陣痛促進剤の費用やリスク、痛みは?効かない場合は点滴投与される?

予定日を過ぎてもなかなか陣痛が来ないときや、計画分娩のときに、「陣痛促進剤」という薬が使われる場合があります。ここでは、陣痛促進剤の種類や効果、リスクについて解説します。どんなママでも陣痛促進剤を使う可能性はありますから、知識を身につけておくことで不安が解消されるかもしれませんよ。

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この記事の監修

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産婦人科医
杉山 太朗

目次

  1. 陣痛促進剤とは
  2. 陣痛促進剤の種類
  3. 陣痛促進剤の費用・料金は?保険適用?
  4. 陣痛促進剤のリスク・副作用は?
  5. 陣痛促進剤の投与による痛みは?
  6. 陣痛促進剤が効かない場合は点滴投与?
  7. 陣痛促進剤の投与から出産までの流れと時間
  8. 陣痛促進剤に関する不安を解消しよう
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陣痛促進剤とは

陣痛促進剤は、子宮の収縮を促す効果のある薬剤です。「陣痛誘発剤」「子宮収縮剤」とも呼ばれます。陣痛促進剤には、ふたつの役割があります。ひとつは、分娩誘発です。多くの産院では、自然に陣痛が起こるのを待ちますが、以下のようなときは陣痛促進剤が使われることもあります。

・出産予定日を超えても陣痛がこない場合
・妊娠を継続するとママや赤ちゃんの健康が損なわれる恐れがある場合
・破水が起こったのに陣痛が始まらない場合
・計画分娩

もうひとつの目的は陣痛開始後、入院した後の分娩促進です。陣痛を増強するために陣痛促進剤を使用するのは以下のような場合です。

・陣痛が弱くて子宮口の開きが悪い場合(微弱陣痛)
・お産が長引いて赤ちゃんやママの健康が損なわれる可能性がある場合(遷延分娩:せんえんぶんべん)

他にも、ママや赤ちゃんの状態次第で、陣痛促進剤の使用をすすめられることがあります。陣痛促進剤にはリスクもあるため、医師から十分な説明を受けることが大切です。

陣痛促進剤の種類

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陣痛促進剤の主成分は、自然陣痛時に母体から分泌されるホルモンです。そのひとつが「オキシトシン(アトニン)」で、ストレスを緩和するホルモンともいわれています。オキシトシンは点滴薬のみで、陣痛促進効果が強く、お産が進んだ段階で使用されることが多いようです。

もうひとつが「プロスタグランジン」で、子宮頸管を柔らかくしながら陣痛を促進させる効果があります。痛みの原因になるホルモンともいわれています。内服する錠剤タイプのプロスタグランジンE2と、点滴タイプのプロスタグランジンF2αがあります。

陣痛促進剤の費用・料金は?保険適用?

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社会保険や国民健康保険といった健康保険の適用には「病気の治療のため」という条件があります。お産は病気ではないため、正常分娩のサポートとして陣痛促進剤が使われる場合は、保険適用外となるのが一般的です。過期妊娠における陣痛誘発や、計画分娩のための陣痛促進剤は通常、保険適用外となるでしょう。

しかし、医師が異常を認め、緊急処置として陣痛促進剤を使用したときは保険が適用されるケースもあるでしょう。たとえば、陣痛が弱くてお産が進まず、「微弱陣痛」と診断されたときには健康保険が適用されることもあるようです。

民間の医療保険でも、陣痛促進剤の使用に対して補償の支払い対象となることがあります。陣痛促進剤を使ったときの状況や、医療保険の加入内容によっても異なるので、保険会社に確認しておきましょう。

陣痛促進剤の使用時の費用は、病院や投薬された量によっても異なります。価格に幅がありますが、1万円~5万程度が目安となります。薬剤代だけではなく、入院費や処置代がかかることもあるでしょう。あらかじめ病院にかかりそうな金額を聞いておくと良いかもしれませんね。

陣痛促進剤のリスク・副作用は?

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陣痛促進剤の使用には、副作用やリスクを伴います。子宮の収縮が強くなりすぎてしまった場合に起こる「過強陣痛」、子宮の一部が傷つく「子宮破裂」、子宮頸管が傷つく「頸管裂傷」、陣痛が弱すぎる「微弱陣痛」、お産の後も出血が続く「弛緩出血」、羊水が血流に入る「羊水塞栓症」などが考えられます。

しかし、基本的にはこうしたリスクを回避するために、医師がモニターをチェックしながら薬剤の量を少しずつ調整します。ママや赤ちゃんの身体の状態によっては陣痛促進剤の投与を中断することもあるので、あまり心配しすぎないようにしましょう。

とはいえ、リスクを知ると陣痛促進剤の使用に抵抗があるかもしれません。陣痛促進剤は上手に使用することで、分娩がスムーズに進み、ママと赤ちゃんの両方の健康を守ることができます。陣痛促進剤に関する悩みや不安なことは、何でも担当の医師に聞いておきましょう。

陣痛促進剤の投与による痛みは?

