【保育士解説】赤ちゃんと家遊び!生後0ヶ月~12ヶ月の発達に合った遊びとは?河西景翔#9
保育士・子育てアドバイザーとして活躍する河西景翔先生の連載第9弾。今回は「赤ちゃんの発達に合った家でできる遊び(前編)」を解説いただきました。赤ちゃんは、発達に合った声掛けや遊びをしてあげることで、にっこり笑ったり興味を示したりします。赤ちゃんとどのように遊べば良いか悩むママも必見ですよ。
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目次
2020年4月現在、新型コロナウイルスの拡大防止の影響で、赤ちゃんや子どもと家で過ごす時間が増えたというママがたくさんいます。赤ちゃんとどのようにお家で過ごして良いか悩むママも多いとの声をいただき、河西先生が0歳の赤ちゃんの成長に合った遊び方を解説してくださいました。ぜひ先生が解説する遊びを参考にしていただき、赤ちゃんの成長に合わせたお家遊びを楽しんでみてくださいね。
※今後、河西先生が解説する出産を控えている方に向けたメッセージ、1.2歳の子どもの成長に合った遊びなどを配信予定です。ぜひ楽しみにしていてください。
ままのて編集部
知人のママから「子ども(生後4ヶ月)に小麦粉粘土を作って遊ばせたけれど、子どもが興味も示さなかった…発達に合った遊びってあるんでしょうか?」と相談を受けました。
大人が楽しそう…と思って実践してみた遊びでも、子どもからしたら楽しめる段階に達していないことがあります。遊びは、学びであり日々の積み重ねです。
今回は、乳児期を中心とした遊びを皆さんにお教えできたらと思います。
【生後0〜3ヶ月】おすすめの遊び
大きな音に敏感な時期
生まれてから生後3ヶ月までの子どもは、とにかく大きな音に敏感な子が多いです。日々の生活の中で、大きな音を出すことをなるべく控えることが大切です。
大きな音が苦手だからと、音を出さないように過ごすのも良くありません。赤ちゃんを驚かせるような音だけは、注意していきましょう。
生後2ヶ月頃~腹ばいの姿勢にチャレンジ
生後2ヶ月頃から、腹ばいの姿勢を取り入れていきましょう。その際に、かたいフローリングではなく、カーペットや畳など赤ちゃんが身体を支えやすい環境を整えてあげてください。
赤ちゃんの脇の下にタオルを筒状に丸めたものを挟み、大人は子どもの前方で視線を合わせるように座ると良いでしょう。優しく声を掛けたりあやしたりしてみてください。
「見る」「握る」に興味がある時期
「見る」「握る」遊びに興味を示す時期です。
「見る遊び」では、ゆらゆらと揺れるようなおもちゃなどを用意して、子どもの身体の上で揺らし、追視(ついし:赤ちゃんがおもちゃを目で追う行為)がきちんとできているかを観察してあげましょう。
「握る遊び」では、子どもの手のひら全体に入るものを握らせて(布やタオルなど)、大人はときどき、押したり、引っ張ったりして赤ちゃんの手のひらを刺激してあげてください。生後3ヶ月くらいになると親指が少しずつ開いてくるので、今度は赤ちゃんの手で握れるようなおもちゃを用意してあげましょう。
【生後4〜6ヶ月】おすすめの遊び
徐々に視野が広がる時期
生後4ヶ月になると首がすわり、腹ばいにすると肘で上半身を支えられるようになります。追視の幅が広がり、左右上下できるようにもなります。「みつけた!」という表情が少しずつ出てくるでしょう。
身近な人の表情や声がわかり、声を出して笑うようになるのもこのころです。
音が鳴るおもちゃを選んでみて
遊びの面では、「見る・握る」に加えて、「舐める・噛む」遊びが始まります。感触の良いものや音が鳴るマラカス・振り太鼓などを用意してあげると良いですね。
見る遊びでは、音が鳴るなどの機能がプラスされたおきあがりこぼしや回転木馬、中に鈴が入っているようなボールなどが良いでしょう。
大人のまねをして学習していく時期
生後4~6ヶ月頃から、子どもは「遊び」を本格的に学び始めます。大人が子どもの前で玩具の遊び方を教え、声掛けをしながら繰り返し行っていくことで、遊び方を見て学習します。
学習すると、ハイハイなどで動けるようになったときに、さまざまなものを使ってひとりで遊べるようになりますよ。
保育園では、この時期にひとり用のプレイマットなどを用意して赤ちゃんに使わせています。
プレイマットを用意することで、子どもは自分の居場所を認識します。その場にいることで心の安定感を高めることにもなり、次への発育を促すといわれているのです。
【生後7〜8ヶ月】おすすめの遊び
ハイハイを始める赤ちゃんが増える時期
ついに、「ハイハイ」を始める赤ちゃんが増えます。ハイハイをするにも、初めは腕や身体の力の入れ方がわかりません。赤ちゃんが頭で思い浮かべていることと行動が伴わないので、泣いて悔しさを訴えることもあるでしょう。
感覚をつかむのは、子ども自身です。ぜひ見守ってあげてください。
行動範囲が広がるので誤飲にも注意
遊びでは、ハイハイをすることでひとで行動できるようになります。積極的にいろいろなところへ行って探索し「手で触る・口に入れる」などをして学びます。
その際に、赤ちゃんの誤飲を防ぐために、口の中に入ってしまうような小さな物(3.5センチ未満のもの)などが落ちていないか気を付けることが大切です。
布の感触などが楽しめる時期
