【管理栄養士監修】妊婦の便秘解消にはプルーンがおすすめ!でも食べすぎは要注意
便秘解消に効果が期待できること、鉄分が豊富で栄養価が高いことから、プルーンは妊婦さんに人気の食材です。一方でビタミンAの摂りすぎが胎児に影響が出る恐れがある、という説があることをご存知でしょうか。ここでは、プルーンの効果や妊婦さんが食べるときの注意点、おいしく食べるレシピについて管理栄養士監修でご紹介します。
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目次
妊婦の便秘解消にはプルーンがおすすめ
プルーンは栄養価が高い食材です。便秘の解消に役立つといわれているため、毎日少しずつ食べている人も多いのではないでしょうか。
ただし、食べすぎには注意が必要です。プルーンに含まれる糖アルコールの一種である「ソルビトール」という成分には、お腹をゆるくする作用があります。便秘に役立つ可能性があるとはいえ、食べすぎると逆にお腹を下してしまうかもしれません。
生のプルーンは手に入りにくいですし、干しプルーンなどは、一般的には一度に何十個も食べるものではありませんが、パッケージに書いてある1日の摂取の目安はチェックするようにしてくださいね。普段からお腹がゆるくなりやすい人は、少量から始めてみることをおすすめします。
プルーンの鉄分はそれほど多くない?
プルーン=鉄分が多い食材というイメージはありませんか。商品のパッケージなどにも「鉄分」の文字が書かれていることが多いので、不足しがちな鉄分を補うために商品を購入する方も多いのではないでしょうか。では実際に、どのくらいの鉄分が含まれているのでしょうか。文部科学省の食品データベース(※1)によると、生のプルーンと乾燥プルーンの鉄の保有量は以下のとおりとなっています。
プルーン(生)可食部100g | 鉄 0.2mg |
プルーン(乾)可食部100g | 鉄 1.0mg |
成人女性の1日の鉄分摂取推奨量10.5mg(※2)を満たすには、生のプルーンのみだと70個(1個あたり70g)、乾燥プルーンのみだと100個(1個あたり10g)個食べる必要があるということになります。この数字から見ても貧血対策をするには、プルーンだけでは難しいことがわかりますので、さまざまな食品や鉄剤から鉄分を摂取するようにしましょう。
内容量:190g18本×2ケース(36本)
プルーンを食べすぎると胎児に影響がある、は嘘!?
プルーンにはビタミンAが多く含まれているため、妊娠初期に多量に摂取すると、胎児が口蓋裂や水頭症などの障害を持って生まれる可能性が高まる、という説がありますが、本当なのでしょうか。いったいどのくらいの量なら食べても大丈夫なのでしょうか。
ビタミンAの摂取必要量・推奨量(単位:μgRE)
ビタミンAは、お腹の赤ちゃんの皮膚や粘膜を作るために必要な栄養素です。下記の表は、成人女性のビタミンAの摂取基準と妊娠中・授乳中の付加量をあらわしています。妊娠後期や授乳中は、成人女性の摂取基準よりもたくさん摂取する必要があります。一方で、過剰摂取には注意が必要です。ビタミンAを摂りすぎると、胎児の奇形につながる可能性があると指摘されています。不足するのも問題ですが、一日の必要量や推奨量を目安に適切な量を摂取するようにしましょう。
推定平均必要量 | 推奨量 | 耐容上限量 | |
---|---|---|---|
18~29歳の女性 | 450 | 650 | 2,700 |
30~49歳の女性 | 500 | 700 | 〃 |
妊娠初期の付加量 | +0 | +0 | ― |
妊娠中期の付加量 | +0 | +0 | ― |
妊娠後期の付加量 | +60 | +80 | ― |
授乳中の付加量 | +300 | +450 | ― |
プルーンに含まれるビタミンA(レチノール当量)
ビタミンAには、動物性由来でそれ自体がビタミンAの機能を持つ「レチノール」や、体内でビタミンA(レチノール)に変換される植物由来の「β─ カロテン」などがあります。これらは同等の機能を持つものの、ビタミンAとしての効力の強さが違うため、通常「レチノール当量(RE)」や「レチノール活性当量=RAE」に換算した量であらわされます。
