お七夜・命名式とは?いつ行う?Q&Aと体験談集【意味・書き方からお祝いの準備や服装まで】
赤ちゃんが生まれて7日目に行うお祝いの行事「お七夜」は、命名式と一緒に行われるのが一般的です。お七夜はいつどこで行うのか、どのような意味があるのか、どんな準備が必要か、しない場合のお祝いの仕方などの疑問にQ&A方式でお答えします。命名書のテンプレートや書き方、服装、食事の内容についても見ていきましょう。
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目次
お七夜・命名式とは
Q1.「お七夜」とは何ですか?読み方や意味を教えてください。
お七夜に行われた命名式の様子
お七夜は「おしちや」と読みます。古くは平安時代から続く祝いの行事で、生後3日目、5日目、7日目、9日目に行われた「産養(うぶやしない)」や産神(うぶがみ)をまつり祝宴をひらく「産立ち(うぶだち)の祝い」が起源と考えられています。
産後7日目が明けると、白一色だった「産屋装束(うぶやそうぞく)」から普段の衣装に戻す「色直し(いろなおし)」が行われ、産屋(うぶや)を出ました。医療や衛生面が今のように十分でなかった時代は、邪気を払い健康を祈願するための儀式が重んじられていたのです。江戸時代になると7日目の祝いだけが残り、「お七夜」として定着したといわれています。
Q2.お七夜や命名式はいつ行いますか?数え方も教えてください。
江戸の時代は生後7日目を待たずに赤ちゃんが亡くなってしまうことも多く、お七夜を迎えるまでは神の子とされていました。7日の節目を迎えられた子は晴れて人の子となり、名前を付ける儀式が行われたのです。
このように、お七夜は名前をお披露目する場でもあったことから、「命名式」「名付けの儀式」とも呼ばれています。お七夜までの日数は、赤ちゃんが生まれた日を1日として数えます。たとえば7月1日に生まれた赤ちゃんのお七夜は、7月7日の七夕の日になります。
しかし、産後7日目というと退院して間もなく、ママの体力はまだ回復していない時期です。家族のスタイルも多様化しており、近ごろはお七夜や命名式を簡略化して行うケースもあります。
出生届の提出期限は生後14日以内であることから、お七夜までに名前が決まっていなくても焦る必要はありません。名前が決まったタイミングや、パパや家族がお休みの日に合わせるなど、お七夜をいつにするか柔軟に決めてお祝いすると良いでしょう。
Q3.お七夜はどこで行いますか?里帰りの場合は妻・夫どちらの実家が良いですか?
女性が夫の家に嫁に行き、嫁ぎ先の家族と同居するのが当たり前だった時代は、お七夜のお祝いは夫の実家で行うのが通例でした。祝宴は父方の祖父が取り仕切り、嫁の両親や親族を招いて行ったのです。
しかし、最近は妻の産後の負担を考えて家族だけでお祝いするのも珍しくありません。また、里帰り出産の場合は妻の実家で義理両親を招いてお祝いすることが多いようです。祝いの行事は地域や家によって伝わる風習が違うため、進め方に迷ったときは両家の親に相談してみると良いかもしれません。
Q4.お七夜や命名式では具体的に何をするのですか?
お七夜では、祖父母やごく親しい身内を呼び祝い膳をみんなで囲みます。「赤ちゃんのやわらかな頭がしっかりと固まるように」という願いを込めて、祝い膳に小石を乗せる風習が残る地域もあるようです。名付けを頼んでいたら、その方をお呼びして赤ちゃんをお披露目しましょう。
お七夜当日に行う命名式では、赤ちゃんの名前を「命名書」に書き入れ、神棚や床の間に飾ります。産土神(うぶすながみ)に赤ちゃんの誕生を報告し、社会の一員として認めてもらうという意味があります。
神棚や床の間に命名書を飾るときは、三方(さんぽう)に乗せて飾るのが正式です。神棚には、お赤飯とお神酒を一緒にあげましょう。近ごろは神棚の下に貼ったり、赤ちゃんの枕元に飾ったりする方法も一般的です。
我が家ではそこまで大きな行事としてはやりませんでした。命名書をベッドのそばに置き、両親にお祝いしてもらっただけとなりました。当初はあまり知識がなかったのですが、今となってはきちんとお祝いしてあげれば良かったとも思います。
(みーやんさん/42歳)
Q5.お七夜・命名式をしない場合、どうお祝いすれば良いでしょうか?
