出産費用の保険適用いつから?多子世帯に住宅ローン優遇、給付型奨学金の拡大など

政府が打ち出す「異次元の少子化対策」に、出産費用の保険適用をはじめ、住宅ローン優遇や給付型奨学金の拡大など、経済的支援の検討が盛り込まれました。以前からたびたび議論されてきた出産費用の保険適用は、いつごろ導入されるのでしょうか。今回発表されたたたき台の内容を踏まえ、制度の内容や開始時期について現時点の情報を紹介します。

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目次

  1. 出産費用の保険適用導入を検討
  2. いつから保険適用される?
  3. 岸田首相が明言したそのほかの少子化対策とは?
  4. 今後3年間で子育て支援を強化
  5. あわせて読みたい

出産費用の保険適用導入を検討

異次元の少子化対策のたたき台となる「こども・子育て支援加速化プラン」が2023年(令和5年)3月31日に発表されました。今回発表された新たな取り組みのひとつとして、出産費用の保険適用導入を含め、支援の在り方を検討する方針が示されています。

現在の制度では、出産費用は公的な医療保険の適用外となり、帝王切開などの医療行為が行われた場合を除き、原則自己負担となります。出産費用の助成として原則42万円の出産育児一時金が支払われるものの、2022年度の正常分娩時の出産費用は全国平均で47万3315円となっており、助成金を上回った分の差額は自己負担となるのが現状です(※1)。

出産費用を保険適用とするには地域や施設を問わず「標準化されたサービス」を「一律の価格」で受けられる必要があります。しかし、出産費用は地域や施設によって異なり、都市部での自己負担分が大きい傾向があるため、厚生労働省では差額がなぜ生じているのかの分析を行い「出産費用の見える化」を進めていく予定です。

いつから保険適用される?

出産費用の保険適用は、2026年度の実現に向けて検討が進められています。しかし出産費用の全額が保険適用となるのか、自己負担が発生するのか、施設によって異なるサービスや費用をどのように均一化するのかなど、これから詰めるべき課題が多くあります。実際に適用となる時期については、今後の議論の行方を見守る必要がありそうです。

今回発表された「こども・子育て支援加速化プラン」は、まだたたき台の段階です。ここから財源を含めた具体案をとりまとめるために「こども未来戦略会議」が新設されました。ここで議論を進め、6月に策定される「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」までに具体化を図りたい考えです。

岸田首相が明言したそのほかの少子化対策とは?

多子世帯の住宅ローンの金利優遇

「子育てにやさしい住まいの拡充」を目的に、住宅購入時に利用する住宅金融支援機構提供の長期固定金利住宅ローン(フラット35)の金利引き下げを検討しています。特に多子世帯は部屋数や広さが必要になることからさらなる引き下げを行い、支援を充実させる考えです。

住宅支援に関してはさらに、子育て世帯が入居しやすい環境整備や公営住宅等の公的賃貸住宅を対象に、優先的に入居できる取り組みを進めるとしています。

給付型奨学金の対象拡大

子育てにおいて特に課題となっている高等教育費の負担を軽減するため、今後は奨学金制度の充実を図る計画です。まず掲げているのは、貸与型奨学金における減額返還制度の、利用年収上限引き上げです。2024年度(令和6年度)からは、給付型奨学金の対象を多子世帯や理工農系の学生などの中間層(世帯年収約600万円)に拡大します。

さらに、出世払い型の奨学金制度ともいわれる「授業料後払い制度(日本版HECS)(仮称)」を創設し、一定の年収になるまで奨学金の返済が猶予される仕組みを整えます。想定されている目安は年収300万円程度となる見通しです。

保育所利用の要件緩和

すべての子育て世帯への支援を強化するため、親の就労状況にかかわらずに保育所などを利用できる「こども誰でも通園制度(仮称)」を創設します。

時間単位で定期的に保育所などを利用できるようにする制度で、保育所の利用条件から外れることで保育所に通えずに孤立してしまう親子に支援を行き届かせることが狙いです。まずは定員に空きがある保育所や空き教室がある保育所からサービスを開始し、ゆくゆくは全国で事業を展開します。

保育士の配置基準改善

少子化対策には、保育の質の向上を目指した保育士の配置基準を見直す方針が示されました。配置基準の変更は実に75年ぶりのことです。具体的には、1歳児の子ども6人に対し保育士1人という配置を5対1へ、4・5歳児の子ども30人に対して保育士1人を25対1へ改善することで、保育士の処遇見直しを図りたい考えです。

今後3年間で子育て支援を強化

こども・子育て支援加速化プランが発表された背景には、想定を上回るペースで少子化が進んでいるという政府の危機感があります。これまでも子育て支援策はさまざまに議論されてきましたが、今回のプランでは若い世代や非正規雇用が抱える不安にも踏み込んだ支援が打ち出されているのが特徴です。

子どもを育てやすい環境、子どもを産みたいと思える社会の実現に向け、政府は今後3年間を「少子化対策強化期間」と位置づけました。実行のための具体的な方策はこれから示される予定です。どのように支援が実行されるのか、政府の発表や自治体のサイトなどで最新情報を確認していきましょう。

※この記事は2023年4月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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