更新日:2018年07月12日

【耳鼻科医監修】子どもの花粉症の症状と治療法を医師が解説!薬や日常生活での対策は?

近年、花粉症に悩まされる子どもが増えているようです。子どもの花粉症を予防する方法はあるのでしょうか。また、子どもが花粉症になった場合の治療法や、日常生活で気をつけることには、どのようなものがあるのでしょうか。五反田なると耳鼻咽喉科の院長である鳴戸理佐先生にお話を伺いました。

監修 : mamanoko 医師・専門家
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記事の監修

子どもの花粉症の原因

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子どもの花粉症は増えている?

子どもの花粉症が増えているのは事実です。戦後の食事の欧米化や住環境の変化による免疫力の変化が、花粉症増加の原因と考えられています。また、生活環境の変化に伴い、夏の冷房や冬の暖房によって鼻粘膜が乾燥したり、排気ガスによって粘膜が乾燥したりするなど、鼻粘膜の環境の悪化も一因といわれています。

子どもの花粉症が増え始めたのは、1970年から1980年以降からといわれています。道路の舗装が進み、舞い散った花粉がアスファルトに跳ね返されて再び舞い上がっていることや、戦後復興で伐採された森林に、新たに植樹されたスギが花粉を飛ばし始めていることなど、諸説あげられています。

花粉症のメカニズム

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花粉は私たちの身体にとって異物です。これを医学的には「抗原」と呼びます。目、鼻、口などから、異物である花粉が侵入してくると、人間の身体は次のように反応します。

1.マクロファージ(血液の中のリンパ球)が花粉を「健康を脅かす異物が侵入したぞ!」と認識。免疫を担当するヘルパーT細胞にそのことを伝えます。

2.ヘルパーT細胞は、リンパ球の一種であるB細胞に花粉に対して「IgE(Immunoglobulin E)抗体」という異物を除去しようとする物質(免疫のもと)をすぐ作るよう命令します。

3.B細胞がIgE抗体を作りだします。

4.IgE抗体は肥満細胞(マスト細胞)に結合し、花粉に備える状態(戦闘準備)となります。肥満細胞は肥満と関係があるわけではなく、炎症や免疫反応などの役割を持つ細胞です。

5.再び抗原となる花粉が体内に入ってくると戦闘準備状態の肥満細胞についていたIgE抗体が花粉に反応します。すると肥満細胞がはじけ、肥満細胞内に高濃度で存在するヒスタミンという物質が分泌され、花粉を体内から追い出そうとして戦います。

このヒスタミンという物質は、異物を身体の外に出す働きがある一方で、アレルギー反応を引き起こします。ヒスタミンが分泌されることによって、目が充血したり、鼻水が出たり、涙が出たり、鼻がつまったりするのです。

つまり、花粉症によるアレルギー反応のすべては、自分の身体を守ろうという必死の反応なのですよ。

子どもが花粉症にかかりやすい時期

子どもが花粉症にかかりやすい時期はいつなのか、一概に申し上げられません。しかし2歳以降になると、採血などでアレルギー反応が出るお子さんもいます。花粉の暴露量(どの程度花粉に触れているか)、花粉に対する身体の免疫の反応の仕方や、生活環境、ストレス度合いによって、アレルギー反応が出る時期はさまざまでしょう。

子どもの花粉症の症状

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子どもが花粉症にかかると、主に目のかゆみ・鼻水・鼻づまりなどの症状が現れます。ヒスタミンのレセプター(受容体)は鼻や目の粘膜以外に、皮膚や腸管、脳にも存在するため、肌荒れや便がゆるくなったり、頭痛が起こったり、微熱が出たりする場合もあります。

子どもの花粉症の検査方法

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子どもに花粉症の疑いがあるときには、主に次のような検査を行います。
・鼻汁の中の好酸球(白血球の中にある細胞)を鼻汁から採取して、顕微鏡で観察する検査
・採血

まずはアレルギー科や小児科や耳鼻咽喉科に行くと良いでしょう。アレルギー科や耳鼻咽頭科では、花粉症の詳しい検査や症状にあった治療が可能です。

子どもの花粉症の治療方法

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目薬・点鼻薬・内服薬

花粉症の症状の重症度によりますが、目の症状がある場合は点眼薬(ヒスタミンを抑える目薬)や点鼻薬(鼻粘膜の炎症を抑えるために鼻にさす薬)をさす治療が一般的です。場合によっては内服薬も処方します。

舌下免疫療法(ぜっかめんえきりょうほう)

舌下免疫療法とは、スギ花粉エキスを少しずつ身体の中に入れていくことで、ヘルパーT細胞やB細胞がスギ花粉に対して戦闘体勢にならないようにして免疫をつけていく治療法です。3年間毎日スギ花粉エキスを摂取することになります。

今後、スギに関する舌下免疫療法が小児にも適応される予定です。採血などでスギ花粉に対する結果が陽性になった場合には、舌下免疫療法に対して健康保険が適用されることになります。

子どもの花粉症の薬は?市販薬も使えるの?