感触遊びなども楽しめる発達段階なので、感触の異なる布などを用意してみましょう。シルク・綿・サテンなどを適当に切って、張り合わせて子どもに触らせると、生地の触感に気付き、好きな布をずっと触り続けたり舐めたりする様子が見られます。
私は、さまざまな種類の布で絵本を作って子どもに触らせていました。
完璧なものを作る必要はありません。布を適当な大きさに切って張り合わせるだけでも、子どもには楽しいおもちゃになりますよ。
表情・声の変化に気付く時期
表情や声の変化にも気付くようになるので「いないいないばぁ!」や、布やハンカチなどで視界をさえぎる遊びなども楽しめるようになるでしょう。
私は、「○○ちゃんの頭にちょんちょりんがのってる」と言いながら、お手玉を子どもの頭の上に乗せて遊んでいました。
子どもは、頭の上に乗っているお手玉を気にしながら、頭を前にして落としたり手や肘を肩より上に上げてお手玉を取ろうとしたりするのですが、これこそが、生後7・8ヶ月頃の「肘を肩よりも上にあげる」という運動の発達を引き出す遊びのひとつとなっているのです。
【生後9ヶ月〜10ヶ月】おすすめの遊び
「よつばい」や「人見知り」が始まる時期
つかまり立ちを積極的に行おうとする時期です。お尻を天井に向けて手や足を突っ張る「よつばい」のポーズをするのもこの時期です。座った姿勢でも手で支えることがなくなり、座りながら両手を自由に動かすこともできるようになります。
人見知りがよりひどくなるのもこの時期ならではの姿ですね。
ハイハイからよつばいを促す遊びがおすすめ
遊びの部分では、低い段差のあるところを越える経験をさせる遊びをさせたり、大きめのクッションをお腹に当てて乗せて上半身を支える運動遊びを取り入れたりしてください。ハイハイからよつばいへと移行できる働きかけをしていくと良いでしょう。
手先が器用になり遊びの幅が広がる時期
指先も少しずつ器用になってきました。「引っ張る・つまむ・握る・出す・入れる」などの手首や指先を使うようなおもちゃを揃えましょう。
気付いたら子どもがティッシュを箱から引き出して遊んでいたなんて経験ありませんか。この時期子どもに興味のあるのが、引っ張る遊びです。「だめよ!」ではなく、子どもの成長発達を理解し、それに合わせたおもちゃを用意してあげると良いでしょう。
私がおすすめするのは、カップとすずらんテープだけでできる「無限遊び」。すずらんテープを丸めてカップに入れて、穴から子どもが紐を引き出していくという遊びです。ただひたすら引き出すという行為を楽しむ子どもがたくさんいました。
子どもは一通り遊ぶと満足し、次の遊びへと移行します。満足するまで、この無限遊びをさせてあげてくださいね。スズランテープは、紙テープと異なりちぎれることがないので何度も丸めて利用することができます。
しかし、紐は首に巻き付くなどすると大変です。必ず大人がそばについて遊ぶようにしてください。
【生後11ヶ月〜12ヶ月】おすすめの遊び
ひとりで座ったり伝い歩きを始めたりする時期
ハイハイから座る体勢に移行できる力が付いてきます。つかまって立ったりしゃがんだりすることが活発になり、少しの時間立てるようにもなってきます。つかまり立ちから伝い歩きをし、箱などを押して歩く感覚を楽しむ(養う)のもこの時期です。
片手でなにかにつかまりながら、もう片方の手で別のものを持てるようにもなります。手差し・指差しができるようになり、「ちょうだい」と声をけると相手に物を渡せるようになります。
「吹く」「つまむ」「丸める」遊びを取り入れて
遊びの中では、「吹く」遊びを多く取り入れ、口の筋肉や呼吸、噛む力を高めて行きます。音の出るラッパなどは、「吹く」ことで音が出るので、子どもは遊びを通しながら「吹く」ことを体験を通して学んでいくおもちゃとして最適です。
指先を使った遊びでは、「つまむ」「丸める」など指先の感覚を鍛えられるような遊びを用意していくと良いでしょう。やわらかい粘土などがおすすめです。
「冷たいね」「気持ちいいね」「こねこね」など大人が一緒になって、感触や遊び方を教えると、自然と興味を持って遊び始めます。声掛けをたくさんしてあげてくださいね。
足腰の力を高める遊びも取り入れて
傾斜を作りよじ登る・乗り越える・ダンボールでトンネルを作ってくぐる、などの遊びも行いましょう。足腰の力を高めていくこともこの時期は大切です。
発達に合わせていくつか遊びを紹介してきましたが、子どもの一番の遊び相手は、おもちゃではなく周りの大人です。声をかけたり、子どもの言葉に共感したり身体をさすったりしてあげて、たくさんぬくもりを感じさせていきましょう。
こうした関わりをたくさん行えば、子どもの成長発達だけでなく、身体の筋力を高めるとも言われています。ぜひ、参考にしながらお子さんとの関わりを楽しんでくださいね。
※この記事は2020年4月に作成しています。
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河西景翔先生のコラム
著者情報:河西景翔(かわにし けいと)
保育士・子育てアドバイザー。
小学生の頃から保育士を目指し、中学から保育園でのボランティア活動を通して、日本音楽学校に入学し、保育士・幼稚園の資格を取得。
「子育て中のママやパパと、共に悩みながら最良の道を切り開く」
を念頭において、日々奮闘中。
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