【産婦人科医監修】おしるしから陣痛までの平均時間は?初産婦と経産婦の違いについて

おしるし・破水・陣痛はお産の兆候のひとつだといわれていますが、それぞれの意味や出産までの流れ、病院に行くタイミングがよくわからないという人は少なくありません。妊婦さんが疑問に思うおしるしの色や量、おしるしから陣痛までの平均時間、おしるしがきたときの過ごし方、初産と経産婦の違いなどについて産婦人科医監修で解説します。

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この記事の監修

藤東 淳也
産婦人科医
藤東 淳也

目次

  1. おしるしとは?陣痛・破水との違いは?
  2. 「おしるし」の色や量、期間などに特徴はある?
  3. おしるしがない人もいる
  4. おしるしから陣痛・出産までの流れ
  5. 初産婦と経産婦のお産の違い
  6. おしるしがきたときの過ごし方
  7. 出血・痛み・胎動に注意!こんなときは病院を受診しよう
  8. おしるしから陣痛までの流れに関する体験談
  9. おしるしがきても慌てず、まずは落ち着こう
  10. あわせて読みたい

おしるしとは?陣痛・破水との違いは?

妊娠36週(妊娠10ヶ月)を過ぎるといつ赤ちゃんが生まれてもおかしくないといわれています。いよいよ出産を迎えるにあたって覚えておきたいキーワードが、「おしるし」「陣痛」「破水」の3つです。

おしるしとは?

「おしるし」という言葉を聞いたことはあっても、おしるしが具体的にどのようなものなのかはよくわからないという方もいるのではないでしょうか。

おしるしはお産の始まりを示すサインのひとつとされており、分娩の準備段階で起こることがある血性分泌物を指しています。「産徴」とも呼ばれるおしるしは、性器出血の一種です。

出産が近づくにつれて子宮口が開くことで、赤ちゃんが入っている卵膜と呼ばれる袋が子宮壁から剥がれ、出血が起こります。おしるしの量や色は人によって異なり、おしるしがない人もいます。

陣痛・破水との違い

「陣痛」は子宮が収縮することで起こるお腹の張りによる痛みです。本格的な陣痛が始まる前にある不規則な「前駆陣痛」と規則的に起こる「本陣痛」があります。前駆陣痛は、生理痛やお腹がきゅーっとなるなる痛みだと表現する人が多いようです。

「破水」は卵膜が破れて羊水が流れ出ることです。羊水は大量に出ることもあれば、尿もれのように少量ずつ出ることもあります。

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「おしるし」の色や量、期間などに特徴はある?

赤ちゃんが包まれている卵膜が子宮の壁から剥がれて血液が流れ、子宮頸管の粘液と混ざった血性分泌液がおしるしです。おしるしの状態には個人差があり、色・量・期間などは人によって異なりますが、粘り気があるのが特徴です。

おしるしの色は、ピンク・茶色・鮮血のような赤・茶褐色など個人差があります。血液とおりものの混ざり具合で、ピンクや茶色といったおしるしの色の差が出るようです。

おしるしの量は一般的に少量ですが、まれに生理のピーク時ぐらい大量に出る人も見られます。粘り気があるため、さらさらの血というよりはどろっとした状態であることが多く、レバーのような血の塊が出た人もいるようです。

期間

おしるしがきてもすぐにお産になるとは限らないため、おしるしの出血が一度止まるのは問題ないとされています。さらさらとした出血がある、出血が2〜3日以上長く続く、血の塊が多いといった場合には、念のため病院に連絡しましょう。

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おしるしがない人もいる

おしるしがないまま陣痛や破水が始まる人もいます。このため「おしるしがないから出産はまだだ」とは限らないでしょう。おしるしは子宮口が開くことで出るとされており、助産師によっては、おしるしの量を見ながら子宮口がどのぐらい開いていているかを予測できる場合もあるそうです。

必ずすべての妊婦さんにあるものではないため、おしるしがない場合も必要以上に心配することはありません。おしるしが少量であれば、見過ごしているケースもあるでしょう。

先輩ママの体験談

私の場合は臨月になっても、おしるしはありませんでした。おしるしがある人もいれば、ない人もいることを知っていたため、それほど心配ではありませんでした。ただしおしるしがきた場合を考えて、妊娠後期は生理用ナプキンを数枚持ち歩くようにしていました。

おしるしから陣痛・出産までの流れ

おしるしから陣痛までの平均は?

おしるしから陣痛まで、平均的にどのくらいの期間があるのかが気になる妊婦さんは多いでしょう。しかし出産は個人差があり、おしるしが来てから陣痛が始まるまでに1週間以上かかる人もいれば、数時間後に陣痛がくる人、おしるしがこないまま陣痛が始まる人もいるため、何日後に始まると定義するのは難しいものです。おしるしの後にすぐに陣痛がこない場合でも、慌てることはないでしょう。

陣痛には2種類あり、不規則に痛みが強まったり弱まったりしながら最終的には痛みが治まる「前駆陣痛」と、定期的に10分程度の感覚で痛む「本陣痛」があります。おしるしの後には前駆陣痛が始まる方が多いようです。

おしるしから出産までの流れは?

