【睡眠コンサルタント解説】寝返りすると起きてしまうのはなぜ?赤ちゃんのための寝返り対策を紹介!
寝返りは赤ちゃんの成長のひとつであり、赤ちゃんが寝返りできた瞬間は、ママやパパにとってとても感動的ですよね。でも、そんな寝返りが、赤ちゃんの睡眠においてはママやパパを悩ませる原因になることがあります。このコラムでは、赤ちゃんが寝返りで起きてしまう理由と、その対策をお伝えします。
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目次
赤ちゃんが寝返りして泣くのはなぜ?
赤ちゃんをベッドやお布団に寝かせると、コロンと寝返りして泣いてしまうことがありますよね。自ら寝返りをしたのに泣くという行動は、大人からすると不可解に思えるかもしれません。よくあるお悩みに、「寝かしつけをしようとしても寝返りして起きてしまいなかなか寝てくれない」「夜中に寝返りをして起き、ときには泣いてしまう」というものがあります。
赤ちゃんが寝返りをして泣いてしまう理由として考えられることは、以下の2つです。
寝返りしたことそのものにびっくりしている
実は、赤ちゃん自身は寝返りをしようと思っていないのに、寝返ってしまうことがあります。身につけたばかりの技術に、赤ちゃんはついつい身体を動かして、その練習をしてしまうのです。
寝かしつけ時や就寝中も同様で、うっかり寝返りしてしまったことに、赤ちゃん自身が驚いて起きてしまったり、泣いてしまったりすることもありますよ。
寝返りから元に戻れずに泣いている
まだ寝返りがえりができない赤ちゃんは、うっかり寝返りをしてしまった後、元に戻りたいのに戻れずに泣いてしまうことがあります。
また、もともと仰向けで寝ることを好む赤ちゃんの場合は、うつぶせ寝になることで苦しかったり落ち着かなかったりして泣いてしまうこともあるのです。
赤ちゃんが寝返りで起きてしまったときの対応
寝返りしたことにびっくりしている場合
赤ちゃんは仰向けに戻りたいのではなく、うつ伏せのほうが落ち着くのに、寝返りをしたことでびっくりし泣いているということがあります。
このように、うつ伏せのほうが寝やすい赤ちゃんや落ち着く赤ちゃんの場合、仰向けに戻すと怒ってしまい、さらに泣いてしまうこともあります。そのときは、うつ伏せのまま寝かしつけてあげるのもひとつの方法です。
ただし、寝返りから元に戻ることをまだ習得していない赤ちゃんの場合、そのままの姿勢では窒息の危険があります。
そのため、眠り始めはそばにつき、赤ちゃんの眠りが深くなったら仰向けに戻してあげるようにしましょう。
寝返りから元に戻れずに泣いている場合
赤ちゃんが寝返りをし、元に戻りたくても戻れず困っている場合は、ママやパパが黒子に徹して赤ちゃんを仰向けに戻してあげましょう。
なぜ黒子に徹するかというと、声をかけながら赤ちゃんを仰向けに戻してしまうと、赤ちゃんはそれを遊びとして認識してしまうことがあるからです。
そうなると赤ちゃんはどんどん面白くなり、寝返りをしてはママやパパに戻してもらうことを楽しむようになります。
場合によっては、赤ちゃんが気のすむまで繰り返すこともあるので、黒子に徹して戻してあげるようにしましょう。
赤ちゃんをそっと仰向けに戻してあげたあとに、どうしてもまた寝返りをしてしまうようなら、赤ちゃんの寝入り時にだけ赤ちゃんの身体を少し手で抑えてあげるのも有効的です。
赤ちゃんが寝ついた後、就寝中に寝返りをしてしまったら、寝入り時と同じようにそっと戻して少し抑えてあげる対応が良いでしょう。
仰向け寝?うつ伏せ寝?赤ちゃんの好みを見極める
赤ちゃんの中には仰向けのほうが寝やすい子と、うつ伏せのほうが寝やすい子がいます。ここで重要なのは、赤ちゃんが落ち着く体勢はどちらなのかを見極めるということです。
どちらの場合でも安全な環境を整えておくようにしましょうね。
赤ちゃんの睡眠環境を整えよう
赤ちゃんがうつ伏せ寝をしているときに注意すべきことは、赤ちゃんの窒息です。布団や枕に鼻や口が埋まってしまって呼吸ができなくなってしまうと、悲しい事故につながることもありますよね。
