【産婦人科医監修】妊娠38週ってどんな時期?前駆陣痛と受診する目安とは?

産婦人科医監修|妊娠38週は、正産期に突入してから2週目になりました。赤ちゃんはお腹の中で外に出る準備をし、会えるのももう少しです。出産の不安でドキドキしたりお腹が圧迫されて夜寝つきにくくなったりしますよ。そんな妊娠38週のママと赤ちゃんの様子と、前駆陣痛について産婦人科医監修記事で解説します。

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この記事の監修

藤東 淳也
産婦人科医
藤東 淳也

目次

  1. 妊娠38週ってどんな時期?
  2. 前駆陣痛とは?
  3. 前駆陣痛から本陣痛まではどれくらいかかる?
  4. こんな症状のときは病院へ
  5. 出産前に好きなことをたくさんしましょう
  6. あわせて読みたい

妊娠38週ってどんな時期?

ママの身体の変化

妊娠38週は、赤ちゃんが下がってきて骨盤が柔らかく開いてきます。そのため、恥骨や股関節が痛くなったり、頻尿になったりするトラブルが増えてきます。その他にも骨盤周辺の神経が子宮によって圧迫されることで、腰回りにしびれを感じることもあります。

足腰が冷えていると骨盤まわりの筋肉が固まり、子宮口が開きにくい状態になるので、お風呂でしっかりと身体を温めて靴下や腹巻などで身体を冷やさないように気を付けましょう。腰回りのトラブルも軽減しますよ。

また、不規則にくる前駆陣痛を感じる妊婦さんが多くいます。この前駆陣痛については、のちほど詳しくご紹介しますね。

足や手のむくみ

妊娠38週のころになると、身体の血流量が妊娠前と比べると3~5割ほど増加してむくみやすくなります。また、お腹が大きいことで腰から下の血流が悪くなり、足がむくんできます。塩分の取りすぎや運動不足もむくみの原因となります。このむくみによって1週間に体重が2~3kg増加してしまうことがあります。この場合はお医者さんに相談し、適切な対策をとるようにしましょう。また、マッサージや足湯など自分でできる簡単なセルフケアも効果的です。

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後期つわりは出産間近の証

妊娠38週のころに、つわりのような吐き気がする妊婦さんがいます。これは「後期つわり」と呼ばれ、妊娠後期に入ってホルモンバランスが変化することと、子宮が大きくなり胃腸を圧迫することで引き起こされます。対策は妊娠初期のつわりと同じように消化の良い食事を少しずつ摂り、食べた後すぐに横にならないことです。

しかし、激しい下痢や脱水症状を伴う場合は感染症を伴っていたり、赤ちゃんに十分な栄養が行き届かなかったりとトラブルを引き起こすことがあるのですぐに病院へ連絡してください。ほとんどの場合は産後自然におさまるので「後期つわり」があるということは、もうすぐ出産だという証のひとつだと割りきって前向きに考えることが大切です。

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赤ちゃんの様子

妊娠38週の赤ちゃんは体長47~49cm、体重2,700~3,200gになり、多くの赤ちゃんが2500g以上の成熟児になります。赤ちゃんの成長や大きさには個人差があり、お医者さんから特に注意がなければ心配する必要はありません。

半透明だった赤ちゃんの皮膚はより厚さを増し、その皮膚の下には脂肪も蓄えています。身体機能はいつ生まれても良い状態に成長します。ママと赤ちゃんをつなぐへその緒は600mmほどの長さになり、1日に約300mLの血液を送るようになっています。

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前駆陣痛とは?

妊娠38週に入ると、前駆陣痛を感じる妊婦さんも多いのではないでしょうか。前駆陣痛は、生理痛のような痛みやお腹の張りといった症状が出てきます。これは、子宮が収縮するためにおこるもので、出産前の本陣痛に慣れる予行演習のようなものです。

だいたい臨月に入ってから前駆陣痛を感じるママが多いのですが、その前から感じる場合もあれば、本陣痛の前日に感じる場合もあります。前駆陣痛の時期と出産の時期はあまり関係がないので、心配いりませんよ。

この後、おしるしや破水が起こり本陣痛が始まったのち分娩へと進んでいきます。少し安静にしていればおさまるような前駆陣痛であれば問題ありませんが、規則的にお腹が張ったり、30分以上続いたりするなどの症状が出ている場合はお医者さんに連絡するようにしましょう。

本陣痛の違いは?

前駆陣痛の特徴は、不規則に痛みがやってくるのと、生理痛に似た痛みやお腹の張りがあることです。一方で、本陣痛になるとその痛みはどんどんと強くなり、また規則的にやってくるようになります。前駆陣痛が始まったらその感覚をはかってみましょう。痛みが不規則であれば前駆陣痛ですし、規則的であれば本陣痛の可能性があります。

本陣痛の場合、最初は30分間隔くらいで痛みがありますが、徐々に間隔が短くなっていきます。初産婦さんの場合、10分間隔になれば病院に連絡をするのが一般的です。経産婦さんの場合は15分間隔です。

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前駆陣痛から本陣痛まではどれくらいかかる?

一般的に前駆陣痛から本陣痛までは2週間から1ヶ月後といわれています。分娩時間は初産婦さんの場合15~16時間、経産婦さんの場合は5~6時間と大きく異なりますが、前駆陣痛から本陣痛までにかかる時間は初産婦さんでも経産婦さんでも違いはないといわれています。また、前駆陣痛を感じることなく本陣痛が始まる妊婦さんや、おしるしや破水などが起こる前日に前駆陣痛がある妊婦さんもいますので、あまり神経質にとらえなくて大丈夫ですよ。

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こんな症状のときは病院へ

ほとんどの場合、安静にしていればおさまる前駆陣痛ですが、次のようなときには病院に行きましょう。

1. 激しい腹痛や、お腹がカチカチに張る症状が長く続く場合。
2. 赤ちゃんの胎動をまったく感じなくなった。
3. 破水やおしるしがある。
4. 痛みが規則的になり強くなってきた(本陣痛の可能性)。

子宮内で赤ちゃんが下に降りてきて、頭が骨盤にすっぽりと入るため動きが取りにくくなり胎動が弱くなると感じることもありますが、それでもまったく胎動を感じなくなることはありません。今まで感じていた胎動をまったく感じなくなった場合は、赤ちゃんの身に何か異変が生じている可能性が高いのですぐに病院へ行きましょう。

出産前に好きなことをたくさんしましょう

赤ちゃんに会えるのももう少しです。楽しみですね。赤ちゃんが生まれると自分の時間が持てなくなってきます。寝不足になるというのもよく聞きます。そのため今のうちに好きなことをたくさんしておきましょう。たとえば旦那さんと一緒に映画を見に行ったり、お友達とレストランに行ったりなど。ゆっくりと時間が持てるのは今のうちだけですよ。

でも油断は禁物です。いつ生まれてもおかしくない時期なので、あまり遠出はせず、母子手帳や保険証などを持ち歩くようにしましょう。

※この記事は2022年5月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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