか。子どもの年齢によって、おしゃぶりや指しゃぶりの意味や効果は異なるようです。
1歳頃までのおしゃぶりや指しゃぶり
1歳頃までの指しゃぶりやおしゃぶりには、生理的な意味合いが強いようです。たまたま顔の前にあるものをとらえて口に入れることを「探索(たんさく)反射」、口に入ったものを吸うことを「吸綴(きゅうてつ)反射」と言います。この反射によって、まだ身体が未発達な赤ちゃんもママのおっぱいを探して飲むことができるのです。
生後4ヶ月以降はこれらの反射が消え、赤ちゃんの意思で身体を動かせるようになります。この時期の赤ちゃんには、おしゃぶりや指を口に入れることで、好奇心を満たしたり、眠たいときやお腹が空いたときに気を紛らわせたりする役割があるようです。
2~3歳頃までのおしゃぶりや指しゃぶり
2~3歳頃には、眠いときや緊張しているときに、おしゃぶりや指しゃぶりをする子どもが多いようです。断乳・卒乳後は、おしゃぶりや指しゃぶりがおっぱいの代わりになっていることもあります。指やおしゃぶりを口に入れることで、精神的な安心感につながっているケースもあるでしょう。
3歳以降のおしゃぶりや指しゃぶり
ストレスや緊張状態にあるときに、気持ちを落ち着かせるためにおしゃぶりや指を口に入れることがあるようです。また、特に意味はなく、乳児期からの癖が習慣化してしまっているケースも多いでしょう。
おしゃぶりや指しゃぶりで出っ歯に?歯並びへの影響
おしゃぶりや指しゃぶりの癖が長期化すると、出っ歯になるなど歯並びに悪影響を与えると考えられています。おしゃぶりが歯並びにどのように影響するのか、具体的なケースを見ていきましょう。
歯の成長をさまたげる
乳歯の生える時期や永久歯に生え変わる時期に、長時間にわたって指しゃぶりをしたりおしゃぶりを使ったりすると、歯やあごの成長を邪魔することがあります。結果的に、おしゃぶりが歯並びやかみ合わせの悪化を招いてしまいます。
出っ歯になる
おしゃぶりや指を吸い続けることで、上の前歯が突き出て出っ歯になることがあります。出っ歯は専門用語で上顎前突(じょうがくぜんとつ)と呼ばれます。
出っ歯はかみ合わせが悪くなるほか、口を閉じにくいため口の中が乾燥しやすくなり、虫歯や歯周病のリスクを高めてしまいます。また、本人もコンプレックスを感じるなど、さまざまなデメリットがあります。
かみ合わせが悪くなる
指しゃぶりを続けたりおしゃぶりを長期的に使用したりすると、かみ合わせが悪くなることがあります。たとえば、上下の前歯に隙間ができる開咬(かいこう)や、上下の奥歯がずれてかみ合わない交叉咬合(こうさこうごう)などがあります。
かみ合わせが悪くなると、食べ物をかみ切ったりかみ砕いたりすることが難しく、消化器官に影響を与えることがあります。そのほか、虫歯になりやすい、姿勢が悪くなる、舌足らずな発音になる、歯並びが悪く見た目に影響が出るなど、さまざまなデメリットが指摘されています。
おしゃぶりや指しゃぶりはいつまでにやめたほうが良い?
