陣痛待ちのイライラ・疲れの緩和法!おすすめの待ち方・陣痛促進方法は?|産婦人科医監修

産婦人科医監修|臨月に入って予定日付近になっても、なかなか陣痛が始まらない…陣痛待ちのママは赤ちゃん会いたさでついつい気持ちが焦ってしまいがちですね。毎日今か今かと気を張っていてくたびれたり、疲れがたまってしまったりする場合もあります。ここでは待ち時間の過ごし方や陣痛促進方法を解説します。

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この記事の監修

藤東 淳也
産婦人科医
藤東 淳也

目次

  1. 陣痛待ちとは?
  2. なかなか陣痛がこない!どんな可能性がある?
  3. 陣痛のおすすめの待ち方 
  4. 陣痛待ちのイライラ・疲れの緩和法
  5. 気にしすぎないで陣痛を待とう
  6. あわせて読みたい

陣痛待ちとは?

陣痛待ちとは、臨月のママが出産につながる本陣痛を待っている状態のことです。妊娠37週0日〜妊娠41週6日に出産することを「正期産」と言います。正期産の赤ちゃんは、身体や臓器が十分に成熟しているため、子宮の外に出ても発育上問題ないとされています。妊娠37週を過ぎたママは、基本的に陣痛待ちの状態といっても良いでしょう。

妊娠36週6日までは「早産」となるので、一般的に陣痛を促進することはありません。妊娠42週(出産予定日から2週間)を過ぎると「過期妊娠」とよばれ、巨大児になったり胎盤の機能が低下したりするリスクがあるため、病院によっては薬などで陣痛を誘発することもあります。

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なかなか陣痛がこない!どんな可能性がある?

そのうち来る 

予定日が近づいてきているのに陣痛がこないと、不安に思うママもいるかもしれません。パートナーや親戚に「まだかな」と聞かれると、なんだか焦った気持ちになってしまいますね。しかし、陣痛が起こる時期は個人差が大きいものなので、「そのうち来る」と心穏やかに待つのが一番です。

出産予定日の前3週間、後2週間はいつ産まれても問題ない状態です。正常の範囲内でも、1ヶ月以上の開きがあるのです。あせらずのんびり待ってみましょう。赤ちゃんはママと自分に最適なタイミングを待っているのかもしれませんよ。

微弱陣痛

本陣痛が始まっているのに、弱く短いので自覚できないという可能性もあります。出産では、子宮収縮を繰り返すことで子宮口が次第に開き赤ちゃんが下りてきます。順調に進行するには適度な陣痛が必要となります。陣痛が強すぎても弱すぎても、分娩のリスクが高まるといわれています。

しかしなかには、陣痛が初めから弱かったり、始めは普通の陣痛だったのに途中で弱くなったりすることもあります。これを微弱陣痛と言います。陣痛では痛みが強くなる「発作」と痛みが弱まる「間欠」が繰り返し起こりますが、微弱陣痛では発作の時間が非常に短く、間欠の時間が長くなります。痛みも弱く間隔が長いため、自覚できない場合もあります。病院では分娩監視装置で陣痛の強さや間隔、持続時間をチェックして判断します。

原因はさまざまで、子宮筋腫などの子宮の異常や、羊水過多などの子宮筋肉の伸びすぎ、胎位の異常や精神的な不安なども関係しているといわれています。病院で微弱陣痛と診断された場合、遷延分娩(せんえんぶんべん:陣痛開始から長時間経過しても生まれないこと。目安は初産婦で30時間以上、経産婦で15時間以上。)となることもあるため医師とママが話し合って治療方針を決めます。ときには陣痛促進剤を使用して、陣痛をうながすこともあるでしょう。

予定日超過

予定日を超えてもまだ陣痛が来ないと、ママの焦りも強くなってくるかもしれません。しかし、妊娠42週までは「正期産」です。予定日を2週間過ぎるまでは、のんびりと待ちましょう。

実際に、出産予定日を超えた出産は総出生数の4割近くというデータもあり、めずらしいことではありません。そのうち、40週から41週に生まれるケースが大半といわれています。医師や助産師の指示がないかぎりは、普段通りの生活を続け、ストレスためないように陣痛を待ちましょう。

過期産

出産予定日を2週間以上超えても出産に至らないと「過期妊娠」となり、42週を超えた出産を「過期産」とよびます。過期産となると、お産が途中で止まってしまう分娩障害や、産後の出血が止まらないといったリスクがあがります。

また、胎盤の機能が落ちるため羊水の量が減ったり、赤ちゃんの心拍に異常が出たりというリスクが上がることがあります。そのため、実際には過期産になる妊娠42週の前にママと医師が話し合い、分娩誘発や帝王切開をすすめる病院がほとんどです。

分娩誘発とは、陣痛促進剤を点滴などで入れ、陣痛を人工的に誘発する治療です。子宮口の熟化などの条件はありますが、そのまま自然陣痛を待機するよりも、出産のリスクが減らせることもあります。

陣痛のおすすめの待ち方 

スクワットや階段昇降

陣痛待ちのママは、医師や助産師にスクワットや階段上りなどの軽い運動をすすめられることもあります。安静を指示されていないのであれば、適度に動くことで全身の血行が良くなり、産道が緩み子宮口が開きやすくなる可能性もあります。身体を立てた状態で縦に揺れることで、赤ちゃんが重力で下りやすくなることもあります。

臨月ではお腹も大きくなりバランスを取るのが難しいため、スクワットや階段の上り下りは注意する必要があります。スクワットは壁を支えに使ったり、階段は狭く急なものは避けたり、ママの身体に負担をかけないようにしましょう。無理をしないように心がけ、お腹が張るようならすぐに休んでくださいね。

