【保育士が解説#3】慣らし保育の不安を解決!親子でできる入園に向けての心の準備!

保育士・子育てアドバイザーとして活躍する河西景翔先生の連載第3弾。今回は「慣らし保育」。初めて通う保育園は、親も子どもも不安がいっぱいですよね。なぜ慣らし保育が必要なのか、スムーズに保育園に慣れるために家庭でできることがあるのかを保育のプロが解説します。初めての環境に慣れようと頑張る、子どもの心のケアにも注目ですよ。

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この記事の監修

河西 景翔
保育士・子育てアドバイザー
河西 景翔

目次

  1. 慣らし保育の期間は?時間は?
  2. 慣らし保育の目的は?
  3. 子どもがなかなか慣れないときはどうする?
  4. 入園する保育園が決まったら家族でできること
  5. 河西景翔先生による子育てのアドバイス動画はこちら!
  6. 河西景翔先生のコラム
  7. 著者情報:河西景翔(かわにし けいと)
  8. 妊娠・育児に関するお役立ち情報発信中!
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慣らし保育の期間は?時間は?

河西先生

ママが職場復帰するための保育園の慣らし保育は、期間や時間が気になりますよね。

まずは、一般的な慣らし保育の流れを解説します。

「0歳児」の場合

0歳の赤ちゃんを保育園に預けるのであれば、基本的に復帰までに時間に余裕がある方が多いでしょう。初日は1時間から預け、その後は子どものようすを見て、1ヶ月ほどかけて徐々に保育園に慣れるよう促していくと良いかもしれません。

保育園に通いなれている「1・2歳児」の場合

1・2歳児で以前に保育園へ通っていた経験のある子(転園の場合)は、一般的な慣らし保育の日数と時間は下記の通りです。

日数
時間
初日1時間
2日目2時間
3日目給食まで
4日目午睡後、おやつまで
5日目1日保育

個人差はありますが、基本的に保育園で過ごしたり両親以外に預けられたりすることに慣れている子は、1週間程度で保育園に慣れるようにしていきます。

河西先生

いくら保育園で過ごすことに慣れている子どもでも、午睡(お昼寝)は精神的に負担がかかります。

お昼寝でうまく馴染めない場合は、子どものようすを見て、昼寝後に迎えに行くという対策を考えても良いかもしれませんね。

初めて保育園に通う場合

初めて保育園に入る子どもですが、ここは慎重に進めたほうが良いでしょう。

個人差はあるものの、子どもによっては慣れるのに時間がかかることがあるので、2週間くらいは慣らし保育期間として見ておくと安心です。また、集団生活に慣れないストレスで免疫が落ちる時期でもあるので、保育園で風邪の菌やウイルスなどの病気をもらいがちなので家でもようすや体調をよく見てあげてください。

河西先生

ママが職場復帰したと思ったら、子どもが発熱したと保育園から電話があり迎えに行くというパターンがよくありますよね。私は、子どものストレスからの免疫力低下に原因があるのだと思います。

降園後は自宅でゆっくり休ませ、翌日も元気に登園できるよう体調を整えてあげてくださいね。

慣らし保育の目的は?

私たちは大人ですから、環境の変化に対する「経験値」というものを持ち合わせています。しかし、子どもたちには大人に比べて環境の変化に対する経験値が低いですよね。経験値があれば、突然の環境の変化にも順応する力が備わっていますが、まだ幼い子どもたちはどうでしょうか。

幼い子どもは、環境の変化を受け止めるのに時間がかかってしまうのが当たり前です。なので「慣らし保育」が存在します。

子どもが環境の変化に対応する経験値を上げるには、段階を踏む必要があります。

慣らし保育の段階
1.子どもが保育園に預けられる
2.ママかパパが短時間で迎えにくる(預けられているあいだに、子どもは保育士と信頼関係を築いて園の環境に慣れる)
3.子どもがママかパパが必ず迎えに来ると学ぶ
4.保育士との信頼関係、親が必ず迎えに来るという安心から、保育園は安心して良い場所だという心が芽生える

慣らし保育は、子どもが環境に慣れることを学習する期間として大切な時間といえます。

河西先生

慣らし保育のめあては、もっと社会が理解すべき課題かもしれません。

社会が理解していれば、保育園に初めて預ける家庭には「慣らし保育は当たり前!むしろ必要!」となるのではないでしょうか。

子どもがなかなか慣れないときはどうする?

河西先生

慣らし保育期間が終わっても、なかなか環境の変化になじめない子どもはたくさんいます。

私自身も1歳から保育園に預けられていましたが、卒園するまで馴染めずよく泣いていたのを思い出します。

子どもが泣いていても親が切り替える

まず、保育園に子どもを預けるということは、子どもを「自立」させるための第一歩と考えましょう。保育士は、保育のプロフェッショナルですから、とにかく信頼して預けてください。ママやパパが不安な気持ちでいると子どもが大人の気持ちを敏感に感じ取り、いつまでも保育園に馴染めなくなってしまいます。

子どもが泣いて後ろ髪引かれたとしても、子どものことは保育士にゆだねてください。ママやパパと離れた後の子どものフォローは、保育士がしっかりとします。そこで子どもと保育士、そして保護者との信頼関係が生まれるのです。

保育園は体験学習の場

ママやパパの中には、「こんなに泣いてまで保育園に預ける必要があるのか…」と不安になる人もいます。しかし保育園のような家庭では体験できない集団生活は、子どもが生きていく中で非常に大切な「体験型の学習」です。会社に行くのと同じように、子どもたちにとっても保育園は必要な場所なんだと割り切ることが、子どもの成長を促します。

保育士からすると、泣くことにとらわれず安心して保育園に預けていただけたらなぁ…と思います。

入園する保育園が決まったら家族でできること

河西先生

保育園が決まったら、親も子どもも気持ちの準備が必要です。私がママ向けのセミナーで話している内容をお伝えしますね。

保育園が決まったら近くを散歩する

希望の保育園に入園が決まったら、とにかく通う予定の保育園の近くを子どもと散歩に出かけましょう。散歩に行く際は、さまざまな時間帯を選んで行き子どもに語りかけてあげてください。

「この保育園にいくんだよ。いいなー」
「みんな楽しそうに遊んでるね」
「給食のいいにおいがしてきたね」

このような語りかけは、子どもが保育園へ通うことへの期待につながることでしょう。

園庭開放があれば積極的に参加する

園庭開放やバザーなど保育園の行事に参加できる機会があれば積極的に参加して、園舎や先生たちの雰囲気を子どもに体験させてあげることが大切です。

大人もどのような仕事でも事前準備は必要ですよね。同様に、子どもたちにも事前にきちんと話したり体験をさせたりすることで「あ、このせんせいしってる」「このみちよくママとさんぽしてる」と気付くようになり、よりスムーズに保育園に慣れてくれるはずですよ。

河西先生

慣らし保育は、ママやパパが思っている以上に子どもにとってストレスがかかっています。

慣らし保育を終えた後は、たくさんギュッと抱きしめていつも以上にスキンシップを図り、子どもが安心できる環境づくりを心がけてくださいね。

※この記事は2020年2月に作成しています。

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著者情報:河西景翔(かわにし けいと)

保育士・子育てアドバイザー。
小学生の頃から保育士を目指し、中学から保育園でのボランティア活動を通して、日本音楽学校に入学し、保育士・幼稚園の資格を取得。
「子育て中のママやパパと、共に悩みながら最良の道を切り開く」
を念頭において、日々奮闘中。

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