緊急帝王切開の流れや費用、赤ちゃんへの影響は?
自然分娩を予定している場合でも、「緊急帝王切開」と呼ばれる帝王切開手術になるケースがあります。帝王切開手術では費用・手術の流れ・入院中の過ごし方や麻酔の副作用といったものが気になる人が多いかもしれません。術後の身体のケア、心のケアなどを含めて「緊急帝王切開」について解説します。
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目次
帝王切開と普通分娩、方法や費用の違いは?
お産の方法は大きくわけて「普通分娩(自然分娩・経腟分娩)」と「帝王切開手術」の2種類あります。普通分娩は名前の通り、自然に任せてママの産道を通って赤ちゃんが産まれる方法です。平成24年度の厚生労働省の調査では、普通分娩での平均的な出産費用は約48万円でしたが、室料差額や祝い膳などの部分で地域や病院間で大きく差が出るようです。
帝王切開は手術でママのお腹を切り、赤ちゃんを取り出す方法です。予定された日時で行う「予定帝王切開」と一刻を争う状況下で医師が判断し手術が適応される「緊急帝王切開」があります。平成28年度の診療報酬改正から予定帝王切開と緊急帝王切開で費用に差が出て、緊急帝王切開の手術料金のほうが高くなりました。
昨今では帝王切開が実施される割合は増えています。平成17年の調査では一般病院での分娩における帝王切開手術率は21%で、昭和59年の8.2%から比べて3倍の件数になっています。緊急帝王切開はお産の状況によってその場で判断され実施あされることもあるため、少しでも多く帝王切開についての知識があれば不安は軽減されるかもしれません。
緊急帝王切開になるのはどんな時?
帝王切開は、自然分娩が難しいと判断された場合に実施されることが多いようです。帝王切開となる主な理由は下記の通りです。
【妊婦側が原因の帝王切開の理由】
・帝王切開による経産婦の二人目以降の出産
・双子以上の妊娠
・肥満
・高齢
・前置胎盤
・子宮破裂
・妊娠高血圧症候群
・常位胎盤早期剥離
・分娩停止
・分娩遷延
・羊水過少
・切迫早産
【胎児側が原因の帝王切開の理由】
・児頭骨盤不均衡
・骨盤位(逆子)
・胎児機能不全(胎児ジストレス・胎児仮死)
・臍帯脱出
・不整脈(心拍低下)
なかでも緊急帝王切開は、分娩中にお産が止まった・長引いているなど難産の場合や予定帝王切開手術を迎える前に破水や陣痛などで緊急搬送された・尿蛋白などで異常値が出たといった場合に実施されることがあります。切迫早産などで緊急帝王切開が実施される場合には出産予定日よりも前に出産となり、出産予定日超過の場合でも母子の状況によっては帝王切開手術が行われることがあります。
緊急帝王切開で入院した場合の過ごし方・必要なもの
予定帝王切開の場合には、手術前日から入院になり、除毛・胎児の心拍確認・ネイルなど不要なものを落とす・病院によっては食事制限が始めるといった手術に向けての準備が行われます。緊急帝王切開の場合には、妊婦健診で訪れた日にそのまま入院し当日手術になったというケースや自然分娩を予定していた人が多いかもしれません。当日手術になった場合にも自然分娩の場合でも、昨今では本人や家族の同意なしに手術が行われることはほぼないため、帝王切開手術の手順や手術に用いられる麻酔の副作用などの説明をよく聞きましょう。
緊急帝王切開の場合には、その場の状況によって緊急で帝王切開になることが多いため、帝王切開の準備をして入院する人は多くはないでしょう。一方で帝王切開の場合には普通分娩よりも入院日数が長くなることが多いため、術後の傷跡ケアグッズなど必要なものがあれば家族に持ってきてもらったり、売店で購入するなどして対応しましょう。
緊急帝王切開の流れは?麻酔の種類や切開方法は?
予定帝王切開であれば前日から入院し、胎児の心拍やお腹の張りの確認など手術に向けての準備を行う場合があります。しかし緊急帝王切開の場合には自然分娩の最中などに母子の状況によって判断されるもののため、妊婦側で何か準備をするということは難しいかもしれません。一方で自然分娩の場合でも緊急手術の場合でも、現在は本人や家族の同意なしに手術が行われる・麻酔なしで手術が行われることはないため、緊急時には帝王切開になる可能性や注意点などをよく聞いておきましょう。
帝王切開手術では、感染症防ぐために点滴や開腹のための麻酔を行います。帝王切開で用いられる麻酔には「全身麻酔」と「局所麻酔」があり、基本的には母子への影響が少ないといわれる局所麻酔が行われます。ただし緊急帝王切開の場合には、全身麻酔と呼ばれる手術中に意識がなくなる麻酔方法を用いることもあります。手術で用いられる麻酔には発熱・吐き気・頭痛といった副作用が起こる場合があり、全身麻酔の場合は胎盤を通じて赤ちゃんに麻酔が影響を与えるため、赤ちゃんが眠そうだったり呼吸が弱かったりすることがあります。
麻酔が効いたらお腹を横もしくは縦に切ります。一般的には横に切る方法が主流ですが、緊急時には縦に切るケースもあります。赤ちゃんを無事に取り出したら傷を医療用テープやステープラー(ホチキス)、糸などで縫合します。
緊急帝王切開で立会いはできる?
