前駆陣痛から本陣痛までの期間は?前駆陣痛~出産までの流れ|産婦人科医監修
産婦人科医監修|臨月になりそろそろ出産が近づくと、前駆陣痛といって陣痛に似た痛みを感じることがあります。赤ちゃんが生まれるのではと不安になりますが、前駆陣痛とはどのようなものなのでしょうか。前駆陣痛から本陣痛までの期間はどのくらいなのでしょうか。ここでは、前駆陣痛から出産までの流れについて産婦人科医監修で解説します。
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この記事の監修
目次
前駆陣痛とは
本格的な陣痛が始まる前に、子宮が収縮することで起こる腹痛や腰痛を「前駆陣痛」といいます。
不規則な子宮収縮
出産につながる本陣痛では間隔が決まっていますが、前駆陣痛は不規則です。強くなったり弱くなったり、時間も縮まったかと思うと遠のいてしまうのが特徴です。
妊娠36~40週未満で起こる
前駆陣痛は、正産期に近い36週から40週未満で起こることが多いです。
痛みの間隔
本陣痛は30分くらいの間隔から、25分20分15分…とどんどん短くなっていきます。それに対し前駆陣痛は、30分、25分、30分…と縮まったり長くなったりします。
時間
前駆陣痛の痛みが続くのは、1時間~数時間程度の場合が多いようです。毎日決まった時間に前駆陣痛が来る人もいれば、不規則に来る人もいます。
痛みの感じ方
本陣痛とは明らかに違う、「陣痛なのかしら」「陣痛かもしれない」という感覚が前駆陣痛の痛みです。出産経験者は「陣痛は絶対にわかるから」と言います。
受診する目安
受診する目安は次のような場合です。
・破水したとき
・胎動を感じないとき
・破水やおしるしがあったとき
・痛みが規則的で強くなっているとき
本陣痛とは
本陣痛とは、出産につながる子宮収縮のことです。
規則的な子宮の収縮
本陣痛は、規則的な子宮の収縮があります。これは、赤ちゃんを子宮から押し出す運動です。
痛みの間隔
次第に痛みの間隔が縮まって強くなっていくのが本陣痛です。痛みがあった時間をメモするか覚えておき、次の痛みとの間隔を計りましょう。
時間
出産までの時間は個人差があります。初産の場合、陣痛を感じてから平均8~12時間かかるといわれています。
痛みの感じ方
本陣痛の痛みの感じ方は人それぞれです。具体的には以下のような痛みだといわれています。
・電気が流れるような腰痛
・生理痛の10倍は痛い下腹部痛
・下痢のような腹痛
一人目、二人目、三人目と出産しても痛みの感じ方は毎回違うそうなので、「これだ」という陣痛の感じ方はなさそうです。
病院へ連絡するタイミング
初産の場合は陣痛からの時間がかかるので、10分間隔になったら受診するようにとの指示があることが多いです。経産婦は出産までの時間が短いので、15分間隔になったら病院に連絡します。
前駆陣痛や本陣痛と胎動の違い
胎動は、お腹の中の赤ちゃんが手足を動かすために起こる感覚になります。ぐにゅーっと動いたり、ぴくぴくしたり、膀胱あたりをぎゅーっと押されるような感覚です。また、胎動は16週から20週に感じ始めます。
ときにはしゃっくりしているようなびくびくした感じもありますし、大きくなると手や足の形がわかるほどに動くこともあります。28週以降の胎児は20~30分の間隔で寝たり起きたりを繰り返しています。
なお、寝ているあいだは胎動がありません。20~30分おきのリズムがあるのは、胎児が元気であるということです。
前駆陣痛から本陣痛までの期間
前駆陣痛から本陣痛までの期間は、2週間~1ヶ月が一般的で個人差があります。このあいだにおしるしや腰痛、お腹の張りといった兆候がみられることも珍しくありません。
陣痛開始から出産までの流れ
陣痛開始から出産までは第一期から第三期の段階があります。各期にかかる時間は個人差が大きいので、参考としてください。
第一期(潜伏期)
陣痛の間隔は5~10分になり、痛みを感じる時間は30~60秒です。子宮口は3~4cm開いています。期間は8~10時間ほどで、まだ動けないほどではなく、話をすることもできます。
第一期(活動期)
陣痛の間隔が2~5分になり、痛みを感じる時間は45~60秒ほどです。子宮口は4~10cm開いています。期間は初産婦で5~7時間ほど、経産婦で2~4時間です。徐々に陣痛の時間が長くなっていき、下腹部や腰に痛みがあります。
第二期(娩出期)
陣痛が続く時間は30~90秒です。間隔は60~90秒ほどで、子宮口は全開になっています。期間は初産婦で45~60分、経産婦で15~30分ほどです。
赤ちゃんが出てくるときに、裂けるような痛みを感じるでしょう。このときにママがいきむことで赤ちゃんが産道へと押し出され、赤ちゃんの全身が出てきます。
第三期
出産してから胎盤を排出するまでの期間です。数分間~30分ほど続きます。
前駆陣痛から本陣痛までに関する体験談
初産では、前駆陣痛から本陣痛まではおよそ1週間。痛みは腰痛がメインで電流を流されるようなビリッとしたものでした。
夜中に痛くなっては遠のく…が繰り返されました。痛みは強いものの、間隔が縮まらずに半日が過ぎ、ついに病院に連絡しました。どうやら、何らかの理由で陣痛がきちんと起きない微弱陣痛だったようです。
二人目は前駆陣痛らしきものがやはり1週間ほど前からあり、40週を過ぎてから毎日夜中に1時間ほどの前駆陣痛がありました。生理痛のような下腹部痛です。出産当日もやはり夜中に痛みがありましたが、また遠のくかもしれないと思って眠りました。
すると、朝の5時に目が覚めるほどの下腹部痛があり、間隔をはかるとすでに15分です。これは陣痛だなと思い、病院に連絡しました。
前駆陣痛は遠のいてしまう…が、本陣痛は近付く
前駆陣痛は徐々に弱くなって遠のいてしまうものですが、本陣痛は時間の間隔が短くなっていきます。ただし、微弱陣痛であることも考えられるので、迷ったときは病院に連絡しましょう。