帝王切開はどれくらい痛い?個人差や痛みのピークは?

帝王切開での出産が決まった場合、「大丈夫かな?」「どのくらい痛いかな?」と不安になるママは多いでしょう。帝王切開をしたママに聞くと、痛みの感じ方はさまざまな一方で、痛みのピークはだいたい同じようです。今回は、帝王切開はどれくらい痛いのか、痛みの個人差やピークについて、医師監修の記事で解説します。

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この記事の監修

目次

  1. 帝王切開とは
  2. 帝王切開の流れ
  3. 麻酔の痛み
  4. 帝王切開中の痛み
  5. 抜糸の痛み
  6. 術後の痛み
  7. 痛みの個人差はどれくらい?
  8. 帝王切開の痛みのピークはいつ?
  9. 帝王切開の傷跡はどれくらいで治る?
  10. 帝王切開の痛みは前向きに乗り越えよう
  11. おすすめの本はこちら
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帝王切開とは

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帝王切開とは、経腟分娩が難しいと判断された場合に、腹壁と子宮を切開し外科的に赤ちゃんを直接娩出する出産方法のことです。

全分娩における帝王切開の割合は、1984年には7.3%でしたが、2009年には18.4%となっています。最近では5人に1人は帝王切開で出産しています。理由としては、高齢出産や不妊治療による多胎妊娠の増加、そして、さまざまなリスクを回避したい医師や家族の心理などが影響していることが考えられます。

帝王切開が決定した際には、医師との相談の上で手術日を決め、その2週間くらい前に手術前検査が行われます。検査内容は、血液検査や胸部X線写真、心電図などです。

帝王切開の流れ

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帝王切開での出産は「予定帝王切開」がほとんどですが、自然分娩の際に赤ちゃんやママが危険と判断された場合は、「緊急帝王切開」となります。自然分娩を予定しているママも慌てないよう、流れをおさえておきましょう。

1.前日または当日に入院

予定帝王切開の場合は、分娩前日に入院をします。入院中は麻酔同意書へのサインや、血圧・体重測定、超音波検査などを行います。翌日の手術の時間にもよりますが、夜9時以降、絶飲食になることもあります。

2.麻酔

ほとんどの帝王切開では局所麻酔をします。下半身だけ麻酔をかけるので意識はありますが、痛みはありません。そのため、先生方の行っている手術の様子がわかります。

3.切開

麻酔が効いたことを確認した後、腹部の切開に移ります。帝王切開には縦切り、横切りとあり、だいたい10cm~12cmお腹を切開します。

4.出産

切開後、短い時間で赤ちゃんをお腹から取り出します。局所麻酔の場合は赤ちゃんがお腹から出される感覚があり、産声も聞くことができます。

5.処置と縫合

子宮から胎盤などを取り出してきれいに洗浄処置をしたら、お腹の切った部分を縫合します。傷が別の組織や臓器とくっついてしまう癒着を防ぐため、丁寧に行われます。子宮は溶ける糸、お腹はステープラーか糸を使って傷をとじます。

6.入院・抜糸

帝王切開での入院は、自然分娩に比べ3日~5日ほど長くなる場合が多いようです。傷やママの身体の状態にもよりますが、だいたい出産後4日ぐらいを目安に抜糸が行われます。

麻酔の痛み

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帝王切開で使用する麻酔には次のようなものがあります。麻酔の注射がどれくらい痛いのか、気になるところですよね。

局所麻酔

・硬膜外麻酔
脊髄の硬膜外腟にカテーテルと呼ばれる細い管を入れて、そこから麻酔を注入します。手術中でもカテーテルを通して麻酔を追加することもできます。術後も背中にカテーテルを残したままにし、傷に痛みを感じるようであれば麻酔を使用することができます。
硬膜外麻酔は、手術台の上でエビのように背中を丸めて行います。そのため、カテーテルを入れる際に痛みを感じることもあります。

・脊髄くも膜下麻酔
脊髄麻酔、腰椎麻酔ともいわれています。帝王切開で使われることの多い麻酔法です。くも膜下腔と呼ばれる場所に注射針で麻酔薬を注入します。

全身麻酔

点滴から麻酔を入れます。その後「体重は?」などの質問がされ、答えているうちに意識がなくなります。全身麻酔の場合は点滴の針がチクッとする程度で、麻酔の痛みはほとんどありません。ですが、体質によっては副作用が起こる場合もあり、麻酔が切れると頭痛や吐き気を感じることもあります。

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筆者の麻酔の体験談

筆者は違う手術で上記2つの麻酔を経験しています。硬膜外麻酔は背中の脊髄になかなか入っていかず、大変な痛みを経験しました。全身麻酔は、麻酔が切れると寒気と頭痛、めまいに伴って嘔吐がありました。

帝王切開での硬膜外麻酔は入れるところに事前に麻酔をすることが多いです。そのため痛みを強く感じる方もいればそうでない方もいます。

帝王切開中の痛み

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帝王切開の手術は1時間ほどで終わります。赤ちゃんが出てくるのは、手術を開始してからおよそ10分ほどです。あっというまですよね。

局所麻酔は、胸から足の先にかけて痛みが感じなくなるので、帝王切開による痛みを感じることはほとんどありません。ママの中には、お腹に手を入れられている感覚があったり、押されるような痛みを感じたりする方もいるようです。全身麻酔の場合は、まったく意識がないので痛みは感じません。

