【産婦人科医監修】陣痛の始まりと痛みとは?前駆陣痛・本陣痛の時期と長さについても解説!
初めての妊娠、出産はわからないことが多く、不安でいっぱいなのではないでしょうか。出産予定日が近づいてくると、陣痛はいつくるのか、痛みはどのくらいなのか不安になってきますよね。ここでは、陣痛の始まりや痛みの強さ、前駆陣痛・本陣痛の時期と長さについて解説します。
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この記事の監修
目次
陣痛の始まり
陣痛とは?
陣痛とは、どんな状態を指すのでしょうか。お産が始まると、子宮は赤ちゃんを押し出すために、規則的な収縮を繰り返すようになります。この収縮のときに感じる痛みが「陣痛」です。医学的には子宮収縮の間隔が10分となったときを「陣痛発来(じんつうはつらい)」といい、出産の始まり意味します。
陣痛の起こるメカニズム
陣痛の起こるメカニズムはまだはっきりしていません。今のところは、胎盤の寿命によって妊娠を維持する黄体ホルモンが減少すること、子宮の中で赤ちゃんの位置が下がることによって、子宮収縮を促すホルモン「オキシトシン」が分泌され、陣痛が引き起こされるのではないかといわれているようです。
赤ちゃんが生まれたいときに始まる…?
「赤ちゃんの脳から分泌されたホルモンによって陣痛が始まる」という説があります。赤ちゃんが生まれたいと思ったときに陣痛が来るのであれば、気長に赤ちゃんのタイミングを待ってあげたいとも感じられそうですね。
陣痛の痛み
痛みの変化
陣痛の痛みは、お産の始まりから終わりまでずっと同じような痛みではなく、子宮の収縮にあわせ、痛いときと痛くないときが繰り返されます。陣痛の間隔とは、痛みのピークから次のピークまでの時間のことです。産院では、陣痛の間隔が初産婦さんでは10分、経産婦さんでは15分になったら連絡するように指示されることが多いようです。
人によって痛みの場所や程度が違う
陣痛の痛みの場所や程度は、少しずつ変化していきます。軽い生理痛のような不規則な痛みから始まり、次第に強く規則的に痛むようになります。
お産がすすむと赤ちゃんが下りてきて骨盤が押し広げられるため、腰や足の付け根、太ももがギリギリと痛みます。陣痛のときの身体の痛みを「腰が金づちで叩かれるような痛み」と表現するママもいるようです。
赤ちゃんが産まれる直前には、出てくる赤ちゃんの頭に押されて腟口周辺が痛みます。スイカが出てくるような痛みといわれるのは、まさに赤ちゃんの頭が出てくる瞬間のことなのでしょう。
第一子出産と第二子出産で違うことがある
陣痛の痛みは、第一子の出産と第二子の出産で異なるのでしょうか。陣痛の痛みは個人差があることが大前提ですが、初産でも2回目以降の出産でも同じように痛いものです。しかし、一度陣痛の痛みを知っている経産婦さんのほうが、痛みの度合いとお産の進み方を知っているため、陣痛を経験していない初産婦さんに比べると少しだけ楽に感じる、という意見もあります。
どのくらい痛みが強くなるのかわからないよりも、一度経験してわかっているほうが、気持ちに余裕が生まれるからなのかもしれません。
前駆陣痛と陣痛の起こる時期
妊娠36週~40週未満の臨月に前駆陣痛が起こる
前駆陣痛は、妊娠36~40週頃の臨月に入ってから起こることが多いようです。ただし、臨月に入る前からすでに前駆陣痛が来ていた人もいれば、本陣痛が来る前日に前駆陣痛が来た人、前駆陣痛がなかった人もおり、個人差があります。本陣痛は出産間近に起こるものではありますが、前駆陣痛を感じてから本陣痛が始まるまでの期間や、起こるか起こらないかは、人によって違ってきます。
前駆陣痛から本陣痛までは2週間~1ヶ月くらい
前駆陣痛があってから、2週間~1ヶ月くらいで本陣痛が来ることが多いようです。長い期間で前駆陣痛が続くと、精神的に疲れてくるかもしれません。出産への気持ちに焦りがでたり、再び陣痛ではなかったことに落ち込んだりしたら、ウォーキングなどの気分転換をすると良いでしょう。
前駆陣痛後、すぐに本陣痛が始まる人もいる
前駆陣痛が来たあとに本陣痛が始まった、という人もいるようです。前駆陣痛から本陣痛への流れは個人差があり、すぐに本陣痛につながることがあれば、しばらくは本陣痛が来ないこともあります。
陣痛の間隔と長さ
陣痛の間隔
本陣痛の痛みの間隔は規則的で、徐々に間隔が短くなっていくのが特徴です。痛みの間隔が短くなるほどお産が近い証なので、最初は長かった間隔が20分、10分、5分と少しずつ短くなります。
一方、前駆陣痛は痛みの間隔が不規則で安定していません。規則的に強い痛みは感じないので、ただの下腹部痛と勘違いし、前駆陣痛が起こっていると気づかない人もいます。
陣痛の長さ
痛みを感じる時間の長さは、1分前後と一定です。子宮口の開き具合が大きくなるほど痛みを感じる間隔は短くなり、子宮口が完全に開ききる頃には2分に1回の間隔で痛みを感じるでしょう。赤ちゃんが産まれる直前はほとんど痛みの時間でつらいでしょうが、赤ちゃんに会えるまであとわずかです。
病院へ連絡するタイミング
一般的に、初産婦が病院に連絡するタイミングは、陣痛の痛みの間隔が10分になった頃です。経産婦は陣痛が始まると急速に子宮口が開いていく傾向にあるので、15分間隔程度で病院に連絡するようにしてください。もともとの頸管長や張りの強さ、前回のお産の進み具合によっては、陣痛らしい痛みを感じた時点ですぐに病院に来るように言われることもあります。
後陣痛とは?
