【小児科医監修】パパ必見!帝王切開でも夫や家族との立ち会い出産はできる?

増加傾向にあるという「帝王切開」での出産は、現在お産全体の約20%で実施されているといわれています。帝王切開と自然分娩の違い、メリットやリスク、夫・パートナー・子どもといった家族を交えて貴重な誕生の瞬間を迎える「立ち会い出産」が帝王切開でもできるのかについて紹介します。

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この記事の監修

眞々田 容子
小児科医
眞々田 容子

目次

  1. 帝王切開とは
  2. 「立ち会い出産」で貴重な経験を分かち合いたい
  3. 夫やパートナー、子どもは立ち会い出産を希望する?
  4. 知っておきたい、帝王切開のメリットやリスク
  5. 帝王切開で立ち会い出産ができる病院、できない病院
  6. 機会があれば貴重な体験を経験してみてはいかが
  7. あわせて読みたい

2020年初頭に流行した新型コロナウイルスの影響で、立ち会い出産を中止しているという産婦人科がたくさんあります。立ち会い出産が可能かどうか、出産後すぐにお見舞いに行けるかどうかは産院によって異なりますので、予め対象の施設に確認いただくようご了承ください。

帝王切開とは

帝王切開には2種類あり、あらかじめ日付を決めて実施する「予定帝王切開」、お産の最中に一刻を争う事態が起きた場合に判断・実施される「緊急帝王切開」があります。帝王切開になる主な理由としては、逆子・双子・前置胎盤・切迫早産・破水・お産が進まない・お産が止まった・胎児の心拍異常といったものがあげられます。

予定されていた帝王切開の場合には立ち会いができることもありますが、自然分娩を予定していたものの何かしらの理由で緊急帝王切開になった場合には立ち会いは難しいかもしれません。

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「立ち会い出産」で貴重な経験を分かち合いたい

出産は何度も経験することはできない、貴重な人生の1ページといえるかもしれません。そんな出産の体験を夫やパートナー・家族と分かち合いたいと考えるのは不思議なことではないでしょう。

自然分娩では立ち会い出産を行う人がいますが帝王切開ではどうなのでしょうか。近年、夫やパートナーの立ち会いのもとで出産を行うケースは、出産全体の4割ほどを占めているといわれており、立ち会い出産は比較的メジャーになりつつあるともいえるでしょう。

帝王切開は手術での分娩となるため、「立ち会い出産はできないものだ」と最初から諦める人も多いようです。しかし最近では絶対にできないというわけではなく、妊娠の経過や病院の方針・医師の判断によっては立ち会い出産が可能な場合もあるようです。

夫やパートナー、子どもは立ち会い出産を希望する?

立ち会い出産を希望する場合、夫やパートナー・上の子といった家族の立ち会いを希望する人が多いでしょう。祖父母や義父母など、可能であれば出産という貴重な人生の1ページに立ち会いたいと考える家族は多いかもしれませんね。ただし医師や看護師の邪魔にならないよう、大人数で立ち会うのは避けた方が良いでしょう。優先すべきは母子の安全です。

病院によっては夫・パートナーのみ、もしくは夫・パートナーと一定年齢以上の上の子のみ立ち会い可としている病院もあるようです。立ち会いを希望する場合は、詳細を病院によく確認しましょう。また注意しなければいけないのが立ち会う人自身の気持ちも考慮しなければならないという点です。血が苦手にも関わらず無理に立ち会い倒れてしまったといったことで、かえって周囲の医療スタッフに迷惑をかけるのは望ましいとはいえないでしょう。

妊婦と家族でよく話しあい、お互い納得する形で出産を迎えましょう。「立ち会うのが普通」「立ち会わないのはおかしい」といった決めつけをせずに、妊婦と家族がそれぞれどうしたいのかをよく話しあって決めましょう。

知っておきたい、帝王切開のメリットやリスク

母子の安全を守るための出産手段として「帝王切開」が選択されることがあります。帝王切開手術は比較的安全な手術といわれていますが、あくまでも「手術」ではあるためメリットもあればデメリットもあります。帝王切開の最大のメリットとしては、まず母子の安全を確保できる確率が高くなることがあげられるでしょう。予定帝王切開であれば、出産予定日のめどが立ち、平日でもパートナーや家族の都合をつけやすくなるかもしれません。

帝王切開のデメリットとしては手術によるリスクや手術に用いる麻酔の副作用などがあげられるでしょう。帝王切開手術は比較的安全だといわれていますが、普通分娩よりはリスクは高くなります。帝王切開を行う原因にもよりますが、本来であれば可能な限り自然分娩が母子のためには良いとされており、あくまでも自然分娩が難しい場合の出産手段として帝王切開手術は位置付けられています。

帝王切開におけるリスクの具体例としては、手術後の組織や器官がくっつき不妊の原因になることもある「術後癒着」、手術による大量出血で血の塊が肺をふさぐ「肺血栓塞栓症(はいけっせんそくせんしょう)」などがあります。また麻酔の副作用としては頭痛や吐き気、嘔吐、足のしびれといったものが麻酔の効果が切れるまで続くことがあります。

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帝王切開で立ち会い出産ができる病院、できない病院

帝王切開で立ち会い出産ができる病院・できない病院を見分ける明確なルールは現状ないようです。総合病院もあれば個人病院もあり、医師や病院の判断・妊娠の経過など個別で総合的に判断し、実施されているのかもしれません。帝王切開での立ち会い出産は、ケースとしては依然としてまれではあるでしょう。帝王切開で立ち会い出産を希望する妊婦の中には、立ち会い出産ができる病院を転院を視野にいれて探す人もいるようです。立ち会い方法もガラス越しに見守る形になる場合や一瞬だけ立ち会いになる場合など、さまざまなケースがあるようです。

機会があれば貴重な体験を経験してみてはいかが

出産という貴重な体験を家族で分かちあうことで、赤ちゃんが生まれてからの生活への関わり方が変わるかもしれません。苦労して赤ちゃんを産んだママへの想い、大変な中で生まれてきてくれた赤ちゃんへの想い、立ち会い出産という経験を通してさまざまな感情が立ち会った人の中に刻み込まれるでしょう。

向き不向きや希望の有無といったものはありますが、機会があれば経験してみても良いのかもしれません。これから出産に臨む人はパートナーや家族とよく話し合ってみてはいかがでしょうか。ただし帝王切開で立ち会い出産ができるケースは限られているため、帝王切開での立ち会い出産を希望する場合には病院への確認・相談を忘れずにしましょう。

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