【産婦人科医監修】陣痛の兆候・始まりを見逃さないで!間隔や痛みは?吐き気・腰痛・おりもの・胎動などの前兆を体験談を交えて解説

臨月を過ぎて出産予定日が近づいてくると、陣痛がいつ来るのかとソワソワしてしまいますね。陣痛の予兆や始まりとして、どのような症状があらわれるのでしょうか。陣痛が来た日の体験談を交えながら吐き気や腰痛、下痢、おなら、おりもの、イライラ、前駆陣痛など、陣痛が来る前触れとして起こりやすい身体の変化について解説します。

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この記事の監修

池田 貴子
産婦人科医
池田 貴子

目次

  1. 陣痛とは?始まりから出産までの流れ
  2. 陣痛の前兆の代表格
  3. 下痢・腰痛など陣痛の予兆の可能性がある症状
  4. 陣痛の予兆がない人もいる?【体験談あり】
  5. 初産婦と経産婦で陣痛の兆候が異なる?
  6. 【タクシー・アプリ・入院準備】陣痛前に用意しよう
  7. 陣痛の兆候は人それぞれ
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陣痛とは?始まりから出産までの流れ

陣痛とは?

陣痛とは、赤ちゃんが外の世界に出てくるために子宮筋が収縮することによって起こる痛みです。陣痛は出産予定日の前後2週間以内に始まることが多いといわれていますが、陣痛が短期間だった人もいれば陣痛が長いあいだ続く人もいます。

「陣痛が怖い」という妊婦さんは多いでしょう。痛みの程度や痛みが続く時間など、初産であればさらに不安もありますよね。陣痛から出産までをリラックスして過ごせるよう、対策やイメージトレーニングを検討してみても良いかもしれません。

陣痛の始まり 

妊娠36週以降になると、いつ陣痛が始まるかを予測するために、病院では子宮頸部を診察します。陣痛前の子宮頸部には硬さがあるのですが、出産を迎えるころにはホルモンの影響で唇のようなやわらかさになります。

陣痛の始まりは、弱い痛みで不規則に起こる「前駆陣痛」という場合もありますが、一般的には約10分といった規則的な間隔で痛みがやってくると、本格的な陣痛の始まりとみなされます。

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陣痛の間隔と痛み

正常な分娩であれば陣痛の間隔は10分・5分・3分と、お産が進むにつれてどんどん短くなっていきます。陣痛の間隔がおよそ2分になったときには、赤ちゃんが出てくるための子宮口は全開になり、ママが感じる痛みも強くなります。

このころには、赤ちゃんの頭も下がってきて破水が起こります。破水とは、これまで赤ちゃんを守ってくれていた羊水が外にあふれ出ることです。

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出産までの流れ

出産までの流れは大きく3つに分かれます。まず、規則的で強い陣痛が起こり、子宮口が全開になるまでを分娩第1期と呼びます。次に子宮口が完全に開いてから赤ちゃんが生まれるまでが、分娩第2期。最後の分娩第3期は、赤ちゃんが生まれた後から胎盤が出てくるまでをさします。

分娩にかかる時間は初産婦で平均12~18時間、経産婦は初産婦より短く平均6~8時間といわれています。一般的に初産婦は経産婦に比べて産道が硬くて伸びにくく、赤ちゃんが通るのに時間がかかるためです。

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陣痛の前兆の代表格

おしるし

出産が近くなると、おりものに少量の血が混じったようなものが下着に付いていることがあります。これは分娩が近いことを知らせる「おしるし」と呼ばれるものです。早い人では陣痛が始まる72時間前におしるしがみられることもあります。

筆者の体験談

筆者は計画分娩だったのですが、計画分娩日の2日前に2回のおしるしが来ました。おしるしは1度だけだと思っていたので、2度来て驚いたのを覚えています。その後、陣痛がすぐに来るのではないかとお腹が少し張っただけで身構えていたのですが、結局本格的な陣痛は計画分娩当日まで来ませんでした。今思えば肩に力を入れず、残りわずかな妊婦生活を楽しんだほうが良かったかもしれないなと思います。

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破水

お腹の中で赤ちゃんを包んでくれていた羊水が、外にあふれ出ることを破水と呼びます。破水は、赤ちゃんが出てくる直前の子宮口が全開になったときに起こることが多いですが、それ以外のタイミングで起こることもあります。