ママが入院中の場合や、里帰り先で家族がそろわないなどの理由で、お七夜や命名式をしないご家庭もあるでしょう。かしこまった形の式をしなくても、自分なりのお祝いを行うことで、心に残るイベントになりますよ。
簡単な命名書を作成して、赤ちゃんのベッドに飾るだけでも良いでしょう。赤ちゃんの産着をいつもより少しだけおしゃれなものにして、写真を撮るのも良いですね。名前を書いた紙と、赤ちゃんを並べて写真を撮ることで、生まれてすぐの大きさを後で思い出すこともできますよ。
お七夜・命名式の準備
Q6.お七夜までに準備しておくべきものは何ですか?
お七夜までに名前が決まっているときは、命名書を準備しておきましょう。最近主流となっているのは、赤ちゃんの名前や生年月日が書き込めるA4やB4サイズの略式の命名書です。
デザインが豊富で、赤ちゃんの名前を書家が代筆するサービスも登場していますよ。赤ちゃん用品を取り扱うお店やインターネットで購入可能です。ただし、手元に届くまでに日数がかかるので、命名式をいつにするか日程が決まったら早めに手配するようにしましょう。
正式な命名書を用意するなら、奉書紙が2枚必要です。1枚は名入れ用、もう1枚は上包みとして使います。略式とは異なり、折り方や名前を書く位置が決まっているので注意してくださいね。
また、一部の神社では赤ちゃんの命名を行っており、名前が決まると神社でお祓いした命名書を準備してもらえます。
退院したばかりで慌ただしく、体調も整っていなかったので私たち夫婦と母の3人でシンプルに済ませたかったのですが、母は他にも親戚を呼びたがり、言いあいになって困りました。
(akubさん/42歳)
お七夜は想像以上に大変でした。退院してすぐに親戚が集まったので気もつかいました。命名書は義両親が用意してくれて、お赤飯やお刺身などのごちそうを食べて過ごしました。
(たんたんさん/31歳)
Q7.お七夜までにやっておくべきことはありますか?
名前が決まったら、出生届を提出しましょう。出生届は生後14日以内に提出する期限が設けられています。名前は使ってよい文字が決まっているため、ごくまれですが不受理となることもあります。できるだけ早めに手続きを済ませておきましょう。
親戚を招待して命名式をするなら、お招きする人に声をかけておく必要があります。人数が増えるとその分料理が必要となります。両親と相談しながら、役割分担をすると安心です。
また、必ずやらなくてはいけないということではありませんが、出生の記録として写真や手形・足形を残しておくのもおすすめです。フォトフレームや手形・足形キットがセットになった命名書や、単体のキットをそろえて準備してみてはいかがでしょうか。
命名用紙と手形・足形がセットになった台紙を用意していたので、名前を書いた後、手形・足形をとり記念撮影をしました。足形は簡単にとれたのですが、手形は赤ちゃんが暴れてうまくとれず大失敗。それもまた良い思い出になりました。
(ももんちゃん/39歳)
娘が寝ている間にこっそり手形をとりました。起きているときにやろうとしたら機嫌が悪くなり大変でした。
(yuzuboさん/26歳)
お七夜・命名式の料理
Q8. お七夜の食事のメニューはどのようなものが良いですか?
お七夜の祝い膳は、お赤飯と尾頭付きの鯛に、煮物やお吸い物を添えるのが一般的です。特に「これでなければいけない」という決まりがあるわけではなく、ママの体力を回復することを一番に考え、栄養がつくものや好きな食べ物を用意すると良いでしょう。ケーキなどでお祝いするのも良いですが、母乳やカロリーのことを考えて、食べ過ぎは控えたほうが良いですよ。
自分で子どものために手作りの料理を用意しました。鯛がなかなか手に入らなくて大変でしたが、きちんとできて良かったです。
(ゆかりさん/44歳)
帝王切開だったのでお七夜当日はまだ入院中でした。退院後に実家の母が鯛の煮付けやお赤飯を作ってくれて、遅れてしまいましたがみんなでお七夜をしました。
(ランランララさん/38歳)
Q9.宅配や出前サービスを利用してもよいですか?