一般的に帝王切開での立ち会いは断るケースが多いようですが、手術終了後にすぐに赤ちゃんに会える場合もあります。また病院によっては、緊急の場合に備えて家族がひとりは付き添いとして待機するように指示があることもあります。出産はいつになるかわからないため、夜中でも対応できる施設が多く、必要であれば転院などの対応が取られるため安心してくださいね。
帝王切開による胎児への影響は?リスクはある?
帝王切開によって胎児に発達障害や脳性麻痺などの影響が出るのではないかといった、漠然とした不安を抱える妊婦は多いかもしれません。まずはしっかりと信頼できる情報を元に判断し、不明点があれば医師に確認することが重要です。緊急帝王切開は、一刻を争う事態を受けての手術となるため、帝王切開手術が影響を与えるというよりは、一刻を争うような緊急事態が何かしらの影響を胎児に与えることはあるかもしれません。
早産などで胎児がまだ小さく、低出生体重児になることを不安視する人も多いでしょう。発育途中であることを考慮した上で、緊急帝王切開手術が必要だという判断に至っているはずです。必要であればNICU(新生児集中治療室)で適切な治療・経過観察が行われます。
緊急帝王切開での費用は?払えないような金額になる?
普通分娩での平均費用は約48万円ですが、地域や病院によって差があります。帝王切開は手術となるため、診療報酬点数により費用は明確に示されています。
予定帝王切開と緊急帝王切開では値段が異なり、予定帝王切開は20万1400円、緊急帝王切開が22万2000円です。さらに手術に使われる麻酔や薬材料、手術前後の入院費等が加算されます。また32週未満の早産など複雑な処置が必要な場合には、料金が加算されます。ただし、帝王切開手術は健康保険が適用となるため、通常の社会健康保険や国民健康保険に加入している人はこのうちの3割の負担となります。
このため任意で加入している健康保険・生命保険で帝王切開手術が補償されているか確認しておくようにしましょう。また保険組合などに申請して使うことができる「出産育児一時金」「高額療養費制度」などの手当てを活用しましょう。一般的には自己負担額は自然分娩とさほど変わらない値段になるといわれていますが、病院によって室料差額や医療外の祝い膳などの費用で差が出るケースがあります。
帝王切開後の身体のケア、心のケア
帝王切開手術後には、術後の身体のケアと心のケアが必要です。帝王切開では術後の傷跡について悩む方が多いでしょう。手術後の傷跡は、退院後も適切なケアを継続的に行うことによって目立たない傷跡になる可能性が高くなります。一定期間が経過してからも傷跡の痛み・かゆみといったものが治らない場合には病院に相談するのも良いでしょう。ケロイドや肥厚性瘢痕に関しては皮膚科や形成外科で相談することができます。
帝王切開後の心のケアに関してですが、帝王切開と普通分娩を比較した配慮のない言葉によって傷つく・ショックを受ける人が多いといわれています。母子の健康安全を優先した結果であり、大切なのは産み方ではなく生まれた赤ちゃんに対してどう向き合っていくかということでしょう。緊急帝王切開の場合は心の準備ができる前に出産になるケースもあり、母親としての自覚を持つまでに悩む人もいるかもしれません。帝王切開では術後の痛みなどつらい体験もありますが、赤ちゃんを守ることができたという経験を時間がかかっても誇れるようになると良いですね。
緊急帝王切開後に注意すべきことは?不妊の噂は本当?
帝王切開後はいくつか制限があります。帝王切開とはいえ手術になるため、まずは身体が回復するまで無理をしないことが大切です。また帝王切開の場合には、次の出産までに一定の期間を空ける必要があります。手術による子宮の傷が治る前に妊娠すると、子宮破裂といった重大な事態を引き起こす可能性があるためです。第二子を希望する場合には家族計画を医師に確認しておくと良いでしょう。
帝王切開後の子宮の傷跡の部分に血液がたまる「帝王切開瘢痕症候群(ていおうせっかいはんこんしょうこうぐん)」という病気があり、続発性不妊や不正性器出血、下腹部痛といったものが起こる可能性があるといわれています。しかし、この病気は研究が進められている段階の病気です。可能性としてはこのような不妊のケースはありますが、多くの人がなるとは限らないため、心配しすぎないことも大切です。
予期できない手術だからこそ心配しすぎないことも大切
緊急帝王切開手術は、お産中の一刻を争うような事態が起こった際に判断されるものです。名前の通り緊急である以上、何を優先すべきかは専門の医師に判断を任せるべきでしょう。不安を抱え込みストレスがたまるのは、妊娠中にあまり良いことではないでしょう。不明点があれば医師に相談し、安心してお産に臨めるような信頼関係を築いておくことも大切かもしれませんね。
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