【保育士解説#6】イヤイヤ期のイライラを解決!やってはいけないことは?プロの接し方を伝授!
保育士・子育てアドバイザーとして活躍する河西景翔先生の連載第6弾。今回は「イヤイヤ期」。ママの永遠の悩みともいえる子どものイヤイヤ期は、どのように接して良いかわからないという方も少なくありません。河西先生がイヤイヤ期の子どもの心、接し方、イライラしてしまったときのアドバイスなどをままのて読者に解説してくれました。
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目次
イヤイヤ期はどんな時期?
そもそも、子どもはなぜイヤイヤすることが増えるのでしょうか。
多くの子どもたちと関わってきた私の持論もふまえて解説します。
子どもと大人との考え方のずれが生じる
基本的にイヤイヤ期は、1歳半〜満3歳くらいまでと言われています。
私も子どもたちと接していて、なぜイヤイヤ期があるのか考えました。持論ではありますが、生まれてからハイハイができるようになるまでは、自分で身体を動かして行きたい場所へ行けませんよね。大人が主導になり、子どもをいろいろな場所へ連れて行くことがほとんどです。
しかし、子どもは日々成長しています。徐々に大人の手を借りなくても、自分でできることが増えてくる…すると、ここで大人と子どもに考え方と行動にずれが生じてきます。
イヤイヤは子どもの「探求心」
大人は、子どものペースに合わせると今までどおりに事が進まないことに苛立ちます。子どもは、自分のやりたいことがやっとできるようになり、追求したくなる。たとえば、石ひとつとっても子どもにとっては楽しいおもちゃです。感触・音を楽しんで、納得行くまでとにかく楽しみたいのです。
しかし、大人は子どもにとって貴重な「石遊び」の価値がわからないので、無理に自分の都合に合わせようとする。すると、子どもは嫌がる、これがイヤイヤ期と大人が勝手に思ってしまっているような気がします。
子どもにとったら貴重な「探求期」なのです。
イヤイヤ期は子どもの自立との葛藤
大人が「だめ」と否定してしまうことで、子どもは物事に関して興味をもつことをやめていしまいます。また、イヤイヤ期は、子ども自身が「自立」しようとしている時期とも言われています。「自分でやりたい。でも、まだ甘えたい」。心の中は、いつも葛藤して情緒が落ち着かない状態といえるのかもしれません。
【実録】保育園であった子どものイヤイヤ
イヤイヤ期の子どもの心はとても繊細です。その一例として、保育園で2歳児クラスを持っていたとき、実際にあったやり取りを紹介します。
やり取りで出てくる「トマトのあかい部分」とは、「トマトの皮」のことです。
ある日の給食で「トマト」が出たときのやりとり
今日の給食はトマトがあるね。
あかいのたべたくない。
あれ?トマト食べられたのに。好きだよね?
とまとすき。でもあかいからいや!
じゃぁ、きょうは食べるのやめる?
やだ!たべる!
じゃあどうぞ。
あかいのはいや!
赤いところをとろうか?
うん。
はい、取ったよ。食べようね。
わ~ん!これはトマトじゃない~!
このとき、子どもはトマトの皮が「赤い部分」というふうに認識していたのですね。トマトの皮の部分(あかい部分)が嫌という子どもに対して皮をはいであげました。すると突然泣き出し、最終的に私のトマトを半分にしてあげたら満足して食べました。
ここから見えるように、本当に子どもの心は繊細です。
大人は冷静に理解して対処してあげる
子どもがイヤイヤしたとき、大人はどうしたら納得するのかをひたすら研究しがちです。しかし、今の子どもの成長段階や心はモヤモヤしっぱなしで、こんなにつらいんだなぁ…と理解してあげることが必要ではないでしょうか。すると、子どものイヤイヤにも大人は冷静に対処していけるのだと感じます。
おでかけの際に、靴を履く履かないでもこの時期は大変でしょう。でも、外に出ることが楽しめるようなちょっとした見通しをつけてあげると案外ササッと靴を履いてくれたりします。
イヤイヤ期の子どもの接し方!やってはいけないことは?
イヤイヤ期が終わる背景は「子どもを待つ」「信頼する」
イヤイヤ期があるからこそ、子どもは次の成長のステップに進むことができます。「終わりのないものはない」という言葉があるように、ある日ピタッとイヤイヤ期が終わります。その背景には、やはり「子どもを待つ」「信頼する」ということがある気がします。
「いつかはやるようになるんだから、今はとにかく見守ろう!」そう決心して子どもと接すると、子ども自身も「この大人は信頼してもいいかもしれない」と思うようになります。今までの経験上、子どもの成長とともに心に余裕が生まれることで情緒が安定し、イヤイヤ期が終わるのではないかと感じます。
私自身、2歳児クラスを担当することが非常に多く、まさにイヤイヤ期の子どもたちと毎日格闘していました。
子どもって「本当に必死に成長しようと頑張っているんだなぁ…」と思うと、愛おしくてしょうがなかったですよ。
力ずくで子どもを抑えつけてはいけない
大人に余裕がないと、子どもの行動を力ずくで阻止することがあるかもしれません。しかし、それはかえって逆効果です。たとえば力づくでイヤイヤがおさまったとしても、子どもは別のストレスを抱えてしまうケースがあります。
なので「この時期は仕方ない。必ずいつか終わる」と信じて向き合っていただければと思います。
大切なのは子どもの発達状況をきちんと理解して、決してママひとりで悩んではいけないということです。
パパや祖父母、子育てを相談できる場所などを利用しながら、子どもに関わる方々と理解し合って見守っていくことが大切ですよ。
ママがイライラしてしまったときどうする?
肝心なのは「ま、いっか」と思うこと
私自身も、人間ですから時に子どもの行動に対し、感情的になりそうなこともありました。しかし、怒りの感情は子どもにとっては、大きなストレスと周りにとっても「負」でしかありません。肝心なのは、「諦めること」。
「まぁ、いっか。」精神を持つことで、自分自身にも余裕は生まれます。
悩んだら大声で笑って過ごそう
そして悩んだら、笑ってみましょう。ストレスを感じたときに大声を出して笑うことで、ストレスの度合いが変化すると言われています。実際に本当で「あーー!」と煮詰まったときこそ、子どもと笑ってみてください。
さらには、音楽を流して体操やダンスをして一緒に身体を動かしてみてください。身体を動かすことがストレスの発散にもなり、お子さん自身もママと笑ったり踊ることで「なんでイヤイヤしていたんだっけ?」と気持ちを切り替えるきっかけにもなります。
イヤイヤ期は子どもの「探求期」と考えて、子どもたちがたくさんのことを感じながら学び取っている時期と考える世の中になっていったらいいなぁ…と思います。
※この記事は2020年3月に作成しています。
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著者情報:河西景翔(かわにし けいと)
保育士・子育てアドバイザー。
小学生の頃から保育士を目指し、中学から保育園でのボランティア活動を通して、日本音楽学校に入学し、保育士・幼稚園の資格を取得。
「子育て中のママやパパと、共に悩みながら最良の道を切り開く」
を念頭において、日々奮闘中。
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