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陣痛促進剤を使った場合、自然分娩より痛みが強いのか不安になるママもいるかもしれません。痛みの感じ方には個人差があり、陣痛促進剤を使ったほうが痛いかどうかは比較が難しいといえます。

陣痛促進剤を使用すると、自然陣痛よりも一気に陣痛が進むこともあるため、痛みを強く感じることもあるようです。また、陣痛促進剤の副作用のひとつに「過強陣痛」があります。過強陣痛になると、子宮の収縮が異常に強かったり、収縮の時間が長かったりして、激しい痛みを感じる可能性があります。

陣痛促進剤が効かない場合は点滴投与?

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産院の方針にもよりますが、まずは飲み薬である「プロスタグランジンE2」を内服して様子を見ます。1錠を1時間ごとに、3~4回服用することが多いようです。

プロスタグランジンE2のデメリットとしては、ちょうど良い量の調節が難しいということがあります。効きすぎると過強陣痛となる可能性もあるため、入院して医師の管理のもとで服用することが大切です。

点滴である「オキシトシン」や「プロスタグランジンF2α」との同時併用はしません。もし飲み薬の効き目がないときは、時間を置いて点滴に切り替えることがあります。点滴でも陣痛が起こらない場合や、赤ちゃんやママの健康状態に問題がある場合は、緊急帝王切開となることもあります。

陣痛促進剤の投与から出産までの流れと時間

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陣痛促進剤を使用するタイミング

自然陣痛では、子宮口がなかなか開かない場合やスムーズに赤ちゃんが産まれない場合に陣痛促進剤を投与することがあります。決まったタイミングはなく、ママと赤ちゃんの健康状態をチェックしながら最も安全な使用時期を見計らいます。

陣痛開始から初産婦で30時間、経産婦で15時間以上かかっても生まれないときは、リスクの高い「遷延分娩(せんえんぶんべん)」と診断され、陣痛促進剤を使用することがあります。また、破水後24時間経過してもお産が始まらないときは、細菌感染のリスクを避けるため陣痛促進剤が使用される場合もあるでしょう。

計画分娩の場合、計画分娩の予定日の前日から入院をして子宮口を開く医療器具を使うことがあります。計画分娩の予定日の朝に陣痛促進剤を使用し、有効な陣痛が始まればそのまま分娩、陣痛が起こらないときは翌日以降に再施行するのが一般的です。

無痛分娩も、計画分娩であることが多いようです。入院したあと、出産予定日の朝に陣痛促進剤を使用して、陣痛の進み方を見ながら麻酔開始するタイミングを医師と相談して決めていきます。陣痛促進剤を使わず、自然の陣痛を待って無痛分娩を行う産院もあります。

陣痛促進剤使用後の陣痛 

病院では、ママや赤ちゃんの状態をモニターでチェックしながら、陣痛促進剤の量を調整します。陣痛促進剤を使用した後、どのくらいで陣痛が起こるのかは個人差が大きいといわれています。

陣痛のようなものが起こっても、そのまま遠のくこともあります。朝から夕方まで点滴を行っても有効な陣痛が起こらなければ、いったん中止し、翌日以降にまた点滴をします。

朝に陣痛促進剤が投与された場合、有効な陣痛を感じるようになるのは一般的に昼前後が多いといわれています。2~3分間隔で陣痛が起こるようになったら、お産が進み始めたと判断され、点滴の量を変えずに様子を見ます。

陣痛促進剤投与から出産までの流れ

陣痛促進剤を使用する前に、必ず医師から詳しい説明があります。わからないことや不安なことは聞いてみましょう。陣痛促進剤の点滴が始まると、医師は分娩監視装置で陣痛の間隔や強さをチェックしていきます。15~30分ごとに様子を見て、少しずつ量を調整します。

有効な陣痛が始まると、点滴はその量で続けられます。陣痛の間隔は徐々に狭くなり、痛みがどんどん強くなるので、ママが一番つらいときかもしれません。子宮口が全開大(10cm程度)になると破水が起こり、赤ちゃんが頭を出し始め、出産となります。分娩は、赤ちゃんが生まれた瞬間に終わるわけではなく、後陣痛と呼ばれる弱い陣痛が起こり、胎盤が娩出されるまでを言います。

もし有効な陣痛が始まらない場合は、日を変えて陣痛促進剤を使用します。赤ちゃんやママの状態によっては、緊急帝王切開となることもあるでしょう。

陣痛促進剤に関する不安を解消しよう

陣痛促進剤がどんなものかをよく知っておけば、お産のときに突然使用することになっても、必要以上に不安にならずにすみますね。まずは知識を身につけておくことが大切です。

陣痛促進剤にはリスクや副作用はありますが、陣痛促進剤を使うことでママや赤ちゃんの命が守られる可能性もあります。わからないことはしっかりと医師に聞いて、いざというときの心の準備をしておきましょう。

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