【保育士解説】子どものおもちゃの貸し借りトラブル!どう対処する?成長のあかし? by河西景翔#20
保育士・子育てアドバイザーとして活躍する河西景翔先生の連載第20弾。子どもが友達と遊ぶようになってくると、おもちゃを貸し借りする機会が増えます。すると、おもちゃの取り合いでトラブルになることもありますよね。その場合、どのように対処したら良いのでしょうか。河西先生が、貸し借りについて子どもの成長と対処方法を解説します。
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目次
皆さんこんにちは。子育てアドバイザーの河西です。
今回は、乳児のおもちゃの貸し借りについて解説します。
乳児のおもちゃの貸し借りで悩む方が多い?
幼児になれば物の貸し借りは「言葉」を通じてできますが、乳児は言葉がでないので、手が出たり口が出たりしてしまいます。
では、子どもにどのように対応したら良いのでしょうか。今回は年齢ごとお話していきたいと思います。
おもちゃの貸し借りは新しいコミュニティーのはじまり
貸し借りは成長の過程
子どもが自由に行動できるようになると、今まで自分だけだった世界から、他の存在を少しずつ意識していきます。他の子どもが使っているおもちゃに目が行き、「自分の物も使ってみたい」と思うのは当たり前の現象です。
皆さんはそのようなときになんと声をかけますか。「貸してあげなさい」と声をかける人が多いと思いますが、それは私たち大人がさまざまな経験や体験を通して「貸し借り」を行ってきた上での意見です。
しかし、小さな子どもは気持ちが満足いくまで遊び込めていないので、気持ちに余裕なんてものはありません。ですから貸したくないし、返したくもないのです。
でも、それでは友達とトラブルになることもあり困ってしまいますね。
子どもは体験と経験から学んでいく
おもちゃの貸し借りがうまくいかず、髪の毛を引っ張ってしまったり噛み付いたりすることもあるかもしれません。1歳児の発達状況からすれば、髪を引っ張ってしまうのもおもちゃを奪ってしまうのも、どの子どもにも見受けられる姿です。
なぜ、髪を引っ張ったり人の物を欲しがったりしてしまうのか。その答えは、「自分と自分。自分と他人」という関係性がまだ理解できておらず、経験や体験不足から来ていることなんですね。
子どもからしたら、自分の欲しいものがあれば「自分が使いたいものがある。髪の毛をつかむと、相手が泣いて、おもちゃを離して、自分の手に入る」という感覚があるのかもしれません。
でも、相手の物を力づくで奪ってはいけませんよね。
では、奪わないためにはどうしたら良いのでしょうか?
欲しかったらどんな態度で相手に示したら良いのでしょうか?
それは体験と経験から学んでいくものです。
子ども同士のトラブルで大人がすべき3ステップ
1.気持ちを受け止めてあげる
子どもがお友だちの物を奪ってしまったときは、「あのおもちゃ欲しかったんだね」と、まずは子どもの気持ちを受け止めてあげてください。
2.【かして】と言うことを教えてあげる
次に「おもちゃを貸して欲しかったら【かして】と言うんだよ」と教えてあげてください。言葉の部分で【かして】が言えないときは、ジェスチャーで教えてあげるのも方法のひとつです。
たとえば、保育園では左手を広げて空に向け、右手でその左手を叩く仕草をして【か、し、て】と三回鳴らして、言葉が出ない子どもに言葉以外の方法を教えます。
はじめはもどかしくなって、結局手を出して奪うこともあるとは思いますが、大人だって初めてのことを習得するのには時間が掛かるもの。繰り返し伝え続けてください。
3.正しい行動をしたとほめてあげる
【かして】が言えたりジェスチャーが出たりしたときには、すぐに「かしてが言えたね。偉かったね!」とほめて、その行動が正しかったことを伝えていってください。
子どもは、そこで「貸してほしいときは、こうやって表現したら良いんだ!」と学びます。
「転ばぬ先の杖」まずは自分から声をかけていきましょう
子どもが他の子どもに手を出してしまう発達段階であれば、あらかじめ周りにいるママやパパに対して「うちの子、手を出してしまうかもしれません。もし、手を出してしまったらすみません」とひと声かけてみましょう。
この一言があるとないとでは印象が大きく変わります。また、声をかけておくことで、周りの大人の構え方が変わってきます。きちんと子どもの特徴を伝え、手を出すとわかっていれば、未然に防ぐことができるかもしれません。
また、同じように手を出してしまうことに対して悩みを抱えている人もいるかも。なかには「うちの場合はこうだった」なんて話が聞けるかもしれませんね。
何より集団の場は「体験や経験の場」です。子どもも、ママやパパも失敗しながら学ぶものですよ。
うちの子は手を出してしまうから外には出したくない…と決して悲観的に考えず、どんどん遊びに出かけ、子どもとともに、ゆっくり成長していってくださいね。
※この記事は2020年10月時点の情報をもとに作成しています。
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著者情報:河西景翔(かわにし けいと)
保育士・子育てアドバイザー。
小学生の頃から保育士を目指し、中学から保育園でのボランティア活動を通して、日本音楽学校に入学し、保育士・幼稚園の資格を取得。
「子育て中のママやパパと、共に悩みながら最良の道を切り開く」
を念頭において、日々奮闘中。
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