【保育園の先生にインタビューvol.3】赤ちゃん返りへの対処法は?上の子への接し方で気をつけるポイント!
第二子・第三子を妊娠すると、新しい家族が増える喜びを感じるとともに、上の子の精神的なケアが気になりますよね。ママが妊娠したり赤ちゃんが生まれたりすると、赤ちゃん返りをする子どもは多いようです。今回は、下の子が生まれたときの上の子への接し方のポイントについて、保育園の園長先生にお話を伺いました。
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第二子・第三子の妊娠・出産は家族にとって大きな喜びですよね。一方で、まだ小さな子どもにとっては、大好きなママやパパが赤ちゃんにかかりっきりになることで、寂しい思いをすることもあるようです。横浜市で長年保育に携わってこられた「のぞみ山手駅前保育室」の鈴木幸代園長先生に、赤ちゃん返りをする上の子への接し方のポイントを伺いました。
【鈴木幸代先生 プロフィール】
1955年福岡生まれ。1976年に香蘭女子短期大学の保育科を卒業後、横浜市の保育園や養護施設に勤務。3児の子育てのために一時退職後、横浜市母子寡婦福祉会で母子相談員としての勤務を経て、2003年に横浜保育室(横浜市独自の基準で運営される認可外保育園)「のぞみ山手駅前保育室」の園長に就任。毎年0~2歳児のお子さんを愛情いっぱいに育てています。
赤ちゃん返りをする上の子の接し方は?
ままのての読者の中には、下の子を妊娠したり出産したりして、上の子の赤ちゃん返りに悩んでいるママやパパがいます。下の子が誕生するときに、上の子のケアで大切にすると良いことはありますか?
私の知っている二人目のお子さんを出産したばかりのママから聞いた話をしたいと思います。
ママが赤ちゃんを抱っこしていたら、お兄ちゃんが「ママ赤ちゃん抱っこしないで」って言ったそうです。そのママは「そうだよね、わかった」と言って、泣いている赤ちゃんを抱っこせずにお兄ちゃんを抱っこしてあげたそうなんですね。そうしたらお兄ちゃんが「赤ちゃん泣いているから、ママ抱っこしていいよ」って言ったって。それを聞いてそのママはお兄ちゃんに対して「この子はなんて愛おしいんだろう」と思ったそうです。
私はそれを聞いて、すごく大切なことだと思いました。子どもはちゃんと自分が受け止められて満たされたら、より弱い者への思いを馳せられるのではないでしょうか。子どもにとって、満たされるということは本当に大切なことなのだなと改めて確認したエピソードです。
下の子が生まれたことで上の子が赤ちゃん返りをしているのであれば、上の子の気持ちを満たしてあげることを意識してみてはいかがでしょうか。
保育園ママは育休中の上の子への接し方を考えてみて
保育園に通っている子どもの赤ちゃん返りで気をつけたいことはありますか?
最近では育休中でも上の子を保育園に預けられるケースが増えていますよね。そのときに、どのように上の子の気持ちを受け止められるかを大切にしてもらいたいなと思います。
育児休暇を取るということは、ママがゆっくり子育てに専念できる時期です。ママ自身も体力的に回復するための大事な期間ですよね。そういう時間だからこそ、保育園に通うお子さんにとっては、普段忙しいママと一緒にいられる時間でもあるんです。
ママは仕事に復帰すると、ふたり以上の子育てと仕事を両立するため、バタバタした生活になります。そうなる前の育休期間中に、子どもとどう関わっていくかということです。上の子の思いをそこでくみ取ってあげて、ママとお子さんがゆっくり一緒に過ごせる時間にうまくつなげていってもらいたいなと思います。
心が満たされれば弱い者へのやさしさが生まれる
ありがとうございます。私自身、ふたりの子どもがいますが、きょうだい喧嘩をよくします。下の子が生まれてだいぶ時間がたつので赤ちゃん返りではないのでしょうが、それぞれの子どもが満たされていないのかもしれないなと反省しました。
そうですね、子どもは自分の心が満たされると、周囲の人のことを考えられるのではないかと思います。
たとえば、保育園ではひとりっ子が多い中、小さくてもちゃんと自分より小さい子の面倒を見ますからね。うちの保育園の一番上の学年は2歳児です。卒園後に幼稚園や保育園に入ると年少さんで小さいほうのクラスになるのに、ここではお兄ちゃん、お姉ちゃんとして赤ちゃんたちにやさしくしながら過ごしていますよ。