帝王切開の平均費用はいくら?通常分娩との差や内訳、軽減されるお金

妊娠中のケアグッズや赤ちゃんを迎える準備、妊娠中は出費がかさむ人が多いかもしれません。なかでも出産にかかる費用、特に帝王切開の場合は手術の料金が気になる人もいるでしょう。分娩の平均費用や双子以上の妊娠の場合、個人・総合病院で差はあるのか、保険や手続きで軽減されるお金などを紹介します。

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この記事の監修

藤東 淳也
産婦人科医
藤東 淳也

目次

  1. どんなときに帝王切開になる?現状と原因
  2. 自然分娩に必要な費用はいくら?
  3. 予定・緊急帝王切開で金額は変わる!双子や切迫早産では?
  4. 高額療養費・出産一時金、手続きで軽減されるお金
  5. 帝王切開での保険適用、保険に入ってない場合とどう違う?
  6. 帝王切開後に注意したい、傷跡を消す場合の費用
  7. わからないことは確認し、少しでも不安を解消しよう
  8. ままのて限定!無料相談でプレゼントがもらえる
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どんなときに帝王切開になる?現状と原因

母体や胎児の安全を考慮すると、自然分娩を見送った方が良いケースなどで実施されるのが「帝王切開」です。日本では、帝王切開で出産する女性が4〜5人に1人といわれており、増加傾向にあります。逆子・双子以上の多胎妊娠 ・前置胎盤・前回の出産が帝王切開だったときなどは、出産前より帝王切開を予定する「予定帝王切開」が行われます。お産に時間がかかりすぎて母子の安全が確保できないと判断された場合などには自然分娩から「緊急帝王切開」に切り替わることがあります。

自然分娩に必要な費用はいくら?

2014年の厚生労働省の調査では、正常分娩(帝王切開などの処置がないお産)の場合の平均出産費用は約48万円でした。この平均出産費用は分娩に直接関わる「分娩料」以外の食事や個室といったものの料金も含んだ金額で、国や都道府県などが運営する総合病院などの公的病院・いわゆる個人病院と呼ばれる私的病院・ベッド数が19床以下の診療所で大きな差はありませんでした。ただし都道府県別では平均的な出産費用に差がありました。

出産後に病院から発行される出産費用の内訳が記載された明細には、入院料・分娩料など細かな内訳が記載されています。通常分娩の場合でも処置の有無や分娩の時間帯などによって料金は変動します。さらに入院日数によって変わる「入院料」、個室などの利用によって生じる「室料差額」、お祝い膳といった医療外費用が含まれる「その他」などに関しては病院によって差が大きくなることがあります。自然分娩は全額自己負担です。

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予定・緊急帝王切開で金額は変わる!双子や切迫早産では?

帝王切開手術自体は診療報酬点数が定められているため、場所を問わず手術の費用はおよそ22万円から20万円になります。逆子や以前に帝王切開で出産している場合に実施される「予定帝王切開(選択帝王切開)」では20万1400円、なかなかお産が進まない場合などで母子の状態により実施が決定される「緊急帝王切開」では22万2000円となります。


ただし32週未満の早産、常位胎盤早期剥離など複雑な処置が行われる場合には、手術料が追加されます。また手術に使われる麻酔、薬材、処置内容によって手術料が異なります。切迫早産や卵管結紮(らんかんけっさつ)など事前に判明しているものがあれば、費用について病院に確認すると良いでしょう。双子以上の出産の場合、胎児の人数で料金が追加になるケースが多いようです。

帝王切開は自然分娩と異なり手術料には健康保険が適用され自己負担額はそのうちの3割です。さらに分娩費用が別に掛かりますが、自然分娩にかかる金額と比較しても大差ないケースが多いといわれています。ただし、帝王切開は通常の普通分娩に比べて入院期間が数日長くなるケースも多く、金額の差異が出やすい「室料差額」などをふくめた自己負担額の平均を病院に確認しておくと安心ですね。

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高額療養費・出産一時金、手続きで軽減されるお金

妊娠・出産における出費の中には、手続きをすれば軽減される・戻ってくるお金が一部あります。健康保険に加入している場合には、帝王切開手術が補償の対象に含まれていれば入院一時金・手術一時金といったものが支払われることがあります。国や都道府県・保険組合などの手当では条件を満たして手続きを行えば誰でも支払額が減額されたり一部のお金が戻ってきたりすることもあります。詳細は病院の窓口や対象の自治体・保険組合などに確認しましょう。

