【保育士解説】「子どもが好きなものしか食べない」食事のトラブルを解決! by河西景翔#19
保育士・子育てアドバイザーとして活躍する河西景翔先生の連載第19弾。子どもが好き嫌いをして、食事がなかなか進まないと悩むママも多いでしょう。 栄養面も気になりますよね。子どもが好きなものしか食べないときは、どのように接したら良いのでしょうか。子どもが好んで食べるアイデアや考え方を保育のプロに聞きました。
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目次
こんにちは、河西です。
今回は、子どもの食事についてお話したいと思います。
子どもの「好き嫌い」どうしたら良い?
子どもは保育園では何でも食べているのに、家だと好きなものしか食べないで困っているという相談をよく受けます。「一生懸命作っているのになぜ食べてくれないの!?」と苦しみ悲しむママも多いのではないでしょうか。すべてのことにいえますが、子どもはママを苦しめるために「好き嫌い」をしているのではないと、まずは理解してください。
親の気持ち(好き嫌いなく食べて大きくなってほしい)と子どもの気持ち(選ぶ権利・発達段階)の相違がこうした親子間のトラブルを招いてしまいます。今回はそこを踏まえてお話していきたいと思います。
子どもの置かれている環境を理解する
そもそも、なぜ子どもが家で見せる姿と保育園で見せる姿に違いがあると思いますか。
保育園は集団の場です。集団の場というのは、家庭だけでは育てることのできない成長がたくさんあります。たとえば今回のように食事にスポットを当ててみると、子どもは家で自分の年齢と同じ子どもと食事をする機会はあまりないですよね。保育園では、同じ年齢の子どもと食事をしています。
自分の苦手な物を他の子が頑張って食べていると、自分も頑張って食べてみようかなという気持ちが生まれます。また、食べられたときに周りの先生だけでなく友達からもその姿を認めてもらうと嬉しい気持ちになり、達成感や自己の肯定感が高くなります。
これは、やはり集団の場でしか観られない姿でもあります。
好きなものばかり食べるのはママとしてもこのままで良いのか?と不安になりますよね。
次に子どもの好き嫌いが見られたときの具体的な解決方法を紹介します。
体験を通して食べる喜びを学ぶ
子どもが興味を持つ工夫をする
料理は誰が作っていますか。また、その過程を子どもに見せているでしょうか。実はここにヒントがあります。
作る過程を見せたり一緒に調理したりすることで、子どもはその食べ物に対して「興味・関心」を持ちます。興味関心を持ったものに対しては、「食べてみたい」という欲が生まれるのです。ですから、子どもと一緒に料理をしてみてください。
子どもができるお手伝いをすすめる
1・2歳児でもちぎったり、振ったりすることはできます。たとえば、下記のようなお手伝いを子ども自身に与えてみてください。
・野菜をちぎる
・豆腐をつぶす
・調味料を入れた容器を振ってドレッシングを作る
食卓に出したときに「〇〇ちゃんがちぎったレタスだよ!」と声をかけていくと、子どもは自分が作ったものだ!とイメージができ、食べだすきっかけにもなります。
やはり、どのようにして作られたか過程がわからないものを「食べなさい!」と言われても、子どもはその食べ物に対して興味や関心がないので食が進まないことがあると思います。
大人が興味を持たせるきっかけを作り、子どもが食べられたときにはたくさんほめて認めていくことが大切なのかもしれません。
大人の価値を子どもに押し付けないことも大切
大人と子どもの考え方を分けてみる
私たち大人は、「健康に良いから食べなくてはいけない」ことを頭で理解し比重が「苦手」よりも「健康」に置かれるため、野菜が苦手でも食べることができているのではないでしょうか。しかし、子どもにとっては「野菜をなぜ食べなくてはいけないのか?」と比重が「健康」よりも「苦手」にあるので、頑なに拒む子どもは多くいます。
苦手な食材を無理にすすめることや食べるまで次の行動をさせないなどは、子どものトラウマになるので絶対にやめてください。いつかは自らすすんで食べるようになると大人は自分自身に言い聞かせ(私たち大人も子どものころはきっとそうだったはずです)、子どもの気持ちに立って向き合っていってください。
苦手な食材に興味や関心を持たせる
私は何百人という子どもたちを見てきましたが、やはり野菜が苦手な子どもは多いです。しかし先述したように、調理する段階で一緒におこなったり、野菜の苗を買いに行き子どもが水やりをして育てたりすることで野菜自体に愛着を持つと、野菜に対しての愛着が興味になり、なんと不思議なことに苦手だった野菜も自分が育てた野菜なら食べられるようになったという子どもを多く見てきました。
大切なのは大人の価値観の押しつけではなく、子どもに興味関心を持たせることなのかもしれませんね。
大人と子どもの気持ちを大切に進めてみよう
今回は「食」に関してのお話をさせていただきました。
大人は子どもに大きく成長してもらうために「いろいろな物を食べさせなければ!」となりがちですが、食べさせることだけにフォーカスしてしまうと大人だけの思いになってしまい、子どもの気持ちはどこにも存在しなくなってしまいます。
ミッションを達成させるときは、双方の気持ちを大切にすることが必要ですよ。食事もミッションととらえて双方の気持ちを大切にし、良い成果を残せるようにしていけると良いですね。
子どもの食事に関してお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
※この記事は2020年9月時点の情報をもとに作成しています。
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著者情報:河西景翔(かわにし けいと)
保育士・子育てアドバイザー。
小学生の頃から保育士を目指し、中学から保育園でのボランティア活動を通して、日本音楽学校に入学し、保育士・幼稚園の資格を取得。
「子育て中のママやパパと、共に悩みながら最良の道を切り開く」
を念頭において、日々奮闘中。
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