陣痛が起こる前に破水が起こることを前期破水と言い、陣痛が始まり子宮口が全開になる前に起こる破水を早期破水と呼びます。破水が起こると陣痛が強まり、お産を進ませる働きをするので、病院以外の場所で破水が起こった場合は、すぐに病院に連絡してください。

破水は一気に多量の羊水が流れ出る場合と、破水したと気づかないほど少量ずつ流れる場合があります。羊水には赤ちゃんを菌から守る働きがあるため、明らかな破水ではなくても破水が疑われるときは、すぐに病院に連絡しましょう。また、破水後は菌を腟内に侵入させないよう入浴は控えることが大切です。

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前駆陣痛

臨月のころには、生理痛のような痛みやお腹の張りを不規則に感じることがあります。これは前駆陣痛といわれ、陣痛の前に起こりやすい兆候です。ただし前駆陣痛を感じたからといって、すぐに本格的な陣痛が始まるわけではなく、不規則な痛みが遠のくこともしばしば。こうしたときは、焦らずに陣痛の間隔をはかってみましょう。

また前駆陣痛は必ずしもすべての人に起こるわけではなく、前駆陣痛がない人や気づかない人もいます。前駆陣痛を感じないからといって、心配しすぎないでくださいね。

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下痢・腰痛など陣痛の予兆の可能性がある症状

腰痛

お腹の中の赤ちゃんが大きくなってくると、腰痛に悩まされるママも多いことでしょう。出産が近づくと赤ちゃんが下がってくるので、人によっては骨盤に負担がかかり、さらに強い腰痛を感じることもあります。

軽いストレッチをしたり骨盤用のベルトを巻いたりすると腰痛が軽減されることもあるので、気になるかたは試してみてください。

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吐き気

妊娠36週頃まではお腹の赤ちゃんが胃を圧迫して、吐き気を感じることがあります。後期つわりと呼ばれることもあるこの症状ですが、出産が近づくと胃のムカムカがとれてスッキリしてきます。胃を圧迫していた赤ちゃんや子宮底の位置が下がっていくためです。

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下痢

赤ちゃんが大きくなると、胃だけでなく腸も圧迫されることがあります。加えてホルモンバランスも大きく変化するため、出産直前に便秘や下痢といったいつもと違う症状を感じるママもいるかもしれません。

もともと便秘気味だった人が快便になるケースや、便だけでなくおならに違和感をおぼえるケースもあるようです。下痢が続く場合は感染性胃腸炎や食中毒の可能性があるので医師に相談しましょう。

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お腹の張り・腹痛

出産予定日が近づくと、お腹の張りやチクチクとした痛みを感じることがあります。規則的な痛みだと陣痛の始まりの可能性がありますが、間隔や時間が不規則で弱い痛みの場合は、前駆陣痛かもしれません。下痢や便秘による腹痛の場合もあるでしょう。

さまざまな原因が考えられるため見分けるのが難しいかもしれませんが、いずれにしろ激しい痛みを感じたときには病院に連絡してくださいね。

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眠気

妊娠後期になり、思うように睡眠がとれないこともあるのではないでしょうか。大きくなってきたお腹の影響で寝る体位が定まらず、激しい胎動によって細切れの睡眠になってしまっているママも多いでしょう。

そのため、眠気やだるさを昼間に感じることもしばしばあるかもしれません。無理をせずに、できたら昼寝などで睡眠を補うようにしましょう。

頭痛

臨月に入るころには妊娠にかかわるさまざまな要素から頭痛が起こることがあります。たとえば、浅い眠りで質の良い睡眠がとれていない場合や、おっぱいがふくらんできたことによって肩こりが生じ、頭痛につながっている場合です。なるべく睡眠をとるようにし、心配な場合は医師に相談するようにしましょう。

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めまい

妊娠直前に限ったことではありませんが、妊娠中は鉄分が不足しがちです。そのため鉄不足の貧血によってめまいを感じることがあります。妊婦健診で定期的に鉄分が足りているかどうかの検査もしますが、日ごろから鉄分は意識してとるようにしましょう。

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イライラ

エストロゲンやプロゲステロンといったホルモンの分泌量の影響で、出産後に情緒不安定になるママの話はよく耳にするかもしれません。出産直前にもホルモンの影響で、イライラを感じるママがいます。初産婦の人は初めてのお産に対する不安によってイライラすることもあるようです。

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恥骨痛

出産前特有の恥骨の痛みは、リラキシンというホルモンの影響で恥骨のあたりがゆるむことから起こります。それ以外にも赤ちゃんの頭がおりてくることで恥骨が圧迫され、痛みを感じる場合があります。