出産直後から感じる痛み
後陣痛とは、出産直後からママの子宮がもとの大きさに戻ろうと急激に収縮するときの痛みです。経産婦、赤ちゃんが大きかった人、多胎妊娠だった人など、子宮に大きな負担がかかった人は、後陣痛がより強く痛くなる傾向にあります。授乳のときに出るホルモンである「オキシトシン」が分泌されると子宮の収縮が促されるので、授乳するとより強い痛みが出ることもあります。
また、無痛分娩で出産したママは陣痛のピークを経験しないため、後陣痛の痛みを強く感じやすいようです。あまりに痛みが強くて耐えられないというときには、お医者さんや看護師さんに相談しましょう。授乳中でも服用できる鎮痛剤を処方してもらえたり、子宮収縮剤を処方されているママは、服用をやめることができたりする場合もあります。
痛みが強すぎる場合に考えられる原因として、子宮やその周辺が炎症を起こしていたり、下腹部に痛みが出る病気にかかっていたりすることも考えられます。痛み方が普通ではないと感じたら、我慢せずに伝えてくださいね。
後陣痛の始まりとピーク
後陣痛の始まりは出産直後からで、一般的に出産当日から翌日にかけて痛みが最も強く出るようです。多くのママは3~4日で痛みが引くようですが、1週間ほど続くこともあり個人差があります。また、初産の場合は痛みを感じないママもいるようです。
筆者の場合は、出産直後からの授乳時が本当に痛く、毎回授乳するのがこわかったです。でも、後陣痛の痛みは3日で治まりました。
初産婦と経産婦の痛みの違い
比較的初産の方は痛みが軽く、経産婦の方が強い痛みを感じる場合が多いようです。初産の場合は陣痛開始から出産まで長い時間がかかるために、出産後の子宮の収縮も長い時間をかけて行われます。2人目以降の経産婦の出産だと、子宮が出産を経験しているために、陣痛開始から出産までの時間が短くなることが多く、子宮の収縮が早くなります。
出産が短時間だと、子宮への負担が大きくなるので、経産婦の子宮収縮の力は強くなります。そのため、子宮が収縮する際に起こる後陣痛が初産婦より強く出るようです。
陣痛の痛みは想像を超える痛み
筆者が体験したお産は、一般的な流れのものでした。夜中の3時に弱い陣痛が来て、6時には陣痛の間隔が10分になったため病院に向かいました。ここまでは、まだ痛みに耐えることができていましたが、病院についてからは、痛みで朝ごはんも食べられないほどになっていました。
それからゆっくりと子宮口開大が5cmまで進み、痛みがさらに増してからはお産が早く進んで子宮口が全開になったので、トータル7時間での出産になりました。子宮口の開きが5cmになってからは、痛みよりも産まれることの楽しみのほうが大きかったです。
最もつらかったのは、痛みの終わりが見えない陣痛に耐えている時間でした。痛みのピークを何回乗り越えても、子宮口がなかなか開いてくれないときが一番つらかったです。筆者の場合は子宮口が開くのが遅かったのですが、親戚のママの場合は、お産前の内診ですでに子宮口が開いていたことや、破水からの陣痛だったことで、子宮口の開きが早かったみたいです。
陣痛の痛みは命の尊さを教えてくれる
陣痛の痛みは経験してみないとわからない痛みで、できたら体験せずに出産したいという方も多いでしょう。しかし、頑張って痛みに耐え抜いた後に赤ちゃんが産まれたときの感動は、それまでに経験したことのない素晴らしものと感じますよ。