【小児科医監修】赤ちゃんの人見知りはいつからいつまで?人見知りの原因と対処法
このあいだまで誰に抱っこされてもニコニコしていた赤ちゃんが、久々に会った友人や親戚を見て突然ギャン泣きをするようになります。これが人見知りだとわかっていても、久々に会った祖父母にまで人見知りする姿にどうしたら良いかわからなくなることもありますよね。ここでは、人見知りについて小児科医監修で解説します。
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この記事の監修
目次
赤ちゃんの人見知りはいつからいつまで?
生後6~7ヶ月頃から始まる
赤ちゃんの人見知りは、一般的に生後6~7ヶ月頃から始まるといわれています。早いと生後3ヶ月頃から始まる子もいれば、1歳を過ぎたころに始まる子もいます。人見知りの始まる時期は個人差があるので、早すぎても遅すぎても気にしすぎる必要はありません。
人見知りの仕方も、子どもによってさまざまです。他人を見て泣くだけが人見知りなのではなく、他人と目があうとじっと見つめ硬直してしまうなどの、少しわかりづらい人見知りをする子もいます。
2~3歳頃に終わる子が多い
人見知りが始まった時期に左右されますが、人見知りは、一般的には2~3歳頃に終わる子が多いとされています。人見知りが終わったという定義は、その子によっても変わってくるでしょう。
他人を見てもギャンギャン泣かなくなったのを人見知りが終わったという人もいれば、他人に対して積極的に近づいていけるのを人見知りが終わったとする人もいます。
赤ちゃんの人見知りの原因
ママ・パパと他人の区別がつくようになった
赤ちゃんが人見知りをする原因のひとつに、「ママ・パパとそれ以外の他人との区別がつくようになったから」ということが考えられます。赤ちゃんは自分ひとりの力では生きていくことができません。ママやパパなどの自分のお世話をしてくれる人を理解できるようになる時期に、信頼している人と離れることが不安で泣いてしまうのです。
他人に興味がでてきた
赤ちゃんが人見知りをするもうひとつの大きな理由は「他人に興味がでてきたから」ともいわれています。今までは自分と身近な存在であるママやパパだけで十分だったので、他人に対して関心が薄かったのです。成長するにしたがい、身近な存在のママ・パパ以外にもたくさんの人がいることを理解し始めます。
いろいろな人がいていろいろな世界があることを知って興味が出始めますが、赤ちゃんにとっては未知のものなので、どんなものなのかはわかりません。「興味はあるけれど不安な気持ち」が人見知りとなって表れているということです。
人見知りではなく場所見知りの可能性もある
自宅では他人に抱っこをされても泣かないのに、他人の家だと嫌がって泣かれてしまった…という人見知りの経験をする人もなかにはいます。このような場合では、もしかしたら「人見知り」ではなく「場所見知り」かもしれません。いつも見ている景色や空気が違うことで不安になり、泣いてしまうのです。
人見知りする赤ちゃんの対処法
時間をかけて慣れさせる
人見知りが始まったら、しばらくは続くものと考えましょう。人見知りの時期に一気に人見知りをなくす方法はないので、時間をかけて慣れさせるしかありません。他人に対して泣いてしまったり嫌がったりするような仕草を見せたら、無理をしないことが一番です。
過剰に反応しない
赤ちゃんが人見知りをしてギャン泣きし始めても「どうしたの~何で泣いてるの~」と過剰に反応しないようにしましょう。ママの過剰な反応で人見知りが激しくなるともいわれています。「〇〇ちゃんのこと大好きだから抱っこしてくれたよ。良かったね」と優しく語りかけて安心させてあげましょう。
ママがリラックスする
赤ちゃんは大人が考えている以上にその場の雰囲気を感じとります。ママやパパが緊張していれば、その空気を察知して赤ちゃんも不安になってしまうのです。赤ちゃんがたとえ人見知りをしてしまっても、ママやパパはリラックスして楽しそうにおしゃべりしてみましょう。赤ちゃんは次第に「この人は優しい人なんだ」と理解し、警戒を解いてくれますよ。
赤ちゃんを主役にしない
人見知りをする時期に入っている赤ちゃんと他人を会わせる場合、まずは一定の距離を保っておくことが大切です。赤ちゃんにその人を観察する時間をたっぷり作ってあげてください。慣れるまでは赤ちゃんに声をかけたり触れたり目をあわせたりはせず、赤ちゃんをその場の主役にすることなく過ごしてみましょう。
スキンシップは簡単なものから始める
ある程度赤ちゃんがその場に慣れてきたら、距離を縮めてみましょう。いきなり抱っこではびっくりしてしまうので、スキンシップは軽めのものから始めると良いですよ。指をちょんと触ってみたりほっぺに触れたりしながら距離を縮めていくことが大切です。
同年代の子どもと遊ぶ機会を増やす
赤ちゃんの人見知りの対処法として、大人に慣れさせるだけでなく、同年代の子どもと一緒に過ごす時間を増やすと徐々に人見知りがおさまっていくそうです。日ごろから公園や赤ちゃん教室などを利用し、同年代の子どもと遊ぶ機会を増やしてあげましょう。
人見知りされた人へフォローする
赤ちゃんの人見知りは、ママ・パパが特別な存在だと思ってくれていることがわかるので、うれしく感じられるかもしれません。しかし、人見知りされるほうの人の立場になってみると、抱っこした途端に泣かれるのは、人見知りだとはわかってはいてもショックなものです。
赤ちゃんは自分の気持ちを言葉で表現することができません。代わりにママ・パパが「今は人見知りの時期で、誰に対しても泣いてしまいます」とさりげなくフォローすることを心がけましょう。
赤ちゃんがパパに人見知りする!