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抜糸の痛み

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帝王切開の傷の縫合には、ステープラーと呼ばれる医療用のホチキスや、糸などを使用します。抜糸のときには「プチッ」とした感覚や、「チクッ」っとした痛みを感じることがあります。

しかし、縫合により引きつっていた皮膚の痛みから解放されるので、抜糸をしてすっきりしたと感じる方が多いようです。近年で抜糸の不要な溶ける糸や、医療用テープで傷を閉じる病院も増えています。

術後の痛み

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帝王切開の場合、術後に痛みを感じる方がほとんどです。術後すぐは麻酔が効いているので痛みはありませんが、麻酔はだいたい6時間ほどで切れます。看護師さんはそういった時間を把握しているので、痛みを感じる前から痛み止めの座薬をいれる、硬膜外から麻酔薬を追加するといった処置をしてくれます。

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【筆者の体験談】帝王切開後の痛みの感じ方

・安静期間中は寝返りが打てず、仰向けのまま過ごすしかない痛みを感じました。

・歩行開始になると、ベッドから起き上がるときやトイレまで歩いていくときにつきあげられるような痛みを感じました。また、帝王切開はお腹の皮膚と、筋肉、子宮の壁を切るため、お腹に力をいれるような動作をするとグッと痛くなりました。

・筆者の場合は、2週間ぐらい傷がシクシクと痛みました。

・帝王切開の場合は、手術による痛みと後陣痛による子宮収縮の痛みが同時にくるようです。後陣痛は自然分娩の場合もやってくるので同じですが、子宮の回復は帝王切開のほうが若干遅いようです。

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痛みの個人差はどれくらい?

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帝王切開の手術後の痛みはまったくない人もいれば、そうでない方もいて、妊婦さんそれぞれに個人差があるようです。下着が傷に当たって痛む場合や、半年たっても傷が痛む場合もあるようです。

ポイントは痛み止めの使い方と後陣痛の度合いです。硬膜外麻酔を併用した方は、後陣痛の痛みを感じることが少ないようです。また、出産が1人目か、2人目なのかでも痛みの感じ方は違います。2人目を帝王切開にて出産した場合、そちらのほうが後陣痛の痛みが強い傾向にあります。

帝王切開の痛みのピークはいつ?

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帝王切開の痛みのピークは、「術後麻酔が切れたころ」という声をよく聞きます。切開した傷に痛みを感じたり、子宮が収縮する後陣痛が開始したりと、つらい痛みがやってきます。出産後1日目、2日目が痛みのピークといえそうです。

帝王切開後の痛みは、お腹の傷が痛いのか、後陣痛で痛いのかわからないことも多いもの。1日中何かしらの痛みがついて回るかもしれません。また、ママの体質によっては、麻酔の副作用で頭痛や吐き気に悩まされる方もいます。

3日目になると自分で動くことができます。ですが、この時点ではまだまだ痛みはひかず、手すりを使って歩いたり、車椅子を借りたりする場合もあります。寝返りが自分ではできず、看護師さんにお願いする人もいるでしょう。個人差が大きいですが、回復の早いママは痛み止めなしで歩き回る人もいるようですよ。

帝王切開の傷跡はどれくらいで治る?

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帝王切開の後の傷跡がどれくらいで治るか、気になるママも多いのではないでしょうか。帝王切開による傷は、およそ3ヶ月で赤みがとれ、1年ほどで白っぽく目立たなくなっていきます。

抜糸後に、医療用テープの「マイクロポアテープ」を貼るようにすすめられることもあります。このテープを傷の上に張ることにより、傷の刺激による痛みを防ぎ、傷の治りをきれいにしてくれます。貼り方は病院の指示に従いますが、1回貼るとはがれるまでそのままで大丈夫な場合が多いようです。テープを貼った状態でシャワーを浴びたり、身体を洗ったりできますよ。

筆者も帝王切開後の傷跡に使用しましたが、周辺の皮膚がかぶれてしまいました。病院からははがさないようにと指示が出ていたので、かゆみ止めを塗って対処しました。体質によっては、テープが合わない場合もあるようです。

帝王切開の痛みは前向きに乗り越えよう

いかがでしたか。麻酔を使用する帝王切開にも、痛みのポイントがあることがわかります。産後の後陣痛は自然分娩でも起こるものですが、帝王切開の場合は傷の痛みがあるので、つらいと感じる声が多いようですね。

「痛い思いをするのは嫌だなあ」と思うのは、帝王切開でも自然分娩でも一緒でしょう。しかし、月日が経つと、不思議と出産の痛みは忘れ、「また産みたいな」と思えてしまうものです。母は強しです。帝王切開の痛みについて前向きに捉え、乗り越えていけると良いですね。

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■この本を読んだ方の口コミ
私も帝王切開で出産しました。帝王切開前日の夜は、とても不安で入院中の個室で、スマフォ片手に、著者のお1人である細田恭子さんの帝王切開情報サイトで一生懸命情報を得ていました。

あの時、この本が手元にあったら、これから起こることが予習出来て、頭と心が整理できたのにな〜と思います。全ての産院に置いておいてほしい。必要な方が手にとれるように。これから帝王切開を予定されている方、帝王切開で出産された方に是非読んで頂きたい良書です。

引用元:item.rakuten.co.jp
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■この本を読んだ方の口コミ
今日届いて、一気に読みました。死産経験者です。今まで流産・死産に関する本をいくつか読んできましたが、この本を読んだらまた別の視点から考えることができ、悲しいだけとは違う別の思いで死産の経験を振り返ることができました。心が癒される1冊です!

引用元:books.rakuten.co.jp

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