おしるしの後に前駆陣痛があり、破水が起こって本陣痛とともにお産が始まるという人もいますが、前駆陣痛や破水などを経験せずにお産が始まる人もいます。出産は個人差が大きく、第一子と第二子ではお産までの流れが違ったという人も珍しくありません。

大まかな流れとしては、おしるしや前駆陣痛がきたらお産のスタンバイをするイメージで良いでしょう。本陣痛や破水があれば、ついにお産が始まります。ただし、本陣痛や破水からお産までの時間も個人差があります。

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初産婦と経産婦のお産の違い

おしるしに関しては、初産婦と経産婦で違いがあるというよりは、個人差があるという方が正しいでしょう。第一子のときにはおしるしがあったが、第二子のときにはなかったという人もいます。

初産婦と経産婦の大きな違いは、陣痛開始から分娩完了までにかかる時間です。個人差はありますが、陣痛開始から分娩完了までの時間が、経産婦は初産婦の半分ほどの時間である場合が多いようです。

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おしるしがきたときの過ごし方

基本的には様子を見るケースが多い

「おしるし」「陣痛」「破水」はお産のサインといわれていますが、病院に連絡するタイミングとしては、10分以内の間隔で定期的な陣痛もしくは破水があった場合としている病院が多いようです。

このため、基本的にはおしるしがきたからといって過ごし方を変える必要はなく、初産・経産婦にかかわらず、すぐに病院に向かう必要はありません。病院に連絡するタイミングや向かうタイミングは、出産予定の病院のルールにしたがってくださいね。

シャワー・入浴など日常生活に支障はない

おしるしが確認できたら、まずは落ち着いて生理用ナプキンなどをあてましょう。前駆陣痛やおしるしの場合は安静にする必要はないといわれており、体調と妊娠の経過に問題がなければ軽い散歩などを行なっても問題ないでしょう。破水していなければ、お風呂に入っても大丈夫ですよ。

ただし、無理はしないようにし、気になることがあれば医師の指示を仰ぎましょう。おしるしの出血が止まらない、激しい痛みを伴う、胎動が少なくなったように感じるといった場合には速やかに受診してください。

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出血・痛み・胎動に注意!こんなときは病院を受診しよう

36週以前の出血

おしるしは性器出血の一種ですが、臨月前の出血は不正出血の可能性があります。合併症などの可能性もあるため、明らかに分娩時期ではないときの性器からの出血は注意が必要です。心配な場合やわからないことがある場合には、自己判断せず病院に相談しましょう。

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大量の出血・ひどい痛み

出血があり、ひどい腹痛(下腹部痛)が続く場合には、「常位胎盤早期剥離(じょういたいばんそうきはくり)」と呼ばれる、出産前に胎盤が剥がれ落ちてしまう病気のおそれがあります。また大量の出血の場合にも病気の可能性が考えられます。多量の血の塊が出るなどおかしいなと感じることがあれば、すぐに病院を受診しましょう。

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胎動が少なくなったように感じる

おしるしの影響で胎動が少なくなることはありません。胎動がいつもより少なくなった、今日は胎動がないと感じる場合は病院を受診しましょう。もともとどのくらいの胎動があり、現在はどのぐらいになったのかを伝えられるように、胎動が始まったら定期的に胎動の様子や時間を記録しておくと良いでしょう。

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おしるしから陣痛までの流れに関する体験談

筆者の体験談

筆者には4人の子どもがいます。おしるしから陣痛までの一連の流れを体験したときもあれば、おしるしに気付かずに陣痛が始まったときもありました。大量の出血が続いて昼に病院へ行き、「まだ産まれないかな」と言われたにもかかわらず、その日の夜には産まれたケースもあり、見事にばらばらでした。

おしるしから陣痛までの流れは個人差がとても大きく、初産婦でも経産婦でも、お産まで時間がかかる人がいるようです。実際にそのときにならないとわからないというのが正しいかもしれません。

おしるしも「あれ、これは血かな」という程度のときもあれば「大変だ、出血している」と騒ぎたくなるほどの出血だったときもあり、見事に4人それぞれの産まれ方でした。初産婦か経産婦かにかかわらず、一番大事なのは、冷静に判断ができるように正しい知識を持つことかもしれません。

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おしるしがきても慌てず、まずは落ち着こう

おしるしは予測ができず、また出血ということもあり慌ててしまう妊婦が少なくないといわれています。全ての人ではないにしろ、多くの人が経験するお産のサインであり、特に「おしるし」であればすぐに陣痛やお産が始まるとも限らないので、まずは落ち着いてくださいね。

妊娠中の出血は不正出血である可能性もあるため、出血量や出血の継続時間、痛みや胎動などを冷静にひとつずつ確認することが大切です。少しでもいつもと違うところや気になることがあれば病院に相談し、必要であれば受診してくださいね。

※この記事は2023年10月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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