おしゃぶりや指しゃぶりをやめさせる時期については、小児科医と小児歯科医のあいだで見解に差があります。2歳頃までを目安とし、遅くとも4~5歳頃までにはなるべく卒業させると良いでしょう。それぞれについて詳しく解説します。
2歳頃までがひとつの目安
日本小児歯科学会の公式サイトでは、2歳頃を目安に指しゃぶりやおしゃぶりを卒業させることを推奨しています。1歳半ごろから奥歯が生え始めるため、2歳以降にも指しゃぶりやおしゃぶりが続くと、かみ合わせや唇の閉じ方、舌の使い方に影響がでやすいと考えられているからです。
一方、小児科医のなかでは、指しゃぶりは生理的な行動のため、子どもの生活環境や気持ちを重視して無理に止めさせないほうが良いという意見が多いようです。指しゃぶりやおしゃぶりを卒業させるときは、子どもの様子を見ながら進めていきましょう。
4~5歳頃までにはなるべく卒業を
4~5歳になると、保育園や幼稚園に通う子どもが多くなり、指しゃぶりなどの癖が次第になくなることが多いでしょう。しかし、乳児期からの癖が抜けずに、指しゃぶりをしてしまう子どももおり、歯並びやかみ合わせへの影響が心配されます。4~5歳は歯が生え変わるタイミングなので、指しゃぶり卒業にむけてうまく誘導してあげたいですね。
4~5歳の子どもであれば、指しゃぶりがなぜ良くないのか、わかりやすく説明すれば理解できることも多いものです。本人が納得すればスムーズに卒業できるかもしれませんよ。
歯並びに影響を与えにくいおしゃぶりと使用法
おしゃぶりによる歯並びへの影響を少なくするためには、長時間のおしゃぶりの使用は控えましょう。ぐずったときも安易におしゃぶりに頼らずに、ほかのおもちゃで遊んだり、外の景色を見せたりして気を紛らわせるようにします。
また、最近では歯並びへの影響を軽減するおしゃぶりが販売されています。気になる方は一度試してみてはいかがでしょうか。
出っ歯になりにくいおすすめのおしゃぶり
歯並びに影響を与えにくいおすすめのおしゃぶりを紹介します。
対象年齢:0~6ヶ月頃(授乳期用)、6~12ヶ月(離乳期用)
ドイツの歯医者さんが考えた出っ歯になりにくいおしゃぶりです。乳首の厚みが薄く、前歯や上あごに負荷がかかりにくいのが特徴です。台座が光るので、暗い寝室でもすぐに見つけられますよ。電子レンジで消毒も可能です。
対象年齢:0~3ヶ月頃(Sサイズ)、2・3~10ヶ月(Mサイズ)、8~18ヶ月(Lサイズ)
コンビのテテオは、日本の赤ちゃんの口の形を調査して作られたおしゃぶりです。おしゃぶりが歯並びに影響することを避けるため、月齢にあったおしゃぶりを選べるよう3つのサイズで展開しています。また、電子レンジで消毒できるケースが付いた商品もあります。お口に雑菌が入るのが気になるというきれい好きなママにもおすすめです。
対象年齢:0~3ヶ月(Sサイズ)、3~6ヶ月(Mサイズ)、6~18ヶ月ヶ月(Lサイズ)
スヌーピーのかわいいデザインが特徴のおしゃぶりです。歯の発育や肌への負担を重視して開発されました。歯並びへの影響が少なくなるよう、乳首には軟らかいシリコンゴムが使用されています。月齢に応じてサイズが選べます。
対象年齢:0~6ヶ月、6~18ヶ月、18~24ヶ月
NUKのおしゃぶりは世界100ヶ国以上で販売されている商品です。「0歳からの口腔トレーニング」をコンセプトに、ママの乳首を再現した形状にこだわって開発されました。お口の中の筋肉を鍛えることや、自然な鼻呼吸ができることも重視しています。海外製品ならではのかわいらしいデザインも魅力です。
指しゃぶりが気になるときの対策法
2歳過ぎまでは様子をみる
2歳頃までの指しゃぶりは生理的なものが多いようです。無理にやめさせるとかえってストレスになったり、指しゃぶりに固執したりすることがあります。あまり神経質にならずに、温かく見守ってあげましょう。
指に好きなキャラクターの絆創膏を貼る
指しゃぶりがなかなかやめられないときは、指に好きなキャラクターの絆創膏を貼ってみましょう。いつものように指しゃぶりができないため、自然に癖が治ることがありますよ。
