【保育士解説#8】非認知能力とは?世界が注目している理由&子どもの力を伸ばす方法!
保育士・子育てアドバイザーとして活躍する河西景翔先生の連載第8弾。今回は「非認知能力」。世間で注目されている非認知能力は、どのようなものなのでしょうか。非認知能力が注目されている理由や子どもの力の育み方を河西先生がままのて読者に解説してくれました。子どもと接する大人に向けた、保育士ならではのアドバイスも必見です。
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目次
世界が注目する「非認知能力」とは?
近年、世界が注目している「非認知能力」。
しかし、「非認知能力って何のこと?」と保護者の方々からよく質問されるので、わかりやすく解説します。
認知能力とは、一般に学力のことを指します。一方で非認知能力とは、下記のような測定できない個人の特性による能力のことを指します。
・意欲
・協調性
・計画性
・創造性
・粘り強さ
・忍耐力
・コミュニケーション
簡潔に言えば、目標を達成するまで粘り強く頑張る力といえるでしょう。これらの能力をどのように育てていけば良いのかと考える方も多いのですが、実はとても簡単です。
0・1・2歳は、非認知能力を育てるための基礎づくり。そのために、子どもに対して、興味関心のあるものはとことん探求させたりチャレンジさせれば良いのです。
【保育士実践】非認知能力の高め方の実例
子どもの非認知能力を育む方法を木登りで例えて考えてみましょう。
1.「意欲」を引き出す
保育士が大きな木を前にして、「どうしたらこの木に登れるようになるか?」と子どもたちに声をかけます。
2.「協調性・計画性・創造性」を育む
子どもたちは、どうしたら木に登れるようになるのか、一生懸命自分の知っている知識を出し合って話をします。
3.「粘り強さ・忍耐」を育む
子どもたちは試行錯誤し、いろいろな方法で木登りにチャレンジします。台を持ってきたり、ジャンプして飛びついてみたり、裸足になって登ってみたり…失敗を重ねることで、その失敗を元により良い方法を学びます。
なかには諦める子が出てきますが、「みんなでがんばろう!」と指揮をとって進める子も出てくるでしょう。
4.「コミュニケーション能力」が芽生える
みんなで出し合った意見と方法を駆使(くし)して、無事に木に登れるようになり、目標を達成します。みんなで力を合わせて目標を達成することで、一人ひとりに役割があること・失敗をしても諦めなければ成功することなど、コミュニケーションの重要性を学びます。
このような体験や経験を幼児期から学べば、失敗してもやり方を変えて目標達成へと近付ける力がついていきます。
人として生きていくときに必要な「底力」となるわけです。
非認知能力を育むきっかけは「興味」「関心」
非認知能力は、仲間と力を合わせるようなシーンがなくても育まれるものです。
その実例を挙げてみましょう。
子どものやりたいことをやらせてみる
大人は、いろいろなことを経験・体験して今があります。しかし、子どもたちはどうでしょうか。経験・体験不足から、さまざまなものに興味や関心を持っています。子どもの興味に気づきとことん付き合って触れさせることが非認知能力を育てる一歩になります。
「石」で遊ぶ子どもの興味と関心
たとえば「石」。大人からしたらただの「石」ですが、子どもからしたらとても興味深いものです。子どもの興味と関心を考えて、大人の接し方をみていきましょう。
石によって重さが違う、石と石がぶつかり合う音の心地よさ。大人はこうした子どもの興味に気付いたときに、とことん付き合うことが非認知能力を育てる一歩になります。
まずは大人が手本となって石を水に投げて見せます。子どもは、石と石のぶつかりあう音だけでなく、石と水がぶつかりあうと音が変化するように「音の違い」に気付きます。
そこから、子どもの研究が始まり、飽きるまで石を水に投げて音を楽しみます。大人は、ここで石の大きさによって音が変わることに気付ける言葉がけをしてみてください。
すると、子どもはさまざまな種類の石を用意して、水に投げていきます。好奇心から始まる自発的な活動を通して、多様性を学んでいるのです。
大人の役目は子どもを見守ること
石を人に向かってなげるなど危険な行為があるときは注意が必要ですが、危険な行為以外は子どもを見守るようにしましょう。
子どもが夢中になって言うと大人はいろいろ教えたくなりますが、子どもにとっては迷惑に感じている場合があります。子どもが「じぶんでああしたかったのにな」という思いになると、遊びに対しての探究心がなくなってしまいます。
0・1・2歳のうちにこうした体験を育てていけば、幼児になったときにより認知能力も非認知能力も育つとも言われています。
子どもの非認知能力を高めるために大人に求められること
子どもの非認知能力を高めるために大人に必要なことは、見守る際に「声」を出さないことです。大人はあくまでもサポーターです。「あれをしてみたら?これをしてみたら?」と声をかけることは、かえって子どもの創造性を壊してしまいまう場合があります。大人は、あくまでもサポーター役として子どものありのままの姿を見守っていてください。
子どもが大人に助けを求めてきても、「自分たちで考えてごらん」と声をかけ、とにかく考えさせること。これが、さらなる非認知能力を高めるのです。
目標が達成できたとき、「どうしてこの目標が達成できたのか」と子どもたち問いかけ、意見交換してみましょう。一人ひとりの役割の重要性や、価値観の違いを受け入れて、さまざまな意見をを認め合う時間を作ることが子どもたちにとって貴重な時間となりますよ。
※この記事は2020年3月に作成しています。
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著者情報:河西景翔(かわにし けいと)
保育士・子育てアドバイザー。
小学生の頃から保育士を目指し、中学から保育園でのボランティア活動を通して、日本音楽学校に入学し、保育士・幼稚園の資格を取得。
「子育て中のママやパパと、共に悩みながら最良の道を切り開く」
を念頭において、日々奮闘中。
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