出産前には恥骨だけでなく骨盤あたりもゆるんでくるので、股関節あたりが痛くなる人もいるかもしれません。

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胎動の変化

一般的に出産前は、赤ちゃんの頭が骨盤内に移動することで赤ちゃんの動きが制限されるため、胎動は減ったり弱まったりするといわれています。ただし、これも個人差があり、出産直前でも激しい胎動を感じながら陣痛を迎える人もいます。胎動が激しいとしても気にしすぎないでくださいね。

逆に胎動がまったく感じられなくなった場合には、お腹の中で何らかの異常が起こっている可能性があります。早めに病院に相談しましょう。

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陣痛の予兆がない人もいる?【体験談あり】

陣痛の予兆は個人差があります。予兆を感じることなく、突然破水が起こって陣痛が始まる人もいますし、反対に予兆を数多く感じていても、なかなか陣痛がこない人もいます。出産予定日を過ぎると、陣痛に対してヤキモキしてしまうかもしれませんが、なるべくゆったりとした気持ちで赤ちゃんを迎え入れられるように過ごしたいですね。

先輩ママの体験談

私の場合は切迫早産で妊娠34週から入院していましたが、陣痛の予兆がよくわかりませんでした。自分では前駆陣痛のようなお腹の張りを感じていなかったのですが、機械を使って計測してみるとかなりお腹が張っているときがあると助産師さんに言われて驚いたのを覚えています。

妊娠36週を過ぎたときに陣痛促進剤を6時間以上使ってやっと本格的な陣痛が起こりました。結局、本陣痛が起こる前に破水やおしるしなどはなかったため、個人差があるのだなと思いました。

初産婦と経産婦で陣痛の兆候が異なる?

陣痛の兆候はお産によってそれぞれ違います。初産婦と経産婦で陣痛の兆候が違うのはもちろん、同じ妊婦さんでも一人目と二人目で陣痛が来た日の体調に違いを感じる人も多いでしょう。

ただ一般的に、上の子がいる状態で妊娠している経産婦の人は、初産婦よりも疲れを感じやすく、上の子の夜泣きなどで睡眠を取りづらい場合があるようです。そうした環境の違いが陣痛前の症状の違いにつながることもあるかもしれませんね。

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【タクシー・アプリ・入院準備】陣痛前に用意しよう

陣痛タクシー・子育てタクシーの呼び出し方法を確認

妊婦さんが破水したときにも安心して利用できるのが「陣痛タクシー」や「子育てタクシー」です。利用方法は、専用の窓口に連絡するケースが多いようです。会社によって条件が異なるため、事前に確認しておいてくださいね。携帯電話に専用窓口の電話番号を登録しておくと、安心かもしれません。

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陣痛アプリで日頃の記録を取っておく

陣痛が10分間隔または15分間隔になったら、病院に向かうように告げられている妊婦さんが多いかもしれません。病院に向かうひとつの目安として、普段から自分の陣痛の間隔を記録しておくと良いですよ。陣痛間隔の記録には、手元に置いておくことが多いスマートフォンの専用のアプリが便利ですよ。

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入院準備グッズを再確認

いざ陣痛が始まり、痛みを抱えながら入院準備を再確認するのは難しいですよね。最終確認をすませておくと、いざというときに安心できますよ。特に病院によっては、スリッパやパジャマなどの持ち物に細かな指定がある場合があります。念のため、最終確認をしておくと良いかもしれませんね。

陣痛の兆候は人それぞれ

前駆陣痛やおしるしなどの兆候が出ると、いよいよ陣痛がやってくると感じるママが多いことでしょう。一方で、兆候があるのに陣痛がこないことを心配している妊婦さんもいるかもしれません。人によっては、陣痛の兆候に気がつかないこともあります。兆候を感じないことに対して心配しすぎないようにしましょう。

「焼肉を食べると陣痛が来る」「スクワットをすると陣痛が来る」といった陣痛ジンクスもあります。真偽は定かではありませんが、気負い過ぎずにジンクスを試しながら陣痛を待ってみても良いかもしれませんね。

「陣痛がきたかも」と思ったら、まずは落ち着きましょう。陣痛の間隔を確認し、医師から告げられている「病院に連絡するタイミング」がきたら連絡してくださいね。また不明点や不安があれば、自己判断せず病院に相談するのが安心ですよ。

※この記事は2023年5月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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