赤ちゃんがうつ伏せ寝をしている、していないに関わらず、赤ちゃんの呼吸をさまたげる原因になるようなものを寝床に置かないようにしましょう。特に冬の寒い時期は寒さが心配で、赤ちゃんに毛布や掛け布団をかけている方もいるでしょう。
しかし、赤ちゃんに毛布は不要という考えもあります。米国小児科学会の「安全な睡眠:推奨事項(Safe Sleep: Recommendations)」によると、乳幼児の窒息を予防するために枕や毛布のようなやわらかいものは寝床に置かないよう推奨しています(※1)
冬のあいだは赤ちゃんのお部屋の温度を20℃ほどに保ち、できるだけ毛布を使わないような工夫をすると良いでしょう。
毛布を使わないときの寒さ対策として、スリーパーやスリーピングバッグなどの着るタイプのお布団を使用してあげることをおすすめします。股にスナップボタンがついているタイプは、寝ているあいだにずり上がってくることもなく安心ですよ。
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寝返り防止グッズの危険性
赤ちゃんに寝返りさせないための対策として、寝返り防止クッションやバスタオルを丸めたものを使用したり、ペットボトルを置いてみたりするなどの対策をされているという方も多いのではないでしょうか。とても便利な一方で、それらの対策は窒息の危険を高めてしまうことがあります。
実際に、クッションやペットボトルを置いていても、赤ちゃんがそれを乗り越えてしまうことも少なくありません。そればかりか、寝返り防止アイテムに顔が埋まってしまったり、ベビーベッドとのあいだに挟まってしまったりして窒息の要因となった悲しい事故も過去には発生しています。
米国消費者製品安全委員会(CPSC)では寝返り防止アイテムの使用により死亡事故が発生していることをうけて、乳児用睡眠ポジショナーの使用を控えるよう警告も出していますので、使用には非常に注意が必要です(※2)。
寝返りがえりの練習をしてみよう
寝返りによる窒息防止のため、安全な環境を整えることが大切ではありますが、赤ちゃんが寝返りしてしまうのを一晩中ずっと観察しているわけにはいかないですよね。
安全な環境を整えることも大切ですが、それとともに、赤ちゃんが寝返りがえりを習得できるようサポートしてあげましょう。
赤ちゃん自身が寝返りがえりを習得すれば、うつ伏せが苦しければ自分の力で元に戻ることができます。また、自分の寝やすい体勢を見つけることができるようになるので、寝つきが良くなるという効果も期待できますよ。
寝返りがえりの練習は、機嫌のよい日中の時間帯に行うのがおすすめです。赤ちゃんをうつ伏せにして、ママやパパの手で回転をサポートしてあげながら仰向けに戻る練習をします。
また、赤ちゃんには左右どちらかのほうが回りやすいかという得意、不得意があります。まずは得意なほうだけでも良いので、仰向けに戻れるように練習してみましょう。
赤ちゃんの運動にもなるので、寝返りがえりの練習はとてもおすすめですよ。
寝返り対策に特効薬はない!
赤ちゃんのお世話全般に言えることですが、寝返り対策にも特効薬はありません。寝返りをするつもりがないのにしてしまう赤ちゃんの気持ちに寄り添い、安全対策をしながら対応していきましょう。
※この記事は2023年10月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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著者情報:和氣 春花(わけ はるか)
乳幼児睡眠コンサルタント/夜泣き・寝かしつけ専門YouTuber。
国内外の乳幼児睡眠コンサルタントの資格を保持。YouTube「寝かしつけ専門学校 ねんねママちゃんねる」を中心に、ブログやSNS、ラジオなどで子どもの睡眠についての情報発信を行う。睡眠に悩むママやパパへのコンサルティングや育児グループサービス提供、寝かしつけ講座の講師としても活動中。
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