消える蒙古斑と消えない青あざ、治療が必要な青あざの特徴
蒙古斑(もうこはん)とは、日本人のほとんどの赤ちゃんにみられる薄青灰色の母斑のことを言います。赤ちゃんの蒙古斑は成長とともに消えることが多いとされていますが、自然に消えることのない青あざや治療が必要な青あざなどさまざまな種類があります。ここでは、子どもの蒙古の特徴と種類、青あざについてご紹介します。
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目次
赤ちゃんの蒙古斑とは?消えるのはいつ?
蒙古斑とは先天性の母斑
蒙古斑(もうこはん)とは、赤ちゃんのお尻や腰によく見られる、先天性のあざのような母斑です。色は薄青灰色で、蒙古斑の大きさや色の濃さには個人差があります。日本人を含む黄色人種のおよそ9割に蒙古斑があるといわれていますが、白人の場合は全体の1~2割しか蒙古斑は現れず、虐待のあざと勘違いされたという話もあるようです。
3~5歳で消えることが多い
蒙古斑は徐々に薄くなり、3~5歳頃に消えることが多く、ほとんどは10歳前後には消えるといわれています。ただし、中には大人になっても残る蒙古斑もあります。
蒙古斑はなぜできるの?
蒙古斑ができる原因はまだはっきりとわかってはいませんが、有力なのは「メラノサイト」が原因だという説です。メラノサイトとは、人の肌などの色を決める黒色色素であるメラニンを作りだす色素細胞です。
メラノサイトは、人間が胎児のときに真皮から真皮と表皮の境界に移動するのですが、何らかの原因で真皮にメラノサイトがとどまってしまうことで、蒙古斑ができるのではないかと考えられています。真皮内のメラノサイトは腰のあたりで活発に働くため、お尻や腰に蒙古斑がでることが多いようです。
異所性蒙古斑とは
通常の蒙古斑は成長とともに薄くなっていきますが、異所性蒙古斑(いしょせいもうこはん)の場合は消えにくく、大人になっても残ることがあります。通常腰やお尻にできることが多い蒙古斑とは違い、異所性蒙古斑は手足や顔、背中の上の方に現れるものです。
悪性化したり病気を招いたりすることは特にないようですが、洋服などで隠れない目立つ場所にあるなど、本人や両親が気になってしまうようであれば、医師と相談して治療を行うこともあります。
その他の青あざの特徴
太田母斑
太田母斑(おおたぼはん)とは、目の周囲や頬、おでこにできる青褐色や赤褐色のあざです。多くは片側のみに現れますが、まれに両側に現れることもあります。
蒙古斑とは違って思春期に現れることが多いですが、乳幼児期に現れ、成長とともに色が濃くなっていくことも少なくありません。痛みやかゆみはなく、皮膚が盛り上がることもありませんが、眼球に青みが出ることもあります。
太田母斑は悪性ではありませんが、見た目の問題からレーザー治療が行われることがほとんどです。
青色母斑
普通のほくろと比べて青みが強く、表面が盛り上がっているもののことを青色母斑(せいしょくぼはん)と言います。大きさは1cm以下であることが多く、色や大きさは個人差があり、できる場所も顔や背中、手足とさまざまです。
1cm以下の場合は悪性化することはほぼありませんが、1cmよりも大きいときには「細胞増殖型」として後々悪性化する可能性もあるため、注意が必要です。かゆみや痛みはないので、小さい場合は治療の必要はありません。しかし、気になるときや大きさが1cmを超えるときには医師に相談するようにしましょう。
持続性蒙古斑の治療
持続性蒙古斑(じぞくせいもうこはん)とは、10歳を過ぎても消えない蒙古斑のことを言います。全体の3~4%の割合で、大人になっても蒙古斑が残っているのだそうです。いつまでも消えない蒙古斑には、レーザー治療がとられることがあります。
ただし、レーザー治療で蒙古斑が必ずきれいに消えるわけではなく、中には色素が残ってしまうケースも見られます。また、広範囲の治療を行うときには、全身麻酔が施されて入院が必要になることもあります。そのため、事前に医師としっかりと相談をしたうえで、治療を行うかどうかを決めるようにしましょう。
蒙古斑とは「神様からの贈りもの」?
蒙古斑とは「神様からの贈りもの」であるという考えもあります。「赤ちゃんをこの世に送り出したときの神様の手のあと」や「天使のしるし」「おむつ替えをするママが楽しめるよう、神様が色をつけた」といった説も聞かれます。
ただし、蒙古斑やその他の青あざなど、治療をしなくては消えないものの場合は、現れている場所によっては治療が必要になることもあります。子どもの気持ちによりそい、医師と相談しながら治療の是非を決めてくださいね。
また、赤ちゃんの蒙古斑が気になってしまうようでしたら、一度病院で相談してみることをおすすめします。ひとりで思い悩まずに、気軽に診察を受けてみましょう。