助産師監修|立ち会い出産でのパパの役割は?メリットとデメリット

パパの立ち会い出産、最近ではすっかり一般的になってきました。立ち会い出産を経験して「パパがいてくれて本当に心強かった」「父親になったという心が芽生えたみたい」など、ママの感想もさまざまなようです。実際、立ち会い出産はできるならしたほうが良いのでしょうか。今回は、立ち会い出産のメリットとデメリットについてご紹介します。

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この記事の監修

河井 恵美
助産師・保育士
河井 恵美

目次

  1. 立ち会い出産をするかどうかはよく話し合って
  2. 立ち会い出産のメリット・デメリット
  3. 立ち会い出産は妊娠中から始まっている
  4. 立ち会い出産でのパパの役割
  5. 立ち会い出産での注意点
  6. 立ち会い出産に関する筆者の体験談
  7. 夫婦の価値観で
  8. あわせて読みたい

2020年初頭に流行した新型コロナウイルスの影響で、立ち会い出産を中止しているという産婦人科がたくさんあります。立ち会い出産が可能かどうか、出産後すぐにお見舞いに行けるかどうかは産院によって異なりますので、予め対象の施設に確認いただくようご了承ください。

立ち会い出産をするかどうかはよく話し合って

立会い出産について今では当たり前でも、周りに聞いてみると、賛成派と反対派に意見が分かれていて、「どうしよう」と思っているママさんもいるのではないでしょうか。

出産は夫婦にとっての一大イベントです。パパもママも、立会い出産について事前にしっかり理解してどうするか決めておく必要があります。産後の夫婦間の関係にまで影響して後悔してしまうこともあるので、パパとよく話し合っておくことがとても大切です。

立ち会い出産のメリット・デメリット

メリット

① ママが安心する
長くて苦しい陣痛をひとりで耐えることは、とてもつらいことです。そんなときにパパが励ましてくれると、ママはとても安心でき、心強く感じるでしょう。また、一緒に出産を乗り越えたことにより、夫婦の絆が深まります。

② ママの大変さを知ることができる
陣痛が始まってから赤ちゃんの誕生まで、パパも一緒に立ち会うことで、ママが頑張っている姿を目の当たりにし、それだけ出産が大変であることを感じることができます。「パパが産後いっそうママをいたわってくれた」、「家事や育児に積極的になってくれた」、「夫婦の絆が深まった」という方もいます。

③ 父としての実感が湧く
わが子の誕生のときを一緒に共有することで、新たな家族のスタートを一緒に切ることができ、父親としての実感が湧きます。女性は妊娠中から、自分のおなかの中で赤ちゃんの成長を実感し、母性を育むことができますが、男性は視覚・聴覚・触覚など五感で子どもを認識してはじめて、父性が芽生えるそうです。

④ 生命の誕生の感動を夫婦で共有できる
赤ちゃんが無事に生まれてきてくれたときは、とにかく感動し、中には男泣きするパパも多いといわれます。生命の誕生の感動は、一生に何度も経験できるものではありません。わが子が生まれた感動の瞬間を一緒に分かち合えるというのは素敵なことですね。

デメリット

① 血を見る
出産の瞬間は、感動と同時に衝撃も大きいものです。出産時の出血のほかにも、羊水や胎盤などの独特なにおいもあります。特に生理のない男性は、血が苦手な方が多いものです。

② いつもと違う姿を見られる
出産中のママは、今まで見せたことのない形相で苦しんだり、中には尿便が出てしまったりすることもあります。このような場面に男性はショックを受け、ママを女性として見られなくなってしまう方もいるようです。そして、産後の夫婦生活に大きな影響を与えることもあります。

③ パパにイライラすることもある
そばにいてくれるだけで心強いという意見とは逆に、「パパがいることで出産に集中できない」「思ったように動いてくれないパパにイライラする」というママもいるようです。立ち会い出産を希望するパパは、ママの気持ちに寄り添い、自分にできることや出産の知識を事前に身につけておきましょう。

立ち会い出産は妊娠中から始まっている

両親学級や健診にも足を運んで

妊婦健診に旦那さんも同伴すれば、エコーで赤ちゃんの画像を見ることができたり、妊婦さんの体調の変化なども分かったりするのでより妊娠を身近に感じることができます。

また、病院によっては、立ち会い出産を希望する夫婦向けに講座を開催するところもあります。更に、講座を受講することが立ち会い出産の条件となっている場合もあります。両親学級では、実際に旦那さんがお腹にクッションなどを入れて、妊婦さんの疑似体験ができたりおむつ交換や沐浴の方法なども教えてくれたりするので、育児にとても役立ちますよ。

妊娠中のママのサポートをする

ママは妊娠初期につわりに悩まされ、中期・後期には、腰痛や便秘などマイナートラブルが多くなります。妊娠中高血圧症候群や妊娠糖尿病、早産にも注意しなければいけません。こうしたトラブルを未然に防ぎ、重症化しないように、パパもサポート&ケアをしましょう。

例えばつわりのあるママに代わって食事を作る、流産予防に買い物の荷物を持ってあげる、腰痛に苦しむママの腰をマッサージする、体重管理にさりげなく気を配って薄味のヘルシーな食事を心がける、ママといっしょに血圧を計るなど、パパ自身が妊娠の当事者になり、ママのことを心から思いやり、手助けしましょう。