プルーンに含まれるのは主にβ─ カロテンで、可食部100gあたりのビタミンA(レチノール当量)は生のプルーンが40μg、ドライプルーンが110μgです(※1)。100g食べてもビタミンAは摂取推奨量の6分の1~7分の1程度にしかならないので、ドライプルーンを数粒食べる程度であれば、ビタミンAの摂りすぎを気にする必要はないといえるでしょう。
ビタミンAを多く含む食材一覧
プルーンよりも気を付ける必要がある食材として、ビタミンAを多く含む食材を一覧で紹介します。まったく食べてはいけないわけではありませんが、以下の100gあたりの数値と必要摂取量・推奨摂取量をもとに、食べるときには量を調整するようにしましょう。ただし鶏レバーや豚レバーはビタミンAの量が非常に多いため、食べるのを控えたほうが安心ですね。
食品名 | ビタミンA類のレチノール当量(μg/100gあたり) |
---|---|
鶏レバー(生) | 14,000 |
豚レバー(生) | 13,000 |
牛レバー(生) | 1,100 |
やつめうなぎ(生) | 8,200 |
ほたるいか(ゆで) | 1,900 |
うなぎ(かば焼き) | 1,500 |
ぎんだら(生) | 1,100 |
にんじん(根、皮むき、ゆで) | 730 |
ほうれんそう(葉、ゆで) | 450 |
しゅんぎく(葉、ゆで) | 440 |
西洋かぼちゃ(ゆで) | 330 |
こまつな(葉、ゆで) | 260 |
プルーンの食べすぎは体重増加につながりやすい?
プルーンはドライプルーン・生プルーンともに糖質が多く含まれています。食べ過ぎると過度な体重増加につながる可能性があるため注意しましょう。糖尿病や虫歯といった生活習慣病につながるケースもあります。身体に良いとはいえ、偏食せず、あくまで食事やおやつの一部として少しずつ楽しみましょう。
妊婦さんにおすすめのプルーンの食べ方は?
プルーンを食べる場合は、生のプルーンよりもドライプルーンがおすすめです。ドライプルーンは生プルーンよりも手に入りやすく、長持ちするため保存しやすい点が特長です。少しずつ消費するにはドライプルーンのほうが使い勝手が良いですね。100gあたりの栄養価が高いこともおすすめポイントです。
ドライプルーン+ヨーグルト
お好みのヨーグルトを器に盛り、ドライプルーンを適量のせるだけです。フレッシュミントを添えると彩りも鮮やかになります。
プルーンとカテージチーズのトースト
●材料(1人分)
ライ麦入り食パン 1枚
カテージチーズ 30g
プルーン 30g(種なし)
ハチミツ 小さじ1
●作り方
1.プルーンは1個を4つに切る。食パンにカテージチーズを塗り、その上にプルーンをのせる
2.オーブントースターで焼き、半分に切る。器に盛り、ハチミツをかける
想像しただけでお腹が空きそうですね。朝食やおやつにぴったりの、栄養価の高いメニューです。ハチミツをかけることでまろやかになり、食べやすくなりますよ。
プルーンとハム、さつまいものバター煮
●材料(1人分)
プルーン 30g(種なし)
ボンレスハム 1枚
さつま芋 60g
バター 小さじ1/2
水 大さじ1
●作り方
1.さつま芋は厚さ1cmのいちょう切りにし、水に晒し水気を切り、ハムもいちょう切りにする
2.耐熱の器にさつま芋、ハム、プラム、水、バターを入れラップをかけレンジ(500W)で2分30秒加熱し、混ぜ合わせ、器に盛る
レンジでチンするだけの手軽さも、なにかとおっくうになりがちな妊婦さんにとっては魅力です。
プルーンジュースもおすすめ!
内容量:900ml×12本入
太陽をたっぷり浴びたプルーンの還元汁を100%使用したジュースです。この1本にドライプルーン約9個分の栄養がぎゅっと詰まっています。プルーンを食べるのが苦手な人は、ジュースからプルーンの栄養を摂取しても良いかもしれませんね。ただし飲みすぎには注意しましょう。
プルーンは栄養満点!量に注意しながら活用しよう
妊娠してからプルーンを食べるようになった、身近になった、という方も多いのではないでしょうか。筆者もそのひとりです。プルーンは栄養価が高く、食事やおやつに上手に取り入れれば効果的な栄養補給になりますよ。
ただし妊娠中であってもそうでなくても、食べ過ぎには注意が必要です。プルーンに限らずさまざまな食材からバランスよく栄養を摂り、健康的な食生活を送ってくださいね。