手をつなぐなどのコミュニケーションをはかる
なるべく自然に指しゃぶりをやめさせたいというときは、手をつなぐのもおすすめの方法です。子どものなかには、「かまってほしい」「寂しい」などの理由で指しゃぶりをすることがあるので、スキンシップを多くとり、子どもの欲求を満たしてあげましょう。自然と指しゃぶりから気がそれるかもしれませんよ。
子どもに不安がないか心のケアを気にかける
子どもによっては、ストレスや不安が指しゃぶりの原因になっていることがあります。必ずしも親子関係に問題があるわけではなく、入園や引っ越し・下のきょうだいの誕生など、さまざまな環境の変化が子どもに影響を与えるケースがあります。いつもと違う様子はないか、注意深く気にかけてあげましょう。
歯並びが気になるときの歯科医院の選び方
もしも子どもの歯並びが気になったら、一度専門の歯科医師に診てもらいましょう。一般的に小児矯正治療を始めるタイミングは、歯の生え変わりの時期が良いとされています。それまでにかかりつけの歯医者さんを見つけておくと良いですね。
矯正歯科に力を入れているか
子どもの矯正治療を始める場合、小児矯正を専門としている歯医者さんを選びたいですよね。歯医者さんの看板には矯正歯科を掲げているところも多いですが、必ずしも小児矯正で多くの実績があるとは限りません。
また、矯正歯科を掲げていても実際の治療は外部の矯正歯科医が担当しているという歯医者さんも多く、決まった曜日しか診察を受けられないことがあります。なるべく柔軟なスケジュールで通院したいという場合は、矯正歯科の担当医が在籍しているかどうかをチェックしましょう。
矯正治療に高い専門性を求める場合は、日本矯正歯科学会により認定された歯医者さんを選ぶのも良いでしょう。制度では認定医・指導医・臨床指導医(旧専門医)を認定しています。日本矯正歯科学会の認定は、専門的な研鑽を積み試験に合格した医師にのみ与えられるものです。日本矯正歯科学会公式サイトから、各資格を有する歯医者さんを検索することができるので、一度チェックしてみましょう。
子どもが通いやすい雰囲気であるか
矯正治療を進める場合、長期間にわたって子どもがその歯医者さんに通うことになります。子どもにとって居心地の良い雰囲気であることや、親しみやすいスタッフがいることはとても大事です。
院内にキッズスペースがある、子どもが多く通院している、子どもの様子を見ながら治療を進めてくれるなど、子どもが通いやすい雰囲気かどうかチェックしましょう。
気になるときは複数の歯医者さんを受診しよう
小児矯正といっても、矯正方法や治療のスケジュール、治療費用などは歯医者さんによって異なります。歯医者さんの雰囲気が合わない、治療方針に疑問があるなど、今後の通院に迷いが生じたら、一度ほかの歯医者さんで見てもらうのも良いでしょう。
矯正治療は期間・費用ともに多くの負担がかかります。納得して治療してもらえる歯医者さんを見つけられたら良いですね。
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おしゃぶりや指しゃぶりを正しく理解しよう
赤ちゃんがおしゃぶりや指しゃぶりを続けていると「歯並びが悪くなるのでは」「寂しい思いをしているのではないか」と心配してしまうママも多いでしょう。
しかし、2歳頃までのおしゃぶりや指しゃぶりは生理的なものも多く、ほとんど心配する必要がありません。無理にやめさせたり、からかったりしては、子どもが傷ついてしまうことや、逆に指しゃぶりの癖に固執してしまうことがあります。子どもの様子を見ながら、無理なく卒業できるようにしてあげましょう。
もしも、4~5歳頃まで指しゃぶりが続くようであれば、一度歯科医師に診てもらうのもおすすめです。ママひとりで悩まずに、専門家のアドバイスをもらうと安心ですよ。
※この記事は2024年6月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。