【保育園の先生にインタビューvol.4】保育園はかわいそう?働くママ・パパができる工夫は?

育休からの復職時期が近付くと、子どもを保育園に預けることに対して罪悪感を持ってしまうママやパパもいるようです。しかし、保育園に子どもを預けることはかわいそうなことなのでしょうか。実際に0~2歳児に毎日接している保育園の園長先生にお話を伺いました。

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目次

  1. 子どもを保育園に預けるのは「かわいそう」なの?
  2. 休日の時間の使い方を工夫してみて
  3. 仕事の日のバタバタを軽減させる工夫は?
  4. ママが自分らしく過ごせることが大切
  5. あわせて読みたい

育休からの復職時期が近付くと、子どもを保育園に預けることに対して「かわいそう」なのではないかと悩んでしまう方は多いようです。横浜市で長年保育に携わってこられた「のぞみ山手駅前保育室」の鈴木幸代園長先生に、保育園が子どもに与えてくれる影響と親子の関わり方のコツを伺いました。

【鈴木幸代先生 プロフィール】
1955年福岡生まれ。1976年に香蘭女子短期大学の保育科を卒業後、横浜市の保育園や養護施設に勤務。3児の子育てのために一時退職後、横浜市母子寡婦福祉会で母子相談員としての勤務を経て、2003年に横浜保育室(横浜市独自の基準で運営される認可外保育園)「のぞみ山手駅前保育室」の園長に就任。毎年0~2歳児のお子さんを愛情いっぱいに育てています。

子どもを保育園に預けるのは「かわいそう」なの?

育休から仕事への復帰を控えているママやパパの中には、我が子を小さいころから保育園に預けることはかわいそうなのではないかと悩んでしまう方も多いようです。保育園に子どもを預けるメリットがあれば教えてください。

「かわいそう」って感じるのであれば、別に保育園に預けなきゃ良いじゃないかと思ったりもしますけれど…でもそうじゃないですよね。保育園に通っているお子さんたちを見ていると、子どもが保育園に通うことはかわいそうではないと思います。

そうですね、お子さんを保育園に通わせることで、我が子の世界が広がるって思ってもらえると良いでしょうか。子どもは社会の宝物ってよく言いますよね。両親だけではなく、身近なところで我が子のことを思ってくれる人ができるということです。

大人と子どもが信じ合える、大人も子どもに寄り添うけれど、子どもも大人に寄りかかれる、そんな関係を保育園の中で作っていきたいと私は持っています。きっといろいろな保育園の先生たちもみんな、そんな風に思っていらっしゃるのではないでしょうか。

ママやパパにもそういう部分を大事にしてもらったら、保育園にお子さんを預けることがかわいそうとはならないのではないかと思います。それにお子さんは保育園でいろいろな経験ができますしね。

ママやパパが子どもを保育園に預けることに罪悪感を持ってしまうのには、周りの声の影響もありますよね。

そうだと思います。ママやパパのご両親から「なんでそんな小さいうちから」と言われちゃう人は多いようですね。でも、そうじゃない実態を目の当たりにする機会がおばあちゃん・おじいちゃんたちにはなかなかない。うちの保育園では「ぜひ一緒に来てください」と言っています。

休日の時間の使い方を工夫してみて

子どもを保育園に通わせる場合、家庭で気をつけることがあれば教えてください。

休日の使い方を工夫してみて欲しいと思います。平日にお子さんを保育園に預けてかわいそうだと思うからなのか、休みの日はとにかくどこかへお子さんを連れて行ってあげなきゃと思っている方が多いように感じます。ただ特にお子さんが小さいうちは、ゆったりと過ごす時間も必要です。自分たちのゆったりとした時間の過ごし方にも、それぞれのお家の工夫があると思いますよ。

たとえば土日休みの家庭だったら、土曜日はどこかにでかけて日曜日はゆっくりしようかとか、今日はゆっくりしたから明日はみんなでおでかけしようか、とか。

何が何でもどこかへ行かなくちゃって思わないでもよいのではないでしょうか。ただ、私自身も経験がありますが、ママだってリフレッシュしたいとは思います。ママたちのおでかけしたい気持ちもよくわかる。それでも、お子さんが小さいうちはどうやっておうちでゆったり過ごすのか考えてみて欲しいなと思っています。

たとえば子どもと一緒にゆっくりお料理するのも良いですよね。ママが時間をかけて普段できない家事をするところに子どもが一緒にいることもひとつの方法かもしれない。一方でパパが子どもを見ているあいだに「ママはでかけて良いよ」という家族関係もあるかもしれないし。休日の時間を家族でうまく使えるようになって、お子さんとゆっくり過ごすことができれば、保育園に行っていることがかわいそうとはならないと思います。

仕事の日のバタバタを軽減させる工夫は?

実際に仕事が始まると、仕事と子育ての両立でバタバタしてしまいます。そのことで、子どもに向き合えていないのではないかと罪悪感を持つママやパパもいますよね。鈴木園長先生ご自身もひとりのワーキングマザーとして工夫されていたことはありますか?

時間をうまく使うことを意識していました。

たとえば食事の支度です。常備菜を一品か二品作って冷蔵庫に入れておくと楽になりますよ。そうすればご飯だけ炊いて、具だくさんのお味噌汁を飲ませるだけでも栄養のある食事になります。毎日食事を作ろうとすると大変だから、できるときに少しずつ作っていました。

週末の時間の使い方は工夫していました。今は冷蔵庫の性能がよくなっていて、食材を長く保存できますよね。たとえば週末にお子さんにはパパとでかけてもらって、そのあいだに常備菜を作っておくとか。賢く工夫をするってところですね。

夏場はゼリー寄せもおすすめです。野菜やハムなどを刻んだものをコンソメで味付けたゼリーと一緒に小さなパックに入れて冷やし固めて、固まったら保存容器に入れて冷蔵庫に入れます。ゼリー寄せは冷たくても温かくてもおいしいですよ。離乳食のときにもやっていましたね。

自分がいかに上手に時間を使えるようになるかです。大変だけれど。本当にママたちは忙しすぎるものね…。

ママが自分らしく過ごせることが大切

私もふたりの子どもがいます。大人の都合に振り回してしまっているのではないか、本当に子どもにとって良いリズムで生活させてあげられていないのではないかと悩むことがあります。

悩むことがお子さんにとって大事なことのような気がします。「本当はママこうしたいんだよ、でもなかなかうまくできないでごめんね」というのが現実だと思います。もうちょっとゆっくりしてあげれば良かった、怒らずに済めば良かったというママやパパの思いは、どんなに時代が変わっても変わらないと思います。

私も子どもの寝顔に向かって「今日もごめんなさい」と何度も謝りました。そんな風に試行錯誤しながら子どもにとってのベストな状況を探すことが親の役割かもしれませんね。

ありがとうございます。みなさん迷いながら子育てしている中で、「大丈夫よ」というメッセージをいただけた気がします。

ママたちが元気なのが一番です。ママが自分らしくいられるためにはどうしたら良いか。ママが自分の時間を確保するのはなかなか難しいかもしれません。それでも、働いているママも専業主婦のママも、社会の一員としてひとりの人間としていきいきと生活できる、自分らしく過ごせることが大切なのではないかと思いますよ。

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