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股関節を柔らかくする

骨盤周りの筋肉や股関節を適度に鍛えることで、安産になるという考えもあります。妊娠中はしっかり閉じた骨盤が赤ちゃんを包み込んでいますが、出産が始まると骨盤は大きく開きます。この骨盤と骨盤を覆う筋肉が産道となります。筋肉を伸ばしたりほぐしたりすることで、赤ちゃんが通りやすい産道になる可能性がありますよ。

もし痛みなどなくあぐらをかけるようであれば、あぐら座りを意識することで股関節を柔らかくできるかもしれません。足を組んで座るよりも、骨盤のゆがみを防ぐことができる可能性もあります。テレビを見るときや読書をするときなど、日常生活であぐらを心がけても良いですね。雑きんがけなど、四つんばいの姿勢も股関節のストレッチになるといわれています。

ツボ押し

ツボとは、東洋医学では「経穴(けいけつ)」とよばれます。ツボを指圧や鍼、お灸で刺激することで、身体の不調を整え、不快な症状を緩和する可能性があるといわれています。ツボのなかには、陣痛の緩和や促進につながるといわれるものもあり、試しているママもみられます。

陣痛に関係しているといわれるツボのひとつが「三陰交」です。内くるぶしのいちばん高いところに小指をおき、他の指をそろえて人さし指の部分が三陰交の場所となります。深呼吸しながらゆっくり指圧することで、血行を良くしたり陣痛を促進したりする可能性があるといわれます。妊娠中の身体は普段とは違うこともあるので、ツボ押しを試すときは事前に医師に相談してからのほうが安心ですよ。

ハーブティーを飲む

ハーブのなかには、子宮収縮をうながす可能性があるものも存在します。早産のリスクがある妊娠36週までは注意が必要ですが、妊娠37週以降ならば楽しめます。ハーブティーのなかでも、ママに人気があるといわれているのが「ラズベリーリーフティー」です。

ラズベリーには子宮筋や骨盤の筋肉を調整する作用があるといわれています。安産や陣痛促進を願うママが試すこともあるようです。ハーブティーが陣痛をうながすという医学的なメカニズムは明らかではありませんが、身体の血行を良くしたり、精神的なリラックスにつながったりすることもあります。陣痛が起こるまで毎日のティータイムを楽しんでも良いでしょう。

ジンクスを試す

陣痛をうながすとされるジンクスもあります。たとえば焼肉を食べると陣痛が起こる、カレーなどのスパイス料理を食べると陣痛が起こるというものです。また、オロナミンCを飲むと陣痛が起こりやすいといったジンクスもあるようです。

これらのジンクスに医学的根拠はありませんが、いつもよりちょっと豪華な食事をすることで、精神的なリラックスが得られるかもしれません。ゲン担ぎだと思って楽しみながら、限られたマタニティライフをゆっくり過ごせると良いですね。

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陣痛待ちのイライラ・疲れの緩和法

アロマを楽しむ

「アロマテラピー」という言葉もあるように、心地の良いアロマは心身をリラックスさせ、ストレスを軽減してくれることがあります。妊娠中は皮膚が敏感になることもあるので、精油をつかった塗布やマッサージは避け、香りを楽しむ程度にしたほうが良いかもしれません。

アロマのなかには、陣痛をうながしたり痛みを緩和したりするといわれているものもあります。たとえば、クラリセージやジュニパーなどです。また、イランイランやローズは痛みを緩和することが場合もあります。ラベンダーやカモミールは緊張を和らげる効果があるといわれています。アロマテラピーではリラックスすることが大切なので、効能ではなく自分の好みを重視しても良いですね。

呼吸法を練習する

陣痛が強くなると、深く呼吸することが難しくなることもあります。出産中もできるだけ楽に呼吸ができるように、呼吸法をマスターしておくのもひとつの手です。上手に呼吸できれば、赤ちゃんに十分な酸素が届くだけではなく、身体がリラックスして陣痛の痛みから気をそらすこともできるかもしれません。

陣痛が弱い段階では、鼻から吸ってゆっくり口から吐くようにします。陣痛がひどいときには「ふーふー」と吐いて、呼吸のリズムを整えます。そして陣痛のピーク時には「ヒッヒッ」と短く吐き、続けて「ふーッ」と長めに吐いて身体を弛緩させるようにします。陣痛待ちにイメージトレーニングしておけば、いざというとき役に立つかもしれません。

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赤ちゃんの小物を作る

赤ちゃんが産まれると、授乳やお世話でゆっくり時間が取れなくなることもあります。陣痛待ちはママに与えられた「好きなことをできる時間」だととらえて、趣味を楽しんでみても良いですね。好きなことに集中すれば、イライラや疲れが取れるかもしれません。

手作りが好きなママは、赤ちゃんにプレゼントできるような小物を作ってみてはいかがでしょうか。毛糸の帽子や靴下、布製のスタイ、抱っこひものよだれカバーなどをハンドメイドするママも増えているようです。小物ではなくても、手紙を書いたりアルバムを用意したりしても良いですね。赤ちゃんのことをゆっくり考えて作業をすると、いつのまにか心身がリラックスできることもありますよ。

気にしすぎないで陣痛を待とう

陣痛待ちが続くと、ママは毎日ソワソワしてなかなか落ち着くことができないかもしれません。でも赤ちゃんはしっかりママの子宮で準備を進めている途中です。あせってストレスをためるよりは「赤ちゃんが出たいときに出るのだ」と心に余裕を持って気にしすぎないようにしたいですね。

陣痛待ちをイライラと過ごさないために、できるだけリラックスできる時間を持つようにしましょう。アロマや好きな音楽、軽い運動などで気分を変えても良いでしょう。赤ちゃんと出会う感動のときまで、心穏やかにゆっくりじっくり待てると良いですね。

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