【産婦人科医監修】修正月齢とは?いつまで?早産児の計算方法&離乳食の始め方を解説

修正月齢とは、赤ちゃんが早産児や低出生体重児で生まれたときに、実際の誕生日ではなく出産予定日から数えた月齢をいいます。早産児や低出生体重児は発達の基準に「修正月齢」を利用するケースがあり、3歳頃まで成長の経過をフォローすることが多くあります。ここでは、修正月齢の計算方法と予防接種や離乳食の進め方について解説します。

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この記事の監修

藤東 淳也
産婦人科医
藤東 淳也

目次

  1. 修正月齢とは?計算方法は?
  2. 修正月齢で数えるのはいつまで?
  3. 修正月齢の予防接種を打つ時期は?
  4. 修正月齢の離乳食を進める時期は?
  5. 修正月齢の赤ちゃんの乳幼児健診は?
  6. 妊娠・育児におすすめのアプリ
  7. あせらずゆっくり成長を見守って
  8. あわせて読みたい

修正月齢とは?計算方法は?

赤ちゃんが早産児や低出生体重児で生まれた場合、生後の日数を修正月齢で数えるケースがあります。ここでは、修正月齢について詳しく解説します。

出産予定日を生まれ日とした数え方

赤ちゃんの誕生日ではなく、出産予定日から数えた月数を「修正月齢」といいます。在胎37週未満で生まれた早産児や、2,500g未満で生まれた低出生体重児(低体重児)の発育基準に使われます。修正月齢に当たる発育基準値と比較して、赤ちゃんの体重や身長が標準範囲かどうかを判断します。

修正月齢の計算方法

修正月齢の計算方法は、実際に生まれた日ではなく出産予定日を基準として数えます。たとえば、出産予定日より2ヶ月早く生まれてきた場合、生後2ヶ月で「修正月齢0ヶ月」、生後半年で「修正月齢4ヶ月」と数えます。

■出産予定日より2ヶ月早く生まれた赤ちゃんの場合

出産予定日から数えた月齢
修正月齢
生後0ヶ月修正月齢マイナス2ヶ月
生後1ヶ月修正月齢マイナス1ヶ月
生後2ヶ月修正月齢0ヶ月
生後3ヶ月修正月齢1ヶ月

修正月齢で数えるのはいつまで?

低出生体重児をいつまで修正月齢で判断するのかについては、明確な基準がありません。乳児期から幼児期前半までは、修正月齢(修正年齢)で発達を診ていくのが一般的です。多くの場合、3歳までには実際の生年月日による評価へと切り替わっていくとされています。

赤ちゃんの成長の推移は発育曲線に記録して、発育のペースを観察していくことをおすすめします。発育曲線には、修正月齢専用のものもあります。母子健康手帳の発育曲線とあわせて活用すると、赤ちゃんの成長がわかりやすいでしょう。

修正月齢の予防接種を打つ時期は?

予防接種ガイドラインによると、早産児や低出生体重児の場合でも出生時からの合併症がないことを確認の上、暦年齢での予防接種が推奨されています。つまり、修正月齢(修正年齢)ではなく、生まれた日から数えた月齢で正期産児と同じように予防接種を進めていくことが推奨されています。

予防接種の中でもインフルエンザは任意接種ですが、早産児や低体重児がインフルエンザにかかった場合、合併症のリスクが高いとされています。そのため、生後6ヶ月以降にインフルエンザにかかる可能性が高い環境にいる場合は、主治医に相談したうえで接種を検討しても良いでしょう。

修正月齢の離乳食を進める時期は?

低出生体重児の離乳食は研究データが少なく、「こうしたほうが良い」という方針が明確にはなっていません。一般的には、修正月齢での離乳食を参考にしながら、発達に合わせて進めていくのが望ましいといわれています。

修正月齢の5~6ヶ月頃から始める

赤ちゃんの離乳食は、出産予定日を基準とした修正月齢の5〜6ヶ月頃から始めるのが一般的です。体重を増やすことよりも「食べる訓練」を始めることが大切なので、あせらずに進めていくと良いでしょう。

出生体重が1,000g未満の超低出生体重児の場合は、修正月齢を用いても摂食機能の発達が遅れがちであるとの報告があります。赤ちゃんの摂食行動は修正月齢だけで判断せず、主治医などと相談して進めていくようにしましょう。

摂食行動がゆっくりでも見守る

低出生体重児は、摂食行動の発達もゆっくりな傾向があります。修正月齢で始めてもうまく進まず、1~2ヶ月ほど基準より遅くなるケースもよく見られます。修正年齢1歳をすぎると基準に近くなっていく赤ちゃんが多いので、あせらずにゆっくり見守っていきましょう。

修正月齢の赤ちゃんの乳幼児健診は?

早産児や低出生体重児の場合、一般的な月齢で数えると周囲の赤ちゃんよりも身体が小さかったり発達がゆっくりだったりする傾向にあります。そのため、市町村の乳幼児健診に行かなければならないのか迷うママやパパも少なくありません。

乳幼児健診では、発達のスクリーニング以外にもさまざまな情報が提供されます。生後4ヶ月健診や生後1歳半健診などは、修正月齢で受けられるよう各自治体に尋ねてみても良いでしょう。乳幼児健診は赤ちゃんの発達以外にも、ママやパパの心配ごとを相談してみる場としても非常におすすめです。3歳児健診のころには修正月齢でなくても受診できるようになる子どもが増えます。

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妊娠・育児におすすめのアプリ

母子健康手帳アプリ →「修正月齢対応グラフ」対応

引用元:mamanoko.jp

内閣府・日本産婦人科医会・日本小児科医会などが後援しているアプリです。赤ちゃんの成長に合わせて、必要な情報が自治体や病院などから定期的に届きます。修正月齢のグラフにも対応しているので、出産予定日を基準とした発達目安を確認することができますよ。

ままのてアプリ

引用元:play.google.com

アプリを見れば、子どもの週数や成長がすぐにわかる仕様です。育児に役立つ情報が、赤ちゃんの成長に合わせて毎日届くのも嬉しいですね。医師監修のQ&Aや、先輩ママの体験談は妊娠期や育児の不安に役立ちますよ。

あせらずゆっくり成長を見守って

早産児や低出生体重児で生まれた赤ちゃんは、出産予定日から計算した「修正月齢」で発達を診るのが一般的です。同じ月齢の子どもと比べて身体が小さめだったり発達がゆっくりだったりする場合がありますが、ママやパパは不安になる必要はありません。かかりつけ医に相談しながら、あせらずゆっくりと赤ちゃんの成長を見守っていきましょう。

※この記事は2020年9月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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