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病院で処方される薬

花粉症の症状に病院で処方される飲み薬には、第1世代と第2世代と呼ばれる2種類の抗ヒスタミン薬があります。第1世代の薬は効き目が強い一方で、眠気や喉の渇きなどの副作用が出るケースもあります。第2世代の薬は、眠気などの副作用が出にくいとされています。

クリニックでは主に眠気の副作用の弱い第2世代の抗ヒスタミン薬を使用します。くしゃみ・鼻水・かゆみに有効です。私は、特に子どもの患者さんには脳内移行しにくいものをなるべく処方しております。

また、鼻づまりの症状がある方には、シングレアやキプレスといった抗ロイコトリエン薬使用します。抗ロイコトリエン薬には、血管を拡張させ鼻づまりを引きおこすロイコトリエンという物質を抑える働きがあります。

市販薬も使える?

アレグラなど、市販の花粉症の薬の中には子どものころから使えるものもありますが、それでも効果がない場合は専門医を受診すると良いですね。市販の花粉症のお薬を飲むときには、服用可能な年齢を確認するようにしてください。

子どもが花粉症になったときの対処法

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子どもの花粉症の症状を悪化させたいためには、まず花粉を寄せつけないことと、付着してしまった花粉をしっかり落とすことが重要です。そのためには、次のようなことに日ごろから気をつけてみてください。

マスク・メガネをする

花粉を身体の中に取り込まないためには、マスクや花粉症メガネが有効です。外出時にはマスクや花粉症メガネをすることをおすすめします。小さなお子さんの場合は、ママやパパとお揃いのマスクであれば喜んでつけるというケースもあるようですよ。

花粉の多い日には外出を控える

花粉症の症状を悪化させないために、花粉が多い日を把握することが大切です。ウェザーニュースなど天気予報の花粉情報に注意してください。子どもの健康のためには外遊びが大切ですが、花粉の飛散が多いときには、なるべく外出を控えるようにしましょう。

花粉をよく払う

外出先から帰宅したときには、衣服や髪をよく払ってから入室することをおすすめします。玄関先にタオルなどを置いておいても良いかもしれないですね。また、花粉が飛んでいる時期には、表面がけばだった毛織物などのコートの使用は避けると安心です。

洗顔・うがいをする

顔や喉に付着した花粉を取り除くためには、洗顔・うがいが効果的です。外出先から帰宅したら顔を洗う・うがいをするということを習慣化すると良いでしょう。また、鼻の粘膜に付着した花粉を取り除くために鼻をかむこともおすすめです。

洗濯物や布団を干すときには注意を

晴れた日には洗濯物や布団を外に干したいものですが、花粉の飛散の多いときには外干しを避けたほうが良いでしょう。浴室乾燥機や布団乾燥機などを上手に活用してくださいね。

掃除をする

花粉の多い時期には、普段よりもまめに掃除をするように心がけてください。特に窓際を念入りに掃除すると良いですよ。

子どもが花粉症による鼻づまりで眠れないときは?

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花粉症のシーズンになると、子どもが鼻づまりで眠れないという悩みを持っているママやパパは多いようです。

鼻づまりで眠れないときには、横になると余計に鼻がつまります。ソファーなどに座らせ、蒸しタオルなどで鼻孔周囲を温めると、鼻のつまりが楽になるでしょう。また、ひまし油などを鼻の奥に塗るのもおすすめです。点鼻薬がある場合は使用してください。

子どもの花粉症予防のための対策は?

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花粉を身体の中に入れないようにする

子どもが花粉症にかかるのを予防するためには、まずは花粉を多く吸い込まないようにすることが大切です。花粉をできるだけ身体の中に入れないために、以下のことに注意してください。

・花粉の飛散の多いときの外出を控える
・外から帰ったときには、衣服や髪を払う
・帰宅後の洗顔・うがい・鼻をかむことを習慣化する
・花粉の多い日には洗濯物の外干しを避ける
・掃除をまめに行う

ヨーグルトやお茶に効果はあるの?

どの病気においても、腸内細菌を整えることが免疫状態をあげることがわかっています。ヨーグルトやビタミンCが豊富な柿の葉茶も有効です。食事はバランス良く、光のエネルギーの多い野菜なども良いでしょう。砂糖の取りすぎや肉食に偏りすぎるのは好ましくありません。

食事をよく噛んで、たくさんの唾液に含まれる酵素で食物を消化してあげると、未消化物が体内(特に腸内)に残りにくくなり、身体の免疫力が上がるといわれています。すると、花粉に対する感受性の器が大きくなるため、花粉症を発症するまでの期間が稼げる(花粉症になりにくく)なると考えられています。

適度な運動と休養

身体の免疫の働きを高めるためには、ストレスをためずに、適度に運動をして汗をかき解毒することも大切です。適度な運動と休養を心がけてみてくださいね。

花粉を寄せ付けないことで予防と対処を

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最近、花粉症に悩まされる子どもが増えています。目のかゆみ・鼻水・鼻づまりは、子どもにとって苦痛なものでしょう。子どもが花粉症にならないように、なるべく花粉を身体の中に入れないこと、食事や運動・休養で免疫力を上げておくことが大切です。

もし子どもが花粉症を発症した場合にも、なるべく花粉に触れずに済むように、花粉の多い日をチェックするなどしてください。また、日ごろより主治医の先生と連携をとっておくことも大切です。花粉を防ぐ生活を心がけながら、薬による治療を受けて、花粉症の時期を乗り切れると良いですね。

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