出産育児一時金

健康保険・国民保険の被保険者や被扶養者が出産したときに支給されるものです。基本的に42万円が支給されますが、在胎週数22週未満などの場合には39万円になることもあります。妊婦に代わって医療機関と保険組合で直接請求や支払いを行う「直接支払制度」を使用する人が多く、出産育児一時金の支給額で出産費用がほぼすべてまかなえる人もいるようです。

ただし、いわゆるセレブ病院と呼ばれるような豪華な病院や都市部の個人病院、無痛分娩などを選ぶと42万円を超えることがあるため、支払いの際に払えないという状況にならないように、事前に概算金額を病院に確認しておきましょう。

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高額療養費

医療機関や薬局で支払った額が1ヶ月で一定の上限額を超えた場合に、加入している健康保険組合などに請求することで上限金額を超えた支払い分が戻ってくる制度です。上限額は年齢や所得、住民税非課税の有無により変わるため注意が必要です。ひとつの医療機関だけでなく、複数の医療機関で支払った額の合計が上限を超えた場合も対象となります。事前に帝王切開になることがわかっている場合には、出産前に保険組合などに申請し「限度額適用認定証」を用意しておくことで、出産の退院時には上限額以上を払う必要がなくなります。

妊婦健診補助

妊婦健康診査(妊婦健診)は健康保険の対象外で自己負担となりますが、自治体によって補助券などを用いて健診にかかる費用の補助を行なっています。14回程度の健診を公費負担で受けることができるケースが多いようです。妊婦健診の他に超音波検査・子宮頸がん検査もそれぞれ1回ずつ公費負担で受診できる自治体が多いです。

医療費控除

確定申告の際に1年間でかかった医療費が合計で10万円を超えた分を申請すれば、医療費控除として税金分が戻ってきます。出産育児一時金や高額療養費は対象外となるため注意が必要です。申告には支払い時に受け取った領収書が必要になります。

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帝王切開での保険適用、保険に入ってない場合とどう違う?

帝王切開手術はほとんどの医療保険適用対象となるため、任意で民間の医療保険や共済組合に加入している場合には入院一時金・手術一時金といったものが保険会社から数万円程度支払われる可能性があります。医療保険、生命保険、県民共済、短期保険などの種類ではなく、加入する民間の保険では「帝王切開手術が保障対象になるか」がポイントになります。保障内容や支払い額は保険会社や保険の種類により異なるため、加入している保険会社に確認しましょう。

加入している医療保険によっては、保険の加入時期・期間により保障対象外になる、緊急手術は保障外になるなど、さまざまなケースがあるため注意が必要です。また妊娠中は加入できない医療保険が多く、加入できたとしても今回の出産は保障対象外になるといったこともあります。妊娠後に保険加入を検討する場合にも支払い条件を必ず確認しましょう。保険に入っていない場合には、保険の保障として支払われる入院・手術一時金といったものを受け取ることはできません。昨今では少しずつ妊娠初期であれば加入できる保険が増えてきてはいるため、加入が間にあう可能性があれば検討してみても良いかもしれません。

帝王切開後に注意したい、傷跡を消す場合の費用

帝王切開にまつわる費用の中には、帝王切開手術後に注意したいものもあります。帝王切開でできた傷が体質や適切なケアを怠ったことで目立つ形で残ってしまった場合、美容整形で傷跡を消す・薄くすることも可能ですが、費用は実施クリニックによって異なります。

帝王切開の傷は、術後に適切なケアを継続することで肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)やケロイドを予防し、時間をかけて目立たない傷跡にしていくことが大切です。なお、ケロイドは整形外科や皮膚科でも相談することができます。

わからないことは確認し、少しでも不安を解消しよう

出産・育児に備えての出費は大きいため、少しでも負担を軽減できたら良いなと思う人は多いでしょう。出産にまつわる費用の内訳は専門用語も多く、仕組みを理解するのに時間がかかるものが多いかもしれません。高額療養費や出産一時金といった制度を活用し、少しでも負担を減らしていきましょう。わからないことは窓口や担当に確認し、少しでも不安を解消した状態で出産に臨めると良いですね。

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民間の保険会社が提供する医療保険には、帝王切開などの異常分娩でも給付金が受け取れるものがあります。妊娠前に加入する必要がある、など条件付きの場合も多いですが、気になる方はチェックしてみてはいかがでしょうか。

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