産後は身体を冷やさないように水仕事を控え、身体を休めることが大切です。お祝い用に尾頭付きの鯛や仕出し弁当を宅配で提供しているお店もあるので、この機会に利用してみてはいかがでしょうか。
産後でバタバタしていたので、出前のお寿司を手配しました。私が慣れない育児で忙しかったので、実母に手配してもらいました。
(しおりんさん/30歳)
お七夜・命名式で使う命名書
Q10.命名書とはどのようなものですか?誰が書きますか?
命名書とは赤ちゃんの名前をお披露目するための用紙で、赤ちゃんの名前や生年月日、名付けをした人の名前、両親の名前などを記入します。素材には奉書紙、半紙、和紙などが使われています。
命名書を書くのは「名付け親」の役目です。最近は両親が名前を付けることが増えていることから、パパかママのどちらかが記入する家庭が多いようです。「どうしても字に自信がない」というときは、プリンター対応用紙を使えば、思ったような仕上がりに印刷できますよ。
まだ入院中だったので、きちんとしたお七夜はできませんでしたが、主人が半紙を買ってきてくれ、赤ちゃんの名前・生年月日・主人の名前など記入してくれました。
(むむこさん/45歳)
Q11.命名書の書き方を簡単に教えてください。
命名書は略式と正式で書き方が異なります。
略式では1枚の紙の中央に「命名」と「赤ちゃんの名前」を書き、左右に「生年月日」や「両親の名前」を書き入れるのが一般的です。
正式な命名書は奉書紙を折ることからはじめます。奉書紙を横半分に折ってから三つ折りにして、右側のスペースに「命名」、中央のスペースに「続柄」「赤ちゃんの名前」「生年月日」、左側のスペースに「両親の名前」を書き入れます。すべて書いたら右側が上になるように折りたたみ、それを上包み用の奉書紙で包んで表に「命名」と書いたら完成です。
命名用紙をパソコンのフォーマットで自分で作って、神棚に貼りました。
(りこぴんさん/24歳)
西松屋で購入した命名用紙に筆ペンで名前を書きました。写真撮影も行い、思い出としてSNSにアップしました。
(naokomamaさん/27歳)
お七夜・命名式の服装
Q12.お七夜ではママ・パパはどのような服装をすれば良いですか?
お七夜での服装は特に決まっていませんが、「神様にご報告する」という本来の意味を考えれば、清潔感のある装いを心がけたいものですね。集まった人と記念写真を撮ることも考えられます。写真に残っても恥ずかしくない程度に、身なりを整えておきましょう。
とはいえ産後のママは自分の服装をかまっている余裕がないかもしれません。出産前に授乳口のついたきれいめなワンピースを用意しておくと、身体も締め付けられず楽に過ごせます。パパは襟のついたシャツがおすすめです。
Q13.子ども・赤ちゃんにはどのような服装をさせれば良いですか?
江戸時代には、麻で作られた産着を贈るという風習がありました。麻は虫が付きにくくまっすぐに伸びることから、赤ちゃんがすくすくと成長するようにという願いが込められています。赤ちゃんの肌着に麻の葉模様が描かれているのは、このような意味があったのですね。
赤ちゃんの祝いの行事というと、真っ白なセレモニードレスがまず頭に浮かびますが、汚しても苦にならない麻の葉模様の肌着を用意してみるのも良いかもしれません。
お七夜は家族で赤ちゃんの誕生を喜ぼう
家族のスタイルや儀式の在り方は少しずつ変わってきているとはいえ、お七夜や命名式は赤ちゃんの誕生を喜び、健やかな成長を願う大切な節目です。ママや赤ちゃんに無理のない範囲で、素敵なお祝いの日にしてあげたいですね。
とはいえ、産後は準備の時間があまり取れないかもしれません。ママの負担が少しでも減るように、実家の両親と相談しながら、お七夜や命名式の準備は早めに取り掛かれると良いですね。お七夜はママの退院祝いを兼ねてもいます。家族でおいしいものを食べて、楽しい記念日にしましょう。
※この記事は2024年11月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。