人見知りの時期にパパに対しても人見知りをする赤ちゃんもいます。育児に前向きなパパでも、ある日を境に、我が子に人見知りされてしまうことも珍しくないのです。
原因
赤ちゃんがパパに人見知りをする原因は、パパが嫌いだからではありません。赤ちゃんにとってママはお腹の中からの付き合いです。生まれた後もママに抱っこしてもらい、おっぱいをもらい、常に一緒にいます。ママと過ごす時間の長さや信頼度の大きさから、パパに対して人見知りが始まることもあるのです。
対策
パパに対する人見知りの一番簡単な対策は、ママとパパが仲良くすることです。赤ちゃんは大好きなママの言動をよく観察しています。ママがパパに対して不満いっぱいの顔をしていたり、口調が荒かったりすると、パパの印象はどんどん悪くなってしまいます。
ママがパパに対して笑顔で楽しそうに話していることで、「安心してよい人なのだ」と思わせることに成功すれば、パパに対しての人見知りは少しずつ落ち着いてくるでしょう。
人見知りで泣く赤ちゃんを泣きやませる方法
赤ちゃんが人見知りをして泣いてしまったとき、多くの場合はママが抱っこをするとすんなり泣き止ませることができるかもしれません。しかし公共の場所などで赤ちゃんの不安が高まってしまっている場合は、なかなか泣きやんでくれないこともあるでしょう。
ちょっとした刺激を与えてみる
人見知りをして泣きだしてしまった赤ちゃんに、ちょっとした刺激を与えてみましょう。赤ちゃんの顔や耳に優しくフッと息を吹きかけてみたり、指で耳をこちょこちょしてみたりすると、風やママの指の感触を感じ、反射的にピタリと泣きやんでしまいます。
いったん泣きやんでも泣いていたことを思い出し再び泣きだす可能性もあるので、赤ちゃんに次々と刺激を与えてみましょう。繰り返し行っているうちに赤ちゃんも泣いていたことを忘れ、ご機嫌になってくれるはずですよ。
ビニールの音を聞かせる
赤ちゃんが人見知りをして泣きだしてしまったら、ビニール袋のシャカシャカした音を聞かせることも効果的ですよ。外出時には、スーパーのビニール袋をひとつ持ち歩いていると安心です。
ビニールがシャカシャカする音は、赤ちゃんがお腹の中で聞いていた音と似ているそうです。赤ちゃんが人見知りで泣いているときは不安を感じていることが多いので、安心できる聞き覚えのある音でリラックスできる環境を作ってあげると良いでしょう。
お気に入りのおもちゃを渡す
人見知りで泣いている赤ちゃんに、お気に入りのおもちゃを渡すのもおすすめです。赤ちゃんをあやすと笑顔になってくれるおもちゃがあるのではないでしょうか。お気に入りのおもちゃで興味を引き付けて機嫌を直してあげると、泣きやみやすくなります。
人見知りしない赤ちゃんもいるの?
赤ちゃんのなかには人見知りをまったくしない子もいます。人見知りは、その子の育つ環境でも大きく左右されます。大家族で住んでいる赤ちゃんや、人と触れあう機会が多い赤ちゃんは、他人に対する不安や怖さを抱きにくく、人見知りをしない傾向があります。
人見知りをしないということはママ・パパと他の人の区別がついていないのではないかと不安になり、もしかしたら自閉症や発達障害なのかと心配になる方もいるでしょう。しかし性格的に人見知りをしない子もいるため、過剰に心配する必要はありません。ただし心配がある場合には、ひとりで悩まずに乳幼児健診の際に医師に相談してみるのも良いかもしれません。
赤ちゃんの人見知りに関する体験談
赤ちゃんの人見知りについてままのてに寄せられた体験談を紹介します。
子どもが生後5ヶ月頃から人見知りが始まりました。それまでは祖父母に対してニコニコして抱っこされていたのですが、人見知りが始まったころに久しぶりに遊びに行くと、顔を見た途端にギャン泣きだったのです。人見知り中だから仕方ない、そのうち終わると割り切って過ごしましたが、祖父母にはなんとなく申しわけない気持ちでいっぱいでした。
しばらくすると安心して祖父母に抱っこされるようになるのですが、1週間くらい空けて再び遊びに行くと、またギャン泣きでした。それでも距離感を大事にしながら関わっているうちに、3ヶ月くらいで、祖父母の顔は安心してよい人として認識してくれたようです。
人見知りする時期だからこそたくさんの世界を見せてあげて
赤ちゃんの人見知りが始まる時期や人見知りの程度には個人差があるものの、多くの赤ちゃんが経験するものです。人見知りは成長していく上で大事な通過点ともいえます。ママ・パパと他人の区別がついているということであり、喜ばしいことなのです。
人見知りが始まったころは、ママも戸惑うこともあるでしょう。すぐに泣かれてしまうからと家に引きこもるのではなく、赤ちゃんにいろいろな世界を見せ、さまざまな人に会わせてあげましょう。赤ちゃんの世界が広がれば、少しずつ人見知りはおさまってきます。たくさんの人と出会える喜びをぜひ赤ちゃんにも与えてあげてくださいね。