ママはしてほしいことを具体的に伝えよう

男性の中には、「思いやりの気持ちはあるが、具体的に何をどうしたらいいのかわからない」という方が多いようです。「これ、やってほしいんだけど」と素直にお願いしてみましょう。そのときには具体的にお願いすることがポイントですよ。

立ち会い出産でのパパの役割

ママを安心させる

陣痛のあまりの痛さにママが恐がっているときは、「大丈夫」と声掛けしながら、ママの手を強く握ってあげるだけでも安心できます。また、出産の痛みに混乱しているママに、深くゆっくりとした呼吸をリードしてあげることもママの助けになります。

出産の前から立ち会うパパが呼吸法をマスターしておけば、焦るママに声かけをして呼吸法をサポートできます。

身体をさする

身体をさすってもらうことで、陣痛の痛みを緩和することができます。背中や腰をさすってほしい、お尻を押さえてほしいなど具体的なお願いもあるので、ママの要求には率先して応えてあげてください。また、テニスボールをつかってマッサージをしてあげたり、お尻を押さえたりしてあげると、いきみを逃がせて、ママも助かるんですよ。

必要なものをとってあげる

陣痛が進むと痛みが激しくなり、ママが動けなくなってしまうことがあります。そんなときは、率先して動くようにしてあげましょう。ママの喉が渇いたときには飲み物を飲むお手伝いをしてあげてください。また、お産のときはとても暑いものなので、タオルでママの汗を拭いてあげたり、うちわであおいであげたりしましょう。

記録を残す(写真・ビデオ)

メモリアルビデオや写真の撮影を行っておくと、夫婦や家族の思い出になります。お医者さんの許可がでているなら、頑張るママの様子を残しておいてあげたいですね。ただ、事前に撮影しても良いよとママの許可があったとしても、気が散ったりして途中で撮影を嫌がる場合もありますので、ママの気持ちを最優先に、ただちに撮影を中止してあげましょう。

立ち会い出産での注意点

長丁場に備える

出産は平均12~16時間もかかる長丁場なものです。そのあいだ、パパが病室を出たり入ったりするのは痛みに耐えているママにとっては気になるものです。 ママの陣痛がはじまったら、長時間でも耐えられるような清潔で楽な服装をして、病院まで付き添ってあげましょう。

また、病院によってはパパの食事を準備してくれないところもありますので、事前に飲み物と食料は買ってから向かうと安心ですよ。

主役はあくまでも「ママ」

出産の主役はあくまでも妊婦さんであるママ自身です。夫婦でわが子の誕生の喜びを分かち合うことももちろん大事ですが、一番はやはりママが安心して出産できるように、パパがサポートしてあげるというのが立ち会い出産の大きな目的だと言えます。

パパひとりであれこれ考えていても、ママの希望に添えているかはわからないものです。ママが気持ちよく出産できるように寄り添ってあげてくださいね。

血が苦手ならばあらかじめ伝えておく

パパが分娩室で貧血を起こして倒れても、出産の最中には助けることが難しいです。血を見ることに不安がある場合は、前もってママに伝え、立ち会い出産のスタイルを夫婦でよく話し合っておきましょう。

また、血が苦手な方は、会陰切開や胎盤排出時、吸引分娩など出血の多い場面や医療介入の場面では、分娩室ではママの顔の近くに立つようにするといいですよ。気分が悪くなるなら、無理をせずに椅子や横になれる場所があれば自分で休んでも大丈夫です。スタッフは、パパのサポートまで手が回らないことがあります。

立ち会い出産に関する筆者の体験談

パパが付き添ってくれて心強かったです

筆者も息子が産まれるときにパパが立ち会い出産をしてくれました。パパにイライラしてしまいそうだし、気が散りそうだったので、正直ギリギリまで筆者は立ち会い出産を嫌がっていました。しかしパパの希望は立ち会いだったので、とりあえず両親学級へ参加してもらいました。

実際、陣痛が始まって陣痛室でのパパの付き添いは本当に助かりました。いきみ逃がしが最初は下手でどうしていいか分からず、ただもがくだけだったのですが、パパに声かけてもらったり、背中さすってもらったり、自分では絶対使わないと思っていたテニスボールを使ってお尻を押してもらったり、ひとりではとても耐えられそうにはなかったです。

分娩室に入ってからは、正直パパの声とか、何かしてくれてたとかは覚えていませんが(笑)出産直後に男泣きしていたのを見て、「立ち会い出産して良かったな」っと改めて思いました。今回の記事でもご紹介したように、そこで初めて父親になった姿を見た気がします。立ち会い出産にはメリット、デメリットがあると思いますが、初産なら立ち会い出産してみるのが良いのかもしれませんね。

夫婦の価値観で

立会い出産がしたほうが良いかどうかについては、個人差があり、答えはないと思います。出産に立ち会ったほうが偉いというわけでもありません。出産自体に立ち会わなくても、パパは妊娠中に一生懸命ママのサポートをしてきたはずです。それだけでも十分当事者ですよね。

もちろんママの気持ちが一番優先です。パパとママがお互いの考えや気持ちを尊重し、よく話し合って、出産に立ち会うかどうかを決めるようにしましょう。

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